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障害福祉
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児童指導員等加配加算とは?単位数・要件・兼務ルール|専門的支援体制加算と統合される令和9年度改定案も解説【2026年10月最新】

児童指導員等加配加算 単位数・兼務ルールと令和9年度の統合案
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児童指導員等加配加算は、放課後等デイサービスと児童発達支援で約8〜9割の事業所が取っている加算です。定員10人の事業所なら、取れているかどうかで月に20万〜40万円ほど売上が変わります。

ただ、2026年10月5日に国の検討チームで、この加算を専門的支援体制加算と統合して新しい加算に作り替える案が出ました。この記事では、いまの単位数と要件、兼務のルール、運営指導で返還になりやすいケースを整理したうえで、統合案の中身と今から準備できることまでまとめます。

この記事でわかること
  • 児童指導員等加配加算の単位数(定員別)と、月いくらになるかの目安
  • 算定要件5つと、「常勤専従」「常勤換算」の違い
  • 管理者・児発管・児童指導員を兼務しているときに取れる区分・取れない区分
  • 定員超過や休憩の穴で、加算が取れなくなる典型パターン
  • 令和9年度改定で専門的支援体制加算と統合される案の中身と、今からの準備
Contents
  1. 結論|「基準より1人多く、サービス時間を通して置く」と取れる加算。ただし令和9年度に作り替えられる見込み
  2. 児童指導員等加配加算とは|目的と対象サービス
  3. 単位数一覧|放デイ・児発(センター以外)の定員別
  4. 算定要件は5つ|「基準+1」「対象職種」「配置形態」「経験年数」「サービス時間を通して」
  5. 兼務のルール|管理者・児発管・児童指導員を兼ねているとき
  6. 算定できなくなる典型パターン|運営指導で返還になりやすい5つ
  7. 専門的支援体制加算との違い|両方取るなら「基準+2人」
  8. 【最新】令和9年度改定で、専門的支援体制加算と統合される案が出た
  9. 統合されたら現場はどう変わりそうか|今から準備できること
  10. 同じ資料に出た関連論点|研修の義務化と、休暇時の人員基準
  11. よくある質問
  12. まとめ|今のルールで確実に取りつつ、「体制を示せる記録」を貯めておく
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結論|「基準より1人多く、サービス時間を通して置く」と取れる加算。ただし令和9年度に作り替えられる見込み

児童指導員等加配加算の3つのポイント。取れる条件、定員10人以下の単位数、令和9年度の統合案

先に要点だけ並べます。

何に対する加算か人員基準(児童指導員または保育士 10人まで2人以上)に加えて、児童指導員等を1人以上配置していること
単位数(定員10人以下)常勤専従・経験5年以上 187単位/日 〜 その他の従業者 90単位/日(5区分)
いちばん多い失敗定員超過の日や休憩時間に、加配のはずの職員を基準人員に回してしまい、月の加配が1人分に届かなくなる
兼務の注意管理者と児童指導員を兼ねている人は「常勤専従」区分では数えられない(常勤換算区分なら可)。児発管は加配に数えられない
これからどうなる令和9年度改定で、専門的支援体制加算と統合した新しい加算にする案が出ている(2026年10月5日・検討段階)。資格や経験年数だけでなく、支援ニーズの高いこどもの受入れ状況やチームでの支援体制を総合的に評価する方向

統合案はまだ「検討の方向性」の段階で、新しい加算の名前・単位数・要件は決まっていません。令和9年3月までは今のルールで算定します。なので、この記事は前半で今のルールを固め、後半で統合案を見ていきます。

児童指導員等加配加算とは|目的と対象サービス

児童指導員等加配加算の目的・対象サービス・算定の単位・届出

こども家庭庁の資料では、この加算の目的を「常時見守りが必要な障害児への支援や、家族への関わり方の助言など、支援の強化を図るため」としています。基準どおりの人数では手が回らない場面に、もう1人置いたことを評価する加算です。

対象サービス児童発達支援(センター・センター以外)、放課後等デイサービス
算定の単位1日につき、利用した児童ごとに加算(利用定員と配置区分で単位が決まる)
届出都道府県(指定権者)への届出が必要。届出書と勤務形態一覧表で、基準人員とは別に1人以上いるかを確認される
令和6年度改定での変化以前は「理学療法士等/児童指導員等/その他」の職種で単位が分かれていた。改定後は配置形態(常勤専従・常勤換算)と経験年数(5年以上・未満)で分かれる形に変わった。専門職の評価は専門的支援体制加算の側に移った

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」

単位数一覧|放デイ・児発(センター以外)の定員別

定員10人以下の児童指導員等加配加算の単位数と月の目安を5区分で比較した棒グラフ

重症心身障害児以外のこどもを受け入れる、放課後等デイサービスと児童発達支援事業所(センター以外)の単位数です。両サービスとも同じ単位数です。

配置区分定員10人以下11〜20人21人以上
常勤専従経験5年以上187単位12575
常勤専従経験5年未満152単位10159
常勤換算経験5年以上123単位8249
常勤換算経験5年未満107単位7143
その他の従業者90単位6036

単位:1日あたり。出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」(各区分の範囲 75〜187/59〜152/49〜123/43〜107/36〜90単位)。定員11人以上の各値は請求ソフト各社の公開表から転記しています。届出の前に報酬告示で確認してください。

主として重症心身障害児を通わせる事業所と、児童発達支援センター(センターは常勤専従・経験5年以上で22〜62単位)は、別の単位表です。

月にいくらになるか(目安)

1単位はおおむね10円です(地域区分によって上乗せがあります)。定員10人・営業22日・毎日10人利用(月220人日)で計算すると、次のくらいになります。

配置区分月の単位数月の目安(1単位10円)
常勤専従経験5年以上187×220=41,140約41万円
常勤専従経験5年未満152×220=33,440約33万円
常勤換算経験5年以上123×220=27,060約27万円
常勤換算経験5年未満107×220=23,540約24万円
その他の従業者90×220=19,800約20万円

処遇改善加算の上乗せは含めていません。利用率が下がれば、そのぶん減ります。

区分の差=人件費の判断材料

常勤専従・経験5年以上と常勤換算・経験5年未満の差は、この条件で月約17万円です。経験5年以上の人を常勤専従で置けるか、パートの組み合わせで常勤換算1.0を作るかで、これだけ変わります。採用の条件を考えるときの目安になります。

算定要件は5つ|「基準+1」「対象職種」「配置形態」「経験年数」「サービス時間を通して」

加配は「基準人員の上に、もう1人」 基準人員は定員ではなく、その日の利用児童数で決まる 利用10人の日 加配 1人(加算の対象) サービス提供時間を通して直接支援 基準人員 2人目(児童指導員/保育士) 基準人員 1人目(うち1人以上は常勤) +管理者・児発管(加配には数えない) → 加算OK 利用11人の日(定員超過) 加配 0人 加配の人が基準3人目に回った 基準人員 3人目(元・加配) 基準人員 2人目 基準人員 1人目 11〜15人は基準3人。5人増えるごとに+1 → この日は加配なし。月の加配時間が減る

図:基準人員と加配人員の関係(重症心身障害児以外を受け入れる放デイ・児発事業所の場合)

要件1 基準人員に加えて1人以上

管理者・児発管を含め、基準上必要な職種がすべてそろったうえで、さらに1人以上置くことが条件です。基準人員が欠けている期間(児発管の欠如、常勤の児童指導員・保育士がいない日など)は、加配がいても算定できません。

基準人員の数はその日の利用児童数で決まります。10人までは児童指導員または保育士が2人以上、11〜15人で3人以上、と5人ごとに1人増えます。

要件2 対象になる職種

児童指導員等児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、手話通訳士、手話通訳者、特別支援学校免許取得者、心理担当職員(心理学修了等)、視覚障害児支援担当職員(研修修了等)、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)修了者
その他の従業者上記の資格がない人(いちばん低い区分で算定)

無資格の職員でも、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を修了すれば「児童指導員等」に入れます。「その他の従業者」90単位から「常勤専従」152単位以上に上がるので、資格のない常勤職員がいる事業所は、まず受講を検討する価値があります。

要件3 配置形態|常勤専従と常勤換算

常勤専従常勤換算
意味常勤の職員が、加配の職務だけに従事している非常勤を含め、加配の勤務時間を合計して常勤1人分(1.0)以上ある
兼務他の職務と兼務していると不可兼務者も、加配として働いた時間分は合計に入れられる
組み合わせ―経験5年以上と5年未満、児童指導員等とその他の従業者を組み合わせた場合は低いほうの区分で算定

「常勤」は正社員かどうかではなく、事業所で決めた常勤の勤務時間(例:週40時間)に達しているかどうかで判断します。

要件4 経験年数の数え方

数える経験児童福祉事業に従事した経験。幼稚園、特別支援学校・特別支援学級・通級による指導での教育も含む
資格取得前の経験含めてよい(資格を取る前や、その職種で配置される前の経験も対象)
1年の数え方雇用形態や1日の勤務時間は問わないが、1年あたり180日以上の勤務が必要
含まれないもの企業主導型保育施設などの認可外保育施設での経験は含まない

出典:こども家庭庁「改定事項の概要」、仙台市 令和6年度集団指導資料

専門的支援体制加算とは数え方が違う

専門的支援体制加算の「経験5年以上の保育士・児童指導員」は、資格取得・任用後の経験だけを数え、特別支援学校などの教育経験は含みません。同じ「5年」でも、加配加算では足りて、専門的支援体制加算では足りないことがあります。実務経験証明書は、認可施設か認可外か、勤務期間と従事日数まで書いたものを用意しておくと安心です。

要件5 サービス提供時間を通して直接支援

この加算は常時見守りが必要なこどもへの支援を強化するためのものなので、加配の職員はサービス提供時間帯を通して事業所で直接支援にあたるのが基本です。事務作業ばかりで支援に入らない人を加配として届け出るのは、想定されていません。

兼務のルール|管理者・児発管・児童指導員を兼ねているとき

管理者・児発管・児童指導員を兼務したときの加配加算での扱い

小さな事業所ほど、1人が複数の役割を持ちます。兼務の組み合わせによって、人員基準としてOKかと加配加算に数えられるかが別々に決まるので、分けて見てください。

兼務の組み合わせ人員基準加配加算での扱い
管理者 × 児発管兼務できる加配には数えない。管理者・児発管は「基準上必要な職種」なので、この人とは別に加配が1人以上必要
管理者 × 児童指導員(加配として)兼務できる常勤専従は不可 常勤換算は可
専従を満たさないため。児童指導員として直接支援に入った時間を、他の加配職員と合計して常勤換算1.0以上なら算定できる
管理者 × 児童指導員(基準人員として)兼務できる基準人員の1人として数えるので、この人は加配にならない。加配は別に必要
児発管 × 児童指導員兼務できない児発管は専任で、業務の客観性を保つため直接支援には入らない扱い。基準人員にも加配にも数えられない
児童指導員(加配)× 児発管OJT可常勤専従のまま可
サビ児管基礎研修修了者が、児童指導員として配置されたままOJTで個別支援計画の原案作成をする場合。児発管OJTは基準上必要な職種ではないため「専従」を満たすと扱われる(仙台市の集団指導資料)
多機能型(児発+放デイ)で同じ人が両方の加配可両事業を通じて加配の職務だけをしていれば「専従」と扱われる(こども家庭庁Q&A)
送迎の運転を兼ねる加配職員要注意サービス提供時間を通して直接支援にあたるのが基本。送迎で長時間抜ける人を加配にするなら、その時間をどう扱うか指定権者に確認

出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A」、仙台市 令和6年度集団指導資料(児童発達支援・放課後等デイサービスにおける留意事項)

こども家庭庁Q&Aの考え方(要旨)

この加算は、管理者や児発管を含めて給付費の算定に必要な職種をすべて配置したうえで、それに加えて児童指導員等を1人以上置いた場合に算定するもの。そのため、管理者と児童指導員を兼務している人は、加算が求める「専従」を満たさない。

よくある3つのパターンで確認

パターンA

管理者(常勤)が児童指導員も兼ね、「常勤専従・経験5年以上」で届け出ている

管理者を兼ねているので専従になりません。常勤専従の区分は使えません。他に常勤専従の児童指導員等がいればそちらを加配として届け出ます。いなければ、常勤換算の区分(123単位など)に切り替えて、勤務時間の合計で1.0以上を確保します。

パターンB

管理者と児発管を1人が兼務。児童指導員3人(常勤)で、利用は毎日10人以下

管理者兼児発管は加配に数えません。基準人員は児童指導員2人なので、3人目の児童指導員が加配になります。この3人目がほかの職務を持たず、休憩・休暇の穴埋めで基準人員に回る日がなければ、常勤専従で算定できます。

パターンC

児発管が忙しい日に、児童指導員として支援に入ってもらっている

児発管は直接支援の職員と兼務できないので、基準人員にも加配にも数えられません。人数が足りない日の穴埋めに児発管を使っていると、その日は基準人員が欠けていることになり、加配加算どころか人員欠如減算の対象になる可能性があります。

令和9年度改定ではここが変わるかもしれない

10月5日の検討チームでは、職員が法定休暇を取って保育士・児童指導員の配置基準を満たさなくなる場合、管理者か児発管が直接支援に関わることを前提に、人員基準の扱いを見直す案も出ています。いまは「児発管は直接支援に入らない」が原則ですが、休暇時の扱いに限って変わる可能性があります。決まるまでは今のルールで運用してください。

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算定できなくなる典型パターン|運営指導で返還になりやすい5つ

児童指導員等加配加算が取れなくなる5つのパターン

練馬区・仙台市・新潟市の集団指導資料で取り上げられていたケースを、よくある順に並べます。どれも「加配の人はいるのに、算定できない」パターンです。

1 定員超過の日に、加配の人を基準人員に回した

練馬区の資料にある例です。定員10人・常勤3人(児童指導員1人・保育士2人)で、3人目を加配として常勤専従で届け出ていました。ところが、やむを得ず11人を受け入れた日が3日あり、その日は基準人員が3人必要になったので、加配の保育士を基準人員に回しました。

常勤の勤務すべき時間(4週)160時間(週40時間)
加配として働けた時間160時間 − 3日×8時間 = 136時間
結果月を通して「基準+1」が満たせていない。常勤換算でも0.85で1.0に届かず、その月は算定できない

出典:練馬区 令和6年度集団指導資料「人員の加配加算に係る基準人員について」

そもそも定員超過は「災害、虐待その他やむを得ない事情」がある場合に限られ、原則禁止です。「減算にならない範囲なら受け入れてよい」わけではありません。

2 「その他の従業者」で届け出ていて、基準人員が足りなくなった

加配を無資格の職員(その他の従業者)で届け出ている事業所で、利用が11人になった日。この日は児童指導員か保育士が3人必要ですが、無資格の職員は基準人員に数えられません。その日は人員欠如になり、加配加算も取れません。基準から1割を超えて欠けると、人員欠如減算の対象にもなり得ます。

3 休憩・時間休の穴を、加配の人で埋めている

基準人員は運営規程に定めた営業時間を通して必要です(仙台市の例)。基準人員の2人が交代で休憩を取る1時間に、加配の人が穴埋めで入っていると、その時間は加配がいない状態です。休憩や時間休の時間帯を補う非常勤職員を別に置くと解決します。補う職員は常勤でなくてもかまいません。

なお、送迎で職員が出ている時間は、事業所に児童指導員か保育士が1人以上いれば「送迎時の例外」として人員欠如にはなりません。

4 常勤換算で、低いほうの区分を使っていなかった

経験5年以上のパートと経験5年未満のパートを組み合わせて常勤換算1.0にしている場合、算定できるのは低いほうの「経験5年未満」区分です。資格のある人とない人を組み合わせた場合も同じで、「その他の従業者」の区分になります。

5 経験年数の証明が弱い

「保育園で5年」と書いてあっても、認可外保育施設なら数えられません。1年180日以上の勤務も必要です。届出の段階で、施設の種類・勤務期間・従事日数が書かれた実務経験証明書をそろえておきます。

防ぐコツ|勤務形態一覧表に「基」「加」を書く

練馬区の資料では、勤務形態一覧表の各職員の枠に「基(基準人員)」「加(加配)」「専(専門的支援体制加算)」と書いて、日ごとに管理している事業所が紹介されています。月末に加配の時間を合計すれば、届け出た区分を満たしているかがすぐわかります。

専門的支援体制加算との違い|両方取るなら「基準+2人」

児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算の違いを比較した表

統合案の話の前に、いまの2つの加算の違いを整理します。

児童指導員等加配加算専門的支援体制加算
評価するもの見守り・支援の手厚さ(人数)専門職による支援の体制
対象職種児童指導員等(強度行動障害基礎研修修了者も含む)、その他の従業者理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・心理担当職員・視覚障害児支援担当職員、経験5年以上の保育士・児童指導員
配置常勤専従 または 常勤換算常勤換算で1以上
経験年数の数え方資格取得前も可。特別支援教育も含む資格取得・任用後のみ。特別支援教育は含まない
単位(定員10人以下)90〜187単位/日123単位/日
算定率(令和8年3月)児発 84.7%/放デイ 91.6%児発 52.5%/放デイ 46.7%

出典:こども家庭庁「改定事項の概要」、障害福祉報酬改定検討チーム第65回資料(算定率は令和8年3月サービス提供分の国保連実績)

両方を算定する場合は、基準人員に加えて、それぞれの加算の加配人員が必要です。全体で「基準+2人以上」になります。1人を両方に数えることはできません。

専門的支援体制加算とは別に、理学療法士等が計画を作って個別・集中的に支援したときの専門的支援実施加算(150単位/回)があります。こちらは加配でなくても算定できます。計画書と記録の書き方は専門的支援実施加算の記録・計画書テンプレートにまとめています。

【最新】令和9年度改定で、専門的支援体制加算と統合される案が出た

まだ決定ではありません

ここで紹介するのは、2026年10月5日の障害福祉報酬改定検討チーム(第65回)に出された「論点」と「検討の方向性」です。新しい加算の名前・単位数・要件は示されていません。今後の議論で変わる可能性があります。

何が出たのか

厚生労働省とこども家庭庁が出した資料「障害児支援に係る報酬・基準について《論点等》」の、児童発達支援・放課後等デイサービスの論点1「チーム支援の推進に向けた事業所全体の支援体制の評価について」です。検討の方向性には、次の2点が書かれています。

検討の方向性(要旨)
  • 今の評価体系を抜本的に見直し、児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を整理・統合した新たな加算を創設することを検討する
  • 新しい加算は「専門人材の活用」「経験ある人材の評価」の方向は保ちつつ、専門職の配置や経験年数といった個別の要素だけでなく、支援ニーズの高いこどもの受入れ状況や、それに応じた支援体制など複数の評価項目を総合的に見て、事業所全体の支援体制を評価する
令和9年度改定の検討案:2つの加算を1つに 「誰を何人置いたか」から「事業所全体でどう支えているか」へ(2026年10月5日・検討段階) 児童指導員等加配加算 配置形態 × 経験年数で評価 算定率 児発 約8割・放デイ 約9割 「インセンティブになっていない」と指摘 専門的支援体制加算 専門職の配置(常勤換算1以上)で評価 算定率 両サービスとも約5割 配置転換でも算定できてしまう 新しい加算(名称未定) 複数の評価項目で総合的に評価 ・専門人材の活用(維持) ・経験ある人材の評価(維持) ・チーム協働による支援 ・支援ニーズの高いこどもの受入れ ・それに応じた支援体制の整備 出典:障害福祉報酬改定検討チーム第65回(令和8年10月5日)資料をもとに作成。単位数・要件は未公表

図:統合案のイメージ(名称・単位数・要件は未定)

なぜ統合するのか|資料に書かれた3つの理由

理由1

ほとんどの事業所が取っていて、加算の意味が薄れている

令和8年3月の国保連実績で、児童指導員等加配加算の算定率は児童発達支援84.7%、放課後等デイサービス91.6%。内訳は常勤専従・経験5年以上が両サービスとも約52%で最も多くなっています。令和8年度の財務省の予算執行調査では、約9割が算定している実態から「支援強化のためのインセンティブとしての役割を果たしているとは言えない」とされ、要件の見直しを求められました。

理由2

個人の資格と配置だけを見ているので、配置転換でも取れてしまう

調査研究で、加算を取るために新規採用や法人内の配置転換が行われている実態が確認されています。資料は、特定の職種や個々の配置だけを見る評価は、事業所の採用状況や地域の人材事情に左右されやすいと書いています。

理由3

専門職が採れない。だからチームと体制で見てほしい、という現場の声

人材確保の調査では、中途採用で特に確保が難しい職種は保育士67.5%、理学療法士等56.6%、児童指導員52.2%。関係団体ヒアリングでは、資格保有や職種要件だけでなく、経験の蓄積やチームアプローチ、地域支援の実績も含めて事業所全体の体制を評価してほしいという意見が出ていました。

出典:障害福祉報酬改定検討チーム第65回資料(国保連実績、財務省予算執行調査(令和8年6月公表)、令和6・7年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業)

決まっていること・決まっていないこと

資料に書かれていることまだ決まっていないこと
2つの加算を整理・統合した新しい加算を創設する方向で検討新しい加算の名前と単位数
専門人材の活用・経験ある人材の評価という方向は維持経験年数の区分(5年)が残るかどうか
支援ニーズの高いこどもの受入れ状況と支援体制を評価項目に入れる「支援ニーズが高い」をどの指標で測るか(個別サポート加算の対象児や医療的ケア児などが使われるかどうか)
複数の評価項目で総合的に評価する項目の数、配点や段階の付け方
令和9年度の報酬改定で扱う論点経過措置の有無

右の列は資料に書かれていない項目です。令和9年度改定の単位数や告示は、例年どおりなら年明け以降に示されます。

統合されたら現場はどう変わりそうか|今から準備できること

加算の統合に備えて今からできる5つの準備

ここからは資料の方向性をもとにした見通しです。確定情報ではないので、そのつもりで読んでください。

「人を置けば取れる」から「何をしているかを示せれば取れる」へ

今は、届出書と勤務形態一覧表で「基準+1人」が確認できれば算定できます。統合案の方向どおりになれば、どんなこどもを受け入れているか、その子たちをどういう体制で支えているかを書類で示すことが求められそうです。算定率9割の加算が、そのまま全員取れる形で残る可能性は低いと見ておくのが安全です。

今からやっておくと無駄にならない5つ

  • 職員の経験年数と資格を一覧にする。経験年数の評価は維持される方向なので、加配加算用と専門的支援体制加算用(資格取得後・教育経験を除く)の2通りで数えておく
  • 受け入れているこどもの状態像を記録で示せるようにする。個別サポート加算、強度行動障害児支援加算、医療的ケアの対象児など、支援ニーズの高いこどもの人数と支援内容を、アセスメントと個別支援計画に残す
  • チームで支援している証拠を残す。ケース会議の記録、職種をまたいだ支援方針の共有、個別支援計画の作成に誰が関わったか。チーム協働は障害児支援全般の論点2(個別支援計画作成のチーム協働)にも出ています
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を受けておく。今の加配加算で「その他の従業者」から上がれるだけでなく、支援ニーズの高いこどもへの体制として評価されやすい研修です
  • 基礎・実践研修の受講計画を立てる。令和9年度から導入予定で、導入時は全ての常勤職員が対象になる案です(次の章)
支援プログラムと個別支援計画が土台になる

「事業所全体の支援体制」を見るとき、最初に見られるのは公表している支援プログラムと、一人ひとりの個別支援計画だと考えられます。まだ整っていない場合は、支援プログラムの記入例と12項目の書き方と個別支援計画の記入例と作り方から手を付けるのがおすすめです。

同じ資料に出た関連論点|研修の義務化と、休暇時の人員基準

研修の制度化と休暇時の人員基準という2つの関連論点

加配の考え方に直接響く論点が、同じ資料にあと2つありました。

論点現状検討の方向性(要旨)
研修体系の創設(障害児支援全般 論点1)「基礎・実践研修」を令和9年度、「リーダー研修」を令和10年度、「コア人材研修」を令和11年度に順次導入予定基礎・実践研修を運営基準に位置付け、導入時は全ての常勤職員、以降は新たに従事する常勤職員に受講を求める。非常勤は必須科目を設定するなど別の枠組み。外部研修で一時的に人員配置に影響が出る場合は、直接支援体制の確保を前提に柔軟に扱う
職員の休暇(児発・放デイ 論点12)保育士・児童指導員が「基準を上回っているが、退職や欠勤で基準を下回る」法人等が24.8%法定休暇で配置基準を満たさなくなる場合、管理者か児発管が直接支援に関わり、必要な体制が確保されていることを前提に、人員基準上の扱いを見直す

出典:障害福祉報酬改定検討チーム第65回資料

どちらも、今は「加配の人を基準人員の穴埋めに回す」ことで対応しがちな場面です。休暇や研修のときの扱いが柔らかくなれば、加配が欠ける日が減る方向に働きます。一方で、管理者・児発管が直接支援に入る前提になるため、管理者・児発管のシフトの組み方は見直しが必要になりそうです。

2026年10月5日の論点全体(24項目)は10月5日の福祉ニュースで一覧にしています。

よくある質問

Q. 管理者が児童指導員の資格を持っています。加配に数えられますか?

常勤専従の区分では数えられません。管理者を兼ねている時点で「専従」にならないためです。児童指導員として直接支援に入った時間を、他の加配職員と合計して常勤換算1.0以上になれば、常勤換算の区分で算定できます。

Q. 児発管に、人が足りない日だけ支援に入ってもらうのはダメですか?

児発管は直接支援の職員と兼務できないので、基準人員にも加配にも数えられません。その日の基準人員が足りていなければ人員欠如になります。なお、令和9年度改定では法定休暇のときに限って扱いを見直す案が出ていますが、まだ決まっていません。

Q. 無資格のパート職員でも加配になりますか?

「その他の従業者」の区分(定員10人以下で90単位)で算定できます。ただし基準人員には数えられないので、利用が11人以上の日に基準人員が足りなくなると、その日は算定できません。強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を修了すると「児童指導員等」の区分に上がれます。

Q. 加配の職員が有給休暇を取った日はどうなりますか?

常勤換算の区分なら、月の合計時間で1.0以上かを判断します。休暇で時間が減り1.0を下回る月は、その区分で算定できなくなるので、別の職員で時間を補うか、区分の変更届を検討します。扱いは指定権者によって細かい違いがあるので、勤務形態一覧表を持って確認しておくと安心です。

Q. 統合されたら、今の加算は令和9年4月から取れなくなりますか?

今のところ、新しい加算の要件も経過措置の有無も示されていません。令和9年3月までは今のルールで算定します。年明け以降に示される単位数・告示を見て、届出の準備をすることになります。

Q. 児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算を1人で両方取れますか?

取れません。両方を算定するには、基準人員に加えて、それぞれの加算の加配人員が必要で、合計で基準+2人以上になります。

まとめ|今のルールで確実に取りつつ、「体制を示せる記録」を貯めておく

  • 児童指導員等加配加算は、基準人員に加えて1人以上を、サービス提供時間を通して置いたときの加算。定員10人以下で90〜187単位/日
  • 区分は配置形態(常勤専従・常勤換算)× 経験年数(5年以上・未満)。組み合わせると低いほうの区分
  • 管理者と児童指導員の兼務は常勤専従不可・常勤換算なら可。管理者・児発管は加配に数えない。児発管と児童指導員は兼務できない
  • 定員超過や休憩の穴埋めで加配の人を基準に回すと、月の加配時間が足りなくなって算定できない
  • 令和9年度改定で、専門的支援体制加算と統合した新しい加算にする案が出ている。受入れ状況とチームの支援体制を総合的に評価する方向(単位数・要件は未定)

統合の中身が見えるまでは、今のルールで取りこぼしなく算定しながら、どんなこどもをどんな体制で支えているかを記録に残しておくのがいちばん確実な準備です。新しい単位数や要件が出たら、この記事を更新します。

資格ごとにどの加算に効くかは障害福祉の資格一覧で、表にまとめています。

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室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
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