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福祉ニュース
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5歳児健診の実施は18.8%、健診のあり方を国が検討(10/21第2回検討会)|10月17日の福祉ニュース

5歳児健診 実施は18.8% 国が健診のあり方を検討(2026年10月17日の福祉ニュース)
ユイン
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今日は国の新しい発表はありません。

そこで今日は、こども家庭庁が10月15日に開催を知らせた「乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会」の第2回(10月21日)を前に、5歳児健診がいまどこまで広がっているのかを、こども家庭庁の資料に沿って詳しく見ます。検討会の開催日程そのものは10月15日の福祉ニュースで紹介しました。今日はその先、健診の実施状況・補助・健診後の流れまで広げます。

5歳児健診は、発達障害などの特性に就学前に気づき、支援につなぐための健診です。健診で「支援が必要」とされた子と家族は、そのあと福祉・保育・教育の窓口に回ってきます。健診のあり方が変われば、受け手側の事業所や園の動きも変わります。

📅 第2回は令和8年10月21日(水)13:00〜15:00🏛 こども家庭庁「乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会」

この記事の要点を、30秒で
項目 いちばん大事な一行 いまの段階
① 健診の位置づけ 1歳6か月・3歳は法律で義務。5歳児は任意で、国の補助で広げている 確定
② 実施状況 令和6年度に5歳児健診をしたのは328市区町村(18.8%) 公表済み
③ 国の補助 5歳児健診は1人5,000円が基準、国と市町村で1/2ずつ 確定
④ 健診のあと 「支援が必要」と判定された子を就学前までに支援へつなぐ体制づくりを、国が通知で求めている 確定(通知)
⑤ 検討会 月1回程度開いて、令和9年春ごろに議論をまとめる予定 検討中

①〜④はすでに決まっている制度と公表済みの数字です。これから変わり得るのは⑤の検討会の結論だけで、中身はまだ何も決まっていません。

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① 5歳児健診は「法律の義務」ではなく「国の補助」で広げている健診

確定母子保健法で市町村に義務があるのは1歳6か月児と3歳児の健診だけ。5歳児健診は任意で、国庫補助で後押ししています。

健診ごとの決まり方の違い

こども家庭庁の整理では、乳幼児健診は母子保健法の第12条(義務)と第13条(任意)に分かれ、お金の出し方も違います。

乳幼児健診の法律上の位置づけと財源(出典:こども家庭庁「妊婦健診、乳幼児健診等の現状について」)
健診 母子保健法 財源
1歳6か月児健診 第12条(義務) 地方交付税措置
3歳児健診 第12条(義務) 地方交付税措置
3〜6か月児・9〜11か月児健診 第13条(任意) 地方交付税措置
1か月児健診 第13条(任意) 国庫補助
5歳児健診 第13条(任意) 国庫補助

1か月児と5歳児の健診への国庫補助は、令和5年度補正予算で創設されました。

なぜ「5歳」なのか

令和6年3月29日のこども家庭庁などの通知は、5歳ごろを「言語の理解能力や社会性が高まり、発達障害等、個々の発達の特性が認知されやすい時期」と書いています。3歳児健診では目立たなかった特性が、集団生活の中で見えてくる年齢です。

5歳児健診は原則として集団健診で行い、身体・精神・言語などの発達の評価と、育児の相談、必要に応じた専門相談を行う、とされています。

② 令和6年度に5歳児健診をしたのは328市区町村、18.8%

公表済みこども家庭庁の「令和6年度 乳幼児健康診査の実施状況」では、5歳児健診をしている市区町村は328(18.8%)。5つに1つにも届いていません。

ほかの健診と並べた実施状況

市町村が公費負担で実施している乳幼児健診(一般健康診査)の実施自治体数(出典:こども家庭庁「令和6年度 乳幼児健康診査の実施状況」令和8年7月23日更新)
健診 実施自治体数 割合
1か月児健診 994 57.1%
3〜5か月児健診 1,733 99.5%
9〜12か月児健診 1,428 82.0%
1歳6か月児・3歳児健診 法定健診(福島県の2自治体を除く1,739自治体が実施)
4歳児健診 26 1.5%
5歳児健診 328 18.8%

5歳児健診を実施している328自治体のやり方は、集団が296(90.2%)、個別が12(3.7%)、一部個別が20(6.1%)です。同じ国庫補助の1か月児健診(57.1%)と比べても、5歳児健診の広がりはかなり遅れています。

広がらない理由として国が挙げていること

こども家庭庁の「乳幼児健康診査実施支援事業」の資料は、健診をしていない自治体の理由を3つ挙げています。

  • 健診医が確保できない
  • 医師以外の専門職が確保できない
  • 健診の運営や、とくに5歳児についてフォローアップも含めた体制整備が難しい

3つ目が気になりました。健診そのものより、健診で気づいたあとに受け止める先がないことが、始められない理由として並んでいます。

③ 国の補助は1人5,000円、補助率は国と市町村で1/2ずつ

確定5歳児健診の費用助成、体制づくり、特別な配慮が必要な子の個別健診に、それぞれ別の補助があります。

5歳児健診に使える3つの補助

5歳児健診に関わるこども家庭庁の補助事業(出典:こども家庭庁 成育局母子保健課の事業概要資料)
事業 予算 補助率 補助基準額
「1か月児」及び「5歳児」健康診査支援事業 令和7年度補正 28億円 国1/2・市町村1/2 5歳児:5,000円/人(原則集団健診)
1か月児:6,000円/人(原則個別健診)
乳幼児健康診査実施支援事業 令和7年度補正 1億円 1/2 5歳児健診に特化したフォローアップ体制の研修費用など:1市町村あたり293千円
特別な配慮が必要な児に対する乳幼児健康診査のかかり増し経費支援事業 令和8年度予算 0.5億円 1/2 1件あたり30,000円

3つ目は、発達障害のため集団健診の会場に行くことが難しい子や、医療的ケア児などに、訪問健診や個別健診で対応したときの「かかり増し」分を補助するものです。

お金の仕組みから見えること

5歳児健診の費用助成の資料には、発達障害等(疑いを含む)と判定された子を「就学前までに必要な支援につなげることができるよう」体制を整えること、と留意事項が書かれています。補助を受ける条件の側に、健診のあとの支援まで含まれているということです。

集団健診の会場に来られない子への個別対応に補助がある、という点は、家族から相談を受ける側としても知っておいてよさそうです。実施しているかどうかは市区町村ごとに違うので、住んでいる市区町村の母子保健の担当課が窓口になります。

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④ 健診のあと、就学前までに支援へつなぐ体制を国が求めている(令和6年3月29日通知)

確定こども家庭庁・文部科学省・厚生労働省の連名通知が、市町村・都道府県・医療・保育所等・学校それぞれの役割を整理しています。

通知が整理した役割

通知は令和6年3月29日付で、こども家庭庁の母子保健課・障害児支援課、文部科学省の幼児教育課・特別支援教育課、厚生労働省の障害福祉課などの連名です。資料の書き方を短くして、主な役割を表にまとめます。

5歳児健診の地域のフォローアップ体制で求められる役割(出典:「5歳児健康診査の実施に当たって求められる地域のフォローアップ体制等の整備について」令和6年3月29日)
だれが 主な役割(要点)
市町村 健診の実施体制と、健診後に就学前まで支援につなぐフォローアップ体制の整備。関係機関と情報を共有するときは、あらかじめ保護者の同意を取る
児童発達支援センター等 地域の障害児支援の中核として、健診(5歳児健診を含む)を通じた早期の発達支援を担う。「地域障害児支援体制強化事業」でセンターに人材を配置
都道府県 健診医の確保などの広域調整、発達障害に対応できる医療体制、保育士等への研修の機会
保育所・幼稚園・認定こども園 保護者の同意を得た依頼があれば、集団生活の様子を健診側に共有。健診後は個別の支援計画を作る
教育委員会・学校 健診や事後の相談会に参画し、就学時の健康診断や個別の教育支援計画に結果を生かす

通知は、健診での「支援が必要」という判定は健診後カンファレンスなどでの総合的な判断で、専門医療機関の診断とは異なると明記しています。

事業所が関わるのは「新しい会議」ではなく、いまある場

通知は、健診後の個別のフォローアップのために「必ずしも新たな仕組みを構築することを求めるものではなく」と書き、使える既存の場として次の3つを例に挙げています。

  • 障害者総合支援法に基づく(自立支援)協議会のこども部会など
  • 指定障害児相談支援の基準を踏まえて行われる「サービス担当者会議」
  • 「地域におけるこどもの発達相談と家族支援の機能強化事業」のチームカンファレンス

保育所等の役割の中には、児童発達支援センター等との連携や、保育所等訪問支援・巡回支援専門員の活用も書かれています。5歳児健診が広がれば、診断がつく前の段階で、相談支援や保育所等訪問支援に話が回ってくる場面が増えると考えています。診断がない段階の子と家族をどう受け止めるかは、福祉の側の準備でもあります。

診断がつかないときに使える支援や相談先は、発達グレーゾーンの子の相談先と、診断なしで使える支援にまとめています。健診のあとに勧められることが多い発達検査については、発達検査の種類と受け方、結果の見方も参考にしてください。

⑤ 乳幼児健診の検討会、第2回は10月21日、まとめは令和9年春ごろ

検討中こども家庭庁の検討会が、5歳児健診を含む乳幼児健診のあり方を議論しています。結論はまだ出ていません。

検討会の日程と議題(ここは決まっています)

乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会の進め方(出典:第1回検討会 資料2〈令和8年8月19日〉、こども家庭庁 報道発表〈令和8年10月15日〉)
時期 内容
第1回(令和8年8月19日) 検討会の進め方、乳幼児の健康診査等について
第2回(令和8年10月21日 13:00〜15:00) 乳幼児健診に関するヒアリング、乳幼児健診について(予定)
第2回以降(数回程度) 実施体制(持続可能性と質の担保の観点から)、他の子育て支援施策等との連携、母子保健DXを踏まえた情報の利活用、国・都道府県・市町村に期待される役割 等
令和9年春頃 議論のとりまとめ

検討会は月1回程度開く案です。検討会の目的は、令和8年6月9日に決まった「こどもまんなか実行計画2026」の「全国どこに住んでいても、年齢等に応じて必要な健診や検査を受けられ」る環境の整備に向けた検討、とされています。

第2回はYouTubeでライブ配信されます。アーカイブ配信はなく、会議資料は当日にこども家庭庁のホームページに載る予定です(第2回の開催案内の詳細は10月15日の記事にまとめています)。

福祉の側が見ておきたい論点

論点のうち「他の子育て支援施策等との連携」と「情報の利活用」は、健診の結果が福祉や保育にどう渡るかに直結します。いまは保護者の同意を取ったうえで、地域ごとの様式でやり取りしている部分です。

個人的には、5歳児健診を義務に近づけるかどうかより、健診のあとの受け皿が地域にあるかのほうが議論の中心になってほしいと思っています。実施していない理由の3つ目にフォローアップ体制が挙がっている以上、そこを抜きに実施率だけを上げても、家族は「気づいたけれど行き先がない」状態になりかねません。

今日のまとめ

5歳児健診は、法律の義務ではなく国の補助(1人5,000円、国と市町村で1/2ずつ)で広げている健診で、令和6年度の実施は328市区町村(18.8%)でした。国は通知で、健診のあとに就学前まで支援へつなぐ体制を求めていて、その受け手には児童発達支援センター、相談支援、保育所等が含まれます。健診の数字の話に見えて、行き着く先は福祉・保育の受け皿の話です。

次に見ておきたい日程は次のとおりです。

  • 10月21日(水)13:00〜15:00……第2回 乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会(YouTubeライブ配信、資料は当日掲載)
  • 第3回以降(月1回程度)……実施体制、子育て支援施策との連携、情報の利活用などを議論
  • 令和9年春頃……検討会の議論のとりまとめ

参考にした一次情報

⑤の乳幼児健診の検討会は議論の途中で、資料にも今後の議論で取りまとめるとされています。最終的な取り扱いは、こども家庭庁の公表資料でご確認ください。

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福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
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20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
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