発達障害の子におすすめの家庭教師5社を比較【2026年版】料金・選び方・体験で見る5つのポイント
「学校の勉強についていけていないけれど、集団の塾は無理そう」「宿題のたびに親子で怒鳴り合いになる」——発達障害やグレーゾーンのお子さんを育てているご家庭から、放課後等デイサービスの現場で最も多く相談されるのがこの2つです。そして次に必ず出てくるのが、「家庭教師ってどうなんでしょう?」という質問です。
結論から言うと、発達障害の子に家庭教師が合うかどうかは、「どの会社を選ぶか」よりも「どんな先生と、どんな設計で始めるか」で決まります。同じ会社でも先生によって結果はまったく変わりますし、逆に言えば会社選びの段階で「相性の悪い先生に当たったときにどうリカバリーできるか」まで見ておけば、大きな失敗は避けられます。
この記事では、サビ管(児発管)の資格を持ち、福祉の現場で10年以上、個別支援計画を作ってきた立場から、発達障害の子に対応している家庭教師5社の料金・特徴の比較と、体験授業で必ず見るべき5つのチェックポイント、そして先生に特性を伝えるときのそのまま使える文例までまとめました。会社のパンフレットには書いていない「続く子と続かない子の差」も、現場で見てきたままに書いています。
結論|3秒でわかる、うちの子に合うのはどのタイプ?
細かい比較の前に、まず「いま一番困っていること」で絞り込んでください。5つのうち、いちばん近いものが今のご家庭の入口です。
| いま一番困っていること | 向いているタイプ | この記事の該当箇所 |
|---|---|---|
| 発達障害の理解がある先生に、まず一度見てほしい | 発達障害の専門コースがある会社 | 家庭教師ファースト |
| 先生選び・カリキュラムまで人に任せたい | 専任の教育担当者がつく会社 | 家庭教師のトライ |
| 不登校ぎみで、勉強より前に生活から立て直したい | 不登校の専門コースがある会社 | 学研の家庭教師 |
| 集中が15〜30分しか続かない | 短い時間で細かく区切れる会社 | 家庭教師のグッド/わっふる |
| 人が家に来るのが本人にとって負担 | オンライン専門+自宅学習教材 | GIPS(番外)/すらら |
※料金・コース内容は2026年9月時点で各社公式サイトに掲載されている情報をもとにしています。学年・地域・キャンペーンによって変わるため、最終的な金額は必ず体験時の見積もりでご確認ください。

発達障害の子に家庭教師が向いている3つの理由(と、向かないケース)
まず「そもそも家庭教師でいいのか」から整理します。集団塾・個別指導塾・家庭教師・放課後等デイサービスは、それぞれ得意なことが違います。
理由1|刺激が少ない「いつもの部屋」でできる
感覚過敏や注意の切り替えが苦手なお子さんにとって、塾という環境そのものが大きな負担になることがあります。蛍光灯の明るさ、周りの子の話し声、消しゴムのにおい、掲示物の多さ。学習内容以前のところで消耗してしまい、教室に着いた時点でもう疲れている、というケースを現場でよく見ます。
家庭教師は、そこがまるごと省けます。移動がなく、慣れた部屋で、いつもの椅子に座って始められる。これは「学習支援」というより「学習を始めるまでのコストを下げる支援」で、実はここが最大のメリットです。
理由2|1対1なので「わからない」と言える
集団の中で「わかりません」と手を挙げられる子は多くありません。特に、これまで何度も「なんでできないの」と言われてきた経験のある子は、わからないことを隠すのが上手になっています。プリントを埋めているように見えて、実は写しているだけ、という状態です。
1対1なら、この「隠す」が成立しません。手が止まった瞬間に気づいてもらえますし、5分前に戻ってやり直すこともできる。つまずいた場所を、その場で特定できるのが1対1の価値です。
理由3|親が「教える人」から降りられる
これは意外と語られませんが、家庭教師のいちばん大きな効果かもしれません。宿題を見るたびに親子でぶつかっているご家庭では、勉強が「親子関係を悪くする材料」になってしまっています。第三者が勉強を担当するだけで、親は「見守る人」「ほめる人」に戻れます。
発達の特性そのものより、怒られ続けた経験の積み重ねのほうが子どもを止めてしまうことがあります。愛着や自己肯定感の話は「発達の特性と愛着形成の違いとは?親の心を軽くする3つの支援」でも詳しく書いています。
逆に、家庭教師が向かないケースもある
- 他人が家に入ることの負担が大きい子――自宅は本人にとって最後の安全地帯です。そこに他人が入ってくること自体が強いストレスになる場合は、オンライン指導や自宅学習教材から始めたほうが安全です。
- いま必要なのが学習ではなく生活リズムの立て直しである場合――昼夜逆転や強い不安が続いているときに学習を足すと、失敗体験が1つ増えるだけになりかねません。この段階では医療機関や相談支援専門員、放課後等デイサービスの利用が先です。
- 「勉強させたい」のが親だけで、本人がまったく望んでいない場合――家庭教師は本人が「この人となら」と思えないと続きません。まずは体験だけ受けてみて、本人に決めさせるのが結果的に近道です。
家庭教師・個別指導塾・放課後等デイサービスの役割の違い
「どれか1つを選ぶ」ものではなく、役割が違います。うちの子にいま足りないのはどれか、という見方をしてください。
| 得意なこと | 費用 | 苦手なこと | |
|---|---|---|---|
| 家庭教師 | 移動なし・1対1・その子専用の進め方。つまずいた場所の特定 | 全額自費(1時間3,000〜5,500円が相場) | 先生の当たり外れが大きい。同年代との関わりは生まれない |
| 個別指導塾 | 教室に通うことで生活のリズムができる。受験情報が豊富 | 全額自費(月2万円前後〜) | 教室の刺激(音・人)が負担になる子がいる。1対2〜3のことも多い |
| 放課後等デイサービス | 生活・社会性の支援が中心。宿題支援をする事業所も多い。相談員がつく | 受給者証で1割負担+世帯ごとの月額上限 | 学習に特化した事業所は多くない。定員があり毎日は使えないこともある |
※放課後等デイサービスの費用は、世帯の所得区分に応じた月額上限額(生活保護・低所得世帯は0円、一般1は4,600円など)が適用されます。詳しくは市区町村の障害福祉課へご確認ください。
現場の感覚では、「学習でつまずいている」だけなら家庭教師、「学校生活そのものがしんどい」なら放課後等デイサービスや相談支援が先です。両方使っている家庭もめずらしくありません。
発達障害に対応している家庭教師5社を料金・エリア・特徴で比較
ここからが本題です。発達障害・グレーゾーン・不登校のお子さんの指導実績を公式サイトで明示している5社を、料金と初期費用まで含めて並べました。指導料だけを見て比べると必ず失敗します。入会金・管理費・教材費まで足した「実際に毎月出ていく金額」で見てください。
| サービス | 指導料の目安(税込) | 初期費用・その他 | エリア | こんな家庭に |
|---|---|---|---|---|
| 家庭教師ファースト (発達障害コース) | 1時間 5,500円 ※学年に関係なく一律 | 入会金0円/管理費8,800円(年間) | 全国+オンライン | 発達障害の専門コースで、まず一度プロに見てもらいたい |
| 家庭教師のトライ (個性別支援コース) | 1時間 小学生3,300円〜/中学生3,800円〜/高校生4,300円〜 | 入会金11,000円(キャンペーンで無料の場合あり)/教材費なし | 全国+オンライン | 先生選びとカリキュラム設計まで担当者に任せたい |
| 学研の家庭教師 (不登校コース等) | 5,665円〜 | 入会金24,200円/月会費4,620円(対面の場合) | 全国+オンライン | 不登校ぎみで、長期で寄り添ってくれる体制がほしい |
| 家庭教師のグッド | 15分 450円(小・中)/500円(高校生)=1時間あたり1,800〜2,000円 | 登録料22,000円+預り金18,000円/120分の無料体験 | 関西・北陸・上信越ほか+オンライン | 集中が続かないので15分単位で細かく組みたい |
| 家庭教師のわっふる | 30分 900円(小・中)/1,000円(高校生) | 入会金・基本料金なし | 九州・中国地方中心+オンラインは全国 | 「怒らない・比べない」を明言している会社がいい |
※2026年9月時点で各社公式サイトに記載されている金額(税込)です。地域・学年・コース・キャンペーンで変動します。交通費の扱い(定期券の範囲内は無料など)と、教材を使う場合のテキスト代は、会社によって差が大きいので体験時に必ず確認してください。
表を見て気づいた方もいると思いますが、1時間あたりの単価が安い会社ほど、初期費用が高い傾向があります。グッドの「15分450円」は魅力的ですが、登録料22,000円と預り金18,000円が入口でかかります。逆にファーストは1時間5,500円と単価は高めですが、入会金は0円で年間管理費8,800円のみ。1年続けるつもりなのか、まず3か月試したいのかで、有利な会社が入れ替わります。
5社それぞれの特徴と、体験で確認したいこと
各社を「向いている家庭」「特徴」「体験で確認したいこと」の3点で解説します。体験で確認したいことは、そのまま質問として使える形にしてあります。
家庭教師ファースト|「発達障害コース」を正面から用意している
5社の中で唯一、「発達障害コース」という名前のコースを公式に用意しているのがファーストです。ADHD・LD(限局性学習症)・ASDのほか、診断のないグレーゾーンのお子さんも対象としています。料金は学年に関係なく1時間5,500円で、小学生でも高校生でも同額。入会金は0円で、かかるのは年間8,800円の管理費のみという分かりやすい体系です。
現場目線でありがたいのは、無料体験の段階で「実際に担当する先生」の授業が受けられる点です。営業担当が来て説明だけして帰り、初回に来た先生が体験と別人だった——という話は家庭教師業界でよく聞きますが、それでは相性を判断しようがありません。体験=実際の先生であれば、その1回で「この人となら続けられるか」をお子さん自身が判断できます。
また、宿題を「1日分ずつ」に割って出す方針を掲げているのも、特性のある子には相性がいいところです。「今週はこのページまで」という出し方は、見通しを立てるのが苦手な子にとってはほぼ丸投げと同じ意味になります。1日分に割ってあるだけで着手率が変わるのは、放デイの宿題支援でも毎日実感しています。
体験で確認したいこと:①体験に来る先生が、そのまま担当になるのか。②発達障害コースを担当した経験の有無と、どんな特性の子を見てきたか。③宿題をどの単位で出すか(1日分ずつか、1週間分まとめてか)。④先生を交代したいときの申し出方と、交代にかかる費用。
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発達障害コースは学年を問わず1時間5,500円(税込)、入会金は0円。無料体験は実際に担当する先生が来るので、「相性が合うかどうか」をその場で確認できます。全国対応で、オンライン指導も選べます。
家庭教師のトライ|先生とは別に「設計する人」がつく
トライには「発達障害コース」という名前のコースはありませんが、公式サイトで「個性別支援」として発達特性のある子への指導実績を明示しており、WISCなどの検査結果を踏まえた指導にも対応しています。
最大の特徴は、指導する先生とは別に正社員の「教育プランナー」がつき、カリキュラムを設計する体制です。これは福祉の世界でいえば、直接支援をする支援員とは別にサビ管が個別支援計画を立てるのと同じ構造で、私は理にかなっていると思っています。指導する人と計画を立てる人が同じだと、どうしても「今日うまくいったこと」に引っぱられて全体の見通しがぼやけます。
料金は1時間あたり小学生3,300円〜、中学生3,800円〜、高校生4,300円〜が目安。入会金11,000円がかかりますが、教材費は不要で、映像授業も無料で使えます。教師の交代が無料と明記されているのも、相性が読めない最初の段階では安心材料です。
体験で確認したいこと:①教育プランナーは何か月ごとに計画を見直してくれるか。②検査結果(WISCなど)を渡した場合、それをどうカリキュラムに反映するか。③先生の交代を何回まで無料でできるか。④指導料以外に毎月かかるものがあるか。
学研の家庭教師|不登校の専門コースがある
学研は不登校の専門コースを公式に用意しており、発達支援のノウハウも公表しています。料金は5,665円(税込)〜、入会金24,200円、対面の場合は月会費4,620円が別途かかります。初期費用は5社の中で高めですが、そのぶん学習面だけでなく生活面・メンタル面まで含めた長期の関わりを想定した設計になっています。
「まず学校に戻すこと」を目標にしない設計かどうかは、体験の場で必ず聞いてください。不登校の子にとって、学習の再開と登校の再開は別々の課題です。ここを一緒くたにする支援は、本人にとって「また学校の話か」となり、家庭教師そのものを拒否する理由になってしまいます。
体験で確認したいこと:①不登校コースの先生は、不登校の指導経験がどのくらいあるか。②目標設定に「登校再開」を必ず入れる方針かどうか。③学校とのやりとり(出席扱いの相談など)を支援してもらえるか。④対面とオンラインを状況で切り替えられるか。
家庭教師のグッド|15分単位で組めるので「集中が続かない」に強い
「勉強が大っ嫌いな子専門」を掲げている会社です。指導料は15分450円(高校生は500円)で、1コマ15分から積み上げて時間を決められるのが最大の特徴。集中が20分ももたないお子さんに60分の枠を買わせない設計になっているのは、実用的です。無料体験も120分と長く、その場で相性を見るには十分な時間があります。
注意点は初期費用です。登録料22,000円に加えて、入会時に預り金(保証金)18,000円がかかります。預り金は名目上あとで戻る性質のお金ですが、返還の条件とタイミングは必ず契約前に文書で確認してください。また、テキストを使う指導法を選ぶ場合は教材費が別途かかります。「1時間1,800円だから安い」と思って始めると、入口の4万円で驚くことになります。
体験で確認したいこと:①預り金18,000円が戻る条件と時期(書面でもらう)。②テキストを使わない指導は選べるか、その場合の費用。③15分単位の組み方の実例(例:30分×2回に分けて休憩をはさめるか)。④対応エリア外の場合、オンラインでも同じ料金か。
家庭教師のわっふる|入会金なしで始められる
こちらも「勉強が大っ嫌いな子専門」という立ち位置で、「怒らない・比べない・ほめて伸ばす」を方針として明言しているのが特徴です。料金は30分900円(高校生1,000円)で、入会金・基本料金がかからないため、初期費用をかけずに始められます。対面は九州・中国地方が中心ですが、オンラインなら全国から利用できます。
「怒らない」を掲げる会社は増えましたが、大事なのはその方針が先生一人ひとりまで下りているかです。体験のときに、お子さんがわざと答えをはぐらかしたり、途中で立ち歩いたりした場面で先生がどう反応したかを、親御さんは横目で見ておいてください。そこが本当の方針です。
体験で確認したいこと:①先生の研修で「怒らない指導」をどう教えているか。②途中で立ち歩いたときの対応方針。③オンラインの場合、画面共有や手元カメラなどの環境をどちらが用意するか。④継続の最低回数や解約の条件。
番外|「家に来られるのは無理」ならオンライン専門という手もある(GIPS)
ここまでの5社はいずれもオンライン指導に対応していますが、もともとオンライン専門として設計されているサービスもあります。オンライン家庭教師GIPSは入会金・システム利用料がかからず、月謝は小学生コース月額10,180円(税込11,198円)〜、中学生コース14,180円(税込15,598円)〜、高校生コース16,180円(税込17,798円)〜。無料体験は1回60分を最大2回まで受けられます(2026年9月時点・公式サイト記載)。
オンライン専門の強みは、対面だと「今日はもう無理」となる日でも、画面の前に座るだけで成立してしまうことです。他人が家に上がること自体の負担が大きい子や、対人距離が近いと固まってしまう子には、この一点だけで継続率が変わります。GIPSは不登校や発達特性のある子の学習支援にも対応しており、月額363円で使えるオンライン自習室や、チャットでの質問対応など「授業時間の外側」の仕組みがあるのも、勉強の習慣づけという意味では相性のいいところです。
体験で確認したいこと:①担当が学生講師かプロ講師か、指名や交代ができるか。②授業以外の質問対応がどこまで料金に含まれるか。③無料体験2回を別々の先生で受けられるか(相性を比べられます)。④画面共有や手元カメラなど必要な機材をどちらが用意するか。
料金相場と、パンフレットに書いていない5つの費用
家庭教師の指導料は、1時間あたりおおむね3,000〜5,500円が相場です。今回の5社も、時給換算するとこの範囲に収まります(グッド・わっふるのように短時間単位で組める会社は、1時間換算では1,800〜2,000円程度と相場より安めです)。
ただし、実際に家計から出ていくお金は指導料だけではありません。次の5つを足したものが、その会社の本当の値段です。
- ①指導料――1時間あたり、または15分・30分あたりの単価。学年で変わる会社と、変わらない会社がある。
- ②入会金・登録料――0円の会社(ファースト・わっふる)から24,200円(学研)まで幅が大きい。ここが最大の差。
- ③管理費・月会費――年間8,800円(ファースト)、月4,620円(学研の対面)など。月額なのか年額なのかを必ず確認する。
- ④教材費――「教材費なし」を明記している会社(トライ)と、テキストを使う指導法だと別途かかる会社(グッド)がある。高額教材の販売がないかは必ず確認。
- ⑤交通費・預り金――定期券の範囲内なら無料という会社が多い一方、範囲外は実費。預り金(保証金)を取る会社もある。
費用を抑えるコツは3つです。1つめは「時間を短く、回数を多く」。60分週1回より、30分週2回のほうが定着する子は多く、金額はほぼ同じです。2つめは「入会金0円の会社で試してから乗り換える」。相性が読めない最初の3か月に高い入会金を払う必要はありません。3つめは「教科を絞る」。全教科を見てもらうとどうしても時間が伸びます。まずは一番自信を失っている1教科だけにして、そこで成功体験を作るほうが、結果として安上がりです。
現場で見てきた「続く子」と「続かない子」の5つの差
ここからは、比較サイトにはあまり書かれていない部分です。放課後等デイサービスで宿題支援をしていると、同じくらいの特性・同じくらいの学力の子でも、学習が続く子と数か月で止まる子にはっきり分かれます。差が出るのは、たいてい次の5点でした。
- ①先生が「できたこと」を具体的に言葉にできるか――「すごいね」ではなく「さっき、わからないところを自分から聞けたね」と言える先生かどうか。特性のある子は、抽象的なほめ言葉を自分のことだと受け取れないことがあります。
- ②宿題が1日分に割れているか――「今週これ全部」は、見通しを立てるのが苦手な子にとって存在しないのと同じです。1日分ずつ、できれば付箋やクリアファイルで物理的に分けてもらうと着手率が変わります。
- ③開始時間が子どもの疲労のピークとずれているか――学校+放課後等デイサービスのあと、18時台から始める設定は失速しやすい。土曜の午前や、夕食後にいったんリセットしてからのほうが伸びる子がかなりいます。
- ④最初の目標が「教科の点数」になっていないか――最初の1か月の目標は「机に15分座る」で十分です。点数から入ると、点が伸びない月に本人も親も心が折れます。
- ⑤親が同席するかどうかを決めてあるか――同席したほうが安心する子と、親の視線があると一気にできなくなる子がいます。どちらかを先生と決めておかないと、毎回そこでもめます。
この5つは、会社のパンフレットを見ても書いてありません。体験授業のときに先生と相談して決めるものです。逆に言えば、この5つを一緒に決められる先生であれば、会社がどこであってもうまくいく可能性が高いと思っています。
体験授業で必ず見る5つのチェックポイント
体験授業は「先生の教え方がうまいか」を見る場ではありません。「うちの子が、この人の前で素を出せたか」を見る場です。次の5点を、親御さんは横で観察してください。
- ①最初の10分で何をしたか――いきなり学力チェックを始める先生より、雑談や本人の好きなものの話から入る先生のほうが、その後が続きます。関係を作ってから課題に入るのは、支援の基本です。
- ②子どもが一度でも「わからない」と言えたか――言えたなら大成功です。1回の体験で「わからない」が出た相手なら、続けられる可能性が高い。
- ③一度に出す指示の数――「教科書の32ページを開いて、赤ペンで丸をつけて、終わったら教えて」と3つ続けて言う先生は要注意。指示は1つずつが原則です。
- ④終わり方が具体的か――「次までにここをやっておいてね」の中身が具体的か。曖昧なまま終わると、次回までの1週間が丸ごと空白になります。
- ⑤親の話をどう受け取ったか――「うちの子は音読が苦手で」と伝えたときに、「大丈夫ですよ」で流す先生より、「どんな場面で止まりますか」と具体を聞く先生のほうが信用できます。

特性を先生に伝えるときの文例(そのまま使えます)
「どこまで伝えるべきか」で迷う方がとても多いので、伝え方の型を置いておきます。診断名だけを伝えても、先生は動けません。「診断名」より「場面」と「うまくいった方法」を伝えるのが、支援の現場でも鉄則です。
「小学4年の息子で、ADHDの診断があります(またはグレーゾーンで、現在は診断を受けていません)。
困っているのは、宿題の量を見た瞬間に固まってしまうことです。1ページまるごと出されると手が止まりますが、3問ずつ付箋で区切ると取りかかれます。
音読と漢字の書き取りが特に苦手で、計算は好きです。
集中は20分くらいが限界なので、途中で休憩をはさんでいただけると助かります。
放課後等デイサービスに通っていて、個別支援計画もあります。必要であればお見せできます。」
※「困っている場面」「うまくいった方法」「得意なこと」「集中が続く時間」の4点が入っていれば十分です。放デイや児童発達支援を利用している場合、個別支援計画の「本人・家族の意向」の欄をそのまま見せるのがいちばん早く伝わります。
申し込みから指導開始までの流れ
どの会社もおおむね同じ流れです。問い合わせから指導開始まで、早ければ1〜2週間ほどで進みます。
- ①問い合わせ・資料請求――公式サイトのフォームから。この時点で「発達障害の対応を希望」と書いておくと、以降の担当者が変わります。
- ②電話・面談でのヒアリング――上の文例を使って、場面ベースで伝えます。所要15〜30分ほど。
- ③無料体験授業――会社によって60分〜120分。本人の反応を最優先で見る。
- ④見積もりの確認と契約――指導料・入会金・管理費・教材費・交通費の総額を書面で確認。その場でサインしない。
- ⑤指導開始と1か月後の見直し――曜日・時間・目標を1か月やってみて、合わなければ遠慮なく変更を申し出ます。ここで調整しない家庭ほど、3か月目に止まります。

家庭教師以外の選択肢も、先に知っておいてほしい
家庭教師がすべての子に合うわけではありません。「人が家に来るのが負担」「そもそも人と話すこと自体が今はしんどい」という段階なら、別の入口のほうが安全です。現場で実際にすすめることが多い3つを挙げます。
①自宅学習教材(すらら)|人が来ない・学年に縛られない
すららは無学年式のオンライン教材で、小学生の内容から高校の範囲までを学年に関係なく行き来できます。学習障害のあるお子さんの場合、「中学生だけれど小4の漢字でつまずいている」というのはよくあることですが、学年で区切られた教材だとそこに戻ることが本人のプライドを傷つけてしまいます。無学年式はそこを気にせず戻れるのが利点です。
料金は小中コース3教科で月8,800円(税込・継続割適用時は8,228円)、5教科で月10,978円(同10,428円)。入会金は3教科コースで11,000円、5教科コースで7,700円です(いずれも2026年9月時点)。1時間5,500円の家庭教師を月4回つけるより安く、毎日使えます。一方で「一人では始められない子」には向きません。教材の良し悪しより、開始のきっかけを誰が作るかが分かれ目です。
また、不登校のお子さんについては、文部科学省が示す要件を満たし、在籍校の校長が認めた場合に、自宅でのICT等を活用した学習を指導要録上「出席扱い」とできる制度があります。すららはこの申請のサポートを行っています。ただし最終的に判断するのは学校長で、教材を使えば自動的に認められるわけではありません。必ず在籍校と事前に相談してください。
すららについては、向いている子・向いていない子の見分け方、料金と継続割の注意点、不登校の出席扱い制度の進め方まで「すららは発達障害の子に向いている?療育の現場から見た向き・不向きと料金の実際」で詳しくまとめました。
②「勉強」以外の入口から自信を取り戻す(プログラミング教室など)
国語や算数で失敗体験を積み重ねてきた子に、いきなり国語と算数で自信を持たせるのはかなり難しいことです。回り道に見えて早いのは、本人が得意なところで一度「できる人」になること。ゲームやパソコンが好きな子なら、プログラミングやロボット制作から入ると、教科の学習に戻ってくることがあります。
LITALICOワンダーは、発達に特性のある子の受け入れ実績が多い教室です。決まったカリキュラムを全員に同じ順で進めるのではなく、その子の作りたいものから始める形なので、指示に沿って動くのが苦手な子でも入りやすいのが特徴です。
③放課後等デイサービス・児童発達支援(制度として使える)
忘れられがちですが、放課後等デイサービスや児童発達支援は、受給者証があれば1割負担(世帯の所得に応じた月額上限つき)で使える公的なサービスです。学習支援に力を入れている事業所もあり、宿題支援を毎日受けられるところもあります。家庭教師が全額自費であることを考えると、まずここを使い切ってから足りない部分を家庭教師で補う、という順番が合理的です。
まだ利用していない、あるいは事業所選びで迷っている場合は「児童発達支援と放課後等デイサービスの違い&後悔しない施設選びのポイント」を読んでみてください。診断や相談の入口から知りたい方は「子供の発達障害を早期発見するには?年齢別チェックリストと相談先完全ガイド」が参考になります。
よくある質問
Q. 受給者証や福祉の制度で、家庭教師の費用は補助されますか?
A. 原則として補助されません。家庭教師は障害児通所給付費(受給者証)の対象外で、全額自費です。制度の中で使えるのは放課後等デイサービス・児童発達支援・保育所等訪問支援などになります。ごく一部の自治体には学習支援や塾代の独自助成(生活困窮世帯向けの学習支援事業など)がありますので、市区町村の障害福祉課や子育て支援課、通っている放デイの相談員に一度聞いてみてください。
Q. 週1回30分でも意味はありますか?
A. あります。むしろ最初は短いほうがうまくいきます。目的を「学力を上げる」ではなく「決まった曜日の決まった時間に机に向かう習慣を作る」に置けば、30分で十分に成立します。90分の枠を取って後半40分が上の空になるより、30分を確実に終えて「今日もできた」で終わるほうが、3か月後の姿は良くなります。
Q. 発達障害であることは、先生に伝えたほうがいいですか?
A. 伝えてください。伝えないまま始めて「集中しない子」と誤解されるほうが、本人にとってはるかに不利です。ただし診断名だけを伝えても先生は動けません。この記事の「特性を先生に伝えるときの文例」のように、困る場面・うまくいった方法・得意なこと・集中が続く時間の4点をセットで伝えてください。診断がなくても、この4点は書けます。
Q. 先生と合わなかったときは、どう言えばいいですか?
A. 多くの会社が教師の交代を無料で受け付けています。言い出しにくい場合は、先生を否定する言い方ではなく「子どもの状態」を理由にするのが角が立ちません。「先生には丁寧に見ていただいたのですが、本人が前日から不安が強くなってしまうようで、一度別の先生を試させていただけますか」といった伝え方で十分通ります。合わない先生と半年続けるより、1か月で替えるほうがずっと健全です。
Q. オンラインと対面、どちらがいいですか?
A. 対面が向くのは、手元を見てもらう必要がある子(書字が苦手・道具の扱いにつまずく子)と、人がいないと始められない子です。オンラインが向くのは、他人が家に入ることの負担が大きい子と、対人距離が近いと緊張してしまう子。画面越しのほうが視線が気にならず話せる子は実際にいます。多くの会社が両方に対応しているので、体験のときに両方試させてもらうのが確実です。
Q. 不登校ですが、家庭教師で出席扱いになりますか?
A. 家庭教師そのもので自動的に出席扱いになるわけではありません。文部科学省が示す要件を満たしたうえで在籍校の校長が認めた場合に、自宅でのICT等を活用した学習が指導要録上の出席扱いとなる仕組みがあります。実際に認められるかどうかは学校ごとの判断ですので、担任・学年主任・校長に「どんな記録を出せば認めてもらえるか」を先に相談し、その要件に合う形で学習を組み立てるのが現実的な進め方です。
まとめ|会社選びより「最初の1か月の設計」で決まる
- まず1社試すなら、発達障害コースがあり入会金0円の家庭教師ファースト(1時間5,500円・体験は実際の担当講師)。
- 設計まで任せたいなら、教育プランナーがつくトライ。不登校が絡むなら専門コースのある学研。
- 集中が短い子は、15分・30分単位で組めるグッドやわっふる。ただしグッドは初期費用(登録料22,000円+預り金18,000円)を先に確認。
- 人が来るのが負担なら、オンライン専門のGIPS(入会金0円・無料体験60分×2回)か、無学年式のすららから。制度で使えるものは先に使い切る(放課後等デイサービス・児童発達支援)。
- そして何より、最初の1か月の目標は「机に15分座る」で十分。点数から入らないこと。
家庭教師は、勉強を教えるサービスであると同時に、親が「教える人」から降りるためのサービスでもあります。宿題のたびに家の空気が悪くなっているなら、それだけでも試す価値があります。まずは無料体験を1社受けてみて、お子さんが「わからない」と言えるかどうかを見てみてください。
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発達障害コースで一度見てもらいたいなら家庭教師ファースト(入会金0円・体験は実際の担当講師)。人が来るのが負担なら、無学年式で戻れるすららの資料請求から。どちらも無料で試せます。
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