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介護・福祉(高齢・障害)

【障害福祉】リーダーが辛いのは能力不足ではありません。「失敗しない仕事術」とキャリアの選択

【障害福祉】リーダーが辛いのは能力不足ではありません。「失敗しない仕事術」とキャリアの選択
ユイン
装飾付きリード文
  • 「現場の職員からは不満ばかりで動いてくれない」
  • 「上からは数字や書類のことばかり言われる」
  • 「自分はリーダーに向いていないのでは…と孤独を感じる」

障害福祉の現場でリーダーを任されたものの、このような「板挟みのストレス」に押し潰されそうになっていませんか?
かつては利用者さんと関わることが大好きだったのに、今は調整業務と謝罪に追われる日々。このままでは自分が壊れてしまうのではないかと、不安になる夜もあるでしょう。

ユイン
ユイン

私も現役のサービス管理責任者であり、介護福祉士です。20代で管理者となり、現場と経営の間で多くの失敗と挫折を経験してきました。

だからこそ断言できますがあなたが今苦しいのは能力がないからではありません。真面目な人ほど陥りやすい「失敗する働き方」を続けてしまっているだけなのです。

リード文下部

この記事では、精神論で乗り切るのではなく、リーダーが潰れないための具体的な「仕事術」と、自分自身を守るための「リスク管理」、そしてその先のキャリア選択について、私の実体験や厚生労働省のデータを交えて解説します。

この記事でわかること
  • リーダーが陥る「失敗パターン」と回避法
  • 板挟みを解消する「翻訳家」としての仕事術
  • 「管理職」か「現場」か、後悔しないキャリアの選び方

記事を読み終える頃には、今の苦しみの正体がはっきりとわかり、明日から少し肩の力を抜いて働けるようになるはずです。
完璧なリーダーを目指す必要はありません。まずはあなた自身を守る方法を、一緒に見ていきましょう。

\\リーダーを目指す人向け記事!!//

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なぜ、優秀な現場職員だったあなたがリーダーとして苦しむのか?

「現場にいた頃の方が、正直楽しかったな…」

ふと、帰り道の車の中でそう呟いてしまったことはありませんか。 あなたはきっと、誰よりも利用者さんの変化に気づき、誰よりも丁寧に支援をし、誰よりも汗をかいて走り回っていたはずです。その「現場力」が高く評価され、期待を背負ってリーダーになりました。

しかし、リーダーになった途端、まるで手足を縛られたような感覚に陥り、自信を喪失してしまう。これは、あなたの能力が低いからではありません。

障害福祉という特殊な現場において、「プレイヤーとしての優秀さ」が「リーダーとしての足かせ」になってしまう構造的な罠(わな)があるからです。

1. 「熱量のギャップ」が部下を追い詰める

現場から叩き上げでリーダーになった人は、どうしても「理想の支援」を追求したくなります。特に新しい施設や、改革を任された時ほど、「前の職場のような失敗はしたくない」「もっと良い施設にしたい」と肩に力が入ります。

しかし、これが危険なサインです。

私自身の失敗談をお話しします。

かつて私も、理想に燃えていた時期がありました。「利用者さんのために、あれもやろう、これも変えよう」と、完璧を目指して次々と新しい提案を現場に投げかけました。自分がプレイヤーとしての動きもできる分、自分と同じレベルの熱量と動きを、無意識に部下にも求めてしまっていたのです。

結果どうなったか。現場の職員との間に強烈な「温度差」が生まれました。「リーダーは理想ばかりで現場の大変さを分かっていない」「ついていけない」と。良かれと思ってやったことが、逆にチームを疲弊させてしまったのです。

リーダーであるあなたが「100度」の熱量で走ると、日々の業務で精一杯の「60度」の職員は火傷してしまいます。優秀なプレイヤーだった人ほど、この温度差に気づきにくいのです。

2. 年上部下との軋轢と、若さゆえの孤独

福祉業界では、年齢や経験年数が逆転する「年下上司・年上部下」の構図が頻繁に生まれます。 もしあなたが20代や30代でリーダーや管理者になった場合、この壁は想像以上に厚く立ちはだかります。

現場から上がってきたあなたに対し、長く現場にいる年上の職員からは、複雑な感情を向けられることがあります。

  • 「現場のことは私のほうが知っている」というプライド
  • 「若いのに偉そうに」という嫉妬や反発
  • あなたの指示に対して「昔からこのやり方だから」と聞く耳を持たない態度

もちろん、優しく見守ってくれるベテラン職員の方もいます。しかし、あからさまに敵対心を向けてくる方がいるのも事実です。 「自分は正当な役職者として指示をしているのに、なぜ伝わらないのか」 そう悩み、誰にも相談できずに孤立してしまう若いリーダーを、私はこれまで何人も見てきました。

これはあなたの人間性の問題ではなく、「世代間の価値観の違い」や「変化への恐れ」が引き起こす、ある種の通過儀礼のようなものです。自分を責める必要はありません。

3. 「デスクワーク=サボり」という現場特有の罪悪感

福祉の現場には、独特の空気感があります。「汗をかいている人が偉い」「現場で身体を動かしている人が一番頑張っている」という、無言の圧力です。

あなた自身もその価値観の中で育ってきました。だからこそ、現場が忙しい時間帯に事務所でパソコンに向かっていると、強烈な罪悪感に襲われませんか。

「現場はパニックになっているのに、自分だけ涼しい部屋でシフトを作っている…」

この罪悪感が、あなたの判断を鈍らせます。本来、リーダーの仕事である「計画作成」や「収支管理」、「リスク分析」は、汗はかきませんが、組織と利用者を守るための極めて重要な「労働」です。

しかし、身体的な疲労感を伴わないため、真面目な人ほど「自分は仕事をしていないのではないか」という錯覚に陥り、精神的に追い詰められていくのです。

リーダーの失敗パターン完全版

リーダーとして「失敗する」パターンと具体的NG行動リスト

リーダーとして成功する方法は、その人のカリスマ性や職場の環境、運に左右されるため、万人に共通する正解はありません。 しかし、「これをやったら必ず失敗する」という地雷は共通しています。

厚生労働省のデータや私自身の苦い経験から導き出した、リーダーが陥る「3つの思考の罠」と「具体的なNG行動」をまとめました。これらを回避することこそが、長く働き続けるための最短ルートです。

1. 思考の罠:なぜリーダーは自滅するのか

真面目で責任感が強い人ほど、以下の3つのパターンで自分を追い込み、潰れてしまいます。

① 全て自分で解決しようとする「抱え込み」

よくあるNG思考 「部下に説明するより、自分でやった方が早い」
「みんな忙しそうだから、事務仕事は自分が残業して片付けよう」

これは優秀なプレイヤーだった人が最初に踏む地雷です。あなたが現場業務に埋没している間に、本来やるべき「リスク管理」や「育成」が止まり、組織全体が脆弱になります。「待つこと」「任せること」も仕事のうちです。

② 上と下の両方にいい顔をする「八方美人」

よくあるNG思考 現場には「給料上がるよう言っておくね(安請け合い)」
上司には「現場に徹底させます(無理な約束)」

板挟みの苦しさから逃れようとして「いい人」を演じると、最終的に「あの人は口だけだ」と両方からの信頼を失います。リーダーは魔法使いではありません。できないことは理由を添えて断る勇気が必要です。

③ 感情で仕事をしてしまう「共感疲労」

よくあるNG思考 「〇〇さんが辞めるのは私のせいだ…」
「利用者さんが可哀想で見ていられない…」

福祉職の強みである「共感性」が、リーダーとしては弱点になります。全てのトラブルを自分の感情で受け止めていると、心が持ちません。リーダーには、あえて一歩引いて事実だけを見る「冷徹さ」も、自分を守るためには必要なスキルです。

2. 行動の罠:データで見る「人が辞める」NG行動リスト

「なぜか私のチームだけ人が辞めていく…」 そう感じるなら、無意識に以下の行動をとっていないか確認してください。これらはデータ裏付けのある「退職理由」に直結しています。

【参考データ】介護・福祉職員の離職理由ワースト3
  • 1位:職場の人間関係、コミュニケーション
  • 2位:法人の理念や運営のあり方に不満
  • 3位:収入が少ない
出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」より

【人間関係を壊す】信頼を一瞬で失う行動

×
機嫌によって態度を変える(不機嫌ハラスメント) 挨拶をしない、ドアを強く閉める。「今日はリーダー機嫌悪いから…」と部下に気を遣わせたら終わりです。
×
特定の職員とだけ仲良くする(えこひいき) 喫煙所仲間や古株のパートさんなど、特定の人とだけ談笑していませんか?その「空気」は他の職員の意欲を削ぎます。
×
部下のミスをみんなの前で叱責する これは指導ではなく「公開処刑」です。反省ではなく、あなたへの恨みだけが残ります。

【組織を壊す】運営への不信感を招く行動

×
言うことが日によってコロコロ変わる(一貫性の欠如) 昨日はAと言ったのに、今日は上司の顔色を見てBと言う。この「軸のなさ」が、離職理由2位の「運営への不満」の正体です。
×
現場のSOSを「精神論」で返す 「人が足りなくて危険です」という報告に対し、「みんなで協力して乗り切ろう」「工夫が足りない」と返す。具体的な対策なき精神論は、現場を絶望させます。
実録:私の失敗談

「熱量の押し売り」が招いた孤独

私が20代で初めて管理者を任された時、まさにこのリストにある失敗をしていました。 「もっと良い施設にしたい!」「前の職場みたいにはさせない!」という熱量が高すぎて、ついてこれない職員に対して無言の圧をかけていたのです。

自分が現場出身だからこそ、「なんでこんなこともできないの?」と、部下に自分と同じレベルの動きを求めてしまっていました。その結果、職員との間に決定的な「温度差」が生まれ、私が何か提案するたびに現場がしらけるような空気になりました。

リーダーに必要なのは、「俺についてこい!」という熱血指導や高すぎる理想ではなく、「困っていることはない?」と足元の石を取り除いてあげるような、地味で冷静な気遣いだったのだと、痛感しました。

失敗しないための仕事術(完全版)

「失敗しない」ために求められる本当の能力とは?

精神論で乗り切るのはもうやめましょう。リーダーの仕事に必要なのは、カリスマ性ではなく、明日から使える「技術(スキル)」です。 ここでは、自分を守り、チームを守るための具体的な3つの技術を解説します。

1. 「伝書鳩」を卒業し、「翻訳家」になる技術

上司(経営層)と部下(現場)の板挟みで苦しむ最大の原因は、双方の言葉をそのまま伝える「伝書鳩」になってしまっていることです。 では、翻訳しないとどうなるのでしょうか?

⚠️ もし「伝書鳩・八方美人」を続けると…

「上司がこう言ってるから(自分は嫌だけど)やって」と現場に伝え、現場の不満をそのまま上に伝えていると、こうなります。

  • 現場から:「あの人は上の言いなりだ」「私たちを守ってくれない」と敵認定される。
  • 上司から:「現場をまとめられない無能なリーダーだ」と評価される。
  • 結果:誰からも助けてもらえない「孤独な中間管理職」が完成し、メンタル不調で休職・退職へ追い込まれます。

これを避けるには、相手の言語に合わせて言葉を変換する「翻訳家」になる必要があります。

× そのまま伝える(伝書鳩)

現場の声:
「人が足りなくて休憩も取れません!なんとかしてください!」

上司の反応:
「甘えるな。工夫して回せ。」(却下・評価ダウン)

⬇ 翻訳すると… ⬇
◎ 翻訳して伝える(翻訳家)

あなたの翻訳:
「休憩未取得により、労働基準法違反のリスクが高まっています。また疲労による事故率も上昇傾向です。」

上司の反応:
「労基署や事故はマズいな。どうすれば改善できる?」(交渉成立)

感情を「データ」や「リスク」に翻訳する。これだけで、上司はあなたを「対等なパートナー」として見るようになります。

2. 「予見」して「記録」するリスク管理の技術

リーダーになると、万が一の事故の際に問われる責任の重さが変わります。 「一生懸命見守っていました」という感情論は、裁判や行政監査では通用しません。自分と部下を守るために必要なのは「予見可能性」「結果回避義務」の徹底です。

🛡️ 「書くこと」が最強の防御になる

事故が起きた時、責任を問われるのは「予測できたのに、対策しなかったこと」です。逆に言えば、「予測して、対策を検討した記録」があれば、あなたと施設は守られます。

【具体的な記録の残し方】

× 悪い例(日誌):
「Aさんが転倒しそうだった。気をつけて見守るようにした。」
※これでは、転倒した時に「見守りが足りなかった」と責められます。

○ 良い例(会議録・ヒヤリハット):
「Aさんの歩行状態が不安定になり、転倒リスク(予見)が高まっている。対応策としてセンサーマットの導入を検討し、ご家族へリスク説明を行った(結果回避)。」


ポイント:
対策が完璧でなくても、「リスクを認識して、話し合った」という事実を日付入りで残してください。 「記録に残っていないものは、やっていないのと同じ」です。冷徹なようですが、これが部下を法的に守る唯一の方法です。

3. 「好かれたい」を捨てる技術

「それでもやっぱり、みんなから好かれたい」「仲の良い職場を作りたい」 そう思うのは自然なことです。特に若いリーダーや、現場からの叩き上げの方は、かつての同僚に嫌われたくないと思うでしょう。

しかし、リーダーが「好かれること」を目的にすると、皮肉なことに職場は最悪の状態(無法地帯)になります。

⚠️ 「嫌われないリーダー」の末路
  • 遅刻やサボりを注意できなくなる(嫌われたくないから)。
  • ルールを守らない職員が野放しになり、真面目な職員の負担が増える。
  • 結果:「あのリーダーは何も言ってくれない」と、一番大切にすべき「真面目な職員」から辞めていく。
💡 本当の「仲の良さ」とは?

「仲が良い職場」とは、なあなあでルールがない職場のことではありません。
「ルールが守られ、公平性があり、安心して働ける職場」のことです。

そのためには、ルールを破る人に対して、あなたが「嫌われ役」になってでもNOと言う必要があります。 「好かれたい」という欲求を手放し、「公平でありたい」と願うこと。 一時的に嫌われたとしても、一貫性のある態度は、必ず後から「信頼」という形で返ってきます。

好かれる必要はありません。「この人の言う通りにすれば大丈夫」という安心感を与える存在を目指してください。

職場の危険度チェック(シンプル版)

今の悩みは「自分のせい」か「職場のせい」か?(環境診断)

ここまで、「リーダーとしての失敗パターン」や「仕事術」をお伝えしてきました。 しかし、どれだけあなたがスキルを磨き、翻訳家として努力しても、絶対に解決できないケースが存在します。

それは、「職場環境そのものが腐敗している」場合です。 真面目な人ほど「私がもっと頑張れば…」と自分を責めますが、沈没しかけている船でどれだけ必死に水をかき出しても、船は沈みます。

以下のサインに当てはまる場合、それはあなたの能力不足ではありません。「逃げる(転職する)」ことが、あなたの人生と資格を守るための正解です。

即・避難レベル!危険な職場のサイン
1. 権限を与えずに「責任」だけ押し付ける

「残業を減らせ」と言うのに、人員配置や採用の権限をくれない。「現場をまとめろ」と言うのに、指導権限をくれない。これは「手足を縛って泳げ」と言われているのと同じです。

2. コンプライアンス違反が常態化している

人員基準の偽装や不正請求など。これに加担させられると、最悪の場合、あなたの「サービス管理責任者」や「介護福祉士」の資格が剥奪される恐れがあります。

3. 経営層が「安全配慮」を放棄している

利用者からの暴力やハラスメントを報告しても、「現場でなんとかして」と見て見ぬふりをする。職員を守る気がない組織に未来はありません。

「努力」と「環境」の境界線

あなたの責任範囲:
伝え方を工夫すること、リスクを記録すること。

組織の責任範囲:
必要な人員、法令遵守、安全な環境。

責任範囲を全うしても状況が変わらないなら、それは「努力不足」ではなく「環境のミスマッチ」です。自分を責める時間を、次の場所を探す時間に変えてください。

心の保険としての転職活動

「逃げる準備」が、今のあなたを強くする(心の保険)

「転職サイトに登録するなんて、今の職場への裏切りじゃないか…」

真面目なリーダーほどそう考えがちですが、その考えは捨ててください。 「転職活動」と「転職」は別物です。

今すぐ辞める気がなくても、転職サイトを見て「自分の経験なら、他で月給◯万円で募集があるんだ」「自分を必要としてくれる場所は他にもあるんだ」と知っておくこと。 これだけで、精神的な余裕が全く違ってきます。

💡 「いざとなれば辞められる」という最強のカード

逃げ場がないと思うから、理不尽な要求にも「はい」と言うしかなくなります。 しかし、ポケットの中に「転職」というカードを持っていると、不思議なことに上司に対して強気に交渉できるようになります。

「この条件が通らないなら、私にも考えがありますよ(=他に行く宛はある)」 という心持ちでいる方が、結果として今の職場で対等に働けるようになるのです。

忙しいリーダーこそ「エージェント」を使うべき理由

日々の業務に追われるリーダーには、自分で求人を探す時間なんてありませんよね。 だからこそ、あなたの代わりに条件に合う求人を探し、給与交渉までしてくれる「転職エージェント」を活用してください。

  • 非公開求人:ハローワークには出ない、高待遇の管理職・リーダー求人が多い。
  • 内部事情:「離職率が高い」「人間関係が悪い」といった、求人票には載らないリアルな情報を教えてくれることもある。
  • 完全無料:登録しても、相談しても、お金は一切かかりません。

まずは登録して、気になる求人を「お気に入り」に入れておくだけでもOKです。それがあなたの「心の安定剤」になります。

※良い求人は早いもの勝ちです。「限界が来てから」動くのでは遅すぎます。元気な今のうちに、選択肢だけでも確保しておきましょう。

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キャリアの選択(完全版)

管理者を目指すか、現場のプロであり続けるか

リーダーという激務を経験した今、あなたはキャリアの岐路に立っています。 「もっと上(管理者・施設長)を目指すべきか?」 「それとも、現場に戻って支援を極めるべきか?」

正解はありません。厚生労働省のデータを見ても、処遇改善加算の拡充により、現場リーダー層の給与も上昇傾向にあり、「管理職にならないと食べていけない」時代ではなくなりつつあります。 だからこそ、世間体ではなくあなたの心がどちらにワクワクするかで選んでいいのです。

1. 二つの道のメリット・デメリット

🏢 管理者(施設長)ルート

向いている人:
「自分の理想の施設を作りたい」「組織を変える力を持ちたい」人

  • 採用や人事の決定権が持てる
  • 自分の理念を施設運営に反映できる
  • 年収アップが期待できる
  • 経営・マネジメントスキルが身につく
🤝 現場スペシャリストルート

向いている人:
「利用者さんの笑顔が一番の報酬」「支援技術を極めたい」人

  • 利用者の成長を一番近くで感じられる
  • 「強度行動障害」等の専門資格を活かせる
  • 夜勤手当等で給与を維持しやすい
  • 経営責任のプレッシャーがない
💡 現場に戻る決断も「正解」です

もし今、あなたが押し潰されそうで限界なら、役職を降りて現場に戻ることは「逃げ」ではありません。「適材適所」です。 私の知人にも、管理者から現場へ戻り、最強の補佐役として輝いている方がいます。無理をして心を壊すくらいなら、一番輝ける場所を選んでください。

ここまでは「どちらを選んでもいい」とお伝えしました。 しかし、同じ道を歩んできた同志として、ここからは私の個人的な「本音」をお話しさせてください。

それでも私は、あなたに
「上」を目指してほしいと思っています。

なぜなら、「現場の痛みを知っている人間」こそが、トップに立つべきだからです。

私は20代で管理者になり、悔しい思いをたくさんしました。 「若いから」と話を聞いてもらえない。現場出身だからと経営陣に軽視される。 それでも歯を食いしばって上を目指したのは、一現場職員では変えられない「理不尽」があまりにも多かったからです。

現場でどれだけ良い支援をしても、制度や会社のルールが悪ければ、利用者さんも職員も守れません。
しかし、管理者になり、決裁権を持てば、景色が変わります。

  • 理不尽なルールを廃止できた。
  • 頑張る職員の給与を上げるために、新しい加算を取得できた。
  • 「理想の支援」を実現するための環境を、自分の手で作ることができた。

「現場を知らない人が作ったルール」で苦しむのは、もう終わりにしませんか?

苦しいことも、孤独な夜もあります。失敗もするでしょう。 でも、あなたが上に立つことで救われる職員が、そしてその先にいる利用者さんが、必ずいます。 現場のプロフェッショナルであるあなたにこそ、その「力」を持ってほしい。私は心からそう願っています。

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リーダーの仕事は、感情労働であり、頭脳労働であり、時には肉体労働でもあります。 これほど高度なスキルを求められる仕事は、他にそうありません。

だからこそ、今日から「100点満点のリーダー」を目指すのをやめてください。 完璧を目指してあなたが倒れてしまったら、現場も、利用者さんも、そして何よりあなた自身の家族も悲しみます。

明日から意識してほしい3つのこと
  • 無理に好かれようとせず、「一貫性」のある態度で信頼を作る。
  • 「伝書鳩」をやめて、言葉を置き換える「翻訳家」になる。
  • 自分の身を守るために、リスクは必ず「記録」に残す。

現場で誰よりも汗をかき、痛みを理解しているあなただからこそ、将来、より良い福祉を作るリーダーになれると私は信じています。

でも、それは今すぐじゃなくていい。 まずは「失敗しない働き方」で、あなた自身が長く、健やかに働き続けること。

あなたが笑顔でいてくれること。
それが、部下にとっても、そして利用者さんにとっても、一番の安心材料なのですから。

辛くなった時は、またこの記事を読み返して、肩の力を抜いてくださいね。 同じ空の下で働く仲間として、あなたを応援しています。

ABOUT ME
室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ菅
【福祉現場の「最前線」を知る専門家】

■ 実績
・国家資格:介護福祉士 / 保育士/3級FP
・資格:サービス管理責任者/実務者研修教員講習会修了
・支援経験:障害支援事業
・施設長・管理者経験:共同生活援助(グループホーム)/放課後等デイサービス
・支援歴:10 年以上。管理職は20代後半から経験。講師として実務者研修、強度行動障害研修の講師資格もあり。

■ なにができる人?
「制度が難しくて分からない」
「親なきあとのお金が心配」
そんな障害のある子を持つご家族の悩みを、「現場の裏側(サビ管)」「生活防衛(FP/大家族父)」の2つの視点で解決します。

■ 運営者の正体
4人の子供(6人家族)を養う現役の福祉職パパ。
給料が低いと言われる業界でも、「制度知識」×「家計戦略」で資産形成は可能です。

机上の空論ではない、泥臭い「生存戦略」を公開中。
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