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吃音とは?子どもの言葉がつまる・くり返すときの原因と相談の目安、家庭と園・学校でできる関わり【2026年版】

吃音とは 子どもの言葉がつまる・くり返すときの原因と関わり方
ユイン
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「最近、『ぼ、ぼ、ぼくね』と最初の音をくり返すようになった」「言葉が詰まって、顔をしかめながら話している」。わが子の話し方が急に変わると、「育て方が悪かった?」「このまま治らなかったら?」と不安になるご家族は少なくありません。

こうした話し方は、吃音(きつおん)かもしれません。吃音は2〜4歳ごろに始まることが多く、決してめずらしいものではありません。この記事では、吃音の3つの症状、ふつうの言いよどみとの違い、どのくらいの子にあるのか、原因、相談の目安、治療と支援、家庭でできる関わり方、園や学校でお願いできる配慮を、国の研究班の資料をもとに、ご家族向けにやさしくまとめました。

この記事でわかること
  • 吃音の3つの症状と、ふつうの言いよどみとの違い
  • どのくらいの子に見られ、どのくらい自然に治るのか
  • 原因としてわかっていること(育て方のせいではない理由)
  • 専門家に相談したほうがよい目安と、相談先
  • 家庭でできる関わり方と、してしまいがちなNG対応
  • 園や学校でお願いできる配慮と、よくある悩みへの対応の例
先にお伝えしたいこと

この記事は一般的な情報で、診断の代わりにはなりません。気になるときは、小児科や耳鼻咽喉科、言語聴覚士のいる医療機関、市区町村の保健センターなどに相談してください。また、吃音は親の育て方やしつけが原因で起こるものではありません。

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結論|吃音で最初に知っておきたい5つのこと

先に要点を並べます。

どんな状態?話すときに音をくり返す・引き伸ばす・詰まって出てこないことが、ふつうより多く起こる状態
どのくらい?2024年の国内の調査では、3歳までに約11人に1人(8.9%)が吃音の症状を経験していた
原因生まれつきの体質(遺伝的な要因)が大きいと考えられている。育て方のせいではない
自然に治る?幼児期に始まった吃音の7〜8割は自然に治るとされる。ただし、どの子が治るかは前もってわからない
相談の目安始まってから1年以上続いている、4歳を過ぎている、苦しそう、本人が気にしているときは専門家へ
「様子を見る」だけで終わらせない

吃音は自然に治ることが多い一方で、放っておいてよいわけではありません。国の研究班のガイドラインでは、すべての子に何らかの対応(経過を見守ることも含む)が必要としています。家庭での関わり方を知り、いつ再び相談すればよいかを決めておくことが大切です。

吃音とは|3つの症状

吃音は、のどや口に病気がないのに、話すときになめらかに言葉が出にくくなる状態です。医学的には「吃音症」と呼ばれ、以前は「どもり」と言われていました。幼児期に始まるものの多くは、発達の途中で起こる発達性吃音です。吃音全体の約9割がこのタイプで、10代後半以降に病気やけが、強いストレスなどをきっかけに始まる獲得性吃音とは区別されます。この記事では、子どもの発達性吃音について説明します。

吃音には、次の3つの特徴的な症状があります。

吃音の3つの症状の図。くり返し(連発)、引き伸ばし(伸発)、ブロック(難発)と、一緒に出ることがある体の動き

図:吃音の3つの症状

症状例と特徴
1. くり返し(連発)「か、か、か、からす」のように、言葉の最初の音や一部をくり返す
2. 引き伸ばし(伸発)「ぼーーくはね」のように、最初の音を不自然に長く伸ばす
3. ブロック(難発)言いたい言葉は決まっているのに、最初の音が出てこない。「……っ、こんにちは」のように詰まる

症状は言葉の最初に出やすいのが特徴です。また、言葉を出そうとしてまばたきをする、顔をしかめる、首をふる、手足を動かすといった体の動きが一緒に出ることもあります。これを随伴症状と呼びます。

症状には波がある

幼児期の吃音は、まったく出ない時期が数週間〜数か月続いたあと、また出てくることがよくあります。興奮しているときや、急いで話したいときに出やすくなることもあります。診察室では症状が出ないことも多いので、家で話している様子を動画で撮っておくと、相談のときに役立ちます。

吃音と「ふつうの言いよどみ」の違い

言葉が急に増える2〜3歳ごろは、吃音がなくても話し方がなめらかでないことがよくあります。「えーと、えーと」「おかあさん、おかあさん、おかあさんがね」のような言い方は、ふつうの発達の範囲でも見られます。

ふつうの言いよどみと吃音のちがいを比べた図。くり返す単位、よくある形、話すときの力み、本人の様子

図:ふつうの言いよどみと吃音のちがい

比べる点ふつうの言いよどみ吃音
くり返す単位「おかあさん、おかあさん」のように言葉ごと「お、お、おかあさん」のように音や言葉の一部
よくある形「えーと」「あのー」を入れる、言い直す音の引き伸ばしや、音が出てこないブロック
話すときの力み力は入っていない口に力が入る、まばたき・顔をしかめるなどが出ることも
本人の様子気にせず話し続ける「言えない」と言う、話すのをやめてしまうことも

見分けるのが難しいことも多いので、迷うときは自分で判断せず、専門家に見てもらうのが安心です。

数字で見る吃音|何人に1人?自然に治る?

国立障害者リハビリテーションセンターなどの研究グループは、2024年に、3歳児健診を受けた約2,000人の子どもを対象とした調査の結果を発表しました。

数字で見る吃音の図。3歳までに8.9%が経験、2〜4歳に始まりやすい、7〜8割は自然に治る、1%前後は学齢期以降も続く

図:数字で見る吃音

3歳までに経験8.9%(約11人に1人)。調査の時点で症状があった子は6.5%
始まる時期2〜4歳ごろが多く、約9割は4歳までに始まる
始まり方少しずつ増えることもあるが、約4割はある日急に始まる
自然に治る割合7〜8割。始まってから2〜3年のあいだに治ることが多い。3年で男の子は約6割、女の子は約8割が治るという報告もある
大きくなっても続く子ども全体の1%前後は、学齢期以降も吃音が続く
男女の違い始まるときの男女差は小さいが、女の子のほうが治りやすく、大人では男性が多い

この調査では、3歳で吃音があった子は、ない子に比べて家族に吃音のある人がいる割合が高い(27.4%と10.4%)こともわかりました。

治るかどうかのサイン

ガイドラインでは、始まってから1年以内に症状が軽くなっていくことが、自然に治るかどうかを見る大切な手がかりとされています。反対に、1年たっても症状が強いままのときは、吃音が続きやすいとされています。

原因|育て方のせいではありません

吃音の原因は、まだすべてが解明されたわけではありません。ただ、近年の研究で、吃音が起こる要因の大部分は生まれつきの体質(遺伝的な要因)と考えられるようになりました。双子の研究などから、遺伝的な要因が7割程度以上を占めると推測されています。

かつては、「親が子どもの言いよどみを気にして指摘するから吃音になる」という考え方が広まっていた時代がありました。しかし、この説は現在では否定されています。それでも「私の育て方のせいかもしれない」と自分を責めてしまう保護者は、今も多いと言われています。

「気づかないふり」もしなくて大丈夫

昔の考え方の名残で、「吃音には触れず、気づかないふりをするのがよい」と言われることがあります。でも、子どもは小さくても自分の話し方に気づいていることが多く、大人が触れずにいると、「吃音は話してはいけないことなんだ」と感じて、困ったときに相談できなくなることがあります。本人が気にしているときは、「言いにくかったね」と受け止めてあげてください。

症状が出やすくなるきっかけはある

原因ではありませんが、急いで話さなければならない、興奮している、緊張しているといった場面では、症状が出やすくなることがあります。言葉が急に増える時期や、生活の大きな変化(入園、きょうだいの誕生、引っ越しなど)のあとに目立つこともあります。こうしたきっかけを減らすことは、家庭でできる工夫のひとつです。

年齢による変化|幼児期と学齢期

吃音は、年齢とともに本人の受け止め方や困りごとが変わっていきます。

時期見られやすい様子
幼児期(2〜6歳)くり返しから始まることが多い。2〜3歳ごろから自分の話し方に気づき始めるが、しばらくは大きく困っていないことも多い
小学生音読・発表・日直・号令など、決まった言葉を言う場面で困りやすい。九九の暗唱、学習発表会、卒業式のセリフも負担になりやすい。まねをされる・からかわれることも出てきて、クラス替えのたびに同じことがくり返されることもある
中学生以降言いにくい言葉を別の言葉に言いかえる、話す場面を避けるなど、吃音をかくす工夫が増えることがある。外からは話せているように見えても、「また詰まるかも」という不安(予期不安)を抱えていることも。自己紹介、発表、面接、電話が負担になりやすい

ガイドラインでは、学齢期になると自然に治る割合が下がり、治療の効果も出にくくなりやすいとしています。そのため、できれば小学校に入る前に、吃音が治るか軽くなることをめざして対応するのがよいとされています。

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自閉スペクトラム症・ADHD・言葉の遅れとの関係

吃音は、ほかの発達の特性と一緒に見られることがあります。

特性ポイント
ADHD吃音のある子の一部にADHDがあるという報告がある。ADHDの薬で吃音が出やすくなることがあるとされるので、吃音があることを主治医に伝えておく。ADHD(注意欠如・多動症)とはも参考に
自閉スペクトラム症話し方の特徴が吃音と似て見えることがある。自閉スペクトラム症(ASD)とはも参考に
言葉の遅れ・発音言葉の発達や発音の苦手さがあるときは、吃音と合わせて評価してもらう。言葉の遅れが気になるときも参考に
場面緘黙吃音は「話そうとしても言葉が出にくい」、場面緘黙は「特定の場面で声が出ない」状態で、別のもの。場面緘黙とはも参考に

なお、日本の制度では、吃音も発達障害者支援法の対象として扱われています。学校では、言語障害の通級指導教室(ことばの教室)で支援を受けられることがあります。

相談の目安と相談先

吃音は自然に治ることも多いため、「様子を見ましょう」と言われることがよくあります。国の研究班のガイドラインでは、次のような目安で専門家(言語聴覚士など)につなぐことを勧めています。

吃音で専門家に相談する目安の図。始まって1年以上、4歳を過ぎている、話すのが苦しそう、本人が気にしている

図:専門家に相談する目安

こんなとき対応の目安
始まってから1年以上たっている言語聴覚士など、吃音に詳しい専門家にくわしく見てもらう
4歳を過ぎている同じく、専門家への相談を考える
話すのが苦しそう・本人が気にしている力みや随伴症状が強い、「言えない」と言うときは、早めに相談
軽い症状で、1年以内・4歳未満家庭での関わり方を教わり、数か月ごとに様子を確認。良くならなければ専門家へ

ほかの発達の心配があるとき、保護者の不安がとても強いときも、早めに専門家につないでもらってよいとされています。

園の学年でみる目安

ガイドラインの考え方を、園の学年に当てはめると次のようになります。年齢はあくまで目安で、本人の様子とあわせて判断します。

学年考え方
年少まで(〜4歳ごろ)家庭での関わり方を整えながら経過を見るのが基本。気になれば小児科や保健センターへ
年中(4〜5歳)吃音が続いていれば、専門的な支援を始めるかを検討する時期
年長(5〜6歳)小学校入学の前に、支援を始めることが勧められる時期

主な相談先

最初の相談かかりつけの小児科・耳鼻咽喉科、市区町村の保健センター(乳幼児健診のときに相談するのもよい方法です)
くわしい評価・訓練言語聴覚士がいる医療機関(耳鼻咽喉科・リハビリテーション科など)
就学前地域の幼児ことばの教室、児童発達支援センター
そのほか発達障害者支援センター(家庭での関わり方の助言や、医療・福祉の紹介)、言語聴覚士の養成をしている大学の相談室
就学後小学校の通級指導教室(ことばの教室)。就学相談のときに相談することもできます
相談の前にメモしておくとよいこと

いつごろ始まったか、どんな症状か(くり返し・引き伸ばし・詰まり)、どんな場面で出やすいか、本人が気にしている様子があるか、家族に吃音のある人がいるか。あわせて、家で話している様子の動画があると伝わりやすくなります。

治療と支援の方法

幼児期の吃音には、今世紀に入ってから、有効率7割ほどの治療法が複数確立されています。主に言語聴覚士が、本人とご家族と一緒に進めます。

方法1

環境調整

家庭や園での関わり方を見直し、子どもが楽に話せる環境を整えます。大人がゆったり話す、話す順番をゆずる、質問ばかりにしないなどの工夫です。多くの場合、まずここから始めます。

方法2

リッカム・プログラム

オーストラリアで生まれた幼児向けの方法です。保護者が言語聴覚士の指導を受けながら、家で毎日短い時間、なめらかに話せたことをほめるなどの関わりをします。研修を受けた言語聴覚士だけが行えます。

方法3

環境調整と話し方の練習を組み合わせる方法

子どもの話す力と、周りからの「話す負担」のバランスを整える考え方にもとづき、環境調整と、ゆったりとした楽な話し方の練習を組み合わせます。日本でも、この考え方をもとにした方法が研究されています。

方法4

学齢期以降の支援

ことばの教室などで、楽に話す練習に加えて、吃音について正しく知る、自分の気持ちを話す、同じ吃音のある仲間と出会うといった支援が行われます。吃音があっても自分らしく話せることを大切にする考え方です。

どの方法が合うかは、年齢や症状、家庭の状況によって違います。地域によっては吃音に詳しい専門家が少なく、予約までに時間がかかることもあるので、気になったら早めに問い合わせておくと安心です。発達全体の様子も見たいときは、発達検査や療育の記事も参考にしてください。

家庭でできる関わり方

家庭での関わりは、吃音のある子が安心して話すための土台になります。大切なのは、話し方ではなく、話している中身に耳を傾けることです。

吃音のある子への家庭での関わり方の図。最後まで聞く、大人がゆったり話す、話す順番を守る、気持ちを受け止める。避けたいことも

図:家庭でできる関わり方

関わり1

最後まで聞く

言葉に詰まっても、先回りして言葉を言ってしまわず、目を見て、うなずきながら最後まで待ちます。「何を話してくれるのかな」という気持ちで聞くのがコツです。

関わり2

言い直しや練習をさせない

「もう一回ゆっくり言ってごらん」「落ち着いて」と言い直しをさせると、子どもは「自分の話し方はダメなんだ」と感じ、話すこと自体が嫌になることがあります。

関わり3

大人がゆったり話す

子どもに「ゆっくり話して」と求めるのではなく、大人の側が少しゆったりしたテンポで話すようにします。短くわかりやすい言葉で話しかけるのも効果的です。

関わり4

話す順番を守る

家族がいっせいに話すと、子どもは急いで割り込もうとして話しにくくなります。一人ずつ順番に話す、子どもが話しているときは途中で口をはさまないことを、家族で意識してみてください。

関わり5

質問ばかりにしない

「今日は何したの?」「誰と遊んだの?」と質問が続くと、答える負担が大きくなります。子どもがしていることを大人が言葉にする(「赤いブロックを積んでるね」)など、答えなくてもよい話しかけを増やします。

関わり6

気持ちを受け止める

本人が「言えなかった」と言ったときは、「言いにくかったね」「最後まで言えたね」と気持ちを受け止めます。吃音のことを家族と話してよいと感じられることが、本人の安心につながります。

こんな対応は避けましょう
  • 話し方を笑う、まねをする、注意する
  • 「深呼吸して」「落ち着いて」と話し方を指示する
  • 詰まっている言葉を代わりに言ってしまう
  • 人前で話すことを無理にさせる、反対に話す機会を取り上げる
  • 詰まっているときに、心配そうな顔や困った顔を見せる
ほめ方と、症状が多い日の工夫
  • なめらかに話せたことではなく、伝えたいことを伝えられたことを認める
  • 話の中身をくり返したり、まとめて返したりして、「ちゃんと伝わったよ」と感じられるようにする
  • 吃音が多く出ている日は、説明を求める質問や、答えるのが難しい質問を控えめにする
  • 話し方以外の得意なことをほめる機会を増やし、自信を育てる
  • 祖父母や園の先生にも、同じ接し方をお願いしておく

園・学校にお願いできる配慮

園や学校の先生が、吃音について詳しく知っているとは限りません。家での様子や、本人が困っていることを、ご家族から先生に伝えることが支援の第一歩です。配慮の内容は、本人と相談しながら決めるのが基本です。

吃音のある子のために園や学校にお願いできる配慮の図。急かさず待つ、音読・発表、日直・号令、からかいを止める、相談できる人、ことばの教室

図:園・学校にお願いできる配慮

場面お願いできる配慮の例
話すとき全般言葉に詰まっても急かさず最後まで待つ。話し方ではなく内容に注目してもらう
音読・発表誰かと一緒に読む(斉読)、指名の順番や方法を本人と相談して決める
日直・号令・健康観察言いやすい言い方に変える、二人で一緒に言うなど、やり方を工夫する
からかい・まねまねやからかいがあったら、先生がすぐに止める。必要に応じて、クラスに吃音のことを伝える(本人の了解を得て)
劇・行事学習発表会や卒業式のセリフを言いやすい言葉に変える、友だちと一緒に言う
相談の場困ったときに伝えられる相手を決めておく。ことばの教室の利用も相談できる
新学期・クラス替え担任が替わるたびに、吃音のことと、これまでの配慮を引き継いでもらう
クラスの子に伝えるときのポイント

からかいやまねが起きる前に、先生からクラスに吃音のことを伝えてもらう方法もあります。本人の了解を得て、本人の気持ちを大切にしながら、たとえば次のようなことを伝えます。

  • 口や舌に病気があるわけではない。緊張やあわてることが原因でもない
  • くり返しながら話すのは、そのままでいい。無理に止めようとすると、かえって話しにくくなる
  • まねをしたり、笑ったりしないで、最後まで聞いてほしい
  • 吃音があっても、人前で話す仕事をしている人はたくさんいる

障害者差別解消法により、学校には合理的配慮の提供が求められています。2024年4月からは私立の学校や園でも義務になりました。入試の面接でも、事前に吃音のことを伝えておくと、時間に余裕を持たせてもらうなどの配慮を受けられることがあります。「こうしてもらえると助かる」という具体的なお願いを、遠慮せず伝えてみてください。

ご家族からよく聞かれる悩みと対応の例

悩み1

「急に吃音が始まった。私のせい?」

吃音は2〜4歳ごろに、ある日急に始まることもめずらしくありません。原因の多くは生まれつきの体質で、育て方のせいではありません。自分を責めるより、家庭でできる関わり方を知ることに力を使ってください。

悩み2

「症状が出たり消えたりして、相談すべきかわからない」

吃音には波があるのがふつうです。始まった時期と、症状の変化をメモしておき、1年たっても続いている、4歳を過ぎた、苦しそうといった目安に当てはまったら相談しましょう。迷ったら早めに相談しても大丈夫です。

悩み3

「つい『ゆっくり話して』と言ってしまう」

よかれと思って言ってしまうのは自然なことです。気づいたら、大人の側がゆったり話すことに切りかえてみてください。言ってしまったあとでも、最後まで話を聞いて、「教えてくれてありがとう」と伝えれば大丈夫です。

悩み4

「園でお友だちにまねをされたらしい」

まずは本人の気持ちを聞き、話してくれたことを受け止めます。そのうえで園の先生に伝え、まねやからかいがあったときの対応をお願いしましょう。子どもに悪気がないことも多いので、先生から「話し方はいろいろ」と伝えてもらうのも一つの方法です。

悩み5

「小学校の音読や発表が心配」

入学前に、担任の先生や就学相談の場で、吃音があることを伝えておくと安心です。音読や発表の配慮、ことばの教室の利用などを入学前から相談しておくことができます。

よくある質問

Q. 吃音は大人になれば治りますか?

幼児期に始まった吃音の7〜8割は自然に治るとされています。一方で、子ども全体の1%前後は学齢期以降も続きます。続く場合も、支援を受けながら自分らしく話す方法を身につけていくことができます。

Q. 何科を受診すればいいですか?

まずはかかりつけの小児科や耳鼻咽喉科に相談するのがよいでしょう。くわしい評価や訓練は、言語聴覚士がいる医療機関で受けられます。どこに行けばいいか迷うときは、保健センターで地域の相談先を教えてもらえます。

Q. 本人に「吃音」という名前を伝えてもいいですか?

年齢や本人の様子によりますが、「話し方のくせには名前があって、自分だけじゃない」とわかって安心する子もいます。伝え方に迷うときは、言語聴覚士や相談先と一緒に考えるとよいでしょう。

Q. 手帳や療育の対象になりますか?

吃音は発達障害者支援法の対象とされており、生活への影響によっては精神障害者保健福祉手帳や身体障害者手帳(音声・言語機能障害)の対象になることがあります(判断は自治体ごと)。大人になってから、就職のときに障害者雇用の枠を選べる場合もあります。療育(児童発達支援・放課後等デイサービス)は、手帳がなくても、受給者証があれば使えます。

Q. 歌うときや、声をそろえて読むときは詰まらないのはなぜ?

吃音のある人の多くは、歌う、誰かと声をそろえて読むときには、なめらかに話せることが知られています。これはわざとではなく、吃音のよくある特徴のひとつです。学校で斉読をお願いする配慮も、この特徴をいかしたものです。

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まとめ

  • 吃音は、くり返し・引き伸ばし・ブロック(詰まり)の3つの症状が、ふつうより多く起こる状態
  • 3歳までに約11人に1人が経験し、そのうち7〜8割は自然に治るとされる
  • 原因は生まれつきの体質が大きく、育て方のせいではない
  • 始まってから1年以上、4歳を過ぎた、苦しそう、本人が気にしているときは専門家に相談を
  • 家庭では、最後まで聞く・言い直させない・大人がゆったり話すことを大切に
  • 園や学校には、本人と相談しながら音読や発表の配慮をお願いする

吃音は、周りの人が正しく知っているだけで、本人の話しやすさが大きく変わります。話し方ではなく、話してくれる中身に耳を傾けること。それが、ご家族にできるいちばんの支えです。ひとりで抱えこまず、身近な相談先や園・学校と一緒に、お子さんのペースを見守っていってください。

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