放課後等デイサービスの選び方|見学前に確認する3つと当日そのまま使える質問リスト
「見学に行ったけれど、結局なにを見ればよかったのかわからなかった」——放課後等デイサービス(以下、放デイ)の相談で、いちばんよく聞く言葉です。職員が感じよく対応してくれて、子どもが楽しそうにしていた。それで決めた。半年後に「思っていたのと違う」となる。このパターンを、現場で何度も見てきました。
理由ははっきりしています。見学で見えるのは「その日の30分」だけだからです。そして多くの保護者が、見学に行く前にネットで確認できることを、確認しないまま行っている。
この記事は、放デイのサビ管として事業所側に立ち、同時に4人の子を育てる保護者でもある立場から、国が定めた公的な文書に書かれていることだけを根拠にまとめました。「なんとなく良さそう」を「根拠のある比較」に変えるための記事です。
- 見学に行く前に、家のパソコンで確認できる3つ(これを知らずに行くのは損です)
- 事業所が公表している支援プログラムの読み方と、そこで何が判定できるか
- 見学当日にそのまま読み上げられる質問リスト(分野別)
- 放デイに「家族支援」として頼んでいいこと——ほとんどの保護者が知りません
- 利用開始までの流れと、セルフプランという選択肢
根拠はすべて、こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン(令和6年7月)」、児童福祉法、国保連データなどの一次情報です。記事末に出典をまとめています。
前提:放デイは「預け先」ではありません
選び方の話に入る前に、ここを外すと質問リストが機能しません。放デイが何をする場所として制度上定義されているかです。
児童福祉法第6条の2の2第3項は、放課後等デイサービスを、就学している障害児を授業の終了後または休業日に通わせ、「生活能力の向上のために必要な支援、社会との交流の促進その他の便宜を供与すること」と定義しています。「預かる」という言葉はどこにもありません。
そして令和6年7月に全面改訂されたガイドラインは、放デイの役割を4つに整理しました。ここが、この記事のすべての土台になります。
| 役割 | 中身 | 保護者から見ると |
|---|---|---|
| 本人支援 | 5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)に沿った発達支援 | 「うちの子に何をしてくれるのか」 |
| 家族支援 | 家族(きょうだいを含む)への相談援助、レスパイト、保護者同士の交流の機会など | 親も支援の対象。頼んでいい |
| 移行支援 | 放課後児童クラブ等との併行利用・移行、ライフステージの切替えを見据えた準備 | 「この先どうするか」を一緒に考える |
| 地域支援・地域連携 | 学校・医療・相談支援など関係機関との連携 | 学校と話をつないでもらえる |
ガイドラインは「『本人支援』に加え、『家族支援』、『移行支援』、『地域支援・地域連携』もあわせて行われることが基本である」と明記しています。
つまり、4つのうち1つしか答えられない事業所は、制度が想定している姿から外れているということです。見学の質問リストは、この4つをなぞる形で作ります。それだけで、「楽しそうでした」以上の情報が取れます。
事業所は22,496か所。選択肢が多いことが、そのまま難しさになっている
「昔より事業所が増えた」という実感は、数字でも裏づけられます。国保連データによる集計では、放デイの事業所数と利用人数はこう動いています。
| 時期 | 事業所数 | 利用人数 | 1人当たり費用額(月) |
|---|---|---|---|
| 令和3年4〜6月 | 16,700か所 | 270,349人 | 124,520円 |
| 令和5年4〜6月 | 20,460か所 | 335,932人 | 130,316円 |
| 令和6年10〜12月 | 22,496か所 | 375,472人 | 136,621円 |
3年半で事業所数は約1.35倍。1人当たり費用額は、利用者が負担する額ではなく公費を含めた総額です(保護者の負担は原則1割かつ世帯の所得に応じた月額上限まで)。
読み取ってほしいのは2点です。ひとつは、1人につき月13万円前後の公費が動く事業だということ。だからこそ参入が増えました。もうひとつは、増えたぶん、質の幅も広がっているということです。近所に3か所あるなら、3か所とも同じ中身だと思わないでください。
なお、費用の仕組みそのものについては放課後等デイサービスの料金はいくら?年収別の上限額早見表と実費の内訳で、上限月額の区分と実費の内訳を整理しています。この記事は「いくらか」ではなく「どこを選ぶか」の話です。
見学に行く前に、家で確認できる3つ

ここがこの記事のいちばん伝えたい部分です。令和6年度の制度改正で、事業所には「公表しなければならないもの」が増えました。つまり、見学に行かなくても、家のパソコンやスマホで確認できる材料が以前より増えているのです。
しかも、公表されていないこと自体が情報になります。順に見ていきます。
① 支援プログラムが公表されているか
令和6年4月1日から、運営基準で支援プログラムの作成と公表が求められるようになりました。こども家庭庁の手引きには、猶予の扱いまで明記されています。
令和7年4月1日以降に、支援プログラムの公表及び都道府県への届出がされていない場合には、支援プログラム未公表減算が適用されるため留意されたい。
こども家庭庁「児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表の手引き」
言い換えると、いま現在、支援プログラムをホームページで公表していない事業所は、報酬を減算されている状態です。公表はインターネットでの公表が想定されていますから、事業所名で検索して見つからない場合、少なくとも「制度対応が遅れている」と判断する材料にはなります。
② 自己評価結果・保護者評価が公表されているか
こちらは支援プログラムより前から義務化されているもので、ガイドラインの書きぶりも強いです。
事業所の自己評価の結果及び保護者評価の結果並びにこれらの評価を受けて行った改善の内容については……概ね1年に1回以上、保護者に示すとともに、広く地域に向けて、インターネットのホームページや会報等で公表しなければならない。
こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)第6章
ここで注目してほしいのは「保護者評価」です。事業所は職員による評価(従業者評価)だけでなく、保護者にアンケート(保護者向け放課後等デイサービス評価表)を配り、その集計結果まで公表しなければならない。
つまり、すでに通っている保護者が、その事業所をどう評価しているかを、あなたは見学前に読めるということです。口コミサイトを探すより、はるかに確度の高い情報です。しかも直近1年以内のものが出ているはずです。
私が見るのは、点数そのものより「課題や改善すべき点」に何を書いているかです。ガイドラインは、自己評価で事業所の強みと弱みを分析し、課題について速やかに改善を図る必要があるとしています。弱みを具体的に書いて改善策まで書いている事業所は、まず信用していい。逆に、全項目が満点で課題が「特になし」になっている総括表は、評価が機能していないサインです。
③ 障害福祉サービス等情報公表システムで基本情報を照合する
3つ目は、事業所のホームページではなく公的なデータベースを見る方法です。ガイドラインにはこう書かれています。
こどもの個々のニーズに応じた質の高い支援の選択や、事業所が提供する支援の質の向上に資することを目的として、障害福祉サービス等情報公表制度の仕組みがあり、事業所は、都道府県等に対し、事業所の情報(所在地や従業員数、営業時間や支援内容等)を報告する必要がある。
こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)第6章
この報告された情報は、独立行政法人福祉医療機構が運営する障害福祉サービス等情報検索(WAM NET)で、都道府県・サービス種別から誰でも検索できます。事業所が自分で作ったパンフレットではなく、行政に届け出た情報である点に価値があります。
| 確認するもの | どこで | 見つからない/中身が薄いときの読み方 |
|---|---|---|
| 支援プログラム | 事業所・法人のホームページ | 令和7年4月以降は未公表減算の対象。制度対応の姿勢を測る材料になる |
| 自己評価結果 保護者評価の集計 |
事業所・法人のホームページ (園だより・掲示の場合もある) |
運営基準上「公表しなければならない」もの。課題欄が空白なら評価が形骸化している |
| 届出情報 | WAM NET 障害福祉サービス等情報検索 | ホームページの記載と食い違う場合は、見学時にそのまま聞いてよい |
3つとも「あるか・ないか」だけで判定しないでください。中身を読むと、その事業所が何を大事にしているかが、見学の30分よりはっきり出ます。
支援プログラムの読み方——5領域が「網羅」されているか

支援プログラムを開いたら、次に見るのは5領域です。ガイドラインは、支援プログラムを次のように定義しています。
総合的な支援の推進と事業所が提供する支援の見える化を図るため、5領域(「健康・生活」、「運動・感覚」、「認知・行動」、「言語・コミュニケーション」、「人間関係・社会性」)との関連性を明確にした事業所における支援の実施に関する計画(支援プログラム)を作成する必要がある。
こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)第6章
| 領域 | だいたいの中身 | プログラムのどこに出るか |
|---|---|---|
| 健康・生活 | 生活リズム、食事・排泄・着脱などの生活スキル、健康状態の把握 | おやつ、身支度、帰りの準備 |
| 運動・感覚 | 姿勢や身体の動き、感覚の過敏さ・鈍さへの対応 | サーキット、散歩、感覚遊び |
| 認知・行動 | 物事の捉え方、注意や記憶、行動の調整 | 課題学習、ルールのある遊び |
| 言語・コミュニケーション | 言葉の理解と表出、代替手段を含むやりとり | 朝の会、発表、絵カード |
| 人間関係・社会性 | 他者とのかかわり、集団参加、自己理解 | 集団活動、行事、調理 |
右の列は一例です。同じ「おやつ」でも、事業所によってどの領域に紐づけているかは変わります。活動名だけが並んでいて領域との関連が書かれていない場合、それは支援プログラムの要件を満たしていません。
「うちは運動特化です」をどう読むか
見学でよく聞くセリフです。これ自体は悪いことではありません。ただし、ガイドラインは順序をはっきり決めています。
本人支援の5領域の視点を網羅したアセスメントが行われないことや、5領域のうち特定の領域のみの支援のみを行うなど、本人支援の5領域の視点が網羅されていない状況で支援を提供することは、総合的な支援としては相応しいとは言えないものである。
こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)第2章
制度が想定しているのは「5領域を網羅した総合的な支援を行うことに加えて、特定の領域に重点を置く」という形です。土台があって、その上に重点が乗る。土台がないまま「運動だけ」は、制度上は認められていません。
ですから見学では、こう聞いてください。「運動に力を入れているとのことですが、言葉やお友達との関わりの部分は、一日の流れのどこで見ていますか」。この一問で、5領域を意識して組み立てているかどうかが、ほぼわかります。答えに詰まる事業所は、正直あります。
放デイに通い始めた家庭からいちばん多く出てくる次の悩みが、「療育は合っているけれど、学校の勉強が追いつかない」です。放デイは5領域の発達支援が役割なので、教科学習をがっつり見る場所ではありません。ここは別枠で考えたほうが早いです。
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見学当日、そのまま聞ける質問リスト
ここからは実践編です。紙に印刷して持っていって、読み上げてかまいません。むしろ、そのほうが「ちゃんと調べてきた保護者だ」と伝わって、扱いが変わります。遠慮はいりません。
全部聞く必要はありません。各グループから2つずつ選べば、30分の見学で十分収まります。
A. 支援の中身を聞く(本人支援)
- 「支援プログラムを見せていただけますか。5領域とのつながりを説明してもらえますか」
- 「うちの子のような特性の場合、一日の流れはどうなりますか」(具体的な時間割で答えてもらう)
- 「個別支援計画は誰が作って、どのくらいの頻度で見直しますか」
- 「集団と個別の割合はどのくらいですか」
- 「うまくいかない日は、どう対応しますか」(この答えがいちばん本質が出ます)
- 「うちの子と同じくらいの学年の子は、いま何人くらい通っていますか」
個別支援計画の中身については個別支援計画の記入例と作り方【放デイ・児発】5領域対応で、事業所側がどう作っているかを公開しています。保護者が読んでおくと、面談での確認が一段深くなります。
B. 職員体制を聞く
- 「常勤の職員は何名で、1日に何名の体制ですか」
- 「児童発達支援管理責任者はどなたですか。今日いらっしゃいますか」
- 「職員のみなさんの経験年数は、だいたいどのくらいですか」
- 「この1年で職員は何名くらい入れ替わりましたか」
- 「保育士・児童指導員以外に、専門職の方はいますか」
入れ替わりの質問は失礼だと思われがちですが、聞いていいことです。答えづらそうにするかどうかも含めて情報になります。人が入れ替わり続ける事業所では、子どもとの関係づくりがやり直しになります。
C. 安全・緊急時を聞く
- 「けがや体調不良のとき、どの時点で連絡をもらえますか」
- 「お子さん同士のトラブルがあったとき、保護者にはどう伝えていますか」
- 「災害が起きたときの引き渡しはどうなりますか」
- 「虐待防止の研修や委員会は、どんな形でやっていますか」
- 「送迎車の中での事故防止は、どうしていますか」
運営規程には「緊急時等における対応方法」「非常災害対策」「虐待の防止のための措置に関する事項」が必ず記載されています(ガイドライン第6章)。重要事項説明書を見せてもらえば、その場で確認できます。
D. 送迎・欠席・お金を聞く
- 「送迎はありますか。学校から直接、自宅まで、どの範囲ですか」
- 「急に休むときは、何時までに連絡すればいいですか。料金はどうなりますか」
- 「おやつ代や教材費など、実費はいくらかかりますか」
- 「長期休暇(夏休みなど)の開所時間と、昼食はどうなりますか」
- 「利用できる曜日は固定ですか。増やしたいときは相談できますか」
送迎の有無・営業時間は、支援プログラムの様式にも記載項目として入っています。事前にホームページで確認しておけば、見学ではその先(例外的な対応が可能か)を聞けます。
E. 学校・家庭との連携を聞く(移行支援・地域連携)
- 「学校とはどのくらいの頻度で情報のやりとりがありますか」
- 「学童(放課後児童クラブ)と併行利用している子はいますか」
- 「進級・進学のときの引き継ぎは、どうしていますか」
- 「相談支援専門員さんとの担当者会議には、どなたが出てくれますか」
- 「高校卒業後を見据えた話は、いつごろから始まりますか」
ガイドラインは移行支援の内容として、放課後児童クラブ等との併行利用時の連携や、「移行先との支援方針・支援内容の共有」「家族への情報提供や移行先の見学調整」までを挙げています。学校との連携は、放デイの業務の一部です。
放デイに「家族支援」として頼んでいいこと
ここは、ほとんどの保護者が知らないまま損をしている部分です。ガイドラインは家族支援を放デイの役割のひとつに位置づけ、その支援内容を具体的に列挙しています。以下は、そこに書かれているものです。
- 家族の子育てに関する困りごとに対する相談援助
- こどもの発達上のニーズについての気づきの促しとその後の支援
- こどもの支え方や食事のとり方等の具体的な介助方法についての助言・提案
- 家族のレスパイトの時間の確保や就労等による預かりニーズに対応するための延長支援
- 心理的カウンセリングの実施
- 保護者同士の交流の機会の提供
- きょうだい同士の交流の機会の提供や、きょうだいに対する相談援助
ガイドラインは家族支援について「家族(きょうだいを含む。)と日頃から信頼関係を構築し、障害の特性に配慮し、丁寧な『家族支援』を行うことが必要である」としています。
読んでいて、意外だったものはありませんか。レスパイト(親が休むための預かり)が、堂々と支援内容として書かれています。「親が休みたいから」は、後ろめたい理由ではありません。制度が正面から想定しているニーズです。
きょうだい支援が入っているのも大きい。障害のある子の相談に行くと、どうしてもその子の話だけになります。でも、きょうだいのことを相談していいと書いてあるのです。うちも4人育てていますが、上の子に我慢をさせている自覚がある時期がありました。あのとき知っていれば、と思います。
見学では、この一文をそのまま聞いてください。「ガイドラインに家族支援という項目がありますが、こちらではどんなことをしていますか」。答えられる事業所は、間違いなく勉強しています。
見学では見えないところを、どう見るか
ここは公的文書ではなく、事業所側にいる人間としての話です。見学は基本的に「見せたいところを見せる」時間です。それでも、いくつか見え方の癖があります。
| 見るもの | 何がわかるか |
|---|---|
| 職員同士の会話 | 子どもの話をしているか、業務連絡だけか。子どもの名前が会話に出てこない事業所は、正直こわい |
| 子どもが職員を呼ぶときの声 | 呼びやすい関係か。呼んだあと、職員がすぐ反応するか |
| 壁の掲示 | 作品が新しいか。日付が数か月前で止まっていないか |
| トイレと手洗い場 | いちばん手が回らない場所。ここが整っている事業所は、全体が整っている |
| 静かに過ごせる場所があるか | 刺激から離れられる場所を用意しているか。感覚の過敏さがある子には決定的 |
| 記録を書いている様子 | その場で書いているか、帰りにまとめて書いているか。後者は記憶頼みになりがち |
もし可能なら、時間帯を変えて2回行くのがいちばん効きます。学校から子どもが到着する直後(15時台)がおすすめです。いちばん混乱する時間で、そこが回っているかどうかに事業所の力量が出ます。
感覚の過敏さがあるお子さんの場合、静かに過ごせる場所の有無は見学時に必ず確認してください。音や光の負荷は足し算で効いてくるので、逃げ場のない環境だと通所自体が苦痛になります。この点は子どもの感覚過敏への対応|6つの感覚別チェックと、学校に配慮を求めるときの伝え方にまとめた通りで、学校に頼めることは放デイにも頼めます。
利用が始まるまでの流れ

「見学の前に受給者証が要るのか」という質問もよく受けます。見学は受給者証がなくてもできます。むしろ、先に見学して事業所の目星をつけてから手続きに入るほうがスムーズなことが多いです。
- ①市区町村の障害福祉担当窓口に相談……通所受給者証の申請について案内を受けます
- ②障害児相談支援事業所で「障害児支援利用計画案」を作ってもらう……相談支援専門員が、子どもの状況・環境・意向を聴き取ってアセスメントし、総合的な援助方針を提案します
- ③市区町村が支給決定……計画案を勘案して、利用の可否と支給量(月何日使えるか)が決まります
- ④担当者会議……相談支援専門員が事業所を集めて開催。保護者も参加し、支援の目的・内容・役割分担を共有して計画を確定します
- ⑤事業所が「放課後等デイサービス計画」を作成……児童発達支援管理責任者が、利用計画の方針を踏まえて具体的な中身を作ります
- ⑥利用開始、そしてモニタリング……相談支援専門員が一定期間ごとに面談し、支援の状況・効果・満足度を確認します
③の支給量は自治体によって考え方が違います。「週何日通いたいか」は②の段階で具体的に伝えてください。後から増やすのは、増やす理由の説明が必要になります。
セルフプランという選択肢
相談支援事業所が地域で不足していて、計画案の作成まで何か月も待たされることがあります。その場合、保護者自身が計画を作る「セルフプラン」という方法があります。ガイドラインにも登場する、正式な仕組みです。
早く始められるのが利点ですが、相談支援専門員がつかないぶん、モニタリングも担当者会議も自動では回りません。ガイドラインは、セルフプランで複数の事業所を継続利用している場合には、市町村が選定するコア連携事業所を中心に事業所間で連携する、としています。
なお、放デイと並行して居宅介護(ホームヘルプ)や短期入所(ショートステイ)を組み合わせることもできます。ガイドラインも、利用計画案はこれらの中から必要な支援を選択・組み合わせて作るものだとしています。ヘルパーの使い方は居宅介護ヘルパーの選び方|障害福祉と介護保険の違い・費用・事業所の探し方にまとめています。
複数を比べて、最後にどう決めるか
1か所しか見ないで決めるのは、もったいないです。できれば3か所。2か所だと、どちらが良いかではなく「後に見たほう」が良く見えます。3か所目で基準が定まります。
比べるときは、印象ではなく同じ項目で並べるのがコツです。以下の表を紙に書いて、見学の帰りに車の中で埋めてください。翌日になると印象が混ざります。
| 項目 | A事業所 | B事業所 | C事業所 |
|---|---|---|---|
| 支援プログラムの公表 | あり/なし | あり/なし | あり/なし |
| 自己評価・保護者評価の公表 | あり/なし | あり/なし | あり/なし |
| 5領域の説明ができたか | |||
| 「うまくいかない日」の答え | |||
| 送迎の範囲 | |||
| 実費(おやつ代・教材費など) | |||
| 静かに過ごせる場所 | あり/なし | あり/なし | あり/なし |
| 家族支援でしていること | |||
| 子どもの反応 |
最後の行がいちばん重い、というのが私の実感です。大人が気に入っても、子どもが行きたがらなければ続きません。可能なら体験利用をさせてもらって、帰りの車で本人がどうだったかを見てください。
それでも迷ったときの決め方を、ひとつだけ挙げます。「困ったことが起きたときに、この人たちに電話できるか」で選んでください。放デイとの関係は数年続きます。良いときより、困ったときの相性のほうが効いてきます。
よくある質問
Q. 見学は何か所くらい行くものですか?
A. 3か所を目安に。ただし地域によっては選択肢が2か所しかないこともあります。その場合は無理に増やさず、そのぶん1か所あたりを時間帯を変えて2回見てください。
Q. 受給者証がないと見学できませんか?
A. 見学は受給者証がなくてもできます。むしろ先に見学して、通いたい事業所の目星をつけてから申請に入るほうが、支給量の相談もしやすくなります。「まだ申請前なのですが」と正直に伝えて問題ありません。
Q. 診断がなくても利用できますか?
A. 放デイの利用には通所受給者証が必要で、その支給決定は市区町村が行います。医師の診断書が必須と決まっているわけではなく、意見書などで対応できる自治体もあります。取り扱いに幅があるので、まず市区町村の窓口で確認してください。発達が気になり始めた段階であれば、子供の発達障害を早期発見するには?年齢別チェックリストと相談先完全ガイドに相談先を整理しています。
Q. 途中で事業所を変えてもいいですか?
A. 変えられます。合わないまま通い続けるほうが、子どもにとって損失が大きいです。ただし、変える前に一度、相談支援専門員か児童発達支援管理責任者に「ここが合っていないと感じている」と具体的に伝えてください。計画を見直すだけで解決することが、かなりあります。それでも改善しないなら、遠慮なく動いていいと思います。
Q. 学童(放課後児童クラブ)と両方使えますか?
A. 使えます。ガイドラインも、放課後児童クラブ等との併行利用を前提とした連携を放デイの役割として挙げていて、併行利用先との情報共有や、利用日数・利用時間の調整まで支援内容に含めています。「学童と放デイ、どちらかに決めなければ」と考える必要はありません。
Q. 高校生でも利用できますか?
A. 利用できます。放デイの対象は学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園・大学を除く)等に就学している障害児で、ガイドラインも「小学生年代から高校生年代までの幅広い年齢層」を想定しています。高校生年代では、卒業後の進路を見据えた移行支援が重要になります。
Q. 見学で質問ばかりして、印象が悪くなりませんか?
A. これは事業所側の本音で答えます。逆です。よく調べてきた保護者は、こちらも気が引き締まります。そして「この人には適当なことを言えない」と思われるのは、その後の数年でプラスにしか働きません。嫌な顔をされたなら、それこそが最大の情報です。
まとめ
- 見学の前に、家で3つ確認する。支援プログラム/自己評価・保護者評価/WAM NETの届出情報
- 公表されていないこと自体が情報。支援プログラムは令和7年4月以降、未公表なら減算の対象
- 5領域が網羅されているかを見る。「特化」は土台があってこそで、特定領域だけの支援は総合的な支援として相応しくないとガイドラインが明記
- 放デイの役割は4つ。本人支援だけでなく、家族支援・移行支援・地域連携も業務のうち
- レスパイト、きょうだい支援、保護者同士の交流は頼んでいい。ガイドラインに支援内容として書いてあります
- 比べるなら3か所を同じ項目で。最後は「困ったときに電話できるか」で決める
- 合わなければ変えていい。ただし変える前に、一度は具体的に伝えて計画を見直してもらう
最後にひとつだけ。放デイ選びで失敗する最大の原因は、時間がないことです。就学の直前に慌てて探すと、空きのあるところに決めるしかなくなります。気になり始めた時点で、まず1か所見学してみてください。比べる相手ができるだけで、次の見学の解像度が一気に上がります。
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参考にした一次情報
- こども家庭庁「放課後等デイサービスガイドライン」(令和6年7月)第1章・第2章・第3章・第4章・第6章
- こども家庭庁「児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表の手引き」(放課後等デイサービスガイドライン 別添3)
- 児童福祉法 第6条の2の2第3項
- 厚生労働省・こども家庭庁「障害福祉サービス等の最近の動向(令和6年12月まで)」(出典:国保連データ)
- 厚生労働省「障害福祉サービス等情報公表制度」/独立行政法人福祉医療機構「障害福祉サービス等情報検索(WAM NET)」
※制度の運用や支給決定の取り扱いは、自治体によって異なる部分があります。最終的な判断は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口でご確認ください。


