※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。

障害福祉
PR

専門的支援体制加算とは?単位数・算定要件・対象職種と加配加算との違い、令和9年度の統合案【2026年10月最新】

専門的支援体制加算 単位数・要件・対象職種と令和9年度の統合案
ユイン
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
スポンサーリンク

専門的支援体制加算は、放課後等デイサービスと児童発達支援で、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職や、経験5年以上の保育士・児童指導員を基準の人員に加えて配置している事業所が取れる加算です。定員10人以下なら1日・利用児1人あたり123単位。定員10人の事業所では、取れているかどうかで月に20万円以上売上が変わります。

ただ、算定している事業所は約5割にとどまります。「保育士の5年は資格を取る前も数えていいのか」「児童指導員等加配加算と同じ人で取れるのか」「有給の日はどうなるのか」など、細かいところで迷いやすい加算でもあります。さらに2026年10月5日には、児童指導員等加配加算と統合して新しい加算にする案が国の検討チームに出ました。

この記事では、こども家庭庁の告示・留意事項通知・Q&Aと、各自治体の集団指導資料をもとに、いまのルールを細かく整理したうえで、令和9年度改定の統合案と今からできる準備までまとめます。

この記事でわかること
  • 専門的支援体制加算の単位数(放デイ・児発、定員別・重症心身障害児)と、月いくらになるかの試算
  • 算定要件と、対象になる「理学療法士等」7職種
  • 保育士・児童指導員の「5年以上」の正しい数え方(加配加算とは違う)
  • 常勤換算1.0の考え方、有給・欠勤・退職した月の扱い
  • 児童指導員等加配加算・専門的支援実施加算との違いと、併せて取るときの人員
  • 届出の期限と書類、運営指導で返還になりやすいパターン
  • 令和9年度改定で加配加算と統合される案の中身と、今からの準備
Contents
  1. 結論|「専門職を基準より1人分多く置く」と取れる加算。令和9年度に作り替えられる見込み
  2. 専門的支援体制加算とは|令和6年度にできた「配置」を評価する加算
  3. 単位数一覧|放デイ・児発の定員別と、月いくらになるかの試算
  4. 算定要件|「基準+1」「対象職種」「常勤換算1以上」「届出」「計画」の5つ
  5. 対象になる「理学療法士等」|7つの職種と、それぞれの条件
  6. 保育士・児童指導員の「5年以上」の数え方|加配加算と違う2つの点
  7. 常勤換算1.0の考え方|有給・欠勤・退職・多機能型の扱い
  8. 児童指導員等加配加算との違い|両方取るなら「基準+2人」
  9. 専門的支援実施加算との関係|「置く」体制加算と「やる」実施加算
  10. 届出の方法|期限・必要書類・やめるときの届出
  11. 運営指導で返還になりやすいパターン|5つ
  12. 【最新】令和9年度改定で、児童指導員等加配加算と統合される案が出た
  13. 運営側から見た現実|加算だけで専門職の人件費はまかなえない
  14. 今から準備できること|チェックリスト
  15. よくある質問
  16. まとめ|今のルールで確実に取りつつ、「チームで支えている記録」を貯めておく
スポンサーリンク

結論|「専門職を基準より1人分多く置く」と取れる加算。令和9年度に作り替えられる見込み

専門的支援体制加算の要点。専門職の配置を評価、定員10人以下123単位、基準の人員+1人以上、令和9年度に加配加算と統合する案

先に要点だけ並べます。細かい根拠はこのあとの章で一つずつ説明します。

何に対する加算か人員基準に加えて、理学療法士等を常勤換算で1以上配置していること
単位数放デイ・児発(センター以外)の障害児:定員10人以下 123単位/11〜20人 82単位/21人以上 49単位(1日・利用児1人につき)
対象職種理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・視覚障害児支援担当職員、資格取得・任用から5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員
いちばん多い誤解保育士・児童指導員の5年に、資格を取る前の経験や特別支援学校の経験を数えてしまう(加配加算では数えられるが、この加算では数えられない)
加配加算と両方取るなら基準人員に加えてそれぞれ1人分ずつ、合計「基準+2人」が必要。1人を両方に数えることはできない
これからどうなる令和9年度改定で、児童指導員等加配加算と統合した新しい加算にする案が出ている(2026年10月5日・検討段階)。単位数・要件は未公表

専門的支援体制加算とは|令和6年度にできた「配置」を評価する加算

令和6年度改定で旧専門的支援加算と特別支援加算が、専門的支援体制加算と専門的支援実施加算の2つに分かれた図

専門的支援体制加算は、理学療法士等による支援が必要なこどもへの支援や、家族へのかかわり方の助言など、専門的な支援を強化するために、基準の人員に加えて専門職を置いている事業所を評価する加算です(留意事項通知 第二の2(1)4の2)。

令和6年度改定で「体制」と「実施」の2段階になった

令和5年度までは、専門職を置いたことを評価する専門的支援加算と、専門職が計画的に機能訓練や心理指導をしたことを評価する特別支援加算(54単位/回)があり、この2つは同時に取れませんでした。

令和6年度改定で2つは統合され、次の2段階の評価に作り直されました。

専門的支援体制加算専門的支援実施加算
評価するもの専門職を置いている体制専門職が計画を作って個別・集中的に支援したこと
単位49〜123単位/日(放デイ・児発の障害児)150単位/回(月の上限あり)
人の配置基準人員に加えて常勤換算1以上単なる配置でよい(基準人員でも可)
同時算定両方をあわせて算定できる

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」

この記事は体制加算を中心に扱います。実施加算の計画書や記録の書き方は、専門的支援実施加算の記録・計画書テンプレートにまとめています。

対象サービス

放課後等デイサービスと児童発達支援(児童発達支援センターを含む)です。重症心身障害児を主に受け入れる事業所でも、別の単位数で算定できます。保育所等訪問支援や居宅訪問型児童発達支援にはありません。

単位数一覧|放デイ・児発の定員別と、月いくらになるかの試算

放課後等デイサービスの専門的支援体制加算の単位数。定員10人以下123単位、11〜20人82単位、21人以上49単位、重症心身障害児は247〜82単位

専門的支援体制加算は1日につき、その日に利用したこども1人ごとに算定します。単位数は利用定員で決まり、定員が小さいほど高くなります。

放課後等デイサービス

利用定員単位数(1日)
障害児(重症心身障害児以外)10人以下123単位
同 11人以上20人以下82単位
同 21人以上49単位
重症心身障害児 5人247単位
同 6人206単位
同 7人176単位
同 8人154単位
同 9人137単位
同 10人123単位
同 11人以上82単位

児童発達支援

区分・利用定員単位数(1日)
センター以外・障害児 10人以下123単位
同 11人以上20人以下82単位
同 21人以上49単位
センター以外・重症心身障害児放デイの重症心身障害児と同じ(247〜82単位)
児童発達支援センター 30人以下41単位
同 31〜40人35単位
同 41〜50人27単位
同 51〜60人22単位
同 61〜70人19単位
同 71〜80人16単位
同 81人以上15単位

出典:こども家庭庁「改定事項の概要」(範囲:事業所49〜123単位、センター15〜41単位)、障害福祉報酬改定検討チーム第65回資料。定員ごとの値は報酬告示に基づく請求ソフト各社の公開表で確認。算定前に必ず指定権者の単価表で確かめてください。

表の数字は、児童指導員等加配加算の「常勤換算・経験5年以上」と同じ値です。加配加算の単位数は児童指導員等加配加算の記事で一覧にしています。

月いくらになるか(試算)

1単位10円(地域区分「その他」)で計算します。都市部は1単位あたりの単価が10円より高いので、金額はもう少し上がります。

条件月の単位数月の金額(目安)
放デイ 定員10人・1日平均9人・月22日123×198人日=24,354約24万円
放デイ 定員20人・1日平均18人・月22日82×396人日=32,472約32万円
重心 定員5人・1日平均4人・月22日247×88人日=21,736約22万円

定員10人の放デイなら、年間で約290万円です。ここに専門的支援実施加算(150単位/回)が重なると、たとえば対象児10人に月4回ずつ実施して月6,000単位(約6万円)が加わります。

保護者の負担はどうなるか

加算を取ると1回あたりの費用は上がり、利用者負担(原則1割)の計算のもとになる金額も上がります。ただ、利用者負担には月額の上限(0円・4,600円・37,200円)があり、3〜5歳は無償化の対象です。多くの家庭では、実際に払う額は上限で止まるため変わりません。上限に届いていない家庭では負担が少し増えるので、重要事項説明書の加算一覧を更新し、説明しておきましょう。

算定要件|「基準+1」「対象職種」「常勤換算1以上」「届出」「計画」の5つ

告示と留意事項通知から、算定に必要な条件を5つにまとめます。

要件1

基準の人員に「加えて」配置する

児童発達支援給付費・放課後等デイサービス給付費の算定に必要な従業者の員数(児童指導員等加配加算を算定している場合は、その加算に必要な人数も含む)に加えて配置します。基準人員として数えている人や、加配加算の加配として数えている人は、この加算には数えられません。

ここでいう「算定に必要な従業者」は、児童指導員・保育士だけでなく、指定基準で置くことになっている全ての職種です。たとえば児発管が欠けている月は、児童指導員が何人多くても算定できません(新潟市の集団指導資料)。

要件2

配置するのは「理学療法士等」

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・視覚障害児支援担当職員と、資格取得・任用から5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員です。詳しくは次の章で説明します。

要件3

常勤換算で1以上

常勤1人でも、非常勤を組み合わせて1人分にしてもかまいません。職種が違う人を合わせて1人分にすることもできます。

要件4

都道府県知事(指定権者)に届け出ている

届出が毎月15日以前なら翌月から、16日以降なら翌々月から算定できます。

要件5

個別支援計画を作っているこどもだけが対象

通所支援計画(個別支援計画)を作成していないこどもについては算定できません(留意事項通知)。計画の更新が切れているこどもにも注意が必要です。

対象になる「理学療法士等」|7つの職種と、それぞれの条件

専門的支援体制加算の対象になる理学療法士等7職種。保育士と児童指導員は資格取得・任用から5年以上
理学療法士国家資格があれば対象。経験年数は問われない
作業療法士同上
言語聴覚士同上
心理担当職員大学(短期大学を除く)または大学院で心理学を専修する学科等を修めて卒業し、個人・集団心理療法の技術がある人、またはこれと同等以上の能力があると認められる人。公認心理師などの資格がなくてもよい(Q&A 問25)
視覚障害児支援担当職員国立障害者リハビリテーションセンター学院の視覚障害学科を履修した人、またはこれに準ずる視覚障害者の生活訓練を専門とする技術者の養成研修を修了した人
保育士保育士として5年以上児童福祉事業に従事した人
児童指導員児童指導員として5年以上児童福祉事業に従事した人

出典:留意事項通知 第二の2(1)4の2、同4(心理担当職員・視覚障害児支援担当職員の定義)、「障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」(令和6年5月17日)問25

看護職員・手話通訳士・強度行動障害の研修修了者は対象外

児童指導員等加配加算では、手話通訳士・手話通訳者・特別支援学校免許取得者・強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者なども「児童指導員等」に入りますが、専門的支援体制加算の「理学療法士等」には入りません。看護職員も対象外です。

心理担当職員の「心理学を専修する学科」について、徳島県のよくある質問では、心理学部を卒業していることを条件とし、教育学部で一部心理学を学んだだけでは専修とはいえない、少なくとも認定心理士が取れる単位数と同等のものを修めていること、と回答しています。判断が分かれやすいので、採用前に卒業証明書と履修内容を指定権者に確認しておくと安全です。

保育士・児童指導員の「5年以上」の数え方|加配加算と違う2つの点

保育士・児童指導員の5年以上の数え方。数えられる経験と数えられない経験

この加算でいちばん間違いが多いのがここです。同じ「経験5年以上」という言葉でも、児童指導員等加配加算とは数え方が違います。留意事項通知は、わざわざ次の2点を「加配加算と異なり」と書いて注意を促しています。

専門的支援体制加算児童指導員等加配加算
いつからの経験か資格取得・任用の後の経験だけ資格取得・任用の前の経験も数えてよい
特別支援学校・特別支援学級・通級での教育含まない含む
幼稚園含む(特別支援学校の幼稚部に限らない)含む

出典:留意事項通知 第二の2(1)4、4の2、令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問15(新潟市・仙台市の集団指導資料での引用)

数えられる「児童福祉事業」と、数えられないもの

放課後等デイサービス・児童発達支援などの障害児通所支援、保育所、児童養護施設など、児童福祉法にもとづく事業での経験が対象です。上の表のとおり幼稚園も含まれます。

一方で、仙台市の集団指導資料は、認可外保育施設(企業主導型保育施設など)は含まれないとしています。認可外での勤務が長い保育士は、5年に届かないことがあります。

例で確認する

数えられない例

保育補助3年のあと保育士資格を取り、放デイで2年働いた人

資格取得後の経験は2年なので、この加算では対象外です。加配加算なら、資格取得前の3年も含めて5年として「経験5年以上」の区分で数えられます。

数えられない例

特別支援学校の教員を4年、放デイの児童指導員を2年

特別支援学校での教育経験は含まれないので、児童指導員としての経験は2年です。対象外です。

数えられる例

保育士資格を取って認可保育所で3年、幼稚園で1年、放デイで1年

資格取得後の児童福祉事業(保育所・幼稚園・放デイ)が合計5年なので対象です。

証明書類がないと、運営指導で数えてもらえない

届出には、資格証の写しと実務経験を証明する書類(前の勤務先の実務経験証明書など)を添付します。前の勤務先が閉鎖していて証明が取れない、という理由で5年を証明できないケースもあります。採用面接の段階で、証明書を出してもらえるか確認しておきましょう。

常勤換算1.0の考え方|有給・欠勤・退職・多機能型の扱い

非常勤や、違う職種を合わせてもよい

常勤換算は「その月の勤務時間の合計 ÷ 常勤が勤務すべき時間」で出します。週40時間が常勤の事業所なら、週20時間の作業療法士と週20時間の言語聴覚士の2人で1.0になります。理学療法士0.5と経験5年以上の保育士0.5のように、職種をまたいで合わせることもできます。

常勤の人の有給や病欠

常勤で配置している専門職が、病気で休んだり有給休暇を取ったりしても、その期間が1か月以内なら配置の要件を満たす扱いです(令和6年度報酬改定Q&A VOL.1 問14)。1か月を超えて続く場合は要件を満たさなくなります。

月の途中で辞めたとき

徳島県のよくある質問は、月の途中で退職した理学療法士について「月に常勤換算で1.0あれば算定可能」と回答しています。つまり、その月の加配の勤務時間が常勤換算1.0に届いていれば算定でき、届かなければその月は算定できません。後任が見つからないなど、算定できなくなることが明らかな場合は、すぐに届出を出します(後述)。

多機能型(児発+放デイ)

児童発達支援と放課後等デイサービスの多機能型で、たとえば午前は児発、午後は放デイで働いている保育士は、両方の勤務時間を合計して常勤換算を出せます(留意事項通知)。

児発管としての時間は数えられない

児発管は基準で置く職種です。児発管が作業療法士の資格を持っていても、児発管として働いている時間は加配に数えられません。兼務のルールは児童指導員等加配加算の記事の「兼務のルール」の章で整理しています。

「月の合計」と「その日の配置」の両方を見る

常勤換算は月単位で出しますが、それとは別に、その日の基準人員が足りているかも確認が必要です。基準人員が欠けた日に専門職が穴埋めに入ると、その人はその日「基準人員」になります。次の章の事例で説明します。

スポンサーリンク

児童指導員等加配加算との違い|両方取るなら「基準+2人」

児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を両方取るなら基準の人員に加えて2人必要
専門的支援体制加算児童指導員等加配加算
目的専門的な支援の強化常時見守りが必要なこどもへの支援などの強化
対象職種理学療法士等(7職種)児童指導員等(より広い)と、その他の従業者
配置形態常勤換算のみ常勤専従 または 常勤換算
経験年数資格取得・任用後。特別支援教育は含まない資格取得前も可。特別支援教育も含む
単位(定員10人以下)123単位/日90〜187単位/日(5区分)
算定率(令和8年3月)児発 52.5%/放デイ 46.7%児発 84.7%/放デイ 91.6%

出典:留意事項通知、障害福祉報酬改定検討チーム第65回資料(算定率は令和8年3月サービス提供分の国保連実績)

両方取るときは、それぞれ別の人が必要

両方を算定するなら、基準人員に加えて、加配加算の1人分と体制加算の1人分を別々に置きます。同じ職員を両方に数えることはできません(徳島県のよくある質問 番号10、仙台市の集団指導資料)。

どちらの加算も、基準人員が欠けている状態では算定できません。

事例:利用人数と休みで、取れる日・取れない日が変わる

定員10人、月〜金営業の放デイで、常勤の保育士A・児童指導員Bを基準人員、常勤の保育士Cを加配加算、非常勤の作業療法士Dを体制加算として届け出ている例です。考え方は、いわき市の適用事例と仙台市の集団指導資料にそって整理しています。

その日の状況必要な基準人員加配加算体制加算
利用9人・全員出勤2人(A・B)算定可算定可
利用11人(定員超過)3人(A・B+C)算定不可算定可
利用9人・Bが急な欠勤2人(A+C)算定不可算定可
利用11人・Bが欠勤3人(A・C・D)算定不可算定不可

ポイントは、加配のはずの人が基準人員の穴を埋めた日は、その加算が取れないことです。4行目のように穴が2人分あくと、両方の加算が取れなくなります。

なお、いわき市の適用事例では、常勤で配置している加配職員の有給休暇(1か月以内)は配置の要件を満たすものとして扱い、加配職員が有給の日も加配加算を算定できるとしています。ただし、基準人員の側が有給を取り、加配職員がその穴を埋めた日は算定できません。休むのが「基準の人」か「加配の人」かで結果が変わるので、シフト表で日ごとに確認しておきましょう。

定員超過は「減算にならなければよい」ではない

定員を超えた受入れは、災害・虐待その他のやむを得ない事情がある場合に限られます。仙台市の資料は「減算にならない範囲であれば受入して良い」ではないと明記しています。受け入れた日は、その日の人数に応じた基準人員が必要で、加配の人を基準に回せばその日の加算は取れません。

専門的支援実施加算との関係|「置く」体制加算と「やる」実施加算

専門的支援体制加算と専門的支援実施加算のちがい

名前が似ていますが、体制加算と実施加算は別の加算で、あわせて算定できます。届出も別です(仙台市の集団指導資料)。

実施加算の単位150単位/回
月の上限(放デイ)月の利用日数 6日未満は2回、6日以上12日未満は4回、12日以上は6回
月の上限(児発)月の利用日数 12日未満は4回、12日以上は6回
人の配置単なる配置でよい。基準人員、加配加算・体制加算の加配の人が行ってもよい
主な要件個別支援計画を踏まえて、理学療法士等が専門的支援実施計画を作り、保護者に説明して同意を得て、30分以上の支援を行い、こどもごとに記録する
実施の形個別が基本。小集団(5名程度まで)や、基準人員を置いたうえでの小集団(2つまで)の組み合わせも可

出典:こども家庭庁「改定事項の概要」、留意事項通知 第二の2(1)12

実施加算は「体制加算を取っていない事業所」でも取れる

実施加算は、理学療法士等が単に配置されていれば算定できます。体制加算の届出で「あり」にしていなくても算定は可能です(こども家庭庁から自治体への連絡、鹿児島県の通知)。ただし、理学療法士等が配置されていることを前提とする加算なので、鹿児島県などは「専門的支援実施加算に関する届出書」を作成して事業所で保管するよう求めています。扱いは指定権者によって違うので確認が必要です。

計画を作った専門職が、自分で実施する

静岡市がこども家庭庁に照会した結果では、実施加算は専門的支援実施計画を作成した専門職が30分以上支援した場合のみ算定できます。複数の専門職で支援するなら、計画作成の段階から連名で作っておく必要があります。小集団の組み合わせで行う場合は、計画を作った専門職に加えて別の職員を配置します。

計画書と記録のひな形は専門的支援実施加算の記録・計画書テンプレートで紹介しています。

届出の方法|期限・必要書類・やめるときの届出

専門的支援体制加算の届出から算定までの4ステップ

出す書類

  • 介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書・体制等状況一覧表(専門的支援体制加算を「あり」)
  • 専門的支援体制加算に関する届出書(基準人員の総数と、従業者の総数を常勤換算で記入)
  • 従業者の勤務の体制及び勤務形態一覧表
  • 配置する職員の資格証の写し
  • 保育士・児童指導員の場合は、実務経験を証明する書類

様式と添付書類は指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)ごとに違うので、所管のホームページの様式を使ってください。新潟市の記載例では、届出書の「基準人員の総数A」「従業者の総数B」には児発管を含めた総数を書き、B−Aが常勤換算1.0以上あるかを確認する形になっています。

いつから算定できるか

毎月15日以前に届出翌月から算定
16日以降に届出翌々月から算定
要件を満たさなくなったとき速やかに届出。満たさなくなった日から算定しない

出典:留意事項通知 第一(届出に係る加算等の算定の開始時期、加算等が算定されなくなる場合の届出の取扱い)

専門職の採用が決まったら、入職日から逆算して15日までに届け出ます。たとえば4月1日入職なら、3月15日までに出せば4月分から算定できます。3月16日以降になると5月分からです。

運営指導で返還になりやすいパターン|5つ

専門的支援体制加算で運営指導で指摘されやすい5つのパターン

体制加算は「1日・利用児1人ごと」なので、要件を満たしていない期間が見つかると、その期間の利用児全員・全日数分が返還の対象になります。定員10人の放デイで半年分なら、試算で約140万円です。

1

基準人員の穴埋めに回った日も算定していた

定員超過の日や、基準の職員が休んだ日に、加配の専門職が基準人員に入っているのに算定しているケースです。勤務形態一覧表と利用実績を日ごとに突き合わせると、すぐにわかります。

2

経験年数を証明する書類がない

「本人から5年以上と聞いている」だけでは認められません。実務経験証明書がそろっていないと、算定の根拠がないことになります。

3

資格取得前や特別支援学校の経験を数えていた

加配加算の感覚で数えてしまう典型です。加配加算の届出に使った経験年数を、そのまま体制加算に流用しないようにしましょう。

4

辞めた人のまま、届出を変えていない

専門職が退職したり、勤務時間を減らしたりして常勤換算1.0を割っているのに、算定を続けているケースです。届出をしないまま請求すると不正請求となり、悪質な場合は指定の取消しの対象にもなります。

5

1人を2つの加算に数えていた

加配加算と体制加算を同じ職員で取っていたケースです。常勤換算の時間を2つの加算で二重に使うこともできません。

返還は事業所だけで終わらない

返還になると、市町村などへの返還と同時に、保護者が払った利用者負担の過払い分も保護者に返す必要があります(留意事項通知)。金額だけでなく、保護者との信頼関係にも影響します。

【最新】令和9年度改定で、児童指導員等加配加算と統合される案が出た

令和9年度改定の検討案。児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を統合した新しい加算
まだ決定ではありません

ここで紹介するのは、2026年10月5日の障害福祉報酬改定検討チーム(第65回)に出された「論点」と「検討の方向性」です。新しい加算の名前・単位数・要件は示されていません。2026年10月22日時点で、これより後に新しい案は出ていません。

国が問題にしていること

資料「障害児支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」の、児童発達支援・放課後等デイサービスの論点1「チーム支援の推進に向けた事業所全体の支援体制の評価について」では、現状の課題として次の点が挙げられています。

  • 令和8年3月時点で、児童指導員等加配加算は児発で約8割、放デイで約9割、専門的支援体制加算は両サービスとも約5割の事業所が算定している
  • 財務省の令和8年度予算執行調査で、約9割が算定している加配加算は支援強化のインセンティブとしての役割を果たしているとは言えないと指摘された
  • どちらの加算も個々の職員の資格や配置だけを評価するため、配置転換などでも算定できてしまう一方、事業所全体の支援体制は十分に評価できていない
  • 保育士・理学療法士等・児童指導員は、中途採用で確保が難しい職種の上位(保育士67.5%、機能訓練担当職員56.6%、児童指導員52.2%)で、特定の職種の配置だけを評価すると、地域の人材確保の状況に左右されやすい

検討の方向性

検討の方向性(要旨)
  • 現行の評価体系を抜本的に見直し、児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を整理・統合した新たな加算を創設することを検討する
  • 新しい加算では「専門人材の活用」「経験ある人材の評価」の方向性は維持しつつ、専門職等の配置や経験年数だけでなく、支援ニーズの高いこどもの受入れ状況や、それに応じた支援体制など複数の評価項目を、取組や体制整備の状況を見ながら総合的に評価する

出典:障害福祉報酬改定検討チーム第65回(令和8年10月5日)資料「障害児支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」児童発達支援・放課後等デイサービス 論点1

これからのスケジュール

報道(介護ニュースJoint、2026年10月6日)によると、こども家庭庁は具体的な評価項目や方法の検討を深め、年末にも大枠の方向性を固める考えです。前回の令和6年度改定では、改定率が12月、単位数を含む改定案が2月に示され、3月に告示とQ&Aが出ました。同じ流れなら、新しい加算の単位数と要件がわかるのは2027年2〜3月ごろになります。

統合されたら、何が変わりそうか

決まっていることはまだありませんが、検討の方向性から考えると、次のような変化が起こり得ます。

  • 「専門職を1人分置いている」だけでは、いまと同じ評価にならない可能性がある
  • 医療的ケア児・重症心身障害児・強度行動障害のあるこどもなど、支援ニーズの高いこどもを受け入れているかが評価に入る可能性がある
  • 専門職と他の職員がチームで支援していることを、記録や体制で示すことが求められる可能性がある
  • 経験年数の評価は残る方向なので、経験ある職員の定着は引き続き意味を持つ

統合案の背景と、加配加算側から見た影響は児童指導員等加配加算の記事でも整理しています。

運営側から見た現実|加算だけで専門職の人件費はまかなえない

運営する側として、数字で冷静に見ておきたい点があります。

体制加算だけでは、常勤1人分の人件費に届かない

定員10人の放デイで体制加算は月約24万円(試算)です。仮に常勤の作業療法士を月給28万円で雇うと、社会保険料などの事業主負担を含めて月30万円を超えます。体制加算だけでは専門職1人分の人件費をまかなえません。実施加算を組み合わせ、さらに支援の質で利用につながって、ようやく成り立つ計算です。

そもそも専門職が採れない

国の調査でも、理学療法士等は中途採用で確保が難しい職種の上位です。求人を出しても応募がない地域では、経験5年以上の保育士・児童指導員で体制加算を取る事業所が多くなります。ただ、それはまさに今回の統合案で「配置転換でも算定できてしまう」と指摘された形でもあります。

それでも、今のルールで取れるなら取ったほうがよい

令和9年度に作り替えられる見込みだからといって、今の加算を見送る理由にはなりません。2027年3月までの約1年半、要件を満たしていれば取れる加算です。大事なのは、「誰を何人置いたか」だけでなく「専門職がどうチームで支援したか」を記録に残しておくことです。新しい加算でどんな項目が評価されても、その記録は根拠として使えます。

今から準備できること|チェックリスト

  • 体制加算に数えている職員の資格証と実務経験証明書がファイルにそろっているか確認する
  • 保育士・児童指導員の5年が、資格取得・任用後の経験だけで数えられているか見直す
  • シフト表で、加配の人が基準人員の穴埋めに入った日がないか、月ごとに確認する仕組みを作る
  • 加配加算と体制加算で、同じ人を二重に数えていないか確認する
  • 専門職の退職・勤務時間の変更があったら、すぐ届出を出す流れを決めておく
  • 重要事項説明書の加算一覧と、保護者への説明が最新か確認する
  • 専門職が他の職員に助言した内容や、ケース会議での役割を記録に残しておく(チーム支援の根拠になる)
  • 支援ニーズの高いこども(医療的ケア児・重症心身障害児・強度行動障害など)の受入れ状況を把握しておく

専門職の資格や任用資格の一覧は障害福祉の資格一覧にまとめています。支援の内容を5領域とつなげて示す方法は支援プログラムの記入例が参考になります。

よくある質問

Q. 専門職がいない日も、加算を算定してよいのですか?

常勤換算は月単位なので、非常勤の専門職が来ない曜日も、基準人員が満たされていれば算定できます。ただ、徳島県は、加配職員がいない日に算定する場合は、保護者から「その場にいない人への加算を払っている」ように見えるので、加算の仕組みを説明して理解を得ておくよう求めています。

Q. 経験5年以上の保育士を、加配加算ではなく体制加算に回したほうが得ですか?

定員10人以下で比べると、加配加算は常勤専従・経験5年以上なら187単位、常勤換算・経験5年以上なら123単位、体制加算は123単位です。常勤専従で置けるなら加配加算のほうが高くなります。両方取れる人数がいるなら、それぞれに1人ずつ届け出るのが基本です。経験年数の数え方が違うので、体制加算に回せるのは資格取得後5年以上の人だけです。

Q. 心理担当職員は公認心理師でないとだめですか?

公認心理師などの資格は必須ではありません(Q&A 問25)。大学(短大を除く)や大学院で心理学を専修する学科等を修めて卒業し、心理療法の技術がある人などが対象です。

Q. 専門職が送迎に出てもよいですか?

加配加算については、留意事項通知で「サービス提供時間を通じて事業所で直接支援にあたることを基本とする」とされ、徳島県は送迎は基本的に不可と回答しています。体制加算については同じ文言の明記はありませんが、専門的な支援の強化が目的の加算なので、送迎の時間を常勤換算に入れてよいかは指定権者に確認してください。

Q. 4月に入職する理学療法士で、4月分から取れますか?

3月15日までに届け出れば4月分から算定できます。16日以降だと5月分からです。採用が決まった時点で届出の準備を始めましょう。

Q. 令和9年度に統合されたら、いま取っている加算はどうなりますか?

2026年10月時点では検討段階で、経過措置の有無も含めて何も決まっていません。今のルールは改定が施行されるまで有効です。単位数と要件は2027年2〜3月ごろに示される見込みなので、そのタイミングで改めて確認してください。

Q. 実施加算だけ取ることはできますか?

できます。実施加算は理学療法士等が単に配置されていれば算定でき、基準人員の専門職が行ってもかまいません。体制加算を取っていなくても算定できます。

まとめ|今のルールで確実に取りつつ、「チームで支えている記録」を貯めておく

  • 専門的支援体制加算は、基準人員に加えて理学療法士等を常勤換算1以上置くと取れる。放デイ・児発の定員10人以下で123単位/日
  • 保育士・児童指導員の5年は資格取得・任用後だけ。特別支援学校などの教育経験は含まない。加配加算とは数え方が違う
  • 加配加算と両方取るなら基準+2人。加配の人が基準の穴を埋めた日は取れない
  • 届出は15日までなら翌月から。満たさなくなったらその日から算定しない
  • 令和9年度改定で加配加算と統合する案が出ている。単位数・要件は未定で、示されるのは2027年2〜3月ごろの見込み

統合後の評価がどうなっても、「専門職が他の職員とどう連携して、支援の難しいこどもを支えているか」を示せる事業所が評価される方向は変わりません。今の加算を正しく取りながら、その記録を少しずつ貯めておきましょう。

主な参考資料:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」(令和6年4月1日)、「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」、「障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」(令和6年5月17日)、障害福祉報酬改定検討チーム第65回資料(令和8年10月5日)、新潟市・仙台市・いわき市・徳島県・鹿児島県・静岡市の集団指導資料・通知・よくある質問

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
記事URLをコピーしました