強度行動障害児支援加算の記録の書き方!実地指導も怖くない文例・テンプレート完全ガイド
実地指導対策の決定版!
強度行動障害児支援加算の「正しい記録の書き方」と
そのまま使える「文例テンプレート」を完全公開します。
結論から言います。加算算定の要件を満たし、返還リスクを回避するために必要なのは「構造化された支援手順」と「事実に基づく記録」の2点だけです。
しかし、多くの現場では書き方が自己流になっており、実地指導で指摘を受けるケースが後を絶ちません。
本記事では、サービス管理責任者であり「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」を修了した筆者が、行政が求める記録の正解を体系化しました。
- 「書くことがない日」でも、加算要件を完璧に満たす記録が書けるようになる。
- 難解な「生物・心理・社会」の分類で、もう二度と迷わなくなる。
- 明日からスタッフ全員が、実地指導に強い統一された記録を残せるようになる。
「記録業務の時間を減らしつつ、事業所を守りたい」。
そんな管理者の願いを叶える具体的なノウハウとテンプレートを、全てここに置いておきます。ぜひ現場のマニュアルとしてご活用ください。
- なぜ「記録」が命なのか?強度行動障害児支援加算の返還リスク
- 全ての土台はここにあり!「支援計画シート」作成完全ガイド
- まずは材料集め!「インテーク(情報の収集・整理)」の書き方
- 最重要!「3つの視点」で行動の背景を読み解く
- 仮説から「支援課題」を導き、具体的な「戦術」へ
- 【保存版】コピペで完成!場面別「支援手順書」書き方テンプレート
- 📋【保存版】コピペで完成!場面別「支援手順書」書き方テンプレート
- 空欄は絶対NG!「チェック」欄の正しい判定基準
- 「特変なし」は卒業!書くことがない日の満点記録術
- 感情は捨てる!トラブル発生時の「事実記録」完全攻略
- 最後が肝心!「連絡事項」の活用と「修正ルール」完全ガイド
- まとめ:その1行が、利用者と事業所を守る「最強の盾」になる
なぜ「記録」が命なのか?強度行動障害児支援加算の返還リスク
現場で汗を流している私たちにとって、目の前のお子さんの支援が最優先であることは言うまでもありません。パニックになっているお子さんを落ち着かせ、安全を確保し、少しでも笑顔で過ごしてもらう。その瞬間の関わりこそが私たちの仕事の本質です。
しかし、あえて厳しいことを言わせてください。
「記録のない支援は、
行政において『支援していない』のと同じ」
これは私がサービス管理責任者として、そして一人の支援者として、最も痛感している現実です。
強度行動障害児支援加算は、その専門性と困難さゆえに高い報酬単価(単位数)が設定されています。それは裏を返せば、「それに見合うだけの証拠(エビデンス)を厳格に残しなさい」という国からのメッセージでもあります。
ここでは、なぜ記録がこれほどまでに重要なのか、実地指導(監査)の視点から解説します。
加算算定の根拠は「毎日の記録」にある
よくある誤解が、「判定スコア(確認票)で20点以上あるから大丈夫」という認識です。確かにスコアは入り口として必要ですが、それだけで加算が認められるわけではありません。
強度行動障害児支援加算の要件は、単に対象児を受け入れていることではなく、以下の要件を満たすことに対して支払われます。
強度行動障害支援者養成研修修了者を配置し、適切な計画に基づいた支援を行ったこと
もし実地指導で調査官にこう聞かれたら、どう答えますか?
「この日、加算を算定していますが、具体的にどのような専門的な支援を行いましたか?記録を見せてください」
この時、「記憶にはあります」「確かにやりました」という言葉は通用しません。公費(税金)を使っている以上、客観的な証拠が必要です。
万が一、記録が白紙だったり、「特変なし」の一言で済まされていたりした場合、最悪のケースでは「不正請求」とみなされ、過去に遡って加算報酬の全額返還を求められるリスクがあります。数百万円単位の返還命令が出れば、事業所の存続自体が危ぶまれる事態になりかねません。
実地指導でチェックされる3つのポイント
では、実地指導において調査官は記録のどこを見ているのでしょうか?私の経験や厚労省のガイドラインに基づくと、大きく分けて以下の3点がチェックされます。
🔍 重要チェックポイント
計画書で「パニック時はクールダウンスペースへ誘導する」と決めているのに、記録にその記述が全くなければ、「計画倒れ」と判断されます。「計画にある支援を、実際に今日やったのか」という整合性が厳しく見られます。
「暴れていたので対応した」では不十分です。「いつ(何時何分)、どのようなきっかけで(トリガー)、どのような行動が起き(ターゲット行動)、誰がどう介入し、結果どうなったか」が書かれている必要があります。
特に基礎研修修了者が支援を行う場合、実践研修修了者が適切に助言や確認を行っているかどうかも重要なポイントです。記録の中に「〇〇(実践研修修了者)に報告し、助言を受けた」といった記述があることで、チームとして要件を満たしている証明になります。
記録を書くことは、決して「事務作業」ではありません。
自分たちの行った質の高い支援を証明し、
事業所とスタッフを守るための「盾」なのです。
全ての土台はここにあり!「支援計画シート」作成完全ガイド
強度行動障害児支援加算において、「支援手順書 兼 記録用紙」が毎日の航海日誌だとすれば、「支援計画シート」は目的地へ向かうための「海図(設計図)」です。実地指導では、「記録の内容が、この計画シートに基づいているか?」という整合性が厳しく問われます。
なぜ「個別支援計画書」とは別に作るのか?
「個別支援計画書があるのに、なぜ似たようなシートを作らなければならないの?」
そう思う方も多いでしょう。しかし、目的が明確に異なります。
「生活能力の向上」や「社会参加」など、中長期的な目標管理がメイン。
「行動障害(パニック等)の背景要因」を分析し、今日どう支援するかという具体的戦術を決めるもの。
まずは材料集め!「インテーク(情報の収集・整理)」の書き方
支援計画シートの左端にある「情報(見たこと、聴いたこと、資料などから)」の欄。ここを空白にしたり、適当に埋めたりしていませんか?
ここは、この後に行う分析(仮説立て)の「証拠」となる最も重要な部分です。
🔍 「情報」欄に書くべき3つのソース
-
👁️
見たこと(観察事実):
「毎日14時頃に落ち着きがなくなる」「特定の職員が近づくと離れる」など、誰が見ても明らかな行動の事実。 -
👂
聴いたこと(本人・家族の言葉):
「お母さんによると、家では入浴を嫌がるとのこと」「本人が『うるさい』と発言した」など。 -
📄
資料(過去の記録):
「学校時代の記録」「医療機関の診断書」「フェイスシート」などの客観的なデータ。
【超重要】アセスメントがない=指導対象です
実地指導で調査官が真っ先に見るのは、計画の中身よりも「その情報の鮮度」です。
- 利用開始時の古い情報のまま、何年も更新されていない。
- そもそもアセスメントシート自体が存在しない。
- 日付が空欄になっている。
利用者の状態は日々変化します。「アセスメント→計画→実施→評価」のサイクルが回っていないと判断されれば、減算や返還の対象となり得ます。
手元にない場合は、早急に作成・再評価(モニタリング)を行ってください。
ゼロから作らなくていい!「あるもの」を活用しよう
「忙しくて一から情報収集なんてできない…」という方も安心してください。あなたの事業所には、既に情報の宝庫があるはずです。
- 基本情報シート(フェイスシート):家族構成、成育歴、既往歴など
- サービス等利用計画書(案):相談支援専門員が作成したアセスメント
- 学校や前事業所の引き継ぎ資料:個別の指導計画など
まずはこれらを転記して整理するだけでも、立派なアセスメントの第一歩です。
最重要!「3つの視点」で行動の背景を読み解く

このシートの核となるのが、アセスメント(評価)欄にある「生物的」「心理的」「社会的」という3つの分類です。
ここがしっかりと埋まれば、一見理解不能な行動障害も「なるほど、だからそうしたのか」と腑に落ちるようになります。
しかし、実際に書こうとすると「これってどっちに書けばいいの?」と迷うことが必ず出てきます。
迷いをなくすための「判断基準」と「よくある間違い」を徹底解説します。
Q&A:どっちに書く?現場の「迷い」解消コーナー
「夜眠れていない」という事実は「生物」です。しかし、「翌日のイベントが楽しみで興奮して眠れない」なら原因は「心理」になります。
自閉症の特性と考えれば「生物」ですが、それを行うことで安心を得ている機能に着目すれば「心理」です。
厳密に分けることが目的ではありません。重要なのは「その要因が抜け落ちていないか」です。
仮説から「支援課題」を導き、具体的な「戦術」へ
3つの視点で情報を集め、行動の背景にある理由(仮説)が見えてきたら、次は「じゃあ、何を解決すればいいの?」というターゲットを設定します。これが「支援課題」です。
ここがズレてしまうと、どれだけ立派な支援方針を立てても効果が出ません。仮説から課題を導き出すプロセスのコツを解説します。
「支援課題」は「問題行動を止めること」ではない
よくある間違いが、課題の欄に「他害をなくす」「パニックを起こさない」と書いてしまうことです。これでは、本人に対する抑圧的な支援になりかねません。
支援課題とは、「本人が困っていることを解消する(ニーズ)」あるいは「環境側が解決すべきミッション」と捉えてください。
🔄 視点の転換:「困った行動」→「支援課題」
「大声を出さないようにする」
「不安な気持ちを、言葉やカードで適切に伝えられるようになる」
「安心して過ごせる静かな環境を確保する」
「脱走しない」
「外出したいという欲求を、安全な方法(散歩等)で満たす」
「見通しを持って活動に参加できるよう構造化する」
どれからやる?課題の優先順位
課題がたくさん出てきた場合、全てに手をつけるのは不可能です。以下の優先順位で絞り込みましょう。
- 命や身体の安全に関わること(自傷・他害・飛び出し等)
- 本人の不快感や苦痛を取り除くこと(感覚過敏・痛み・睡眠等)
- 生活の質(QOL)を上げること(楽しみ・好きな活動)
- 社会的なスキルや参加(ルール理解など ※ここは最後でいい!)
一本の線で繋がる!完成形イメージ
ここまで揃えば、あとは「対応・方針(具体的なアクション)」を決めるだけです。
左(情報)から右(方針)まで、論理が破綻せずに繋がっているか確認しましょう。
| ① 理解・解釈・仮説 (なぜ起きる?) |
② 支援課題 (何を目指す?) |
③ 対応・方針 (具体的にどうする?→手順書へ) |
|---|---|---|
|
音が予測できない場所(公園など)に行くと、恐怖からパニックになるのではないか? (生物的・心理的要因) |
安心できる静かな環境を確保し、外出への恐怖感を減らす |
|
このように、「仮説(理由)」があるから「課題(ターゲット)」が決まり、そのための「方針(手段)」が決まる。この一貫性が、強度行動障害支援の質を決めます。
【保存版】コピペで完成!場面別「支援手順書」書き方テンプレート
📋【保存版】コピペで完成!場面別「支援手順書」書き方テンプレート
支援手順書の「サービス手順(計画)」欄は、「利用者が何をするか」ではなく、「職員がどう動くか」を書く欄です。
強度行動障害のある方は、環境や関わり方が少しでも変わると状態が不安定になります。職員が「いつ・どこで・どのように関わるか」を手順として統一することが、行動障害を抑制する支援そのものです。
「利用者が〇〇した」という記述は記録欄(様子欄)に書くもの。手順書には「職員が〇〇する」という主語で書くことを徹底してください。
- フォーマットは標準的な「時間・活動・サービス手順」の3列構成です。
- 利用者名・場所・具体的な道具名など、緑色に相当する固有の部分は必ず書き換えてください。
- 条件分岐(もし〜なら)を充実させるほど、誰が担当しても同じ対応ができ、実地指導の評価も高まります。
| 時間 | 活動 | サービス手順(計画)— 職員の動き — |
|---|---|---|
| 9:00〜9:15 | 受け入れ・身支度 |
①
玄関で出迎え、表情・歩行・姿勢を視認する
送迎担当から体調の申し送りを受け、今日の状態を把握してから室内へ誘導する判断を行う
②
ロッカーまで先導し、手順書カードを正面から提示する
何をするかを言葉より先に視覚で示す。カードを見た後は本人のペースを待ち、急かさない
③
手洗い場へ誘導し、側面に立って手順を視覚的に示す(手順ポスター指さし)
正面に立つと威圧感になるため必ず側面に位置する。声掛けは最小限にとどめる
④
居室へ誘導後、バイタルを測定し連絡帳の特記事項を確認する
家庭での様子(睡眠・食事・体調変化)を把握し、その日の支援強度を判断する材料にする
⑤
スケジュールボードを一緒に指さし確認し、本日の流れを見通し提示する
「次に何が起きるかわからない」という不安が行動障害の引き金になる。見通しの提示が最大の予防策
|
- もし 表情が険しい・不穏が見られる場合 → バイタル測定を後回しにし、好きな場所で5分間そのまま待機する。「待てる」姿勢を見せることで安心感を与える
- もし 玄関で動かない・座り込む場合 → 声掛けをやめ、視野に入らない位置に退く。タイマーを提示し「○分したら中に入ろう」と一言だけ伝える
- もし 送迎車から降りない場合 → 無理に促さず、好きなぬいぐるみや人形を視界に入れながら扉の外で待つ
- もし 手洗いを強く拒否する場合 → ウェットティッシュを差し出し、手洗いの代替として対応。記録には「ウェットティッシュで代替実施」と記載する
| 時間 | 活動 | サービス手順(計画)— 職員の動き — |
|---|---|---|
| 10:00〜11:00 | アルミ缶潰し(例) |
①
本人が着席したことを確認してから課題セットをテーブルに置く
先に置かない。着席前に課題があると混乱・衝動行動の引き金になる
②
作業中は斜め後方に立ち、視覚的プレッシャーをかけない位置で待機する
正面での見守りは監視と受け取られることがある。「あと○個」と残量を都度伝えることで終わりの見通しを補う
③
終了数(20個)に達したら「終わり」カードを手渡し、片付けを促す
口頭だけの「終わり」は伝わりにくい。カードで物理的なゴールを示すことが混乱防止になる
④
休憩エリアへ先導し、好きなお茶を提供しながら具体的な称賛を伝える
「全部できたね」など作業完了の事実を言葉で伝える。この積み重ねが活動への参加意欲につながる
|
- もし 離席が見られた場合 → 個数に関わらず「終わり」カードを提示して活動を終了させる。無理な着席促しは強い拒否に発展するため行わない
- もし 道具を投げようとした場合 → 道具をさりげなく手の届かない位置へ移動させ、声掛けは最小限にしてクールダウンエリアへ静かに誘導する
- もし 大きな声や独語が増えてきた場合 → イヤーマフを手渡し、刺激源となっている他の利用者を遠ざけるか、職員自身が間に入って遮断する
- もし 作業開始自体を拒否した場合 → 作業を切り替え、好みの感覚遊びやDVD等の代替活動を提供する。「自由時間として対応」と記録する
| 時間 | 活動 | サービス手順(計画)— 職員の動き — |
|---|---|---|
| 13:30〜14:30 | 散歩・買い物 |
①
出発前に行き先の写真カードを提示し、今日の行程を説明する
「どこへ行くかわからない」状態は不安を高める。目的地・おやつ購入の流れをカードで可視化する
②
外出中は半歩先を歩き、交差点や人混みの手前で立ち止まって安全を確認してから進む
後ろからの誘導は本人の視界に入らず不安を招く。先導することで「次に何が起きるか」を本人に伝える
③
スーパーでは本人の隣に並び、選択肢は2択で絞って提示する
棚の前に一人で立たせない。選択肢が多すぎるとフリーズ・混乱が起きる
④
公園ではタイマーをセットし、「あと3分」「あと1分」と段階的に終了を予告する
突然の「終わり」は強い拒否反応を引き起こす。時間の見える化(タイマー提示)が切り替えをスムーズにする
|
- もし 公園に他の子どもがいた場合 → 入園せず、「今日は車で回ろう」とBコースに切り替える旨をカードで伝え、そのまま施設周辺ドライブに変更する
- もし 外出中に急な音や刺激で不穏兆候が出た場合 → イヤーマフを即座に差し出し、人通りの少ない裏道(Aルート)へルートを変更して早期帰所する
- もし スーパーで目的の商品がなかった場合 → 代替品の写真を2枚見せ、どちらかを指さしで選んでもらう。拒否があればその場で購入をやめ穏やかに退店する
- もし 急な走り出しが起きた場合 → 追いかけず、視野に入る位置に素早く回り込み、穏やかに立つ。追跡は興奮を高めるため絶対に行わない
| 時間 | 活動 | サービス手順(計画)— 職員の動き — |
|---|---|---|
| 12:00〜13:00 | 昼食・歯磨き |
①
食堂へ誘導し、着席を確認してから食器を配膳する
着席前に食器が並んでいると衝動的に手が出る。配膳のタイミングをコントロールすることが最初の予防策
②
食事中は背後1〜2mの位置に立ち、視線を直接合わせないようにして待機する
正面からの視線はプレッシャーとなりパニックの引き金になる。背後待機が原則。詰め込みが見られた時だけ「一口ずつ」と静かに声掛けする
③
食事終了後、「ごちそうさま」カードを提示して下膳を促す
口頭のみでは伝わりにくい。カード提示で「食事の終わり」を視覚的に示す
④
歯磨きの場所まで先導し、側面に立って手順ポスターを指さしながら見守る
介助は最小限にとどめ、自力でできる部分はやってもらう。仕上げ磨きは本人の様子を見て判断する
|
- もし 食器を投げようとした場合 → 声をかけず素早く食器を遠ざけ、一度下膳する。「落ち着いたらまた持ってくるね」と一言だけ伝え、5分後に再提供を検討する
- もし 詰め込み食いが続く場合 → 一度に出す量を小皿1枚分に減らし、食べ終わったら次を出す方式に切り替える
- もし 隣の利用者へ手が出そうな場合 → 職員が間に入り物理的に遮断する。席の間隔を広げるか、パーテーションを設置して視覚的な仕切りを作る
- もし 歯磨きを強く拒否した場合 → うがいのみで対応し、記録に「歯磨き拒否のためうがいにて代替実施」と記載する。無理な介助は噛み付きに発展するため行わない
「利用者が手洗いをする」ではなく「職員が手洗い場へ誘導し、側面に立って手順ポスターを指さす」。職員の動きが書かれていることが、専門的支援の証明になります。
「見守る」ではなく「背後1〜2mの位置で待機する」「着席後に配膳する」。具体的であるほど、誰が担当しても支援の質が均一になり、実地指導での評価が上がります。
「〇〇したら△△する」だけでなく「なぜならば□□だから」まで書けると、支援の根拠(アセスメントとの整合性)が一目で分かり、実地指導で根拠を問われた際の回答になります。
-
「利用者が〜する」ではなく「職員が〜する」という主語になっているか?
-
職員の「立ち位置・距離・タイミング」が具体的に書かれているか?
-
使用するツール(カード・タイマー・イヤーマフ等)が明記されているか?
-
条件分岐(もし〜なら → こうする)が各場面に最低3項目以上あるか?
-
支援計画シート(アセスメント)の仮説・支援課題と手順の内容が一致しているか?
-
毎日の記録の「様子欄」が、この手順書の動きと対応する内容になっているか?
空欄は絶対NG!「チェック」欄の正しい判定基準
たかがチェック、されどチェック。ここが空欄だと「支援放棄(ネグレクト)」を疑われます。
また、よくある勘違いが「〇(できた)の時は、様子欄は空欄でいい」という思い込みです。
チェック欄と様子欄はセットです。以下の基準で必ず両方を埋めてください。
| 記号 | 判定ルール | 右側の「様子欄」に何を書く? |
|---|---|---|
|
○ (またはレ点) |
計画通り実施した 手順書にある支援を行い、本人が活動に参加できた場合。 |
【必須】本人のポジティブな反応を書く 「問題なかった」で終わらせず、支援がどう役立ったかを書きます。 記述例: 「手順書を確認し、スムーズに取り組めた」 「声掛けにより笑顔で参加された」 |
| △ |
一部変更・短縮した 本人の状態や環境により、予定の一部を変更・短縮した場合。 |
【必須】変更した「理由」を書く なぜ計画通りに行かなかったのか、その原因(事実)を書きます。 記述例: 「集中力が続かず5分で終了した」 「雨が降り始めたためコースを短縮した」 |
| × |
中止・未実施 強い拒否、体調不良などで活動自体を行わなかった場合。 |
【必須】中止した「理由」を書く ここを空欄にすると「支援忘れ」になります。 記述例: 「本人の強い拒否があり、意思を尊重して中止した」 「発熱のため実施せず」 |
💡 Q. なぜ「〇」なのに書かないといけないの?
A. 「実施したこと(チェック)」と「どうだったか(様子)」は別物だからです。
もし様子欄が空欄だと、後で読み返した時に「ただ機械的にこなしただけなのか?」「本人は楽しんでいたのか?嫌々だったのか?」が分かりません。
強度行動障害支援において重要なのは「本人が安定して過ごせたか」という結果です。
〇がついた日は、ポジティブな記録を残すチャンスです。
「落ち着いて参加できた」「笑顔が見られた」と書くことで、「私たちの支援(構造化)が本人に合っている」という成功の証明になります。
「特変なし」は卒業!書くことがない日の満点記録術
「今日はパニックもなく平和だった…書くことがない…」
そう思って「特変なし」と書いていませんか? 実はその平和こそが、あなたの支援の成果なのです。
実地指導で「何も支援していないのでは?」と疑われないための、平和な日の記録テンプレート(コピペ推奨)を公開します。
🚀 語尾を変えるだけ!プロっぽくなる言い換えリスト
いつもの言葉を少し変えるだけで、専門性がグッと上がります。
| いつもの表現(△) | ➡ | プロの表現(◎) |
|---|---|---|
| 見ていた | ➡ | 安全を確認しながら見守った |
| 楽しそうだった | ➡ | 笑顔が多く見られ、情緒が安定していた |
| 嫌がった | ➡ | 拒否の意思表示(発語・動作)があった |
感情は捨てる!トラブル発生時の「事実記録」完全攻略
パニックや自傷・他害が起きた時、「大変だった」「怖かった」「暴れた」と日記のように書いていませんか?
その記録では、何かあった時に「スタッフの対応は適切だったのか?」を証明できず、あなた自身を守れません。
緊急時こそ、感情を排除し、事実のみを淡々と書く技術が求められます。
🛡️ 自分を守る最強フレームワーク「ABC記録」
迷ったらこの3つの箱を埋めるだけで、完璧な記録になります。
🚑 【ケース別】トラブル記録テンプレート(コピペ推奨)
緊急時に文章を考える余裕はありません。以下の型に当てはめて書いてください。
✅ ポイント:止めたのか、保護したのか、介入方法を明確に。
✅ ポイント:誰を守ったか、どう防いだかを記録。
✅ ポイント:原因(音)と対処(イヤーマフ)の因果関係を書く。
🔄 「感情語」→「事実語」変換リスト
あなたの記録を「日記」から「公文書」に変える魔法の言い換え集です。
○ 手足を大きく動かした、物を投げた
○ 顔面が紅潮し、早口になった
○ その場に座り込み、両耳を塞いだ
○ 全身を震わせ、職員の後ろに隠れた
自傷や他害で身体的なダメージがあった場合、以下の3点を必ず記録に残してください。書いていないと「隠ぺい」を疑われます。
- 身体確認の結果:「右前腕に5cmの発赤あり」「出血なし」
- 医療処置:「看護師○○により冷却処置実施」「絆創膏を貼付」
- 家族への連絡:「17:00 母に電話にて報告し、様子観察の指示を受ける」
最後が肝心!「連絡事項」の活用と「修正ルール」完全ガイド
記録の最後にある「連絡事項」欄と、間違えた時の「修正方法」。
ここを適当に済ませていると、実地指導で「公文書としての信頼性がない」と指摘されます。細かいですが、プロとして絶対に知っておくべきルールです。
1. 「連絡事項」は未来への手紙
ここは単なる「感想」を書くメモ帳ではありません。「明日のスタッフを助けるための引き継ぎエリア」です。
ここに書かれた情報が、翌日のサービス手順(計画)を修正する材料になります。これが「PDCAサイクルが回っている」という証拠になります。
事故には至らなかったけれど「危ない!」と思ったこと。
好きなものが変わった、いつもと様子が違うなど。
うまくいった方法は全員でシェア!
2. 知らないと犯罪扱い?「修正」の鉄の掟
記録用紙は、5年間の保存義務がある公文書(証拠書類)です。
「間違えたから消して書き直そう」という軽い気持ちで修正液を使うと、実地指導では「改ざん(隠ぺい)」を疑われます。
🚫 絶対NGな修正集(これやるとアウト)
- 修正液・修正テープ:
「下に何が書いてあったか」が見えない状態は、証拠隠滅とみなされます。 - 黒塗り・ぐちゃぐちゃ消し:
見栄えが悪いだけでなく、やはり「隠そうとした」と疑われます。 - 消せるボールペン(フリクション等):
これが一番危険!
夏の車内やコピー機の熱でインクが透明になり、記録が「白紙」になってしまいます。必ず油性かゲルインクを使ってください。
⭕ 正しい修正手順(3ステップ)
間違えた内容が見える状態で、取り消すことがルールです。
間違えた文字の上に、定規を使ってきれいに二重線を引きます。
二重線にかかるように、書いた本人の訂正印(小さい印鑑)を押します。「誰が修正したか」の証明です。
※印鑑がない場合はフルネームサインでも可とする自治体もありますが、印鑑推奨です。
近くの余白に、正しい文字や数字を記入します。
Q. 数日後に書き忘れに気づいた!
余白に「※〇月〇日追記」と記入日を明記した上で、内容を書き足してください。
「後から気づいて誠実に修正した」という記録になります。
まとめ:その1行が、利用者と事業所を守る「最強の盾」になる
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
強度行動障害児支援加算における「支援計画シート」と「記録用紙」の書き方について、現場のリアルな悩みに寄り添って解説してきました。
正直、毎日の記録は面倒かもしれません。現場が忙しいのも痛いほど分かります。
しかし、あなたが書くその記録は、単なる行政への提出書類ではありません。
この記事の重要ポイント総復習
- ✔ 情報の鮮度:アセスメントは常に最新に。「いつの情報?」と突っ込まれないように。
- ✔ 3つの視点:「生物・心理・社会」で分析すれば、行動の理由が見えてくる。
- ✔ 構造化の徹底:手順は毎日コピペでOK。変わらないことが安心に繋がる。
- ✔ 事実を書く:「楽しそう」ではなく「笑顔が見られた」。主観を捨てて事実を残す。
🚀 明日からできる!3つのアクションプラン
読み終えた今が、変わるチャンスです。まずはこの3つから始めてみませんか?
-
アセスメントの日付チェック
手元のファイルを見てください。日付が1年以上前なら、すぐに再評価(モニタリング)の予定を立てましょう。 -
「特変なし」禁止令を出す
明日のミーティングでスタッフに伝えてください。「平和だった日は、構造化がうまくいったと書こう」と。 -
テンプレートを共有する
この記事の例文を印刷して、スタッフルームに貼ってください。言葉が統一されるだけで、記録の質は劇的に上がります。
「記録のための支援」ではなく、「より良い支援のための記録」へ。
あなたのペンの力で、現場は必ず変わります。応援しています!


