児発管・サビ管の研修切れで減算漏れ、108事業者に返還要求(10/15会計検査院)|10月15日の福祉ニュース
10月15日(木)、会計検査院が、児童発達支援管理責任者(児発管)とサービス管理責任者(サビ管)の研修要件について検査結果を公表し、こども家庭庁を担当する内閣府特命担当大臣と厚生労働大臣に処置を要求しました。
研修要件を満たしていない人を管理責任者として置いていた事業者は、児発管で122、サビ管で132。そのうち減算をかけずに請求していた108事業者に、過大分の返還手続を取らせるよう求めています。
理由でいちばん多かったのは「受けなければいけないと分かっていたが、忘れていた」でした。行き着く先は、管理責任者一人ひとりの研修修了日と、次の期限の管理です。あわせて、来週の検討会と、福祉施設を会場にした見学会もまとめました。
| ニュース | いちばん大事な一行 | いまの段階 |
|---|---|---|
| ①児発管・サビ管の研修切れ | 研修要件を満たさない管理責任者を置いていたのに減算していなかった108事業者(児発管45・サビ管63)に、返還手続を取らせるよう会計検査院が要求 | 公表済み(処置要求) |
| ②乳幼児健診の検討会 | こども家庭庁の第2回検討会を10月21日(水)13時から開催。YouTubeでライブ配信、アーカイブはなし | 10月21日開催 |
| ③福祉施設で働き方の見学会 | 長野県が松本市の障害者支援施設「梓荘」で11月12日(木)に見学会。定員20名・無料、県内企業が対象 | 申込受付中(定員になり次第締切) |
①は会計検査院が国に処置を求めた段階です。過大分の返還は、これから都道府県・市を通じて手続が進みます。②③は日程の決まっている催しです。
①児発管・サビ管の研修切れ、減算漏れの108事業者に返還を求める(10/15会計検査院)
公表済み実践研修・更新研修の修了漏れが児発管126事業所・サビ管134事業所で見つかり、うち111事業所は減算をかけずに給付費を受け取っていました。

検査で見つかった数字
会計検査院は、令和3年4月から7年3月までの管理責任者の配置状況を、全国の都道府県・市区町を通じて調べました。対象は障害児通所支援で1,590事業者の1,864事業所、障害福祉サービスで1,757事業者の1,938事業所です。
| 項目 | 児発管(障害児通所支援) | サビ管(障害福祉サービス) |
|---|---|---|
| 検査の対象 | 130都道府県等・1,590事業者・1,864事業所 | 134都道府県等・1,757事業者・1,938事業所 |
| 研修要件を満たさない人を配置 | 65都道府県等・122事業者・126事業所 | 72都道府県等・132事業者・134事業所 |
| その期間に支払われた給付費 | 18億1660万余円(国の負担相当額 9億0830万余円) | 19億3406万余円(国の負担相当額 9億6703万余円) |
| 要件を満たさない最長の期間 | 約2年8か月 | 約2年7か月 |
| 減算をかけていなかった | 45事業者・46事業所 | 63事業者・65事業所 |
| 減算に相当する過大額(令和4〜7年度) | 2億0445万余円(国の負担相当額 1億0222万余円) | 3億9450万余円(国の負担相当額 1億9725万余円) |
出典:会計検査院「研修体系見直し後における児童発達支援管理責任者及びサービス管理責任者の研修要件の確認等について」(令和8年10月15日)本文。
いちばん多かったのは、平成31年4月から令和4年3月までに基礎研修を修了し、経過措置で管理責任者と「みなされて」いた人が、3年以内に実践研修を終えていなかったケースです。児発管で106事業者、サビ管で110事業者がこれに当たりました。
| 理由 | 児発管 | サビ管 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 必要だと分かっていたが、失念して修了漏れ | 52 | 71 | 123 |
| 必要だと認識しておらず修了漏れ | 32 | 48 | 80 |
| その他(修了する研修を誤っていたなど) | 49 | 15 | 64 |
出典:同上 図表4。児発管は1事業所で複数の理由に当たる場合があるため、内訳の合計(133)と計(126)が一致しません。
減算は、要件を満たす管理責任者がいなくなった月の翌々月から、基本報酬に100分の70(減算が5か月以上続く月は100分の50)をかけて計算する決まりです。資料の事例では、新潟市の事業所で、実践研修の期限(令和4年10月29日)を失念したまま約2年3か月が過ぎ、1市が支払った給付費が5515万余円過大になっていました。
会計検査院が国に求めた4つ
| 区分 | 中身 |
|---|---|
| ア 是正の処置要求(第34条) | 減算漏れの45事業者46事業所・63事業者65事業所に、県・市を通じて適正な額を算定させ、過大分の返還手続を取らせる |
| イ 改善の処置要求(第36条) | 都道府県等に、減算を適用しているかを確認する指導を事業者に行うよう助言する |
| ウ 改善の処置要求(第36条) | 変更届の標準様式に「研修修了日」と「次回の研修修了期限」の欄などを設け、研修を修了するたびに変更届を出す仕組みにする。都道府県等と事業者に周知する |
| エ 意見表示(第36条) | 次回の研修修了期限を事業者に通知するなど、失念による修了漏れを防ぐ方策を検討する |
出典:同上「3 本院が要求する是正の処置並びに要求する改善の処置及び表示する意見」。
背景として、いまの変更届の標準様式には、管理責任者の氏名・生年月日・住所の欄はあっても、研修修了状況を含む「経歴」の欄がありませんでした。経歴に研修修了状況が含まれることを認識していなかった自治体は、障害児通所支援で130のうち88(67.6%)、障害福祉サービスで134のうち91(67.9%)でした。
事業所が今日から見直せるところ
会計検査院は、更新研修が5年ごとにある以上「今後も同様の事態が生ずることが想定される」と書いています。要求のイは、都道府県等から事業者へ、減算をかけているかの確認を求める指導を行うよう国に求める内容です。返還の対象でない事業所も、自己点検を求められる場面が来ると読めます。
- 管理責任者全員について、基礎研修・実践研修・更新研修それぞれの修了日を、修了証の写しで一覧にする
- 経過措置で配置していた人がいた場合は、基礎研修の修了日から3年以内に実践研修を終えていたかを、さかのぼって確かめる
- 実践研修を終えた人は、5年ごとの更新研修の期限をカレンダーに入れておく
- 期限を過ぎていた月があれば、その翌々月から減算がかかっていたかを請求の記録で確かめ、指定権者に相談する
個人的には、「忘れていた」が123事業所で最多だったことが一番重く見えました。期限を本人の記憶に任せず、事業所として誰が管理するかを決めておくのが早道だと思います。変更届の様式が変われば、研修を終えるたびに届け出る手間も増えます。
障害児支援の研修の対象を広げる案は10月11日の記事(基礎・実践研修を常勤職員全員に求める案)でまとめています。児発管・サビ管の研修の流れは障害福祉の資格一覧でも触れています。
②乳幼児健診のあり方、第2回検討会は10月21日(水)13時から(こども家庭庁)
10月21日開催健診に関するヒアリングを行う回で、YouTubeのライブ配信で誰でも見られます。アーカイブは残りません。
開催の中身
こども家庭庁は10月15日、「乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会」の第2回の開催を公表しました。第1回は8月19日でした。こどもまんなか実行計画2026(令和8年6月9日決定)で、年齢に応じた健診を全国どこでも受けられる環境の整備を検討するとしたことを受けた会議です。
| 日時 | 令和8年10月21日(水)13時00分~15時00分(目途) |
| 形式 | 対面・オンライン開催 |
| 場所 | こども家庭庁 共用大会議室(霞が関ビルディング14階) |
| 議題(予定) | (1)乳幼児健診に関するヒアリング(2)乳幼児健診について |
| 見る方法 | YouTubeのライブ配信(アーカイブ配信はなし) |
| 資料 | 検討会当日に、こども家庭庁の検討会ページに掲載 |
出典:こども家庭庁「第2回乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会 開催のお知らせ」(令和8年10月15日)。
発達の相談につながる入口の話
開催の目的には、乳幼児が「身体面だけでなく精神面、社会面の観点も含め」適切な支援を受けられるように、とあります。健診は、発達の気になる子が相談や療育につながる最初の窓口になることが多い場です。
配信は録画が残らないので、当日見られない人は、後日掲載される資料と議事録を待つことになります。健診で何を見ているかの基本は発達障害の早期発見の記事で年齢別にまとめています。
③障害者支援施設で働き方改革の見学会、11月12日(木)・定員20名(長野県)
申込受付中研修体系や残業を抑える業務の工夫を、福祉施設の現場で見る催しです。申込期限の日付はなく、定員になり次第締め切りです。
見学会の概要
長野県産業労働部労働雇用課は10月15日、「多様な働き方先進企業の見学会」を、社会福祉法人中信社会福祉協会の障害者支援施設「梓荘」で開くと発表しました。見どころとして、職員の安心と成長を支える制度・研修体系、時間外勤務を抑える業務運営の工夫、職員の声を活かす職場改善の3つを挙げています。
| 名称 | 多様な働き方先進企業の見学会 |
| 主催 | 長野県 産業労働部 労働雇用課 |
| 日時 | 令和8年11月12日(木曜日)14時00分~15時30分 |
| 形式 | 会場(社会福祉法人中信社会福祉協会 障害者支援施設 梓荘/松本市梓川梓5055番地5) |
| 対象 | 県内企業(多様な働き方をこれから導入したい企業、導入したが活用できていないと感じている企業) |
| 定員・費用 | 20名(1社2名まで)・参加費無料 |
| 申込期限 | 定員になり次第締切(事前申込が必要) |
| 申込先 | https://0234.jp(イーキュア株式会社セミナー係、令和8年度選ばれる職場づくり推進事業の受託業者) |
出典:長野県「多様な働き方先進企業の見学会を11月12日(木)に開催します」(令和8年10月15日)。
誰が行くと持ち帰れるか
対象は県内企業で、福祉の事業所に限った催しではありません。それでも会場が障害者支援施設なので、長野県内で福祉の事業所を運営している人や人事担当者には、同じ業種の工夫をそのまま見られる機会です。
「研修体系」が見どころに入っているのは、①の話ともつながります。研修の受講を個人任せにせず、職場の仕組みとしてどう回しているかを聞ける場として、管理者が行く価値はありそうです。
今日のまとめ
①で会計検査院が指摘したのは、制度の側にも事業所の側にも「研修の期限を誰が見ているか」が決まっていなかったことでした。③の見学会が研修体系を見どころに挙げているように、研修を職場の仕組みとして回すことが、働きやすさと請求の正しさの両方に関わってきます。
次に見ておきたい日程です。
- 10月21日(水)10:00〜……第144回 労働政策審議会 障害者雇用分科会(障害者雇用納付金制度、中小企業への支援の強化)
- 10月21日(水)13:00〜……第2回 乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会(YouTubeライブ配信)
- 11月12日(木)14:00〜……長野県の見学会(障害者支援施設 梓荘)
参考にした一次情報
- 研修体系見直し後における児童発達支援管理責任者及びサービス管理責任者の研修要件の確認等について|会計検査院(令和8年10月15日)
- 同 本文(PDF)|会計検査院(令和8年10月15日)
- 第2回乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会について|こども家庭庁(令和8年10月15日)
- 乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会|こども家庭庁
- 多様な働き方先進企業の見学会を11月12日(木)に開催します|長野県(令和8年10月15日)
- 第144回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催します|厚生労働省(令和8年10月14日)
①は会計検査院が国に処置を求めた段階で、返還の手続や変更届の様式の見直しは、これからこども家庭庁・厚生労働省と自治体が進めるものです。最終的な取り扱いは公表資料でご確認ください。


