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障害福祉
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個別支援計画の記入例と作り方【放デイ・児発】5領域対応|AIプロンプト・公式様式・NG例と運営指導対策【2026年最新版】

個別支援計画 記入例 放課後等デイサービス・児童発達支援 5領域対応 無料テンプレ・記入例3パターン・NG例と修正例・運営指導チェック 令和6年度報酬改定対応
ユイン
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「個別支援計画の記入例を探しているのに、出てくるのは制度の解説ばかりで、そのまま使える文例が見つからない」。児童発達支援管理責任者(以下、児発管)になって1〜2年目の方から、この相談を本当によく受けます。令和6年度報酬改定で5領域とのつながりを明確にすることが運営基準に位置づけられて以降、様式は埋まっているのに「これで運営指導を通るのか分からない」という不安を抱えたまま計画を交付している事業所は少なくありません。

個別支援計画は、作成していなければ最初の2か月は所定単位数の30%、3か月目以降は50%が減算される法定書類です。それでいて、書き方の正解は行政のひな形にも明示されていません。この記事では、放課後等デイサービス・児童発達支援の個別支援計画について、①こども家庭庁の公式様式(Excel)の入手先と項目別の書き方、②アセスメントから交付までを生成AIで下書きする6ステップと、そのまま貼り付けられるプロンプト全文、③5領域をすべて埋めた記入例3パターン、④運営指導で実際に指摘されるNG例と修正例、⑤指摘10項目のチェックリストまでをまとめました。制度の説明ではなく、明日の計画作成でそのまま手が動くことを目的に構成しています。

Contents
  1. 個別支援計画とは|作っていなければ最大50%減算になる法定書類
  2. 令和6年度報酬改定で個別支援計画はどう変わったか
  3. 5領域とは|記入前に押さえる5つの視点と「子どもの姿」の具体例
  4. 個別支援計画ができるまでの6ステップ|日付の前後関係で減算が決まる
  5. 【無料テンプレ】個別支援計画書・別表の様式と項目別の書き方
  6. AIで個別支援計画を作る手順|アセスメントから交付までの6ステップ
  7. 【ステップ1】アセスメント情報をAIに渡せる形に整える
  8. 【ステップ2】総合的な支援の方針をAIに3案書かせる
  9. 【ステップ3】長期目標と短期目標に分解する
  10. 【ステップ4】支援目標と支援内容を5領域に紐づけて作る
  11. 【ステップ5】担当者会議とモニタリングでAIを使う
  12. AIが書いた計画を出す前の最終チェック7項目
  13. 【記入例3パターン】そのまま使える個別支援計画の文例
  14. NG例と修正例|「5領域タグ付けだけ」の計画を直す5つの型
  15. 日々の活動を5領域に分解する変換表|おやつ・宿題・自由遊び・送迎
  16. 家族支援・移行支援・地域連携を1枚にどう落とし込むか
  17. モニタリングと個別支援計画の連動|6か月に1回以上をどう回すか
  18. 運営指導で実際に指摘される10のポイント【チェックリスト】
  19. よくある質問(Q&A)
  20. まとめ|記入例をなぞる前に「観察できる行動」に置き換える
  21. 記録・研修・人手の負担を減らす3つの選択肢【PR】
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個別支援計画とは|作っていなければ最大50%減算になる法定書類

個別支援計画は、子ども一人ひとりの支援目標と支援内容を定めた「支援の設計図」であり、同時に給付費を請求する根拠となる書類でもあります。児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号)第27条では、児童発達支援管理責任者が、利用児およびその家族の意向、心身の状況等のアセスメントを踏まえて原案を作成し、担当者を集めた会議で意見を求め、保護者に説明して文書による同意を得たうえで交付しなければならないと定められています。この規定は放課後等デイサービスにも準用されます。

この一連の手続きのどこかが欠けていると、個別支援計画未作成減算の対象になります。減算幅は所定単位数の30%(適用1〜2か月目)、3か月目以降は50%です。定員10名・平均単価900単位の事業所であれば、1か月分の減算だけで数十万円規模の返還につながります。厚生労働省の実態調査では、個別支援計画未作成減算の適用割合は対象となる障害福祉サービスの中で放課後等デイサービスが最も高く、令和元年度で32.6%という結果が示されています。書類の不備というより、手続きの順序と証拠の残し方でつまずいているケースが大半です。

「支援の設計図」であり「報酬の根拠書類」でもある

現場では計画書を「保護者に説明するための書類」と捉えがちですが、運営指導で確認されるのは支援記録との整合性です。計画に「週2回、絵カードを用いた要求表現の練習を行う」と書いてあるのに、支援記録に絵カードの記述が3か月間まったく出てこなければ、計画に基づく支援が提供されていないと判断されます。計画は書いた時点ではなく、記録と突き合わせられた時点で評価されるものだと考えてください。

作成できるのは児童発達支援管理責任者だけ

原案の作成、担当者会議の招集、保護者への説明と同意取得は、児発管の職務として基準に定められています。実務では保育士や児童指導員がドラフトを書き、児発管が確認して仕上げる事業所も多く、その運用自体は否定されていません。ただし最終的な作成責任者は児発管であり、計画書の作成者欄が別の職員名になっていれば指摘対象になります。

令和6年度報酬改定で個別支援計画はどう変わったか

令和6年度報酬改定と、令和6年7月4日付で通知されたガイドラインの改訂により、個別支援計画に求められる要素は3つ増えました。改定前の様式のまま使い続けている事業所は、この3点が抜けている可能性が高いので、まず自事業所の直近の計画書を1枚手元に置いて照らし合わせてみてください。

変更点①:5領域と支援内容の紐づけが必須になった

「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域すべてを含む総合的な支援を提供することが運営基準に明記され、個別支援計画にはどの支援内容がどの領域に対応するのかを示すことが求められるようになりました。ポイントは、5領域それぞれに機械的に目標を1つずつ立てることが目的ではない点です。こども家庭庁の児童発達支援ガイドライン(令和6年7月改訂)でも、支援は領域ごとに切り分けて行うものではなく、相互に関連するものとして総合的に提供するとされています。

変更点②:支援プログラムの公表が義務化(未公表は15%減算)

5領域を網羅した支援プログラムを作成し、インターネット等で公表することが、令和7年4月1日から義務になりました。未公表の場合は所定単位数の15%が減算されます。個別支援計画は、この事業所全体の支援プログラムを個々の子どもに落とし込んだものという位置づけになるため、両者の内容が食い違っていると説明がつきません。支援プログラムに書いていない支援手法が個別支援計画にだけ登場している、という状態は避けてください。

変更点③:インクルージョンとPDCAの視点が加わった

改訂後のガイドラインでは、地域の保育・教育等の一般施策への移行を見据えた支援(インクルージョン)と、計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルを回すことが強調されています。計画書に「保育所等訪問支援の利用を検討」「学童保育との併用に向けて情報共有」といった移行の見通しを1行入れておくだけで、評価は大きく変わります。

5領域とは|記入前に押さえる5つの視点と「子どもの姿」の具体例

個別支援の5領域と、1つの支援に複数の領域がつながる関係を示す図

5領域は、こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインで示された本人支援の枠組みです。用語の定義だけを覚えても計画は書けないので、「その領域に該当する子どもの姿」とセットで押さえるのが近道です。アセスメントの段階でこの表を手元に置き、観察された姿を書き出してから目標に変換していくと、領域の後付けを防げます。

領域ねらい計画に書きやすい「子どもの姿」の例
①健康・生活健康状態の維持、生活リズム、基本的生活習慣、安全手洗いに促しが3回必要/気温に合った衣服を選べない/活動後の水分補給を忘れる
②運動・感覚姿勢と運動、感覚の特性への対応、手先の操作20分の着座が難しい/はさみで線から5mm以上ずれる/大きな音で耳をふさぐ
③認知・行動概念形成、注意と記憶、行動の調整2段階の指示で1つ目を忘れる/終わりが分からず活動を切り替えられない
④言語・コミュニケーション表出と理解、代替手段の活用要求を「あっ」という発声と指差しで伝える/絵カードなら3語文を選べる
⑤人間関係・社会性他者との関係、集団参加、自己理解順番待ちで列を離れる/勝敗のあるゲームで泣いて退室する

領域は独立していません。たとえば「勝敗のあるゲームで泣いて退室する」という姿は、人間関係・社会性であると同時に、感情を言葉にするという言語・コミュニケーションの課題でもあり、行動の切り替えという認知・行動の課題でもあります。実際の支援現場では、1つの姿を複数の領域から捉え直すことで、5領域の記載が自然に埋まっていくケースが多く見られます。

個別支援計画ができるまでの6ステップ|日付の前後関係で減算が決まる

アセスメント、原案作成、担当者会議、説明と同意、交付、支援と見直しの6ステップ

作成の流れは基準第27条の手順どおりに進めます。ここで最も見落とされるのが、書類に記載された日付の前後関係です。運営指導では、担当者会議の開催日、保護者の同意日、交付日、サービス提供開始日の4つが必ず突き合わせられます。

  • アセスメント:面接により本人と家族の生活に対する意向、心身の状況、置かれている環境を把握する。5領域の視点で観察記録を残す
  • 原案の作成:児発管がアセスメントを踏まえて原案を作成する
  • 担当者会議:支援に関わる職員を集め、原案について意見を求める。開催記録(日付・出席者・発言要旨)を残す
  • 説明と同意:保護者に原案を説明し、文書による同意を得る。署名と日付が必要(押印は廃止されています)
  • 交付:同意を得た計画書の写しを保護者に交付する。交付記録(受領サイン等)を保管する
  • サービス提供とモニタリング:計画に基づく支援を提供し、実施状況を把握して少なくとも6か月に1回以上見直す

減算につながる典型は、同意日が4月10日なのにサービス提供開始日が4月1日になっているパターンです。この場合、4月1日から9日までは計画のない状態で支援を提供したと解釈されます。年度替わりや新規契約が集中する4月に発生しやすいので、契約日・同意日・提供開始日を1枚の管理表に並べて確認する運用にしておくと事故が防げます。なお、書類の保管年限や様式の細部は自治体によって異なる場合があるため、指定権者が公表している手引きを必ず確認してください。

【無料テンプレ】個別支援計画書・別表の様式と項目別の書き方

個別支援計画書の意向・方針・目標、具体的な支援内容、提供時間・別表の構成図

ここから下は、こども家庭庁が令和6年度報酬改定で示した参考様式(別紙2「個別支援計画書」「個別支援計画別表」)と、別紙1「個別支援計画の記載のポイント」にそのまま準拠した様式です。欄の名称・列の並び・注記のいずれも公式様式どおりに再現しています。改定前の様式を使い続けている事業所は、この形に差し替えてください。様式のファイルそのものは公式サイトからExcelで入手できるので、その入手先もこの章の最後に載せています。

様式①-1:個別支援計画書(ヘッダー部)

欄記入内容公式の期間・ルール
利用児氏名生年月日と暦年齢を併記する
作成年月日年 月 日同意日・提供開始日との前後関係に注意
児童発達支援管理責任者氏名作成者は児発管に限られる
利用児及び家族の生活に対する意向本人:/保護者:本人と家族の意向を聴いたうえで、発達段階や特性を踏まえて整理する
総合的な支援の方針1年間を目途(それ以上も可)
長期目標(内容・期間等)概ね1年程度で目指す目標
短期目標(内容・期間等)概ね6か月程度で目指す目標
支援の標準的な提供時間等(曜日・頻度、時間)別表で定めることも可

様式①-2:支援目標及び具体的な支援内容等(本体の7列)

項目欄は「本人支援」を5行分、「家族支援」「移行支援」「地域支援・地域連携」を各1行用意します。利用頻度や発達の状況に応じて欄を増減しても差し支えありません。本人支援を5行にするのは書きやすさのためで、5領域を1行ずつ割り当てるという意味ではありません。

項目支援目標(具体的な到達目標)支援内容(内容・支援の提供上のポイント・5領域との関連性等)達成時期担当者・提供機関留意事項優先順位
本人支援
本人支援
本人支援
本人支援
本人支援
家族支援記載不要
移行支援記載不要
地域支援・地域連携記載不要

様式①-3:説明と同意の欄(公式様式の文言そのまま)

計画書の下部には、事業所側と保護者側の2つの欄が並びます。文言を変えず、日付を必ず入れてください。押印は廃止されており、保護者の署名だけで足ります。

  • 提供する支援内容について、本計画書に基づき説明しました。  年  月  日 / 児童発達支援管理責任者氏名:
  • 本計画書に基づき支援の説明を受け、内容に同意しました。  年  月  日 / (保護者署名)

様式②:個別支援計画別表(提供時間と延長支援)

支援の標準的な提供時間を別表で定める場合の様式です。曜日ごとに提供時間が異なるのが通常なので、曜日単位で時間を決めます。数字は公式の記入例に合わせた見本です。

月火水木金土日・祝日
提供時間(利用開始・終了時間)10:00〜15:0010:00〜15:0010:00〜15:00
【支援前】延長支援時間9:00〜10:00(1時間)0時間9:00〜10:00(1時間)0時間9:00〜10:00(1時間)0時間0時間
【支援後】延長支援時間15:00〜16:00(1時間)0時間15:00〜16:00(1時間)0時間15:00〜16:00(1時間)0時間0時間
欄記入内容の例(公式の記入例より)
延長を必要とする理由及び時間例①)月・水・金については、保護者の就労を理由に支援前・支援後それぞれ1時間ずつの延長支援を行う。例②)保護者の職場の繁忙期(3月)については、月・水・金の支援後の延長支援時間が2時間になる日も生じることが想定されるため、保護者と連携を図りながら必要に応じて延長支援を行う
特記事項利用が確定している曜日以外に空き状況等により利用が想定される場合の提供時間/市町村が認めるものとして30分未満の提供時間となる場合の具体的理由/学校の短縮授業等で通常と異なる時間区分になる場合の具体的な内容

延長支援時間は、支援前・支援後それぞれ1時間以上からです。支援前30分+支援後30分を合算して1時間とすることはできません。延長支援を必要とする理由として認められるのは、保護者の就労、妊娠・出産、病気・負傷、介護・看護、レスパイト等です。

「提供時間」の書き方で基本報酬の時間区分が決まる

令和6年度改定で、児童発達支援・放課後等デイサービスの基本報酬に支援時間による区分ができました。区分は実際に過ごした時間ではなく、個別支援計画に定めた支援時間で判定するのが基本です。つまり、この別表や「支援の標準的な提供時間等」の欄に書いた時間が、そのまま報酬の区分になります。

時間区分計画に書く時間の目安注意点
区分130分以上1時間30分以下30分未満は原則算定できない(市町村が認めた場合は特記事項に理由を書く)
区分21時間30分超3時間以下放デイの平日はこの区分が上限。これを超える部分は延長支援
区分33時間超5時間以下放デイでは学校休業日のみ。5時間を超える部分は延長支援

計画より短くなった日の扱いは、短くなった理由で変わります。利用者の都合(遅刻・早退など)なら計画に定めた時間の区分で算定でき、事業所の都合で短くなった場合は実際の支援時間で区分を判定します。どちらの都合だったかを支援記録に残しておかないと、運営指導で区分の根拠を説明できません。短縮授業の日など、あらかじめ時間が変わると分かっている日は、特記事項に具体的な内容を書いておきましょう。

出典:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(障害児支援 ⑦支援時間に応じた評価)

項目別の書き方早見表(別紙1の記載ポイントを1行に圧縮)

各欄に何を書くかは、公式の「記載のポイント」で示されています。運営指導で見られるのはこの表の「ルール」の列です。

欄何を書くか外せないルールつまずきやすい点
利用児及び家族の意向本人と家族から聴き取った意向こどもの意思の尊重と最善の利益の優先考慮が前提事業所の言葉に要約してしまう
総合的な支援の方針事業所としての見立てと支援の道筋1年間を目途。障害児支援利用計画で求められた役割、家庭・保育所等・学校での生活、インクルージョン、PDCAの4視点を踏まえる「安心して過ごせるように支援する」で終わる
長期目標方針を受けた到達点概ね1年程度短期目標と期間が同じになっている
短期目標長期目標を分割した到達点概ね6か月程度長期目標の言い換えになっている
支援の標準的な提供時間等曜日・頻度・時間曜日ごとに定める。別表で定めることも可「週2回」だけで時間がない
項目本人支援/家族支援/移行支援/地域支援・地域連携前の3つは必ず記載。地域支援・地域連携は必要に応じて(積極的な記載が望ましい)本人支援しか書かれていない
支援目標支援期間終了時(モニタリング時)に到達できているであろう本人・家族の状況主語は本人か家族。移行支援と地域支援・地域連携だけは事業所や関係機関が主語でも可主語が職員になっている(「〜を促す」)
支援内容事業所がどんな支援・工夫・配慮を行うか本人支援は5領域との関連性を必ず記載。複数領域にまたがる場合は全部書く。家族支援・移行支援・地域支援は5領域の記載不要活動名だけで職員の関わりがない
達成時期目標達成に必要な期間最長6か月後まで。1〜3か月で達成する目標も積極的に設定する全項目が6か月で横並び
担当者・提供機関主に支援する担当者の氏名・職種移行支援・地域連携で関係機関と連携する場合は具体的な機関名を書く「職員一同」になっている
留意事項補足事項算定を想定している加算と頻度を書く(子育てサポート加算・家族支援加算・関係機関連携加算等)。別計画が必要な加算(専門的支援実施加算・自立サポート加算等)は計画との関連性を書く空欄のまま。加算を算定しているのに記載がない
優先順位本人支援の取組の優先度本人支援だけに付ける。番号でも二重丸・丸でもよい。判断できない場合は空欄や同一番号でも差し支えない家族支援や移行支援にも番号を振っている

様式を使うときに外せない3つのルール

5領域は「5行に分ける」ものではありません。 公式の記載ポイントでは、5つの領域すべてが関連付けられるように記載することを求める一方で、「5つの欄を設けて、個々に異なる目標を設定する必要はない」と明記されています。1つの支援内容が3領域にまたがるなら、その3つを併記すれば足ります。逆に、各領域との関連性の記載そのものは必ず行う必要があります。

5領域への当てはめ作業にしないこと。 別紙1は「単に5領域に対応する課題や支援への当てはめを行うだけのアセスメント・計画作成にならないよう留意すること」と釘を刺しています。5領域の視点を持ちながら子どもと家族の状況を多様な観点から確認・分析し、そこから支援を組み立てる順序が求められています。

同じ文面を使い回さないこと。 「支援目標や支援内容がそれぞれのこどもについて同一のものとなることは想定されない」「支援目標や支援内容の記載が長期にわたり同一であることは想定されない」と、2か所で明記されています。子どもが違えば違う計画に、更新のたびに変わる計画になっているかが、記入例をなぞるうえでの最終チェックになります。

様式のファイルは公式Excelをダウンロードするのが確実

こども家庭庁の「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定について」のページに、個別支援計画の参考様式がExcelファイル(約20KB)で公開されています。上の表は欄の構成と書き方を確認するためのものなので、事業所で実際に使うファイルは公式Excelを取得し、自事業所の名称や欄の数だけ調整するのが確実です。同じページに、この章の早見表の元になっている「個別支援計画の記載のポイント」や、別表の記入例も置かれています。

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定」別紙1「個別支援計画の記載のポイント」、別紙2「個別支援計画書」参考様式および「個別支援計画別表」記入例。様式の細部や添付書類は自治体によって異なる場合があるため、指定権者が公表している手引きもあわせて確認してください。

意向は「保護者の言葉」と「子どもの言葉」を分けて書く

意向欄に「集団生活に慣れてほしい」とだけ書かれた計画をよく見かけますが、これは誰の意向なのかが分かりません。別紙1では、こども本人の意思の尊重(年齢および発達の程度に応じた意見の尊重等)と最善の利益の優先考慮が明記されています。本人が言語でのやりとりを苦手としている場合でも、「プールの日は自分から準備を始める一方、書字の課題では机から離れる」といった行動から読み取った意向を記載すれば、本人の意思を確認した記録として成立します。

目標は「観察できる行動」+「頻度」+「達成時期」で書く

目標文が使えるかどうかは、第三者が同じ場面を見て達成・未達成を判定できるかで決まります。「落ち着いて過ごす」は判定できませんが、「制作活動中、職員の言葉かけ1回以内で15分間着席して取り組む場面が、週3回中2回以上見られる」なら判定できます。行動・条件・頻度・期限の4点を入れる、と覚えておけば書き方に迷いません。主語を本人にすることも忘れないでください。「〜を促す」は事業所が主語なので、支援目標ではなく支援内容の欄に書く文です。

AIで個別支援計画を作る手順|アセスメントから交付までの6ステップ

AIが行う整理・下書き・比較と、児発管が行う事実確認・実行可能性・最終判断の役割分担

様式が手に入っても、埋めるのに時間がかかるのは変わりません。1人分の計画作成に2〜3時間かかっている事業所では、時間の大半が「アセスメントで集めた情報を、方針と目標の文章に変換する作業」に消えています。ここを生成AI(ChatGPTやClaudeなど)に下書きさせると、児発管の仕事は「材料を渡す」「出てきた案を選ぶ」「現場の実感で直す」に絞れます。実際に試した事業所からは、1人あたり2時間かかっていた作業が40〜50分になったという声が出ています。

流れは次の6ステップです。以降の章で、各ステップにそのまま貼り付けられるプロンプトを載せます。

ステップやることAIに任せる範囲児発管がやること
1アセスメント情報の整理5領域別の整理、支援ニーズの並べ替え、聞き取り不足の洗い出し情報を集める、事実確認
2総合的な支援の方針3案の下書き1案を選ぶ、事業所の実情に合わせて直す
3長期目標・短期目標方針からの分解案期間と到達点の妥当性を判断
4支援目標と支援内容7列表の下書き、5領域の紐づけ実行可能性の判断、優先順位の決定
5担当者会議の資料論点表、想定される反対意見、会議録のひな形会議の主催、意見の反映
6モニタリング記録と計画のズレの抽出、報告書の下書き評価の確定、次期計画への反映

注意

AIが作るのは下書きです。個別支援計画の作成者は児童発達支援管理責任者だと基準第27条に定められており、この責任はAIに移せません。出力をそのまま計画書に貼ることは避けてください。

AIを使う前に決めておく3つのこと

①個人情報をどこまで入れるか。 実名・生年月日・住所・学校名・事業所名は入力しません。「小1・7歳・男児」「A児」といった形に置き換えれば、計画作成に必要な情報量は落ちません。診断名は「自閉スペクトラム症」など一般的な名称までとし、家庭の経済状況、虐待の通告歴、家族の病歴といった機微な情報は入力しないでください。仮名で作った計画に実名を戻す作業は、AIの外(計画書のファイル上)で行います。

②入力データの扱いを設定で確認する。 ChatGPTなら設定の「データ コントロール」でモデルの改善に使わせない設定にできます。法人契約のプランでは既定で学習に使われません。使うサービスと設定内容を、事業所の個人情報保護規程に追記しておくと、運営指導で説明しやすくなります。

③事業所内のルールを1枚にする。 誰がAIを使ってよいか、どのサービスを使うか、入力してよい情報の範囲、出力をそのまま使わないこと、この4点を書いた運用ルールを作り、職員会議で共有してください。保護者から質問されたときに説明できる状態にしておくことが、実務上いちばん重要です。

【ステップ1】アセスメント情報をAIに渡せる形に整える

最初に、AIに専門家としての前提を渡します。次の共通プロンプトは、以降のステップでも毎回先頭に貼ってください。会話を続ける場合は最初の1回で足ります。

あなたは放課後等デイサービス・児童発達支援の児童発達支援管理責任者を10年務めた専門家です。
こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定」別紙1「個別支援計画の記載のポイント」に準拠して回答してください。

必ず守るルール:
1. 支援目標の主語はこども本人または家族にする(移行支援・地域支援・地域連携のみ事業所や関係機関が主語でも可)
2. 支援目標は「行動・条件・頻度・期限」の4点が入った、第三者が達成を判定できる文にする
3. 本人支援の支援内容には、関連する5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)を必ず併記する。複数にまたがる場合は全部書く
4. 5領域それぞれに別々の目標を作らない。1つの支援内容に複数領域を紐づけてよい
5. 達成時期は最長6か月。1〜3か月で達成できる目標も混ぜる
6. 「落ち着きがない」「意欲的」などの評価語は使わず、観察できる行動の記述に置き換える
7. 与えられていない事実を推測で補わない。推測した箇所は必ず「【推測】」と明示する
8. 加算の名称・単位数・法令の条文番号は書かない(利用者側で確認するため)

理解したら「準備できました」とだけ返してください。

続けて、アセスメント情報を渡します。支援記録や行動観察のメモは、整形せずそのまま貼って構いません。

以下のアセスメント情報を、個別支援計画を作るための材料として整理してください。

【出力してほしいもの】
1. 5領域ごとの表。列は「観察された事実」「そこから読み取れる強み」「支援が必要と考えられる点」。事実と解釈を混ぜないこと
2. 支援ニーズの候補を5〜8個挙げ、「本人・家族の意向との一致度」「生活への影響の大きさ」「6か月で変化が見込めるか」の3軸で並べ替えた表
3. 情報が足りず、追加で聞き取るべき項目のリスト。「誰に」「何を」聞くかまで書く
4. 本人の意向として計画書に書ける文の候補を3つ(言語で表現しにくい子の場合は、行動から読み取った形で)

【アセスメント情報】
・対象児:小1・7歳・男児・自閉スペクトラム症の診断あり
・利用状況:週3回(月・水・金)14:30〜17:30
・保護者の意向(面談で出た言葉のまま):
・本人の様子(支援記録・行動観察をそのまま貼る):
・学校での様子(担任からの情報):
・家庭での様子:
・医療・服薬に関する情報:
・障害児支援利用計画で自事業所に求められている役割:

出てきた表は、そのままアセスメント記録の別紙として保管できます。「【推測】」が付いた行は、必ず職員に確認してから使ってください。 実際の支援現場では、AIが「感覚過敏があると考えられる」と推測した箇所が、記録を読み直すと単に空腹だった、というようなずれが普通に起きます。

【ステップ2】総合的な支援の方針をAIに3案書かせる

「総合的な支援の方針」は、この後の長期目標・短期目標・支援目標のすべてが枝分かれしていく幹の部分です。ここが「安心して過ごせるように支援します」で終わっていると、以降の欄も具体化できません。AIには1案ではなく3案出させ、力点の違うものから選ぶのが早道です。

ステップ1で整理した内容をもとに、「総合的な支援の方針」の案を3つ作ってください。

【条件】
・期間は1年間を目途とする
・次の4つの視点を必ず織り込む
  ①障害児支援利用計画や担当者会議で自事業所に求められている役割
  ②支援場面だけでなく、家庭・保育所等・学校での生活と育ちの視点
  ③保育所等の併行利用や移行、同年代のこどもとの仲間づくりといったインクルージョンの視点
  ④継続利用の場合は、前回のモニタリング結果を踏まえたPDCAの視点
・「事業所としての見立て(今どういう状況だと捉えているか)」と「どう支援していくのか」の両方が読み取れる文にする
・1案あたり200字前後
・3案は力点を変える(例:生活リズムの安定を軸/集団参加を軸/家庭の負担軽減を軸)
・案ごとに「この方針を選んだ場合に長期目標で扱うべき論点」を3つ添える
・案ごとに「この方針では拾えないニーズ」を1つ挙げる

【前回モニタリングの結果(継続利用の場合)】

3案が出たら、そのまま選ばずに「この事業所の職員体制で本当に回せるのはどれか」で判断してください。方針は保護者に読み上げて説明する文でもあるので、専門用語が多い案は、次のプロンプトで平易にできます。

選んだ案を、保護者に口頭で説明する前提で、専門用語を減らして書き直してください。
意味は変えず、字数も200字前後のままにしてください。
専門用語を残す必要がある箇所は、括弧書きで短い説明を添えてください。

【ステップ3】長期目標と短期目標に分解する

長期目標は概ね1年、短期目標は概ね6か月です。ここでいちばん多い失敗は、短期目標が長期目標の言い換えになっていること。AIには「中間地点であること」を明示的に指示します。

確定した「総合的な支援の方針」を、長期目標と短期目標に分解してください。

【条件】
・長期目標は概ね1年で目指す到達点を1つ
・短期目標は概ね6か月で目指す到達点を2〜3つ
・短期目標は長期目標の言い換えにせず、長期目標に到達するための中間地点にする
・主語はこども本人または家族にする
・それぞれに「達成したかどうかを何で判断するか(確認方法)」を1行添える。確認方法は日々の支援記録で集計できるものにする
・目標ごとに、達成を阻みそうな要因を1つ挙げる

【確定した総合的な支援の方針】

【ステップ1で出した支援ニーズの並べ替え結果】

出力の「確認方法」の列は、そのままモニタリングの評価軸になります。ここで「週3回中2回以上」のような頻度が入っていれば、6か月後は記録を数えるだけでモニタリングが書けます。逆に「本人の様子から総合的に判断」のような確認方法が出てきたら、その目標は書き直しの対象です。

【ステップ4】支援目標と支援内容を5領域に紐づけて作る

計画書の本体である7列表を、AIに下書きさせます。このステップで最も大事なのは、事業所が実際にやっている日課をAIに渡すことです。日課を渡さないと、AIは一般論として「SSTを実施する」「感覚統合遊びを行う」といった、自事業所にない活動を書いてきます。

短期目標を達成するための「支援目標及び具体的な支援内容等」を、公式様式の7列に合わせた表で作ってください。

【列】
項目/支援目標(具体的な到達目標)/支援内容(内容・支援の提供上のポイント・5領域との関連性)/達成時期/担当者・提供機関/留意事項/優先順位

【行】
・本人支援:5行
・家族支援:1行
・移行支援:1行
・地域支援・地域連携:1行

【ルール】
・本人支援の5行を通して、5領域すべてが少なくとも1回は関連付けられていること。1行に複数領域を書いてよく、5領域を1行ずつ割り当てる必要はない
・支援目標は「行動・条件・頻度・期限」の4点を入れる
  良い例:制作活動中、職員の言葉かけ1回以内で15分間着席して取り組む場面が、週3回中2回以上見られる
  悪い例:落ち着いて活動に参加する
・支援内容は活動名で終わらせず、職員が何をどう行うかまで書く
  悪い例:SSTを実施する
  良い例:週1回のSSTで、ロールプレイ後に本人が良かった点を1つ挙げ、職員がその場面を再現して肯定的に確認する
・支援内容は、下に挙げた「事業所の日課」の中から組み立てる。日課にない活動を新しく提案しない
・達成時期は最長6か月。少なくとも1つは1〜3か月にする
・優先順位は本人支援の5行だけに1〜5を付ける。家族支援・移行支援・地域支援・地域連携は空欄にする
・担当者は職種まで書く(児童指導員、保育士、作業療法士など)
・留意事項には、家族の役割や支援の進め方の補足を書く

【短期目標】

【事業所の日課】
(例:来所・手洗い/宿題/おやつ/制作活動/自由遊び/集団遊び/振り返り/送迎)

【職員体制】
(例:常勤3名・パート2名、うち保育士1名・児童指導員3名、外部OT月1回)

家族支援と移行支援の行が薄くなりがちなので、必要なら追加で投げます。

家族支援と移行支援の行について、それぞれ3案ずつ出してください。
家族支援は「保護者の困りごとを事業所が引き受ける」内容ではなく、保護者が自分で対応できる範囲が広がる内容にしてください。
移行支援は、保育所等への具体的な移行だけでなく、進学など将来的な移行に向けた準備や、併行利用先・学校との情報共有も含めて考えてください。
案ごとに、実施頻度と担当者の職種を添えてください。

出てきた表は必ず1行ずつ声に出して読み、「うちの職員がこれを来週からやれるか」で判断してください。やれない行が3つ以上あれば、それは職員体制ではなく計画の側を直す合図です。

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【ステップ5】担当者会議とモニタリングでAIを使う

計画は原案を作った時点では完成しません。担当者会議での意見聴取と、6か月後のモニタリングが手続きに組み込まれています。この2つもAIで軽くできます。

担当者会議(ケース会議)の論点表を作らせる

この個別支援計画の原案について、担当者会議で職員に意見を求めるための資料を作ってください。

【出力】
1. 原案の要点を10行以内でまとめたサマリー(会議の冒頭で読み上げる用)
2. 会議で確認したい論点を5つ。それぞれ「なぜ論点になるのか」「どの職種の職員に聞くべきか」を添える
3. 反対意見や別案が出そうな箇所と、その場合の代替案
4. 会議録に残す項目のひな形(日付・出席者と職種・議題・出た意見・結論・原案からの変更点)

【ルール】
・論点は「この支援内容で本当に目標に届くか」「今の職員体制で実行できるか」「本人と家族の意向とずれていないか」の3方向から出す
・現場の職員が答えやすい具体的な問いの形にする(「どう思いますか」ではなく「送迎前の10分で振り返りを入れる余裕はありますか」)

【個別支援計画の原案】

会議録は運営指導で必ず確認される書類です。出席者の職種と発言の要旨、そして原案から何が変わったかが残っていれば、手続きを踏んだ証拠として十分です。

モニタリング前に、計画と記録のズレを洗い出させる

6か月分の支援記録と個別支援計画を突き合わせて、モニタリング報告書の下書きを作ってください。

【出力】
1. 支援目標ごとの達成状況(達成/一部達成/未達成)と、判断根拠になった記録の日付と記述
2. 計画に書いてあるのに、記録に一度も出てこない支援内容
3. 記録には出てくるのに、計画に書かれていない支援
4. 次期計画で変更すべき点の案と、その理由

【ルール】
・記録に根拠がないものを「達成」と書かない。根拠が足りない項目は「根拠不足」と明記する
・2と3は運営指導で指摘されやすい箇所なので、該当するものを漏れなく全部挙げる
・達成状況の記述には、必ず回数や頻度などの数字を入れる

【個別支援計画】

【支援記録(期間: 年 月〜 年 月)】
(日付と本文だけでよい)

2番(計画にあるのに記録にない支援)が出てきたら、それは計画の書きすぎか、支援記録の書き漏れのどちらかです。前者なら次期計画で削り、後者なら記録様式に観察項目として組み込んでください。音声で記録を残している事業所なら、文字起こしを通してからこのプロンプトに渡すと精度が上がります。

AIが書いた計画を出す前の最終チェック7項目

AIの出力をそのまま計画書にすると、運営指導で確実に指摘されます。原稿が仕上がったら、次の7項目を人の目で確認してください。ここは短縮できない工程です。

#確認することなぜ必要か
1事実確認:AIが補った内容が実際の記録にあるかAIは足りない情報を自然な文章で埋める。アセスメントにない事実が混ざるのが最大のリスク
2加算名・単位数・条文番号を自分で確認したか生成AIは制度の数字を誤ることがある。共通プロンプトで書かせない指示を入れているが、混入していたら削除して自分で調べる
3支援目標の主語が本人か家族になっているかAIは「〜を促す」と職員主語で書きがち。それは支援内容の欄に書く文
45領域が活動名へのタグ付けになっていないか「工作活動を行う(運動・感覚/認知・行動)」は指摘対象。何ができるようになるかに領域を付ける
5他児の計画と文面が似すぎていないか別紙1は「支援目標や支援内容がそれぞれのこどもについて同一のものとなることは想定されない」と明記している。AIは同じ言い回しを再生産する
6前回計画と文面が同じになっていないか同じく「長期にわたり同一であることは想定されない」。前回計画をAIに渡すと引きずられやすい
7保護者に読み上げて説明できる言葉か交付して同意を得る書類。専門用語だらけの計画は、説明の場で結局言い換えることになる

5と6は、AIを使い始めた事業所で最初に起きる問題です。AIに前回計画を渡すと、表現を保ったまま少しだけ変えた文を返してきます。 対策は単純で、前回計画ではなく「前回のモニタリング結果」と「今回のアセスメント」だけを渡すこと。材料を変えれば、出てくる文も変わります。

【記入例3パターン】そのまま使える個別支援計画の文例

事業所で実際に多い3つのタイプについて、5領域すべての支援目標と支援内容を記載しました。氏名や特性は自事業所の子どもに差し替えて使ってください。

記入例①:小学1年生・自閉スペクトラム症/就学直後で生活リズムが崩れている

総合的な支援の方針

就学に伴う環境変化により、下校後の疲労と情緒の乱れが見られる。見通しの持てる環境設定と、身体を使った活動による発散の機会を通じて、放課後の時間を安定して過ごせるようにする。学校・家庭と情報を共有し、生活リズムの再構築を支える。

領域支援目標具体的な支援内容達成時期
健康・生活来所後15分以内に、手洗いと荷物整理を職員の言葉かけ2回以内で行う手順を4枚の写真カードで提示し、完了ごとにチェックを入れる6か月後
運動・感覚感覚遊び(トランポリン・ボールプール)を1日1回、5分以上自分から選ぶ活動選択ボードに感覚遊びを常設し、来所直後に選択の機会を設ける6か月後
認知・行動タイマーの提示により、活動の切り替えを泣かずに行える場面が週3回中2回以上残り時間を砂時計で視覚化し、終了1分前に予告する6か月後
言語・コミュニケーション「かして」「まって」を絵カードまたは音声で1日3回以上表出する要求場面であえて間を取り、カードを提示して表出を待つ6か月後
人間関係・社会性職員が仲介することで、友だち1名との遊びに10分間参加する好きな電車遊びを共通テーマにし、職員が橋渡し役として同席する6か月後

留意事項

疲労が強い日は活動量を落とし、休息スペースの利用を優先する。てんかん発作の既往があるため、体調の変化に気づいた際は自己判断せず、保護者を通じて主治医に相談する。

記入例②:小学4年生・注意欠如多動症/集団活動でのトラブルが増えている

総合的な支援の方針

集団遊びの場面で衝動的な発言や割り込みが増え、本人も「またやってしまった」と自己評価を下げている。行動を止めることではなく、成功体験の記録と自己理解を通じて、本人が使える対処方法を増やすことを目指す。

領域支援目標具体的な支援内容達成時期
健康・生活宿題開始前に飲水と休憩を自分から取る場面が週2回以上来所後のスケジュールに休憩を明示し、取るかどうかの選択を本人に委ねる6か月後
運動・感覚集中が切れた際、離席せずにストレッチカードを使う場面が週2回以上机上にストレッチカードを常備し、使えた場面を職員が肯定的に言葉にする6か月後
認知・行動順番を待つ場面で、待ち時間の見通しを確認してから並ぶ「あと何人」を職員が数字で伝え、待機中の役割(審判等)を用意する3か月後
言語・コミュニケーション不満を感じた場面で「いやだ」「かわって」と言葉で伝える場面が週3回以上感情語カードを掲示し、言えたときに即時に肯定的な言葉かけを行う6か月後
人間関係・社会性勝敗のあるゲームで、負けても最後まで参加できる場面が週3回中2回以上事前に「負けたときの過ごし方」を本人と決め、振り返りシートに記録する6か月後

留意事項

注意の持続には個人差があり、日内変動も見られる。服薬の効果や副作用について事業所で判断することはせず、気づいた変化は保護者を通じて主治医に相談してもらう。

記入例③:中学2年生・知的障害/進路と移行支援を見据える

総合的な支援の方針

高等部進学と卒業後の生活を見据え、身辺自立と余暇の選択肢を広げる。本人が「できること」を自分で説明できるようになることを重視し、家庭・学校・相談支援事業所と役割分担しながら進路検討を進める。

領域支援目標具体的な支援内容達成時期
健康・生活週1回の調理活動で、包丁を使った下ごしらえを手順表を見ながら1人で行う3工程に分けた手順表を用意し、危険を伴う工程のみ職員が横につく6か月後
運動・感覚20分間のウォーキングを週1回、自分のペースで完歩する距離と時間を記録し、本人がグラフに記入する6か月後
認知・行動500円以内の買い物で、金額を計算機で確認してから会計する事業所内で模擬買い物を行い、月1回は地域の店舗で実施する6か月後
言語・コミュニケーション自己紹介で、氏名・所属・得意なことの3点を伝える自己紹介カードを作成し、来客時や地域交流の場で使用する3か月後
人間関係・社会性余暇活動を2つ以上の選択肢から自分で選び、理由を1つ述べる月末に活動の振り返りを行い、次月の希望を本人に決めてもらう6か月後

移行支援

特別支援学校の進路担当と年2回の情報共有を行い、卒業後の日中活動の見学に同行する。相談支援専門員とサービス等利用計画の内容をすり合わせる。

NG例と修正例|「5領域タグ付けだけ」の計画を直す5つの型

抽象的な目標を行動・条件・頻度・期限で具体化する書き直し例

運営指導で指摘される計画書には共通のパターンがあります。ほとんどは書き直せる範囲の問題です。よくある5つの型について、NG文と修正文を並べます。

型①:目標が抽象的で判定できない

  • NG:「集団生活に慣れる」
  • 修正:「10名程度の集団活動に、開始から終了まで在室して参加できる場面が週3回中2回以上見られる」

型②:領域を後から貼っただけ(タグ付け)

  • NG:「工作活動を行う(運動・感覚/認知・行動/人間関係・社会性)」
  • 修正:「工作活動で、はさみを使って直線を5cm切る(運動・感覚)/完成見本を見て手順を3つ想起する(認知・行動)/道具の貸し借りを言葉で依頼する(人間関係・社会性)」

型③:支援内容が活動名だけで、職員の関わりが書かれていない

  • NG:「SST(ソーシャルスキルトレーニング)を実施する」
  • 修正:「週1回のSSTで、ロールプレイ後に本人が良かった点を1つ挙げ、職員がその場面を再現して肯定的に確認する」

型④:保護者の意向が事業所の言葉に置き換わっている

  • NG:「集団適応を望んでいる」
  • 修正:「保護者:友だちの輪に入れないまま卒業してほしくない、まずは1人でも一緒に遊べる子ができれば、との発言あり/本人:プール活動の日は自分から準備を始める」

型⑤:達成時期が全項目6か月で横並び

  • NG:5領域すべて「6か月後」
  • 修正:すでに芽生えのある行動は3か月、新規の獲得を目指す行動は6か月と差をつけ、3か月時点で中間モニタリングを行う

型②はとくに多く見られます。5領域の記載が必須化されて以降、既存の活動名に領域名を並べて付けただけの計画が急増しましたが、これは「5領域すべてに触れているが中身が伴っていない」として指摘対象になります。領域は活動ではなく、その活動で子どもが何をできるようになるかに対して付けるものだと考えてください。

日々の活動を5領域に分解する変換表|おやつ・宿題・自由遊び・送迎

おやつの手洗い、スプーン操作、個数、要求表現、配膳を5領域に分けた図

「5領域を網羅するために新しい活動を増やさなければならない」と考えている事業所が少なくありませんが、これは誤解です。すでに毎日行っている日課のほとんどは、複数の領域にまたがっています。新規のプログラムを立ち上げる前に、既存の日課を翻訳するほうが早く、支援の質も落ちません。

日課健康・生活運動・感覚認知・行動言語・コミュニケーション人間関係・社会性
おやつ手洗い・アレルギー確認・食具の使用スプーン操作・咀嚼個数を数える・順番の理解「おかわり」の要求表出配膳当番・開始の合図の共有
宿題学習前の姿勢と環境調整着座姿勢の保持・筆圧手順の分解・時間の見通し分からないときに質問する静かにする約束の共有
自由遊び水分補給・けがの予防粗大運動・感覚遊びの選択遊びの計画と切り替え遊びの誘い方・断り方順番待ち・ルールの共有
送迎乗車時の安全確認・体調の申告姿勢保持・揺れへの対応経路や時間の見通し到着時の挨拶・報告車内での距離の取り方

この表を使うと、たとえば「おやつ」という1つの日課から5領域すべての支援目標を導けます。事業所の職員へのヒアリングでは、5領域対応で最も負担が大きいのは新しい活動の準備ではなく「いま実際にやっていることを言語化する作業」だという声が繰り返し挙がります。まずは自事業所の1日のタイムテーブルを書き出し、この表と同じ形で埋めてみてください。支援プログラムの公表資料にもそのまま流用できます。

家族支援・移行支援・地域連携を1枚にどう落とし込むか

子どもを中心に本人支援・家族支援・移行支援・地域連携がつながる図

令和6年度改定以降、個別支援計画には本人支援だけでなく、家族支援・移行支援・地域支援や地域連携の記載が求められます。ここが空欄のまま、あるいは「随時対応する」の1行で済んでいる計画は指摘を受けやすい箇所です。それぞれ2〜3行で構いませんので、具体的な相手と頻度を書きます。

  • 家族支援の例:月1回の送迎時面談に加え、学期末に30分の個別面談を実施する。家庭で使える着替えの手順表を作成し、3か月後に実施状況を確認する。きょうだいの対応で保護者の負担が大きいため、地域のペアレントプログラムの情報提供を行う
  • 移行支援の例:学童保育との併用を見据え、事業所での小集団活動の人数を6名から10名へ段階的に広げる。年2回、学校の担任と情報共有の機会を設ける
  • 地域連携の例:相談支援専門員のモニタリング(6か月ごと)に合わせて支援状況を共有する。地域の子ども会の行事に年1回参加し、参加時の配慮事項を事前に伝える

家族支援は「保護者の困りごとを事業所がすべて引き受ける」ことではありません。保護者が自分で対応できる範囲を広げるための支援を書くのが本来の趣旨です。面談の内容は支援記録とは別に面談記録として残し、計画の見直し根拠として使えるようにしておきます。

モニタリングと個別支援計画の連動|6か月に1回以上をどう回すか

計画、支援、記録、見直しを循環させ、子どもの変化を次の支援に活かす図

基準第27条では、計画作成後も実施状況を把握し、少なくとも6か月に1回以上、計画の見直しを行うことが定められています。子どもや家庭の状況に大きな変化があった場合は、6か月を待たずに臨時のモニタリングを行い、必要に応じて計画を変更します。進級・進学、家族構成の変化、服薬内容の変更、行動面の急な変化は、臨時モニタリングの典型的なきっかけです。

見直しの質を左右するのは、日々の支援記録です。モニタリング報告書に「概ね達成」とだけ書いても、根拠となる記録がなければ評価として成立しません。逆に、計画の短期目標に沿った観察項目を支援記録の様式にあらかじめ組み込んでおけば、6か月後に記録を集計するだけでモニタリングが書けます。目標に「週3回中2回以上」と頻度を入れておく理由もここにあります。頻度が書いてあれば、記録は達成回数を数えるだけで済みます。

当サイトでは記録様式について、専門的支援実施加算の記録テンプレートや強度行動障害のある子どもの記録の書き方でも詳しく扱っています。個別支援計画とこれらの記録様式は、同じ観察項目でつながっているのが理想です。

運営指導で実際に指摘される10のポイント【チェックリスト】

指定権者による運営指導では、個別支援計画は必ず確認される書類です。以下の10項目を、直近3名分の計画書で確認してみてください。1つでも当てはまらない項目があれば、次の作成時から修正できます。

#確認項目確認できたか
1作成者が児童発達支援管理責任者になっているか□
2保護者の署名と日付があるか(押印は廃止)□
3同意日がサービス提供開始日より前になっているか□
4計画書の写しを交付した記録が残っているか□
5担当者会議の開催記録(日付・出席者・意見)があるか□
6アセスメント記録が計画の内容と対応しているか□
75領域すべてについて、活動名でなく目標が書かれているか□
8算定している加算に対応する記載があるか(延長支援加算等)□
9前回計画から6か月以内にモニタリングを実施しているか□
10家族支援・移行支援・地域連携の欄が埋まっているか□

8番は見落とされがちです。延長支援加算や欠席時対応加算など、算定する加算によっては個別支援計画への記載や別途の記録が求められます。当サイトの延長支援加算の要件と記録、欠席時対応加算の記録方法、身体拘束廃止未実施減算の対応テンプレートもあわせて確認しておくと、加算ごとの記載漏れを防げます。

よくある質問(Q&A)

Q1. 個別支援計画は何年保管すればいいですか?

基準上は、その完結の日から5年間の保管が原則です。ただし保管年限は自治体によって異なる場合があり、5年より長い年限を条例で定めている指定権者もあります。指定申請時に配布される手引きを確認してください。

Q2. 5領域すべてに目標を立てないと減算になりますか?

こども家庭庁の別紙1「個別支援計画の記載のポイント」では、本人支援について「5つの領域全てが関連付けられるよう記載すること」と求める一方、「5つの欄を設けて、個々に異なる目標を設定する必要はない」と明記されています。つまり、5領域それぞれに別々の目標を立てる義務はありませんが、各領域との関連性の記載そのものは必ず行う必要があります。1つの支援内容が複数領域にまたがる場合は、関連する領域を全て書けば足ります。

Q3. 保護者が同意しない場合はどうすればいいですか?

同意を得ないまま支援を開始することはできません。同意が得られない理由(目標が保護者の希望とずれている、支援回数に納得していない等)を面談で確認し、原案を修正して再度説明します。修正の経緯を面談記録として残しておけば、手続きを適切に行った証拠になります。

Q4. きょうだいや家庭の事情はどこまで書いていいですか?

支援に必要な範囲に限り、保護者に確認したうえで記載します。計画書は保護者に交付され、相談支援事業所とも共有される書類です。診断名や家庭の経済状況など機微な情報は、記載の必要性を検討し、必要な場合も事実のみを簡潔に書きます。医療的な判断が関わる内容は事業所で解釈せず、主治医や相談支援専門員への相談を前提に扱ってください。

Q5. 計画書はエクセルと専用ソフトのどちらで作るべきですか?

利用者が20名程度までであれば、エクセルでも十分に運用できます。判断の分かれ目は、モニタリング時期の管理と、支援記録との突合にどれだけ時間がかかっているかです。1人分の計画作成とモニタリングに2時間以上かかっているなら、ソフトの検討より先に様式そのものを見直すほうが効果があります。

まとめ|記入例をなぞる前に「観察できる行動」に置き換える

  • 個別支援計画は、未作成なら30%(3か月目以降は50%)の減算対象となる法定書類。書類の中身より、日付の前後関係や交付記録といった手続きの証拠でつまずくケースが大半
  • 令和6年度改定で、5領域との紐づけ、支援プログラムの公表(未公表は15%減算)、インクルージョンとPDCAの視点が加わった
  • 目標は「行動・条件・頻度・期限」の4点で書けば、第三者が達成を判定でき、モニタリングも記録の集計だけで済む
  • 5領域を埋めるために新しい活動は要らない。おやつ・宿題・自由遊び・送迎という既存の日課を分解すれば5領域は網羅できる
  • 本人支援だけでなく、家族支援・移行支援・地域連携の3欄を、具体的な相手と頻度で埋める
  • 生成AIに任せられるのはアセスメントの整理、方針と目標の下書き、記録と計画のズレ検出まで。作成者は児発管であり、事実確認と加算まわりの数字は人が確認する
  • AIを使うときは実名・生年月日・学校名を入力しない。仮名のまま作り、実名は計画書のファイル上で戻す
  • 活動名に領域名を並べただけの「タグ付け」は指摘対象。領域は活動ではなく、その活動で子どもができるようになることに対して付ける

記入例をそのまま写しても、自事業所の子どもに合っていなければ運営指導では通りません。文例を参考にする際は、目標の文型(行動・条件・頻度・期限)だけを借りて、中身はアセスメントで観察した姿に置き換えてください。この置き換えができていれば、計画書は支援記録ともモニタリングとも自然につながります。

今日できる最初の一歩は、直近3名分の計画書を印刷し、本記事のチェックリスト10項目に照らすことです。7番(活動名でなく目標が書かれているか)と3番(同意日と提供開始日の順序)の2つだけでも確認しておけば、次の運営指導で慌てずに済みます。まずはこの2点から着手し、次回の計画更新のタイミングで残りの8項目を順に整えていきましょう。

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個別支援計画に時間を取れない原因は、計画そのものではなく周辺業務にあります

1人分の計画作成に2時間以上かかっている事業所では、原因の多くが「アセスメントの聞き取りを手書きで起こしている」「研修の受講記録を紙で管理している」「そもそも児発管が1人で全部抱えている」のいずれかです。ここでは、その3つに対応する選択肢を挙げます。

困りごと選択肢できること
面談・担当者会議の記録に時間がかかるNotta面談やケース会議の音声をテキスト化し、そのままAIのプロンプトに貼る材料にする。話した言葉が残るため、保護者の意向を要約せずに書ける
5領域・虐待防止・身体拘束の研修記録が紙のままはぐくも法人向けeラーニング。受講履歴がシステムに残るため、運営指導で研修実施の証拠として提示しやすい
児発管が1人で計画作成を抱えているレバウェル介護児発管・サビ管の求人を扱う無料の転職支援。人員体制が変わらない職場で消耗し続けるより、条件を比較してから判断する材料になる

いずれも、まず資料や条件を確認するところから始められます。導入の可否は事業所の運営方針や予算に応じて判断してください。

音声の録音・文字起こしを行う場合は、保護者や職員への説明と同意を必ず先に取ってください。個人情報を含む音声データの保管場所と保管期間も、事業所の個人情報保護規程に沿って決めておく必要があります。

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個別支援計画の前提になるのが、事業所全体の「支援プログラム」です。12項目の完成イメージと、5領域の関連づけ2パターンをまとめました。
▶ 支援プログラムの記入例と12項目の書き方|未公表減算を止める手順

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