【2026年9月19日の福祉ニュース】障害者虐待の状況公表など4件
きょうは毛色の違う4件が並びました。障害者虐待の全国調査結果、介護施設整備のための基金内示、百歳以上の高齢者が初めて10万人を超えたという発表、そして障害福祉分野の調査研究助成の公募です。バラバラに見えますが、前の3件はどれも「まず数字を取ってから、次の手当てを考える」という同じ順番で動いています。最後の助成公募だけは、事業所側からアクションを起こす番のニュースです。
| ニュース | いちばん大事な一行 | いまの段階 |
|---|---|---|
| ①使用者による 障害者虐待の状況 |
虐待が認められたのは610人。うち経済的虐待が521人・83.1%で最多 | 公表済み |
| ②介護基金の 第1回内示 |
全47都道府県に国費184.16億円を配分(施設整備分) | 公表済み |
| ③百歳以上高齢者、 初の10万人超え |
107,677人で7年連続の過去最多更新 | 実施済み |
| ④清水基金の 調査研究助成 |
1件30万〜100万円、20件程度を募集中 | 9月30日締切 |
①〜③はすでに公表・実施済みの事実です。動きがあるのは④の申込だけで、締切は9月30日(あと11日)です。
公表済み使用者による障害者虐待、経済的虐待が8割超で最多(令和7年度状況公表)
何が出たのか
厚生労働省 雇用環境・均等局総務課 労働紛争処理業務室は、2026年9月11日に「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」を公表した。事業主(使用者)から都道府県労働局への通報・届出があった事業所は1,663事業所(前年度比4.4%増)、対象となった障害者は1,953人(同6.9%増)。都道府県労働局が調査した結果、実際に虐待が認められたのは421事業所(同3.0%減)・障害者610人(同6.4%減)だった。虐待種別では経済的虐待が521人(83.1%)で最多だった。
| 項目 | 件数 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 通報・届出事業所数 | 1,663事業所 | +4.4% |
| 対象障害者数 | 1,953人 | +6.9% |
| 虐待が認められた事業所数 | 421事業所 | ▲3.0% |
| 虐待が認められた障害者数 | 610人 | ▲6.4% |
| うち経済的虐待 | 521人(83.1%) | 最多 |
出典:厚生労働省「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」(令和8年9月11日公表)
現場にどう効いてくるか
経済的虐待が突出して多いのは、賃金からの不当な天引きや工賃の不払いなど、記録さえ残っていれば見える範囲で起きているケースが多いことを示している。事業所側で点検できるのは、賃金台帳・給与明細を本人以外がチェックする仕組みがあるか、本人の同意なく預貯金や工賃を管理していないか、といった記録の残し方だ。虐待防止のための研修や委員会が形だけになっていないかも、この数字を機に見直す価値がある。個人が特定される情報はここでは伏せるが、通報・届出があった場合は都道府県労働局が事業所を調査し、是正指導につなげる仕組みになっている。
公表済み地域医療介護総合確保基金、介護施設等整備分の第1回内示で国費184.16億円
何が出たのか
厚生労働省 老健局高齢者支援課施設係は、2026年9月18日付で「令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)」の第1回内示を各都道府県に通知した。公表された内示額一覧(別添1・別添2)によると、対象は全47都道府県。基金規模の合計は276.25億円、うち国費として内示された額は184.16億円で、今回は「介護施設等整備分」としての配分にあたる。施設整備や生産性向上のための補助事業に、都道府県を通じて充てられる。
| 都道府県 | 基金規模 | 内示額(国費) |
|---|---|---|
| 神奈川県 | 53.19億円 | 35.46億円 |
| 千葉県 | 39.25億円 | 26.17億円 |
| 大阪府 | 32.16億円 | 21.44億円 |
| 広島県 | 17.19億円 | 11.46億円 |
| 全47都道府県 合計 | 276.25億円 | 184.16億円 |
出典:厚生労働省「令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の内示(1回目)について」別添1・別添2(令和8年9月18日)
現場にどう効いてくるか
この基金は都道府県が窓口になり、介護施設の整備や生産性向上のための補助事業に配分される。事業所側から見ると、都道府県が今後出す補助金公募のタイミングと重なる時期に情報を取りに行く価値がある。地域差も大きく、神奈川・千葉・大阪など都市部への配分が目立つ一方、0.00億円の都道府県も複数ある。介護施設の新設・改修を検討している事業所は、まず自分の都道府県の介護保険担当課に、今回の内示分がどの補助事業に使われるかを確認するのが早い。
実施済み百歳以上の高齢者が初めて10万人を突破
何が出たのか
厚生労働省 老健局高齢者支援課は2026年9月15日の「老人の日」にあわせ、100歳以上の高齢者数と、内閣総理大臣からのお祝い状・記念品(銀杯)の贈呈対象者数を発表した。今年度中に100歳を迎える表彰対象者は54,294人(前年度比+1,984人)。全国の100歳以上の高齢者数は107,677人(前年比+7,914人)で、老人福祉法が制定された昭和38年の153人から一貫して増え続け、今年初めて10万人を超えた。男女別では男性13,379人・女性94,298人で、女性が約87.6%を占める。
| 項目 | 人数 | 前年(度)比 |
|---|---|---|
| 表彰対象者(今年度100歳到達) | 54,294人 | +1,984人 |
| 100歳以上高齢者数(総数) | 107,677人 | +7,914人 |
| うち男性 | 13,379人 | ― |
| うち女性 | 94,298人 | ― |
出典:厚生労働省「令和8年度百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について」(令和8年9月15日)
現場にどう効いてくるか
数字が示すのは、超高齢化がさらに一段進んだという事実そのものだ。100歳以上の利用者への対応が今後も増えていく前提で、グループホームや訪問介護、地域包括支援センターなどは人員体制や医療連携を組んでおく必要がある。お祝い状と記念品は都道府県・指定都市・中核市を経由して老人の日以降に対象者へ伝達される仕組みなので、100歳前後の利用者を担当している事業所は、自治体からの案内が本人や家族に届いているか、この機会に確認しておくとよい。
受付中清水基金「障害福祉に関する調査研究助成事業」、9月30日締切
何が出たのか
社会福祉法人 清水基金が、2026年度「障害福祉に関する調査研究助成事業」の募集を2026年8月1日から9月30日まで実施している。対象は、障害福祉の増進を目的として社会福祉事業を営む社会福祉法人またはNPO法人で、1法人につき年度1件まで。助成金額は1件30万円〜100万円、年間の助成件数は20件程度。申込はWebのマイページ経由のみで、郵送での受付は行っていない。助成決定は2026年12月、採択された調査研究の実施期間は2027年1月1日〜12月31日で、完了後は2028年1月末日までに報告書を提出する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 2026年度 障害福祉に関する調査研究助成事業 |
| 主催 | 社会福祉法人 清水基金 |
| 形式 | Web申請(マイページ経由、郵送不可) |
| 対象 | 障害福祉事業を行う社会福祉法人・NPO法人(1法人1件) |
| 助成金額・件数 | 1件30万円〜100万円・年間20件程度 |
| 申込期限 | 2026年9月30日 |
| 申込先 | 清水基金 調査研究助成事業ページ(マイページ) |
現場にどう効いてくるか
自分の支援現場で「なぜ・何が起きているのか」「どんな課題があるのか」を調べたい担当者や、研究に強い職員がいる法人には使いやすい規模の助成だ。1法人1件までなので、候補テーマが複数ある場合は先に絞り込みが要る。締切まで残り11日だが、マイページの新規登録自体は受付期間外でも可能なので、申請を検討しているなら先にアカウント登録だけ済ませておくと、締切直前で慌てずに済む。
今日のまとめ
4件を並べると、共通しているのは「まず数字を取ってから、次の対応を考える」という順番だ。虐待の実態調査も、介護基金の配分も、統計を出したうえで制度上の手当てにつなげている。百歳超えの記録更新も、突き詰めれば同じ超高齢化データの延長線上にある。助成公募だけは事業所側からアクションを起こす番のニュースなので、締切だけは早めに確認しておきたい。
- 2026年9月30日……清水基金「障害福祉に関する調査研究助成事業」申込締切
- 2026年12月……清水基金の助成決定時期
参考にした一次情報
- 「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します|厚生労働省(令和8年9月11日)
- 令和8年度地域医療介護総合確保基金(介護分)の内示(1回目)について|厚生労働省(令和8年9月18日)
- 令和8年度百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について|厚生労働省(令和8年9月15日)
- 調査研究助成事業|社会福祉法人 清水基金(募集ページ)
①〜③はすでに公表・実施済みの事実で、今後変わる性質のものではありません。④の清水基金の助成公募は申込受付中の内容のため、最新の条件や締切は清水基金公式サイトでご確認ください。


