※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。

ご家族向け
PR

発達グレーゾーンとは?子どもの特徴・診断がつかないときの相談先と、診断なしで使える支援【2026年版】

発達グレーゾーンとは 診断がつかないときの相談先と使える支援
ユイン
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
スポンサーリンク

「健診で様子を見ましょうと言われた」「園の先生から、集団での指示が通りにくいと言われた」「病院に行ったら、診断はつかないけれどグレーゾーンですね、と言われた」。はっきりした答えがもらえないまま、モヤモヤした気持ちでこの言葉を調べた方も多いと思います。

この記事では、発達グレーゾーンという言葉が何を指すのかを、公的な資料をもとにやさしく説明します。そのうえで、グレーゾーンと言われる3つの場合、困りごとが見えやすい時期、診断がつかなくても使える支援、診断を受けるか迷ったときの考え方、家庭でできる関わり方、そしてご家族がよく抱える悩みと対応の例までまとめました。

この記事でわかること
  • 「発達グレーゾーン」とは何か(診断名ではない理由)
  • グレーゾーンと言われる3つの場合
  • 家では困っていないのに、園や学校で困りごとが出る理由
  • 困りごとが見えやすくなる時期
  • 診断がなくても使える支援と、使いにくい制度
  • 診断を受けるか迷ったときの考え方
  • 家庭でできる6つのコツ、学校への伝え方
  • ご家族からよく聞かれる悩みと、対応の例
先にお伝えしたいこと

この記事は、相談や受診の準備に役立ててもらうための一般的な情報です。お子さんに発達障害があるかどうかは、この記事では判断できません。気になることがあれば、市区町村の保健センター、園や学校の先生、かかりつけの小児科に相談してください。

スポンサーリンク

結論|発達グレーゾーンで最初に知っておきたい5つのこと

先に要点を並べます。

どんな言葉か発達障害の特性(傾向)は見られるが、診断の条件をすべては満たさない、またはまだ判断できない状態を指す、日常の言葉。正式な診断名ではない
どのくらいいるか人数の統計はない。参考として、小中学校の通常の学級で、先生から見て学習や行動に著しい困難がある子は約8.8%(診断の数ではない)
困りごとの出方特性の強さだけでなく、環境によって大きく変わる。家では困らなくても、集団の中や、勉強がむずかしくなる時期に目立つことがある
使える支援療育(児童発達支援・放課後等デイサービス)、通級による指導、学校での合理的配慮などは、診断が確定していなくても使えることが多い
考え方「白か黒か」をはっきりさせることより、今の困りごとに合った工夫と支援を始めることが大切。成長に合わせて見直していく
「グレーだから大丈夫」でも「グレーだから心配」でもありません

グレーゾーンは、良い・悪いを表す言葉ではありません。「今の時点では、はっきり線を引けない」という状態です。大切なのは名前よりも、お子さんが今どんな場面で困っていて、どうすると楽になるかを見ていくことです。

出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(2022年)

発達グレーゾーンとは|診断名ではなく「途中の状態」を表す言葉

「発達グレーゾーン」は、医師が使う正式な診断名ではありません。自閉スペクトラム症(ASD)、ADHD(注意欠如・多動症)、学習障害(LD)などの発達障害の特性がいくらか見られるものの、診断の条件をすべては満たさない、またはまだ判断できない状態を、わかりやすく表した言葉です。

発達障害の特性は、「ある・ない」ではっきり分かれるものではなく、濃い人から薄い人まで、なだらかにつながっています。医師は、決められた診断基準にそって、特性の数や強さ、生活でどのくらい困っているかを見て判断します。その線のすぐ近くにいる子が、「グレーゾーン」と呼ばれることが多いのです。

グレーゾーンと言われる3つの場合

同じ「グレーゾーン」という言葉でも、実は意味が違うことがあります。どの場合かによって、次にすることも変わります。

グレーゾーンと言われる3つの場合の図。特性はあるが基準に届かない、まだ判断できない、くわしく調べていない。グレーゾーンは診断名ではない

図:「グレーゾーン」と言われる3つの場合

場合よくある言われ方次にすること
1.特性はあるが、基準に届かない「傾向はありますが、診断するほどではありません」困っている場面があれば、支援や配慮は使える。成長や環境の変化で困りごとが増えたら、再度相談する
2.まだ判断できない「もう少し大きくなってから、様子を見ましょう」「いつ、何を見て判断するか」を聞いておく。待つ間も療育や親子教室は利用できることが多い
3.くわしく調べていない健診や園で「少し気になります」と言われた段階保健センターや小児科で相談し、必要なら専門の医療機関で発達検査を受ける
「境界知能」とは別の言葉です

知能検査の数値が平均と知的障害の間(おおむねIQ70〜84)にあることを「境界知能」と呼び、これもグレーゾーンと言われることがあります。ただ、境界知能は知的な発達についての言葉で、この記事で扱う発達障害の特性とは別のものです。検査結果の説明でどちらの意味なのか、医師に確かめておくと安心です。

どのくらいいる?|正確な人数はわからない

グレーゾーンは診断名ではないため、正確な人数の統計はありません。参考になるのが、文部科学省が2022年に全国の公立小中学校で行った調査です。担任の先生などに、通常の学級の子どもの様子を答えてもらったもので、医師の診断ではありません。

小学校・中学校の通常の学級で、先生から見て著しい困難がある子割合
学習面または行動面8.8%
学習面(聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する)6.5%
行動面(不注意・多動・こだわり・対人関係など)4.7%

35人の学級なら、3人ほどにあたる計算です。この中には、診断を受けている子も、受けていない子も含まれています。診断の有無にかかわらず、学校の中で支援が必要な子は決して少なくないことがわかります。

出典:文部科学省「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」(2022年)

グレーゾーンの子に見られやすい特徴|3つの「傾向」

グレーゾーンの子に見られる特徴は、主に3つの発達障害の特性を、少し弱くしたような形であらわれます。1つだけのこともあれば、いくつか重なることもあります。

傾向家や園・学校で見られやすい様子くわしい記事
自閉スペクトラム症の傾向予定が変わると強く嫌がる/会話が一方的になりやすい/音やにおい、服の感触に敏感/友だちとの遊び方がかみ合わない自閉スペクトラム症(ASD)の記事
ADHDの傾向忘れ物・なくし物が多い/じっと座っているのが苦手/順番を待てない/話しかけられても上の空になりやすいADHDの記事
学習障害の傾向音読がたどたどしい/漢字がなかなか覚えられない/くり上がりや文章題で止まる。ほかの力に比べて差が大きい学習障害(LD)の記事

このほか、感覚過敏や、不器用さ(はさみや縄跳びがとても苦手)などが目立つ子もいます。

当てはまる=発達障害、ではありません

上の様子は、どの子にもある程度見られるものです。大切なのは、年齢に比べて目立つか、いくつもの場面で続いているか、本人や周りが困っているかの3点です。気になるときは、表を目安に記録をとって相談してみてください。

家では困っていないのに、園や学校で困る理由

グレーゾーンの子のご家族からよく聞くのが、「家では特に困っていないのに、園や学校から指摘される」という声です。これは珍しいことではありません。

同じ子でも場所によって困りごとが変わる図。家では大人と1対1で困りごとが見えにくく、園や学校の集団では全体への指示が入りにくく困りごとが出やすい

図:家と集団では、困りごとの出方が違います

家では、大人が子どもに向き合って、1対1で声をかけます。子どものペースに合わせ、言葉が足りないところも自然に補っています。つまり、家族が知らないうちに「支援」をしている状態です。

一方、園や学校では、先生1人が大勢の子に向けて話します。音や人の動きも多く、決まった時間に決まったことをする必要があります。特性が少しでもある子にとっては、家よりずっと困りごとが出やすい環境なのです。

園や学校の指摘は「責められている」のではありません

先生からの指摘は、家庭の育て方を責めるものではなく、集団の中での様子を共有してくれていると受け止めて大丈夫です。「どんな場面で、どのくらい困っているか」「先生はどう声をかけるとうまくいくか」を具体的に聞いてみましょう。家での工夫を伝えると、先生にとってもヒントになります。

困りごとが見えやすくなる時期|環境が変わるとき

グレーゾーンの子の困りごとは、環境が変わり、求められることが増えるタイミングで見えやすくなります。

困りごとが見えやすくなる時期の図。3歳ごろ、年長、小学1年、小学3〜4年、中学生。環境が変わるたびに支援を見直す

図:困りごとが見えやすくなる時期(目安)

時期変わること見えやすくなる困りごとの例
3歳ごろ園での集団生活が始まる。3歳児健診集団に入れない、切りかえで大泣きする、言葉のやりとりがかみ合わない
年長(5歳)就学の準備。5歳児健診を行う自治体も増えている全体への指示で動けない、ルールのある遊びが苦手、座っていられない
小学1年45分の授業、時間割、宿題が始まる授業中に立ち歩く、忘れ物が多い、ひらがなの読み書きでつまずく
小学3〜4年勉強が抽象的になり、友だち関係も複雑になる文章題・分数・漢字で止まる、グループでのトラブルが増える
中学生教科ごとに先生が変わる、定期テスト、部活、人間関係提出物の管理ができない、テストで実力が出ない、学校に行きにくくなる

こども家庭庁は、2023年度から5歳児健診の費用を国が補助するしくみを始め、2028年度までにすべての自治体で5歳児健診を行うことを目指しています。就学前に気づき、小学校での支援につなげるためです。お住まいの自治体で実施しているか、確かめてみてください。

出典:こども家庭庁「5歳児健康診査」に関する資料

「診断がつかなかった=問題なし」ではない

病院で「診断はつきません」と言われると、ほっとする一方で、「では、この困りごとはどうすればいいの?」と行き場がなくなることがあります。

診断がつかない理由には、次のようなものがあります。

  • 特性が基準の一歩手前:特性はあっても、数や強さが診断の条件に届いていない
  • 年齢が小さい:成長の個人差が大きく、今の時点では判断できない
  • 今の環境で補えている:家や園の工夫のおかげで、困りごとが表に出にくくなっている
  • 診察や検査の場では力を出せる:静かな部屋で1対1だと、ふだんの困りごとが見えにくい

つまり、診断がつかないことは、「支援が必要ない」という意味ではありません。困っている場面があるなら、診断名がなくても、工夫や配慮を始めてかまいません。

医師に聞いておきたい3つのこと
  • 今の時点で、どんな特性の傾向が見られるか
  • 家庭や園・学校で、どんな工夫をするとよいか
  • 次はいつ、どんな様子になったら相談すればよいか
スポンサーリンク

診断がなくても使える支援

発達の支援の多くは、診断名が確定していなくても利用できます。代表的なものを、福祉・学校・相談・家族向けに分けてまとめました。

診断がなくても使える主な支援の図。福祉は児童発達支援と放課後等デイサービス、学校は通級と合理的配慮、相談は保健センターと発達障害者支援センター、家族向けは親子教室とペアレントトレーニング

図:診断がなくても使える主な支援。条件は自治体や学校で確認を

支援どんなものか診断がない場合
児童発達支援(未就学)
放課後等デイサービス(小学生〜)
療育を受けられる通所の福祉サービス。利用には市区町村の「受給者証」が必要多くの自治体で、医師の意見書(「〜の疑い」でもよいとする自治体もある)などで受給者証が出る。必要な書類は自治体ごとに違う
通級による指導ふだんは通常の学級で学び、週に数時間、別の教室で特性に合った指導を受ける文部科学省の手引で、医学的な診断の有無だけで判断しないよう示されている。学校や教育委員会で相談
学校での合理的配慮座席の位置、指示の出し方、テストの方法などを、その子に合わせて調整してもらう困りごとをもとに相談できる。2024年4月から、私立学校を含めて合理的配慮の提供が義務になった
保健センター・発達障害者支援センター・教育相談発達の相談、親子教室、専門機関の紹介など診断がなくても相談できる
ペアレント・トレーニング、親の会関わり方を学ぶ講座や、同じ立場の家族とつながる場自治体や支援センターで、診断のない家族も参加できるものがある

受給者証の申請の流れは受給者証の申請ガイド、放課後等デイサービスの費用は放課後等デイサービスの料金の記事、就学先の考え方は就学相談の記事でくわしく説明しています。

診断がないと使いにくい制度もあります

障害者手帳(発達障害の場合は精神障害者保健福祉手帳など)や、特別児童扶養手当などのお金の制度は、医師の診断と、障害の程度の判定が必要です。グレーゾーンの段階では対象にならないことがほとんどです。

出典:文部科学省「障害に応じた通級による指導の手引 解説とQ&A」、内閣府「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(2024年4月改正法施行)、各市区町村の受給者証申請案内

診断を受けるか迷ったら|メリットと、よくある心配

「診断を受けたほうがいいのか」は、ご家族が一番迷うところです。正解は家庭ごとに違いますが、整理するための材料をまとめました。

診断を受けるか迷ったときの整理の図。受けてわかることと、レッテル・記録・保険・診断がつかない場合などのよくある心配

図:診断を受けるか迷ったときの整理。それぞれの心配の実際は下の表にまとめました

よくある心配実際のところ
レッテルを貼られないか伝えるかどうか、誰に伝えるかは家族が決められる。診断名ではなく「困りごとと効く工夫」を伝える方法もある
記録がずっと残るのでは病院の記録は医療の守秘義務で守られていて、家族の同意なく学校や職場に伝わることはない。診断はその後の成長で見直されることもある
保険に入りにくくなるのでは通院や服薬の状況によって、医療保険などの加入で告知が必要になり、条件がつくことはある。内容は保険ごとに違うので、気になる場合は加入前に確認を
診断がつかなかったらどうする検査で得意・苦手のバランスがわかるだけでも、関わり方のヒントになる。前の章のとおり、支援は診断がなくても使える
迷うなら、「相談」から始めればいい

受診はいきなり診断を受けに行くことではありません。「今の様子を専門家に見てもらう」くらいの気持ちで大丈夫です。専門の医療機関は予約が数か月先になることも多いので、迷っているなら予約だけ先に入れておき、近くなったら改めて考える方法もあります。

相談先と流れ|どこに行けばいい?

年齢によって、最初の相談先が少し変わります。

ステップ1

気になる様子をメモする

「いつ・どこで・何があって・どうなったか」を短く書きとめます。家だけでなく、園や学校の先生から聞いた様子も一緒にメモしておくと、相談の場でとても役に立ちます。

ステップ2

身近な窓口に相談する

就学前なら市区町村の保健センターや子育て支援の窓口、小学生以上なら学校の特別支援教育コーディネーターやスクールカウンセラー、教育相談センターが入り口です。かかりつけの小児科でもかまいません。

ステップ3

必要に応じて専門の医療機関へ

児童精神科、小児神経科、発達外来などで、診察や発達検査を受けます。予約が先になることが多いので、早めに問い合わせておきましょう。

ステップ4

結果をもとに、支援を選ぶ

診断がついてもつかなくても、「どんな場面で困るか」「何が効くか」がわかれば、療育・学校での配慮・家庭での工夫を選べます。成長に合わせて、1年ごとに見直すのがおすすめです。

年齢別のチェックリストや相談先の一覧は、子どもの発達障害を早期発見するにはの記事でもまとめています。1歳半健診で「様子を見ましょう」と言われた場合は、1歳半健診の記事もあわせてご覧ください。

家庭でできる関わり方|今日から試せる6つのコツ

グレーゾーンの子に役立つ工夫は、発達障害の診断がある子に役立つ工夫と同じです。診断を待たずに、今日から始められます。

グレーゾーンの子に家庭でできる6つのコツの図。困る場面をメモ、指示は短く1つずつ、予定を見える形に、できたらすぐほめる、休める場所、得意なことを伸ばす

図:家庭でできる6つのコツ。それぞれの説明は下にあります

コツ1

困る場面をメモする

「朝の支度で毎日もめる」「夕方になると泣きやすい」など、困る場面には決まった形があることが多いです。メモを続けると、きっかけや時間帯が見えてきます。相談のときにもそのまま使えます。

コツ2

指示は短く、1つずつ

「早く準備して」ではなく、「くつをはこう」「次はかばんを持とう」のように、短く具体的に1つずつ伝えます。子どものそばに行き、目を合わせてから話すと伝わりやすくなります。

コツ3

予定を見える形にする

1日の流れを絵や写真のカードにして、見える場所に貼ります。先の見通しが立つと、切りかえが楽になる子は多いです。予定が変わるときは、早めに伝えておきます。

コツ4

できたら、すぐ具体的にほめる

「えらいね」より、「自分でくつをそろえられたね」のように、できた行動をその場で言葉にします。叱られることが多い子ほど、ほめられる経験が自信につながります。

コツ5

休める場所をつくる

疲れたときや気持ちが高ぶったときに、ひとりで落ち着ける場所(部屋のすみ、テントなど)を用意します。「そこに行けば落ち着ける」とわかっていることが安心になります。

コツ6

得意なことを伸ばす

苦手なことの練習ばかりだと、親子ともに疲れてしまいます。好きなこと・得意なことに使う時間を大切にすると、自信がつき、苦手に向き合う力にもなります。

避けたい関わり方
  • 「ほかの子はできるのに」と比べる
  • 苦手なことを、同じやり方で何度もやらせる
  • 大声で叱る・長く説教する(何を直せばいいかが伝わりにくい)

園・学校への伝え方|診断名より「困りごと」と「効く工夫」

グレーゾーンの段階では、診断名がなくても、園や学校に相談してかまいません。むしろ、具体的な様子を伝えたほうが、先生も動きやすくなります。

伝え方の例

「病院では、診断はつかないけれど、注意がそれやすい傾向があると言われました。家では、指示を1つずつ短く伝えると動けます。授業中に困っている様子があれば教えていただけますか。席を前のほうにしていただくことは可能でしょうか」

  • 困っている場面(例:全体への指示のあと、何をするかわからなくなる)
  • 家でうまくいっている工夫(例:やることを紙に書くと動ける)
  • お願いしたいこと(例:個別にひと声かけてほしい、席を前にしてほしい)
  • 連絡の方法(例:連絡帳で週に1回、様子を教えてほしい)

伝えるかどうかは家族が決めてよいことです。迷うときは、まず担任の先生に「様子を聞きたい」と面談をお願いするところから始めてみてください。

ご家族からよく聞かれる悩み|対応の例

Yahoo!知恵袋やX(旧Twitter)などには、発達グレーゾーンについて、ご家族からの相談がたくさん寄せられています。その中から特によく見られる悩みを選び、考え方と、すぐに試せる対応の例をまとめました。

このまとめについて

個々の投稿をそのまま載せるのではなく、似た相談をまとめて、内容を書き直しています。対応の例は一般的なものです。お子さんに合うかどうかは、主治医や学校、相談先と一緒に考えてください。

よくある悩み1

「家では困っていないので、医師に何を相談すればいいかわかりません」

家では大人が1対1で関わるため、困りごとが見えにくいのは自然なことです。困りごとが出ているのは集団の場なので、そこでの様子を集めることが大切です。

対応の例

  • 園や学校の先生に、困っている場面を具体的に教えてもらい、メモする
  • 先生に、相談用に様子を短く書いてもらえないか頼む
  • 相談の場では「家では困っていないが、集団でこう言われている」とそのまま伝える
よくある悩み2

「学校に伝えるかどうかで、夫と意見が分かれています」

「偏見を持たれたくない」という心配も、「早く協力してほしい」という思いも、どちらも子どもを思う気持ちです。伝える・伝えないの二択ではなく、伝え方を選ぶこともできます。

対応の例

  • 診断名や「グレーゾーン」という言葉は使わず、困りごとと効く工夫だけを伝える
  • まずは担任の先生との面談で、学校での様子を聞くところから始める
  • どこまで伝えるかを、夫婦で事前に決めておく
よくある悩み3

「『グレーゾーンなので支援は必要ない』と言われたけれど、本人は困っています」

医師の言葉は「診断が必要なほどではない」という意味のことが多く、困りごとへの工夫まで不要という意味ではありません。

対応の例

  • 「困っている場面には、どんな工夫をするとよいか」を医師に具体的に聞く
  • 発達障害者支援センターや教育相談で、別の視点から助言をもらう
  • 学校には、困りごとをもとに配慮を相談する
よくある悩み4

「はっきりしないまま、ずっとモヤモヤしています。白か黒か知りたいです」

答えが出ないまま待つのは、とてもつらいものです。ただ、発達の特性は成長とともに変わるため、今すぐ白黒がつかないこともよくあります。

対応の例

  • 医師に「次はいつ、どんな様子になったら再相談すればよいか」を聞き、予定を決めておく
  • 名前がつくのを待たずに、困りごとへの工夫を始める
  • 同じ立場の家族と話せる親の会や、ペアレント・トレーニングに参加する
よくある悩み5

「中学生になって、うそ・片づけない・反発が増えました。グレーゾーンだから?」

思春期は誰でも揺れやすい時期ですが、特性のある子は、学校での疲れやストレスが家での行動にあらわれることがあります。わがままと決めつけず、SOSのサインかもしれないと考えてみてください。

対応の例

  • 家での「やるべきこと」を最低限にしぼり、休める時間を増やす
  • 学校で困っていることがないか、責めずに聞く時間をつくる
  • 眠れない・学校に行けないなどが続くときは、スクールカウンセラーや医療機関に相談する
よくある悩み6

「診断を受けると、将来の保険や進学で不利にならない?」

心配になるのは当然です。医療の記録は守秘義務で守られていて、家族の同意なく学校などに伝わることはありません。保険は、通院や服薬の状況によって告知が必要になることがあります。

対応の例

  • 気になる保険があれば、告知の内容を事前に確認しておく
  • 進学では、診断や配慮の記録が入試での配慮の申請に役立つこともあると知っておく
  • 心配な点は、受診の前に医療機関に問い合わせてみる
どの悩みにも共通すること

ネットの体験談は、一人ひとりの事情が違うため、そのまま当てはまるとは限りません。「うちの子の場合はどうか」は、記録を持って専門家に相談するのがいちばん確実です。そして、悩んでいるご家族自身が休めることも、子どもの支援と同じくらい大切です。家族のしんどさについては、障害児の親が辛いのは努力不足ではないの記事でもまとめています。

よくある質問

Q. グレーゾーンは、大きくなったら消えますか?

成長とともに困りごとが目立たなくなる子もいれば、環境が変わって困りごとが増え、あとから診断がつく子もいます。どちらになるかは、今の時点では誰にもわかりません。そのため、1年ごとなど、時期を決めて様子を見直すことが大切です。

Q. 療育に通うほどではない気がします。

療育は、特性のある子が過ごしやすくなるやり方を学ぶ場所で、重い障害のある子だけのものではありません。週1回だけ、短い時間だけ、という使い方もあります。見学して決めてかまいません。療育の種類や費用、始め方は療育とは?の記事でまとめています。

Q. 何歳から相談できますか?

年齢の決まりはありません。1歳半健診や3歳児健診のあとでも、それ以外の時期でも、気になったときが相談のタイミングです。小学生以上なら、学校のスクールカウンセラーや教育相談も使えます。

Q. 家庭教師や学習サービスは役に立ちますか?

勉強のつまずきがある場合は、子どものペースに合わせてくれるサービスが役立つことがあります。発達の特性に理解のある家庭教師は発達障害の子におすすめの家庭教師の記事、自宅でできるタブレット教材はすららの記事で比べています。

Q. 親の私にも同じような傾向がある気がします。

発達の特性は遺伝の影響も受けるため、子どもの相談をきっかけに、親が自分の傾向に気づくことはよくあります。大人の相談は、精神科や心療内科、発達障害者支援センターでできます。自分の特性を知ると、子育ての工夫が見つけやすくなることもあります。

まとめ

  • 発達グレーゾーンは正式な診断名ではなく、特性はあるが診断の条件をすべては満たさない、またはまだ判断できない状態を表す言葉
  • 困りごとは環境によって大きく変わる。家で困っていなくても、集団や勉強がむずかしくなる時期に目立つことがある
  • 「診断がつかない」は「支援がいらない」ではない。療育・通級・合理的配慮は、診断が確定していなくても使えることが多い
  • 診断を受けるか迷ったら、まずは「相談」から。予約だけ先に入れておく方法もある
  • 家庭では、短い指示・見える予定・すぐほめる・休める場所など、診断がある子と同じ工夫が役立つ

グレーゾーンという言葉は、ご家族を宙ぶらりんな気持ちにさせることがあります。けれど、名前がはっきりしなくても、お子さんの困りごとに合わせた工夫は今日から始められます。ひとりで抱えこまず、身近な相談先を頼ってください。

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
記事URLをコピーしました