※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。

福祉ニュース
PR

要介護認定の審査会簡素化を6か月以上に、介護の2割負担の議論も再開(10/26介護保険部会)、10月26日の福祉ニュース

福祉ニュース 2026年10月26日 介護の2割負担と認定簡素化 10/26 介護保険部会
ユイン
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
スポンサーリンク

10月26日、介護保険部会(第137回)が開かれました。介護の利用者負担を2割にする人の範囲、要介護認定の審査の省き方、ケアマネジャーの法定研修の新しい形、の3つが同じ日に資料で出ています。午後には、高齢者施設と協力医療機関の連携を調べた調査の速報値も出ました。

こども家庭庁からは、保育所や放課後児童クラブなどでの虐待の初めての半年分の集計と、医療的ケア児等支援センターを中核市でも指定できるようにする政令が出ました。

6件とも、行き着く先は利用者の自己負担、認定が出るまでの日数、職員の研修時間、施設と医療機関のつながり、事業所の虐待防止の体制です。

📅 2026年10月26日(月)・10月23日(金)🏛 第137回 社会保障審議会介護保険部会/第16回 子ども・子育て支援等分科会(持ち回り)ほか
今日の6件を、30秒で
ニュース いちばん大事な一行 いまの段階
①介護の2割負担 対象を広げるかの議論が再開。75歳以上の世帯の平均貯蓄は2025年に1,534万円という数字が添えられた 検討中
(変わり得る)
②要介護認定の簡素化 審査会を省ける条件を「前回の有効期間12か月以上から6か月以上」に緩める案 検討中
(変わり得る)
③ケアマネの法定研修 更新制の廃止と新しい研修体系の施行日を令和9年12月1日とする方針 方針の報告
(政令はこれから)
④高齢者施設の協力医療機関 義務の3要件を満たす協力医療機関を定めた割合は、特養90.7%・老健94.6%。経過措置は令和9年3月31日まで 調査の速報値(案)
⑤保育所等の虐待 半年で通報1,059件、虐待と判断85件。障害・介護と同じ防止体制の義務化を検討へ 調査は公表済み
制度は検討中
⑥医療的ケア児等支援センター 中核市も支援センターを指定できる政令が公布。令和9年4月1日施行 確定

決まったのは⑥だけです。①②は部会で示された論点、③は厚生労働省が報告した方針で、施行日を決める政令はまだ出ていません。④は調査の速報値(案)、⑤は調査結果が確定値で、制度をどう変えるかはこれからです。

スポンサーリンク

①介護の2割負担、対象拡大の議論が再開。75歳以上世帯の平均貯蓄は1,534万円(厚生労働省)

検討中「一定以上所得」(2割負担)の線をどこに引き直すかを、第10期の介護保険事業計画が始まる令和9年度の前までに決める、という前提で議論が続いています。

9月から変わった材料は3つ

厚生労働省老健局の資料1は、昨年末の部会報告書で「継続検討」とされた3つの考慮要素について、いまの状況を並べています。9月18日の部会(9月18日の福祉ニュース)から新しく加わったのは次の点です。

2割負担の判断で考慮する3つの要素と、今回示された状況
考慮する要素 資料に書かれた状況
高齢者の生活実態 世帯主75歳以上の世帯の平均貯蓄額は2022年1,508万円、2025年1,534万円。2割負担を入れた2015年と比べて下がっていない(国民生活基礎調査)
医療保険の見直し 高額療養費は令和8年8月に限度額の見直しと年間上限、令和9年8月に所得区分の細分化。OTC類似薬の薬剤費の4分の1の別途負担は令和9年3月から
預貯金の確認の事務 令和8年5月に国と保険者の「検討の場」を設け、4回議論。将来は預貯金へのマイナンバー付番で照会できる仕組みを目指す、と整理

出典:第137回 社会保障審議会介護保険部会(令和8年10月26日)資料1 p.4〜6、p.48〜50

あわせて、金融所得の反映も論点に入りました。人口に占める個人株主の割合は60歳代で16.8%、一人当たりの上場株式保有額は70歳代以上で1,600万円程度という数字が示されています。いまは源泉徴収で済んだ株の配当やNISA口座の所得は、介護保険の負担割合の判定に入っていません。

利用料の請求と説明の仕事に返ってくる

資料の論点は「どのように考えるか」の問いかけで、所得の線はまだ出ていません。前回の部会の意見では、「2026年度中」に拡大の方向で結論を、という声と、利用控えや重度化を検証してから、という声が並んでいます。

預貯金の確認の事務がどれだけ重いかは、9月29日の「検討の場」の素案を扱った補足給付の預貯金確認の記事で整理しました。個人的には、2割負担の線引きと預貯金の把握が同じ資料の同じ章に並んだことで、「所得だけで線を引く」前提が揺れ始めていると感じます。負担割合が変わると、事業所の請求の設定と、利用者や家族への説明の両方に手間が来ます。

②要介護認定の審査会を省ける条件、「前回の有効期間12か月以上」を6か月以上に緩める案(厚生労働省)

検討中更新申請で一次判定が前回と同じなら審査会の個別審査を省ける「簡素化」について、使える範囲を広げ、保険者ごとの実施率も毎年公表する案が出ました。

省けるのに省いていない申請が34万件

厚生労働省老健局の資料2によると、令和6年度の第1号被保険者の更新申請は2,319,293件。そのうち簡素化の条件に合うものが32.7%ありましたが、実際に簡素化されたのは17.9%でした。

要介護認定の審査会の簡素化(令和6年度の更新申請)
区分 件数 割合
簡素化を実施 415,243件 17.9%
簡素化できるのに未実施 343,987件 14.8%
簡素化の対象外 1,560,063件 67.3%
条件を「6か月以上」に緩めた場合に新たに対象になる申請 60,565件 二次判定での変更率1.1%

出典:第137回 社会保障審議会介護保険部会(令和8年10月26日)資料2 p.8、p.12(介護保険総合データベース)

保険者別に見ると、簡素化の実施割合が90%を超える保険者が474(30.2%)ある一方、10%未満が853(54.3%)でした。ほかに、がん等で状態が急に悪くなる人の認定審査期間を、都道府県ごと・保険者ごとの一覧表で厚生労働省のホームページに出す案も示されています。

認定待ちの時間が、暫定のケアプランを組む時間になる

資料が引いた調査では、申請当日か数日以内の認定調査、直近の審査会への付議、簡易な主治医意見書の3つの取り組みに、それぞれ1〜2週間ほどの短縮効果があったとされています。主治医意見書の簡易な作成をしている保険者は15%未満でした。

認定が出るまでの間、ケアマネジャーや事業所は暫定のケアプランで動きます。自分の地域の保険者が簡素化をしているかどうかは、公表が始まれば数字で分かるようになります。個人的には、まずそこを見ておきたいと思います。

③ケアマネの更新制廃止と新しい法定研修、施行日は令和9年12月1日とする方針(厚生労働省)

方針5年ごとの更新研修に代わり、「就業開始から5年」の間にオンラインで分けて受ける定期研修になります。施行日は令和9年12月1日とする方針が報告されました。

ケアマネの法定研修はこう変わる。いまは証の有効期間5年・更新研修32時間・修了しないと証が失効。令和9年12月1日から(予定)は更新制廃止・就業開始から5年の間に分けて受講・事業所には従事届と受講時間の確保
図:ケアマネジャーの法定研修の改正前と改正後(出典:第137回 社会保障審議会介護保険部会・令和8年10月26日 資料3)

研修の名前と時間がこう変わる

社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)で、介護支援専門員証の更新制の廃止が決まっています。資料3は、その中身の検討状況を厚生労働省老健局が報告したものです。

介護支援専門員の法定研修(改正前、改正後の案)
改正前 改正後(令和9年12月施行予定) 時間
専門研修 専門Ⅰ課程(56時間以上) 初任研修(就業後6月以上3年以内) 42時間以上
専門Ⅱ課程・更新研修(32時間以上、1週間程度で受講) 定期研修(5年ごと、5年間で分割) 32時間以上
再研修(54時間以上) 復職支援研修 15.5時間以上
主任更新研修(46時間以上) 主任定期研修(最初の5年は受講不要) 46時間以上

出典:第137回 社会保障審議会介護保険部会(令和8年10月26日)資料3 p.9〜10。実務研修(87時間以上)と主任研修(70時間以上)は変わりません。

講義部分は国が作る動画とスライドを使うことが必須になり、令和9年4月から都道府県で使えるようにするとしています。研修を期間内に終えていなくても、すぐに業務停止にはなりません。

事業所に「従事届」と受講時間の確保の義務

新しく義務を負うのは、ケアマネジャーを雇う事業者です。雇ったときと辞めたときは10日以内に都道府県へ「従事届」「非従事届」(仮称)を出し、研修を受けられるよう受講時間を労働時間として扱う、業務の配分を調整する、といった措置をとる義務を負います。

いまケアマネジャーとして働いている人の扱い
ケース 扱い
施行時に現にケアマネジャーである人 令和9年12月を起点に5年の間に定期研修。最初の期間は令和15年3月まで
令和9年度に旧制度の専門Ⅱ・更新・主任更新研修を修了した人 次の報酬改定(令和12年3月末)まで受講を免除
事業者が措置をしない場合 都道府県が確認、要請、勧告・公表・命令、指定権者の指導監督
事業者が措置をしているのに本人が受けない場合 都道府県が受講を命令し、従わなければ1年以内の業務従事の禁止もあり得る

出典:同資料3 p.7〜8、p.11

10月19日の介護給付費分科会では、居宅介護支援の特定事業所加算で「正当な理由なく研修を受けていない人を置いたら減算」とする案も出ています(10月19日の福祉ニュース)。資格は切れなくなる一方で、研修の管理は本人から事業所の側に寄ってきます。管理者は、誰がいつ就業を始めたかの記録をいまのうちに整えておくと、従事届のときに慌てずに済みます。

スポンサーリンク

④高齢者施設の協力医療機関、義務の3要件を満たすのは特養90.7%・老健94.6%(厚生労働省)

速報値令和6年度改定で義務になった協力医療機関の定めについて、経過措置が切れる令和9年3月31日を前に、どこまで進んだかの調査の速報値(案)が出ました。

サービスごとの定めの状況

10月26日午後の介護報酬改定検証・研究委員会(第33回)に、厚生労働省が資料1-1として出したものです。調査は令和8年6月〜8月、施設調査の有効回収率は42.4%でした。

要件をすべて満たす協力医療機関を定めている施設の割合
サービス 求められる要件 割合
介護老人福祉施設(n=5,570) 義務:①常時の相談対応 ②常時の診療 ③入院の原則受け入れ(③は病院に限る) 90.7%
介護老人保健施設(n=1,239) 94.6%
介護医療院(n=368) 93.8%
養護老人ホーム(n=572) 86.0%
軽費老人ホーム(n=454) 努力義務:①常時の相談対応 ②常時の診療 73.3%
特定施設入居者生活介護(n=458) 84.1%
認知症対応型共同生活介護(n=481) 80.7%

出典:第33回 社会保障審議会介護給付費分科会 介護報酬改定検証・研究委員会(令和8年10月26日)資料1-1 p.3「速報値(案)」

残り1割の施設に、あと5か月

義務がかかる4種類の施設でも、5〜14%は要件をすべて満たす協力医療機関をまだ定めていない計算になります。経過措置の期限は令和9年3月31日で、令和9年度の介護報酬改定と同じ時期です。

数字は速報値の案で、確定版はこれからです。個人的には、グループホームの80.7%が努力義務のまま次の改定でどう扱われるかが気になります。夜間の急変時に誰に電話するかが決まっていない施設は、期限より前に地域の病院・診療所と話を始めておく方が安全です。

⑤保育所等の虐待、半年で通報1,059件・認定85件。障害・介護と同じ防止体制を検討へ(こども家庭庁)

公表済み令和7年10月に通報義務ができてから最初の半年分の集計です。こども家庭庁は、障害福祉・介護で義務になっている虐待防止委員会や研修を参考に、制度の見直しを検討するとしました。

対象は保育所だけではない

改正児童福祉法(令和7年法律第29号)で、職員による虐待を見つけた人の通報義務が令和7年10月1日に始まりました。対象は保育所・認定こども園・幼稚園のほか、放課後児童クラブ、児童館、一時預かり、病児保育、認可外保育施設なども含みます。

保育所や幼稚園等における虐待対応状況(令和7年10月1日〜令和8年3月31日)
区分 件数 割合(要対応件数に対して)
通報件数 1,059件 ―
要対応件数(事実確認をした件数) 889件 100%
虐待に該当 85件 9.6%
非該当 537件 60.4%
判断不可 85件 9.6%
調査継続中 182件 20.5%

出典:第16回 子ども・子育て支援等分科会(令和8年10月26日)資料3 p.2(令和8年10月2日時点)。虐待を受けたこどもは175人で、1歳児クラスが36人(20.6%)、小学生が31人(17.7%)。

障害福祉の「委員会・研修・担当者」がひな形になる

資料は今後の方向性として、障害福祉と介護の運営基準で虐待防止委員会の設置、従業者への研修、責任者の設置が義務になっていることを挙げ、保育所等でも「制度的な対応の在り方」を検討するとしています。参考として、障害福祉の基準省令と通知(委員会の3つの役割、研修は年1回以上と新規採用時)がそのまま載っています。

保育士等向けの研修資材は令和8年度中に公表予定で、従事者による性暴力を防ぐ措置を事業者に義務づける、こども性暴力防止法の施行は令和8年12月25日の予定です。障害福祉の事業所で年1回の虐待防止研修を回している人なら、同じ枠組みが子どもの施設にも広がる流れとして読めます。研修の組み立て方は虐待防止研修の講師台本とテストにまとめています(障害福祉向けの記事です)。

⑥医療的ケア児等支援センター、中核市も指定できる政令を公布。令和9年4月1日施行(厚生労働省・こども家庭庁)

確定これまで都道府県知事だけが指定していた医療的ケア児等支援センターを、指定都市・中核市・特別区の長も指定できるようになります。

政令で決まったこと

10月23日、令和8年政令第332号が公布され、厚生労働省障害保健福祉部長とこども家庭庁支援局長の連名で通知(障発1023第1号・こ支障第285号)が出ました。改正法(令和8年法律第77号)で第14条が改められ、都道府県に加えて「指定都市、中核市その他の政令で定める市又は特別区」の長が支援センターを指定できるようになります。今回の政令は、その「政令で定める市」を中核市と定めたものです。

  • 政令:医療的ケア児等及び重症心身障害者並びにそれらの家族に対する支援に関する法律第十四条第一項の政令で定める市を定める政令(令和8年政令第332号)
  • 定めた市:地方自治法第252条の22第1項の中核市
  • 施行:令和9年4月1日(改正法と同じ日。ここは決まっています)

相談先が県庁所在地から近くなる可能性

法改正で支援の対象が18歳以上の医療的ケアのある人と重症心身障害者にも広がることは、10月25日の福祉ニュースで扱いました。今回の政令で、受け皿となる支援センターを置ける自治体が増えます。

ただし「指定できる」であって、中核市に置く義務ではありません。自分の市が指定するかどうかは、令和9年度に向けた各市の動きを見る必要があります。家族からの相談を受けたときに案内する先が変わるかもしれないので、事業所の相談先一覧は来年春に見直す前提で持っておくとよさそうです。

今日のまとめ

6件に共通するのは、国が「数字を出して、自治体と事業所に動いてもらう」形をとっている点です。認定の簡素化は保険者別の公表、ケアマネ研修は事業所の従事届、協力医療機関と保育所等の虐待は全国調査、と、まず見える化してから制度を動かす順番になっています。

次に見ておきたい日程です。

  • 10月28日(水)15時……第22回 こども家庭審議会障害児支援部会
  • 11月2日(月)15:00〜17:00……第4回 困難な問題を抱える女性への支援に関する検討会(施策の見直しに向けた論点)
  • 令和8年12月25日……こども性暴力防止法の施行予定
  • 令和9年3月31日……高齢者施設の協力医療機関の定めの経過措置が終わる(ここは決まっています)
  • 令和9年4月1日……医療的ケア児等支援センターを中核市も指定できるようになる(ここは決まっています)
  • 令和9年12月1日……ケアマネジャーの更新制廃止と新しい法定研修の施行予定

参考にした一次情報

①②は介護保険部会で示された論点、③は施行日を含む方針の報告、④は速報値(案)、⑤の制度の見直しはこれから検討される段階で、資料にも今後の議論で変わり得ると明記されています。最終的な取り扱いは公表資料でご確認ください。

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

ABOUT ME
室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
記事URLをコピーしました