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場面緘黙とは?家では話せるのに外で話せない子どもの特徴・原因と、家庭と学校でできる支援【2026年版】

場面緘黙とは 家では話せるのに外で話せない子どもの特徴・原因と支援
ユイン
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「家ではよくしゃべるのに、園ではひと言も話さないと言われた」「学校で返事やあいさつができず、先生に心配されている」。家での様子と外での様子がまったく違うわが子に、「恥ずかしがりなだけ?」「そのうち話すようになる?」と悩むご家族は少なくありません。

その背景には、場面緘黙(ばめんかんもく)という状態があることがあります。この記事では、場面緘黙とはどういう状態か、人見知りとの違い、話すこと以外の困りごと、年齢ごとの様子、原因、相談と診断の流れ、支援の方法、園や学校でお願いできる配慮、家庭でできる関わり方を、ご家族向けにやさしくまとめました。ご家族からよく聞かれる悩みと、対応の例も紹介します。

この記事でわかること
  • 場面緘黙の診断の目安と、人見知り・恥ずかしがりとの違い
  • 体が固まる「緘動(かんどう)」など、話すこと以外の困りごと
  • 年齢ごとの様子と、原因としてわかっていること
  • 相談と診断の流れ、少しずつ話せる場面を広げる支援
  • 園や学校でお願いできる配慮と、家庭でできる6つの関わり
  • ご家族からよく聞かれる悩みへの対応の例
先にお伝えしたいこと

この記事は一般的な情報で、診断の代わりにはなりません。気になるときは、保健センターや小児科、児童精神科などに相談してください。また、場面緘黙は本人のわがままや反抗ではなく、育て方が原因で起こるものでもありません。

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結論|場面緘黙で最初に知っておきたい5つのこと

先に要点を並べます。

どんな状態?家などでは話せるのに、園や学校など特定の場面になると、話したくても声が出なくなる状態。強い不安が関わる
どのくらい?国の研究班の報告では、幼児期で約1%、小学生で約0.5%と言われている。2〜5歳ごろに始まることが多い
原因不安を感じやすい生まれつきの気質に、環境の変化などが重なって起こると考えられている。わがままや育て方のせいではない
大切なこと無理に話させず、まず安心できる環境を整える。そのうえで、話せる場所・相手・活動を少しずつ広げる
相談のタイミング「そのうち話す」と様子を見続けないこと。1か月以上続いて困っているなら、早めに相談を
「話さない」のではなく「話せない」

場面緘黙のある子は、外でも本当は話したい、返事をしたいと思っていることがほとんどです。声が出ないのは、本人の意思ではなく、強い不安のせいです。そして、適切な支援があれば、話せる場面は少しずつ増やしていけます。

場面緘黙とは|診断の目安

場面緘黙は、英語ではSelective Mutismと呼ばれ、「選択性緘黙」と訳されることもあります。ただ、本人が話す場面を選んでいるわけではないため、日本では「場面緘黙」という呼び方が広く使われています。最新の診断基準(DSM-5-TR)やWHOの分類(ICD-11)の日本語訳でも、「場面緘黙」が正式な名前になりました。

どのくらいの子にあるかは、調査によって0.03〜1%と幅があります。国内の大規模な調査では0.21%(約500人に1人)という結果でした。女の子にやや多いという報告が多く、日本では男の子1人に対して女の子が約1.8人という報告もあります。

医学の診断基準では、不安症のなかまに入ります。一方、日本の制度では発達障害者支援法の「発達障害」に含まれ、学校では「情緒障害」として特別支援教育の対象になります。

診断では、主に次の4つの点を確かめます。

場面緘黙の診断の目安の図。特定の場面で話せない、生活に困りごと、1か月以上続く、ほかの理由では説明できない

図:場面緘黙の診断の目安

目安内容
1. 特定の場面で話せない家などほかの場面では話せるのに、園や学校など話すことが求められる場面で、いつも話せない
2. 生活に困りごとがある話せないことで、学習や友だち関係、園や学校での生活に支障が出ている
3. 1か月以上続いている入園・入学したばかりの最初の1か月だけ、ということではなく、1か月以上続いている
4. ほかの理由では説明できないその場で使う言葉を知らない、話すことが楽しくない、吃音などのことばの障害で説明できるものではない

ポイントは1つめです。「どこでも話さない」のではなく、話せる場面と話せない場面がはっきり分かれていることが、場面緘黙の大きな特徴です。

人見知り・恥ずかしがりとの違い

小さい子が知らない人の前で黙ってしまうのは、よくあることです。人見知りと場面緘黙の違いは、慣れても話せるようにならないかどうかにあります。

人見知りと場面緘黙のちがいを比べた図。慣れると話せるか、話せない場面、気持ち、生活への影響

図:人見知りと場面緘黙のちがい

比べる点人見知り・恥ずかしがり場面緘黙
慣れると?時間がたつと話せるようになる何か月たっても、同じ場面では話せないままのことが多い
話せない場面知らない人や、はじめての場所毎日通う園や学校、よく知っている先生の前でも話せない
本人の気持ち少し緊張している話したいのに声が出ない。強い不安や緊張がある
生活への影響大きな困りごとにはなりにくい返事・発表・友だち付き合い・トイレなど、生活のいろいろな場面で困る
「おとなしい子」として見過ごされやすい

場面緘黙のある子は、園や学校で騒いだりトラブルを起こしたりすることが少ないため、「手がかからない、おとなしい子」と思われて支援が後回しにされやすいことが指摘されています。家での様子とあまりに違うときは、ご家族から先生に伝えてみてください。

話すこと以外の困りごと|体が固まる「緘動」も

場面緘黙は「話せない」ことが目立ちますが、困っているのは話すことだけではありません。国の研究班が当事者とご家族に行った調査でも、話すこと以外の生活のいろいろな場面で、大きな困難を抱えていることがわかっています。

場面緘黙の話すこと以外の困りごとの図。緘動、身ぶり、トイレ・給食、伝えられない、返事・発表、家での反動

図:話すこと以外の困りごと

困りごと例
体が固まる(緘動)人に見られている場面で体が思うように動かない。体育や音楽、行事、着替えで動けなくなる
身ぶりも出にくいうなずく・首をふる・指さすといった声を使わない合図もできないことがある
トイレ・給食学校のトイレに行けない、みんなの前だと食べられない
困っても伝えられない具合が悪い、プリントがない、わからないことがある、を先生に言えない
返事・発表・音読出席の返事や手をあげることができず、欠席と思われかけることも
家での反動外でがんばっている分、家でかんしゃくが増える、疲れて寝てしまう、登園・登校をしぶる

症状の重さは人によって大きく違います。小声なら話せる子、特定の友だちとだけ話せる子、筆談やジェスチャーならやりとりできる子もいれば、身ぶりも含めてほとんど反応できない子もいます。医療の現場では、おおまかに次の3つに分けて考えることもあります。

タイプ様子の目安
比較的軽いタイプ家では問題なく話せる。外では話せないが、筆談や身ぶりでやりとりでき、不安もそれほど強くない
中くらいのタイプ家では話せる。外では話せず、身ぶりなどのやりとりも避けがちで、不安がある
重いタイプ家族の一部にも話せない場面がある。外では身ぶりも難しく、強い不安で体が固まることもある

なお、どこでもまったく話せない状態(全緘黙)や、吃音、声そのものが出なくなる失声症などとは区別されます。

年齢別|どんな様子が見られる?

場面緘黙は幼児期に始まることが多いとされます。ただ、3歳ごろまでは集団生活の場面が少ないため、乳幼児健診では気づかれにくく、入園や入学で気づかれることがよくあります。

場面緘黙の年齢別の様子の図。就園前、幼児期、小学生、中学生以降

図:年齢別・見られやすい様子

年齢見られやすい様子(例)
就園前はじめての場所や人に強く緊張する、外では親から離れられない、家族以外の前では声が小さくなる
幼児期入園しても園で話さない状態が続く、登園をしぶる、家ではよく話すのに園の先生には返事をしない。4歳ごろには、多くの子が自分が話せないことに気づいていると考えられている
小学生音読や発表、出席の返事ができない、休み時間に一人でいる。話すことが求められる場面が増えるため、困りごとが表に出やすい時期
中学生以降友だち関係や進学の悩みが増える。調査では、中学生で悪化傾向の人が約半数いた。不登校につながることもある

同じ調査では、どの年代でも半数以上が「改善している」と答えています。成長とともに改善する人も多い一方、適切な支援がないまま大人になり、苦しさが続く人もいます。だからこそ、早い時期からの支援が大切です。

「大人になれば自然に治る」とは限りません

場面緘黙を長く放っておくと、話せない状態が固まりやすくなるだけでなく、自分を責める気持ち、うつ状態、不登校やひきこもりといった二次的な問題につながることがあります。「おとなしい性格だから」と見過ごさず、困っているなら早めに相談してください。

場面緘黙の原因|わがままや育て方のせいではありません

場面緘黙のはっきりした原因は、まだわかっていません。今は、いくつかの要因が重なって起こると考えられています。

本人の気質もともと不安や緊張を感じやすい、新しいことに慎重、という生まれつきの性質
ことばや発達の特性ことばの発達がゆっくり、発音の苦手さ、自閉スペクトラム症などの特性がある場合も
環境の要因入園・入学・引っ越しなどの大きな変化、家と外で使う言葉が違う、など
原因ではないこと本人のわがまま、反抗、親の育て方や愛情不足。一つのつらい出来事だけで起こるわけでもない

「話さなくてすむ」状態が続くと、固まりやすい

話せない状態が続くと、周りが「この子は話さない子」と思って話しかけなくなったり、本人も「話したら驚かれる」と不安が強くなったりします。また、周りが何でも代わりにしてくれて、話さなくても困らない状態が続くことも、話せない状態が長引く要因になることがあります。安心させることと、少しずつ話せる経験を増やすことの両方が必要です。

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自閉スペクトラム症・言葉の遅れとの関係

場面緘黙は、ほかの特性と重なることがあります。国の研究班の報告では、場面緘黙のある子の約半数にことばの未熟さがある、また海外の研究では自閉スペクトラム症を合わせ持つ人が3割ほどいると紹介されています。

重なりやすいものポイント
自閉スペクトラム症見通しのない場面や、音などの刺激が苦手なことが、不安を強めることがある。自閉スペクトラム症(ASD)とはも参考に
言葉の遅れ・発音の苦手さ「うまく言えないかも」という不安が、話せなさにつながることも。言葉の遅れが気になるときも参考に
社交不安・分離不安人に注目されることへの強い不安や、親と離れることへの不安を合わせ持つことがある
感覚の過敏さざわざわした教室の音などがつらく、緊張が強まることがある。子どもの感覚過敏への対応も参考に

どれを合わせ持つかによって、必要な支援も変わります。相談のときは、話せないこと以外に気になることも一緒に伝えてください。

相談と診断の流れ

場面緘黙は、相談しても「そのうち話すようになりますよ」と言われることがあります。けれど、国の研究班がまとめた支援者向けのマニュアルでは、困っているのに「様子を見ましょう」で終わらせるべきではないとされています。気になったら、次の流れで相談してみてください。

場面緘黙の相談と診断の流れの図。話せる場面をメモ、園・学校と共有、相談窓口、医療機関

図:相談と診断の流れ

ステップ1

話せる場面・話せない場面をメモする

「家では家族と話せる」「園の駐車場では母と話せる」「先生の前では首ふりならできる」など、どこで、誰と、どのくらいなら話せるかを書き出します。家で話している様子の動画があると、相談先に伝わりやすくなります。支援団体の「かんもくネット」などが公開している場面緘黙質問票(SMQ-R)を使うと、場面ごとの話せる程度を整理しやすくなります。

ステップ2

園や学校の先生と様子を共有する

家での様子を伝え、園や学校での様子を教えてもらいます。「家ではよく話す」ことを先生が知らないことも多いので、ここが支援のスタートになります。

ステップ3

保健センター・教育相談・発達の相談窓口へ

市区町村の保健センター、教育委員会の教育相談、発達障害者支援センター、学校のスクールカウンセラーなどで相談できます。就学相談の機会も使えます。

ステップ4

医療機関(児童精神科・小児科の発達外来)

診断は医師が行います。家庭や園・学校での様子を聞き取り、質問紙などで話せる場面を確かめます。合わせ持つ特性がないかを見るため、発達検査をすることもあります。

受診のとき、本人が話せなくても大丈夫

診察室でも話せないのは当たり前のことです。うなずき・首ふりで答えられる質問、筆談、指さしなど、本人が使いやすい方法を事前に伝えておくと、本人の負担を減らせます。

支援の方法|安心できる環境と、話せる場面を少しずつ広げる

支援の基本は、次の2つです。

1. 安心できる環境見通しを伝える、刺激を減らす、やることの量を減らす、手助けを増やす、求める水準を下げる、など。家でできていることが、外でも安心してできることをまず目指す
2. 話せる場面を広げる今話せている状態を出発点に、場所・相手・活動を1つずつ変えて、話せる範囲を少しずつ広げる(行動療法の考え方)

2つめは、たとえば次のように進めます。いきなり「先生と話す」を目標にするのではなく、小さな段を一つずつ上がるイメージです。

話せる場面を少しずつ広げる6段の階段の図。家で家族と話す段階から、先生と直接話す段階まで

図:話せる場面を少しずつ広げる(進め方の一例)

段階例
1家で家族と話せる(出発点)
2放課後や休みの日に、誰もいない園や学校で家族と話す
3家族と話しているところに、先生が少し離れたところにいる
4先生がそばに来ても、家族と話し続けられる
5先生の質問に、家族を通して、または小さな声やひと言で答える
6先生と直接話す。仲のよい友だちを1人ずつ加えていく

練習は、本人が「やってみたい」と思っていることが前提です。どの段から始めるか、どのくらいのペースで進めるかは、本人や専門家と相談しながら決めます。録音した声を先生に聞いてもらう、タブレットを使うなど、機器を使う方法もあります。

療育児童発達支援や放課後等デイサービスで、安心できる場所での経験を積むこともできます。療育とは、受給者証の申請、放課後等デイサービスの料金もあわせてどうぞ
学校の制度「自閉症・情緒障害」の特別支援学級、「情緒障害」や「言語障害」(ことばの教室)の通級指導教室で、話す練習を計画的に行うこともできる
認知行動療法小学校の高学年以降では、不安につながる考え方や行動を見直す認知行動療法を組み合わせることもある
保護者向けプログラムペアレント・トレーニングなど、家庭での関わり方を学ぶプログラムを取り入れている地域や機関もある
薬場面緘黙そのものを治す薬はない。強い不安などを合わせ持つ場合に、医師の判断で使うことがある
目標は「話させること」だけではない

支援の目標は、声を出させることだけではありません。不安とうまくつき合う力を身につけ、学校や生活に参加できることが大切です。話せない時期も、筆談・指さし・タブレットなど声以外の方法で参加できるようにしておくと、本人の自信が守られます。支援は数年単位になることもあるので、小さな一歩を積み重ねるつもりで進めましょう。

園・学校でお願いできる配慮

場面緘黙のある子に合う配慮は、一人ひとり違います。たとえば音読なら、「当てずに飛ばしてほしい子」「隣の子と一緒なら読める子」「待ってもらえれば読める子」がいます。本人の気持ちを聞きながら、先生と相談して決めましょう。

場面配慮の例
あいさつ・返事あいさつや返事を無理に求めない。出席は、目を合わせる・カードを出すなどで確認する
音読・発表指名の前に予告する、書いて提出する、ペアで読む、録音を使う、など本人が選べる方法に
困ったときの合図「トイレ」「具合が悪い」などのカードを決めておく。先生のほうから「大丈夫?」と声をかける
体育・音楽・行事緘動で動けないときは責めない。見学や役割の変更、立ち位置の工夫を相談する
給食・トイレ食べられないことを叱らない、量を減らす。人の少ない時間にトイレに行けるようにする
連絡・質問連絡は黒板やプリントで全員にわかるようにする。連絡帳や手紙での質問を受けつける
クラスの雰囲気「どうして話さないの?」と注目を集めない。話さなくても仲間に入れる遊びを一緒に考える

障害者差別解消法により、学校には合理的配慮の提供が求められていて、2024年4月からは私立の学校や園でも義務になりました。新しい学年になるときは、配慮の内容を個別の指導計画などに書いて引き継いでもらうよう、保護者から学校にお願いすることもできます。周りの子への説明は、本人の了解を得てからにしましょう。

進学・進級は、変わるきっかけにも

小学校への入学や、中学・高校への進学は、話せるようになるきっかけになることがあります。年長のうちに、保護者と本人だけで小学校を見学し、校舎で話しておくなど、新しい場所を「話せる場所」にしておく準備も有効とされています。

家庭でできる6つの関わり

家庭は、本人がいちばん安心して話せる場所です。家での安心を守りながら、外の世界へ少しずつ橋をかけることを意識してみてください。

関わり1

話すことを強制しない

「ほら、あいさつは?」「どうして言えないの?」と促されると、不安が強くなり、かえって声が出にくくなります。話せなかったことを叱らない、責めないことが出発点です。

関わり2

家ではのびのび話せるようにする

外でがんばっている分、家ではたくさん甘えたり話したりできる時間を大切にします。家でのかんしゃくは、外での緊張の反動のこともあります。

関わり3

本人の代わりに全部答えない

大人が先回りして全部答えると、本人が話す機会がなくなります。質問されたら5秒くらいは待つ、うなずきで答えられる聞き方に変えるなど、本人が答えられる余地を残します。外で小さな声やひと言が出たときは、大げさにせず、「教えてくれてうれしかった」と具体的に認めるくらいがちょうどよいでしょう。

関わり4

外で家族と話す機会をつくる

公園、お店の外、園や学校の駐車場など、家の外で家族と話せる場所を少しずつ増やします。話せる場所が広がると、その場所での不安が下がっていきます。

関わり5

声以外の伝え方を一緒に用意する

筆談、指さしカード、うなずき・首ふりなど、声を出さなくても伝えられる方法があると、困ったときに助けを求めやすくなります。

関わり6

本人の気持ちを聞いて、話題にしてもよい

年齢が上がると、本人も話せないことに気づいています。状態に合わせて、「声が出にくいときがあるよね」と話題にし、どうしたいかを一緒に考えることも、本人の安心につながります。場面緘黙をテーマにした絵本や子ども向けの本を一緒に読むと、「自分だけじゃない」と感じられるきっかけになります。

周りの大人にも、知っておいてもらう

祖父母や親戚、習い事の先生などに「あいさつしなさい」と言われて固まってしまうこともあります。「話せないのは不安のせいで、促されるともっと話せなくなる」と、前もって伝えておくと安心です。

ご家族からよく聞かれる悩み|対応の例

Yahoo!知恵袋やSNSでは、場面緘黙について次のような悩みがよく見られます。個々の投稿をそのまま載せるのではなく、よくある悩みをまとめて書き直しています。考え方と、対応の例をあわせて紹介します。

よくある悩み1

「家ではうるさいくらいなのに、園ではひと言も話さないと言われました」

家と外での様子が大きく違うのは、場面緘黙のよくある姿です。家で話せているのは、話す力があるという大切なサインです。

対応の例

  • 家で話している様子を先生に伝え、必要なら動画を見てもらう
  • 園でどんな場面なら反応できるか(うなずき、指さしなど)を先生と確かめる
  • 1か月以上続いているなら、保健センターなどに相談する
よくある悩み2

「先生に『そのうち話すから、様子を見ましょう』と言われました」

自然に話せるようになる子もいますが、何もしないで待つだけでは長引くこともあります。

対応の例

  • 家での様子と、本人が困っていること(トイレ、給食など)を具体的に伝える
  • 「いつまで、どんな変化を待つか」を先生と決めておく
  • 園や学校とは別に、専門の相談窓口にも相談する
よくある悩み3

「祖父母に『あいさつもできないなんて』としかられます」

悪気がなくても、促されるほど本人は固まってしまいます。本人を守れるのは、いちばん近くにいるご家族です。

対応の例

  • 会う前に、場面緘黙のことと「促さないでほしい」ことを伝えておく
  • あいさつは、おじぎや手をふるだけでよいことにする
  • 本人の前で「この子は話さないから」と言わないようお願いする
よくある悩み4

「学校でトイレに行けず、給食も食べられないようです」

緊張が強いと、トイレや食事など体のことにも影響が出ます。体調にも関わるので、早めに学校と相談したい困りごとです。

対応の例

  • 人の少ない時間や、保健室のそばのトイレを使えるよう相談する
  • 給食の量を減らす、食べられなくても叱らないようお願いする
  • 「トイレに行きたい」を伝えるカードを先生と決めておく
よくある悩み5

「最近、学校に行きたがらなくなりました」

話せないつらさや緊張の疲れから、登校をしぶるようになる子は少なくありません。強い不安が背景にあるときは、無理に行かせようとすると逆効果になることがあります。

対応の例

  • まず休ませて、家で安心して過ごせる時間を確保する
  • 別室登校、時間を短くするなど、負担を減らす方法を学校と相談する
  • スクールカウンセラーや医療機関など、学校以外の相談先ともつながる

よくある質問

Q. 場面緘黙は大きくなれば治りますか?

成長とともに改善する人は多くいますが、大人になっても話せない状態や、人前で話す苦手さが続く人もいます。早めに支援を始めることで、改善しやすくなると考えられています。また、緘黙の症状は大人になってからでも改善させることができるとされています。

Q. 何科を受診すればいいですか?

子どもの場合は、児童精神科や、小児科の発達外来が主な受診先です。どこに行けばいいか迷うときは、市区町村の保健センターや発達障害者支援センターで、地域の医療機関を教えてもらえます。

Q. 本人に「場面緘黙」という名前を伝えてもいいですか?

年齢や本人の様子によりますが、「話せないのは自分のせいではない」とわかって安心する子もいます。伝え方に迷うときは、主治医や相談先と一緒に考えるとよいでしょう。

Q. 手帳や療育の対象になりますか?

場面緘黙は発達障害者支援法の発達障害に含まれるため、生活への影響によっては精神障害者保健福祉手帳の対象になることがあります。療育(児童発達支援・放課後等デイサービス)は、手帳がなくても使えます。通院が長く続く場合は、医療費の自己負担を軽くする自立支援医療(精神通院医療)を使えることもあります。

Q. 大人になっても続いた場合、どんな支えがありますか?

大人の場面緘黙は、子どものころから続いていて見過ごされてきた人が多いとされます。会議や電話、雑談などで困りやすく、精神科・心療内科で治療や相談ができます。手帳を取得して障害者雇用の枠で働く、就労移行支援を使って自分に合った仕事を探す、といった道もあります。

Q. 運動や手先の不器用さもあるのですが、関係はありますか?

緘動で体が動かないのとは別に、運動や手先の不器用さが目立つ場合は、発達性協調運動症などほかの特性がかくれていることもあります。発達性協調運動症(DCD)とはの記事も参考にしてください。

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まとめ

  • 場面緘黙は、家では話せるのに、園や学校など特定の場面で、話したくても声が出なくなる状態
  • 幼児期で約1%、小学生で約0.5%と言われる。人見知りと違い、慣れても話せないままのことが多い
  • 原因は不安を感じやすい気質などが重なったもので、わがままや育て方のせいではない
  • 体が固まる緘動、トイレや給食など、話すこと以外の困りごとにも目を向ける
  • 支援は、安心できる環境と、話せる場所・相手を少しずつ広げる練習の2本柱
  • 困っているなら「様子を見る」だけにせず、早めに相談を

場面緘黙は、周りから「おとなしい子」「恥ずかしがりなだけ」と思われやすく、本人もご家族も、ひとりで悩みを抱えこみがちです。でも、話せないのは本人のせいでも、ご家族のせいでもありません。家での安心を大切にしながら、園や学校、身近な相談窓口と一緒に、お子さんのペースで話せる場面を広げていってください。

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介護福祉士保育士サービス管理責任者
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