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障害福祉
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療育記録・支援記録の書き方【放デイ・児発】そのまま使える例文75|NG例・NGワード30と運営指導対策【2026年最新版】

療育記録の書き方 放デイ・児発の支援記録 例文75・5領域別・NG例10・AI活用
ユイン
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療育記録(支援記録)の書き方を検索すると「具体的に書きましょう」「客観的に書きましょう」とは出てくるのに、そのまま使える例文がほとんど載っていない——現場の職員が困っているのは、まさにそこだと思います。

私は介護福祉士・保育士・サビ管(児発管)の資格を持ち、福祉の現場で10年以上働きながら、6人家族の父親をしています。放課後等デイサービス・児童発達支援の記録は、毎日全員分、送迎までの短い時間で書かなければいけません。「今日は特に何もなかった子」の記録ほど手が止まる、というのも痛いほど分かります。

この記事では、支援記録に必ず書く法令上の必須項目を押さえたうえで、5領域別に50本+場面別に25本、合計75本の例文を全文そのまま載せました。あわせて、運営指導で実際に指摘される記録の不備、使ってはいけない言葉の言い換え表、そしてAIに記録の下書きを作らせるときのプロンプト全文まで置いています。

この記事で分かること

  • 支援記録の必須記載事項5つと保存期間(根拠となる基準省令つき)
  • 迷わず書ける「事実→支援→反応→次回」の型
  • 5領域別50例文/場面別25例文(コピーして語尾だけ直せば使える)
  • NG例と修正例10パターン、NGワード30語の言い換え表
  • 加算を算定した日に記録へ足しておく一文
  • AIで記録の下書きを作る手順とプロンプト全文
先に大事なことを1つ

例文はあくまで文型のサンプルです。そのまま全員に貼り付けると「コピペ記録」として運営指導で必ず指摘されます。名前・時刻・具体的な行動・支援した内容の4か所を、その子の事実に必ず差し替えてください。この記事の例文も、差し替える場所が分かるように書いてあります。

Contents
  1. 療育記録(支援記録)とは?連絡帳・業務日報・提供実績記録票との違い
  2. 支援記録に必ず書く5つの必須項目と保存期間【法令の根拠つき】
  3. 5分で書ける支援記録の「型」──事実→支援→反応→次回の4ステップ
  4. そのまま使える療育記録の例文50【5領域別】
  5. 場面別の記録例文25【送迎・おやつ・宿題・自由遊び・トラブル・体調】
  6. NG例→修正例で分かる「指摘される記録」10パターン
  7. 使ってはいけない言葉と言い換え表【NGワード30】
  8. 支援記録を個別支援計画・モニタリングにつなげる方法
  9. 加算を算定した日に、記録へ足しておく一文【加算別】
  10. 運営指導でよく指摘される記録の不備7つとチェックリスト
  11. AIで支援記録の下書きを作る手順とプロンプト全文
  12. 記録の時間を半分にする現場の工夫7つ
  13. 療育記録・支援記録のよくある質問
  14. 記録・研修・人手の負担を減らす3つの選択肢【PR】
  15. まとめ|明日から変えるのは、この3つだけでいい
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療育記録(支援記録)とは?連絡帳・業務日報・提供実績記録票との違い

支援記録・連絡帳・業務日報・サービス提供実績記録票の4つの記録の役割の違いを示した図

最初に用語を整理します。ここが曖昧なまま書いていると、運営指導で「この記録はどれですか」と聞かれて答えられなくなります。

呼び方は事業所ごとに違うが、法令上は「支援の提供の記録」

「療育記録」「支援記録」「ケース記録」「サービス提供記録」「個別記録」——現場ではいろいろな呼ばれ方をしますが、これらはすべて指定基準が求める「支援の提供の記録」を指しています。名称は自由で、様式も法定様式はありません。決まっているのは書くべき中身と、保護者の確認を受けることです。

逆に言えば、事業所が「連絡帳」と呼んでいる紙でも、必須項目が入っていて保護者の確認が取れていれば、支援の提供の記録として運用できます(後述の条件つき)。

支援記録が必要な4つの理由

「書く時間があるなら支援に回したい」という声はよく聞きます。それでも記録が欠かせないのは、次の4つを記録が担っているからです。

  • 報酬請求の裏付けになる:運営指導では、請求した日・時間に本当に支援をしたかを記録で確認されます。記録がない支援は算定の根拠を示せず、報酬返還を求められることがあります。
  • 個別支援計画を見直す材料になる:モニタリングで「目標に近づいているか」を判断できるのは、日々の記録が残っているときだけです。
  • 職員の間で支援をそろえられる:シフト制の現場では、前回の様子と関わり方を記録で引き継がないと、職員ごとに対応がばらばらになります。
  • 保護者への説明と、もしもの時の備えになる:けがやトラブルがあったとき、いつ・誰が・どう対応したかを示せるのは記録だけです。

4つの記録の違い早見表

記録の種類目的主な読み手法令上の位置づけ
支援記録
(療育記録・ケース記録)
個別支援計画に沿った支援を実施したことを、児童ごとに証明する職員・保護者・指定権者必須。支援の提供の記録として作成・保存義務あり
連絡帳その日の様子を保護者に伝え、家庭の情報を受け取る保護者義務ではない。ただし支援記録を兼ねる運用は可能
業務日報
(日誌)
事業所として、その日の全体の動き・職員配置・事故等を残す職員・管理者職員配置や送迎の裏づけとして実質的に必要
サービス提供実績記録票請求のために、利用日・算定した加算・提供時間を証明する保護者・国保連・市町村必須。請求の根拠書類(支援記録とは別物)
いちばん多い誤解

「実績記録票に保護者のサインをもらっているから、支援記録は要らない」——これは誤りです。実績記録票は請求のための書類で、その日どんな支援をしたかは書かれていません。運営指導では、個別支援計画・支援記録・実績記録票の3点が突き合わせられます。1つでも欠けると、最悪の場合は支援を提供した事実が確認できないとして返還を求められます。

連絡帳を支援記録として使うときの3条件

記録の二度手間をなくすために、連絡帳を支援記録として兼用している事業所は多いです。実際に運用するなら、次の3つを満たしてください。

  1. 複写式にするか、控えを事業所に残す。保護者に渡し切りで手元に何も残らない運用は不可です。アプリの場合は事業所側にログが残るので問題ありません。
  2. 必須項目5つがすべて入る様式にする。特に「提供時間」と「記録者名」が抜けがちです。
  3. 保護者の確認が取れる形にする。紙ならサイン欄、アプリなら既読・確認ボタンのログを残します。

逆に、連絡帳に他児の名前が入る運用(「〇〇くんと遊びました」)をしている事業所は、兼用にすると個人情報の面で問題になります。この点は後半のNG例でも取り上げます。

支援記録に必ず書く5つの必須項目と保存期間【法令の根拠つき】

放課後等デイサービス・児童発達支援の運営基準(指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準)では、支援を提供したときは提供日・提供した支援の内容・その他必要な事項を記録し、保護者の確認を受けなければならないとされています。実務に落とすと、次の5項目です。

必須の5項目

#項目よくある抜け・注意点
1支援の提供日および提供時間(開始・終了時刻)「14:00〜17:00」と固定で印字してしまい、実際の入退室時刻とズレる。延長支援加算を算定する日は特に致命的
2利用児童の氏名および記録者の氏名記録者名が空欄・印だけ・「担当」としか書いていない。誰が見た事実なのか特定できないと記録として弱い
3提供した具体的な支援の内容「療育活動」「個別」など活動名だけ。何をどう支援したかが無い
4利用児童の心身の状況体調欄が「良好」のスタンプだけ。行動・情緒の変化が書かれていない
5その他保護者へ伝達すべき事項けが・トラブル・排泄の失敗など、伝えづらいことほど書かれない

令和6年度改定以降に見られるようになった項目

令和6年度の報酬改定で、児童発達支援・放課後等デイサービスは5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)を含めた総合的な支援が原則となり、個別支援計画に5領域との関連を記載することが求められるようになりました。

ここは正確に理解しておいてください。「支援記録に5領域を書け」という法令上の直接の義務はありません。義務なのは個別支援計画のほうです。ただし運営指導では「計画に書いた支援が、実際に提供されているか」を記録で確認されます。そのため、記録側にも領域が分かる書き方をしておくと説明がとても楽になります。この記事の例文を5領域別に並べているのは、この理由からです。

保存期間は「完結の日から5年」が基本

基準省令では、支援の提供に関する記録はその完結の日から5年間保存することとされています。ただし、この起算点や年数の取扱いは自治体(指定権者)によって説明が異なることがあり、条例で上乗せしている自治体もあります。必ず自分の事業所を指定している自治体の運営の手引きを確認してください。

  • 起算点:一般には、その児童のサービス利用が終了した日(契約終了日)を「完結の日」とする運用が多い
  • 紙とデータの併用:システムで作った記録を紙に出して保管する場合、どちらが正本か決めておく
  • 電子保存:記録ソフトで管理する場合も、退所した児童の記録が5年間参照できる状態かを確認する(解約したら見られなくなるサービスがある)
実地指導で困る典型パターン

退職した職員が担当していた児童の記録が、その職員の個人アカウントのタブレットにしか入っていない。あるいは前のシステムから移行したときに、旧データが読めなくなっている。記録は事業所の書類であって、職員個人のものではありません。年度替わりのタイミングで、退所児童分も含めて参照できるかを1回テストしておくことを勧めます。

5分で書ける支援記録の「型」──事実→支援→反応→次回の4ステップ

支援記録を事実・支援・反応・次回の4ステップで書く型を示した図

記録に時間がかかる人の共通点は、白紙から文章を考えていることです。型を1つ覚えてしまえば、あとは事実を差し込むだけになります。私が新人職員に最初に教えているのは、次の4ステップです。

支援記録の基本の型(4ステップ)
  1. 事実:いつ・どの場面で・本人が何をしたか(観察したことだけ)
  2. 支援:それに対して職員が何をしたか(声かけ・提示・環境調整)
  3. 反応:支援の後、本人がどう変わったか
  4. 次回:次に同じ場面で何をするか(申し送り)

例)宿題の開始時、鉛筆を持たず机に伏せていた(事実)。プリントを3問ずつ付箋で区切って提示した(支援)。1枚目を自分で終え、「次やる」と言って2枚目に進んだ(反応)。次回も付箋で分量を区切って提示する(次回)。

ステップ1:事実は「主語・時刻・行動」の3点セットで書く

「落ち着かない様子だった」は事実ではなく評価です。事実とは、その場にいなかった職員が読んでも同じ映像を思い浮かべられる記述を指します。

×活動中、落ち着かない様子だった。
○制作活動の開始から約10分間、着席と離席を4回繰り返し、そのつど窓際の水槽を見に行った。

「約10分」「4回」のように数字を1つ入れるだけで、記録の質は目に見えて上がります。回数・時間・距離・人数のどれかで構いません。

ステップ2:支援は「職員が何をしたか」を必ず主語にする

記録が「本人がどうだったか」だけで終わっていると、事業所が支援を提供した証拠になりません。運営指導で最も突かれるのがここです。職員を主語にした一文を必ず入れてください。

×順番を待てずに前に出てしまった。
○順番を待てずに列の前に出たため、職員が本人の横に立ち、床のテープを指さして「ここで待つよ」と伝えた。

ステップ3:反応は「できた・できない」ではなく変化で書く

できなかった日も記録の価値は同じです。むしろ「どこまではできて、どこから難しかったか」が書いてあるほうが、次の支援につながります。

×うまくできなかった。
○1回目は職員と一緒に、2回目は指さしのみで手順表を確認できたが、3回目は再度言葉での確認が必要だった。

ステップ4:事実と解釈は分けて、解釈には目印をつける

支援者の見立てを書いてはいけない、ということではありません。事実と混ぜてはいけないだけです。解釈を書くときは「〜と思われる」「〜の可能性がある」と語尾で分ける、または「<見立て>」と明示します。

×眠かったので集中できなかった。(眠かったのは推測なのに事実として書いている)
○来所時にあくびが5回あり、課題中に2回机に伏せた。母より前夜の就寝が23時と連絡あり。<見立て>睡眠不足が影響した可能性がある。

時間がない日の最短版:4ステップ全部が書けない日は、「事実+支援」の2つだけを必ず書いてください。この2つが揃っていれば、記録としては成立します。逆に「反応+次回」だけあって事実と支援が無い記録は、いくら長く書いても評価されません。

そのまま使える療育記録の例文50【5領域別】

5領域別に療育記録を集める考え方を示した図

ここからが本題です。5領域ごとに10本ずつ、合計50本の例文を全文載せます。すべて「事実→支援→反応(→次回)」の型で書いてあります。

使い方:網かけ部分が差し替える場所です。ここを実際の児童の事実に置き換えれば、そのまま記録になります。時刻・回数の数字は必ず実際の値に直してください。数字を直さずに使うと、複数児童の記録が同じ数字で並び、コピペが一目で分かります。

領域1|健康・生活の例文10本

生活習慣、健康管理、身の回りの自立に関する記録です。放デイでは排泄・着替え・食事・持ち物管理の場面が中心になります。

1来所時、上着を着たまま席に座っていたため、職員がロッカーを指さし「上着どこに置く?」と尋ねた。本人が自らロッカーへ行き、ハンガーにかけて戻った。次回は声かけなしで気づけるか様子を見る。

2おやつ前の手洗いで、水で流すのみで石けんを使わなかった。職員が手順表の石けんの絵を指さすと、戻って石けんを使い、20数える間こすることができた。

315時30分、自分から「トイレ」と言って職員を呼んだ。トイレまで同行し、扉の前で待機した。排泄後、声をかける前に手洗いまで行えた。本児から尿意を伝えられたのは今週3回目。

4おやつのゼリーの蓋が開けられず、20秒ほど無言で引っ張っていた。職員が「開けて、って言えるかな」と伝えると「あけて」と発語があり、職員が蓋を半分開けて渡すと、残りは自分で開けた。

5活動中に「あつい」と2回訴えたため、職員が検温したところ36度8分で平熱の範囲内だった。上着を脱ぎ、水分を150ml摂取したのちは訴えなく過ごした。母へ口頭で申し送り済み。

6帰りの準備で、水筒を机に置いたままロッカーへ向かった。職員が持ち物チェック表を手渡すと、表を見ながら水筒・連絡帳・上着の3点を自分で確認して鞄に入れた。

7昼食後の歯みがきで、前歯のみ10秒ほどみがいて終了しようとした。職員が鏡の前で奥歯を指さし、砂時計を提示すると、砂が落ちきるまで奥歯もみがき続けることができた。

8ズボンの着脱時、前後を逆に履いたまま気づかなかった。職員が「タグはどこにある?」と問いかけると、自分でタグを確認して履き直した。前後の確認をタグで行う方法は、今月から継続して支援している。

9来所から30分間、水分を摂る様子がなかったため、職員がコップに水を注いで机の右側に置いた。置いた直後に自分で手に取り、200ml飲んだ。自発的な水分摂取は難しいため、今後も定時に提示する。

10母より「昨夜21時に就寝」と連絡帳に記載あり。来所後は活動中のあくびもなく、16時の集団活動まで離席は0回だった。就寝時間と日中の活動量の関係について、次回モニタリングで母と共有する。

領域2|運動・感覚の例文10本

姿勢、粗大運動、微細運動、感覚の受け取り方に関する記録です。作業療法士がいる事業所は、専門職の助言を引用する形で書くと記録の説得力が上がります。

11着席して行う制作活動で、開始から5分ほどで上体が机に傾いた。職員が背もたれと背中の間にクッションを入れ、足元に踏み台を置いたところ、その後15分間は座位を保って作業を続けられた。

12はさみで直線を切る課題で、紙を持つ左手が動いてしまい線から2cmほどずれた。職員が紙にマスキングテープで持ち手の位置を示すと、残り3本の線は線上を切ることができた。

13ボール運動で、両手で受け止めることが難しく5回中1回しか捕球できなかった。職員が距離を3mから1.5mに縮め、山なりに投げる形に変更したところ、5回中4回受け止められた。

14集団活動中、他児の笑い声が大きくなった場面で両耳を手でふさぎ、壁際に移動した。職員がイヤーマフを提示すると自ら装着し、装着後は同じ部屋で活動を最後まで見学できた。聴覚の過敏さについては、次回の担当者会議で共有する。

15のり付けの課題で、指にのりが付いた時点で手を止め、10秒ほど手を見つめていた。職員がおしぼりを手の届く位置に置くと、自分で拭いて作業を再開した。次回はのりベラを最初から用意する。

16ブランコに乗り続け、職員の交代の声かけに応じない場面が3分間続いた。職員がタイマーを見せ「10数えたら交代」と伝え、一緒に数えたところ、10で自ら降りることができた。

17ボタンかけの課題で、上から3つ目までは自分でかけられたが、4つ目以降は職員の手添えが必要だった。手添えは手首を軽く支える程度にとどめ、指の動きは本人に任せた。

18片足立ちの保持は右足2秒・左足5秒だった。職員が壁に手をつく形に変更すると、左右とも8秒以上保持できた。作業療法士より「支持面を増やして成功体験を積む段階」と助言を受けており、その方針で実施している。

19他児と手をつなぐ場面で、力が強く相手が「痛い」と訴えた。職員が本人の手を握り、強い握り方と優しい握り方を体感で比較して示したところ、「こっち」と弱いほうを選び、その後は相手からの訴えはなかった。

20移動時、廊下を走る様子が3回あった。そのつど職員が床のラインを指さし「ここを歩く」と伝えると歩行に戻った。言葉のみの制止では戻りにくく、視覚的な目印の提示が有効であることを職員間で共有した。

領域3|認知・行動の例文10本

理解、注意、記憶、見通し、切り替え、こだわりへの対応に関する記録です。行動面の記録は、特に「事実と解釈を分ける」ことが重要になります。

21活動の切り替え時、遊びを中断できず「まだやる」と3回発言した。職員が残り時間を示すタイマーを机に置き「長い針が6になったら片づけ」と伝えると、時計を2回確認したのち、自分でおもちゃを箱に戻した。

22初めて行う制作課題で、説明後10秒間手が止まっていた。職員が完成見本を本人の正面に置いたところ、見本を見ながら1工程目に取りかかった。口頭説明のみより、完成形の提示が有効だった。

23プリント課題で、10問中6問目から鉛筆が止まり、消しゴムで消す動作を繰り返した。職員が残り4問を別紙に書き写して提示すると、4問とも解答できた。1枚あたりの情報量が多いと取りかかりにくい傾向が続いている。

24「順番を守る」というルールについて、活動前に職員が絵カードで確認した。活動中、割り込みは0回で、待機中に前の児童の様子を見ている場面が2回あった。ルールの事前確認は継続して行う。

25使っていた青いコップが他児に使われていたことに気づき、床に座り込んで動かなくなった。職員が同じ形の青いコップを2つ提示し「どっちにする」と選択肢を示したところ、1つを選び席に戻った。所要時間は約4分。

26本日の予定を写真カードで提示すると、自ら「おやつ、あそび、かえる」と順に指さして確認した。予定変更(外遊び中止)を伝えた際も混乱はなく、代替の室内遊びに移行できた。

2715時から16時までの自由遊びで、同じ電車の動画を繰り返し見る様子が続いた。職員が「あと1回見たら、一緒にブロックしよう」と事前に区切りを伝えると、1回視聴後に自分でタブレットを職員に返した。

28数の課題で、5までは指を使って正確に数えられたが、6以上は数え飛ばしが2回あった。職員が数図カードを併用して提示したところ、8まで誤りなく数えられた。

29片づけの場面で、どこに何を戻すか分からず床に立ち尽くしていた。職員が棚の写真ラベルを指さして1つずつ示すと、3種類のおもちゃを自分で戻すことができた。次回はラベルのみで戻せるか確認する。

30他児が使っていたブロックを無言で取ろうとした。職員が本人の前に手のひらを示して動きを止め、「かして、って言おう」と伝えると「かして」と発語があり、相手からブロックを受け取ることができた。<見立て>要求の方法を知らないことが背景にあると思われる。

領域4|言語・コミュニケーションの例文10本

言葉の理解と表出、代替コミュニケーション手段の使用に関する記録です。発語のない児童でも、記録できることはたくさんあります。

31おやつの場面で、職員が2種類のおやつを両手に持って提示すると、右手のせんべいを指さして選択した。指さしによる選択は本日4回あり、いずれも職員が言語化して確認した。

32「くつをはいて、げんかんにいく」の2段階指示に対し、靴を履いた時点で止まった。職員が「次は?」と問いかけると玄関へ向かった。1段階ずつの指示であれば自立して行動できる。

33絵カードを用いて「ジュース」を要求する場面が3回あった。うち2回は自らカードを職員に手渡し、1回は職員がカードを指さす促しを行った。カードの自発的手渡しは先週の1回から増加している。

34帰りの会で「今日たのしかったこと」を聞かれ、5秒ほど沈黙した。職員が「ブランコ」「ブロック」の写真2枚を提示すると、ブランコの写真を選び「ブランコ」と発語できた。

35他児に話しかける際、相手の正面ではなく背後から声をかけたため、相手が気づかない場面が2回あった。職員が「前に回って、顔を見て」と身振りを添えて伝えると、3回目は正面から声をかけ、やりとりが成立した。

36音読課題で、1文字ずつ区切って読む場面が続いた。職員が文節ごとにスラッシュを入れたプリントを提示すると、まとまりで読めるようになり、読了までの時間が前回の3分から1分40秒に短縮した。

37職員の「今日は学校でなにをした?」という質問に「うん」と応答した。職員が「体育? 図工?」と選択肢に変えて尋ねると「たいいく」と答えた。開かれた質問より、二者択一のほうが応答しやすい。

38タブレットのコミュニケーションアプリで「トイレ」を選択し、職員に画面を見せた。本日の使用は3回で、うち2回は職員の促しなしで行えた。家庭でも同じアプリを使用しており、母と操作方法を統一している。

39他児とのやりとりで、相手の発言を最後まで聞かずに話し始める場面が3回あった。職員が話す順番を示すバトンを導入したところ、バトンを持っているときのみ話すというルールを、活動の後半15分は守ることができた。

40けがをした際、痛みを言葉で伝えられず職員の手を引いて膝を見せた。職員が「ここが痛いんだね」と言語化し、痛みの度合いを表すフェイススケールを提示すると、真ん中の顔を指さした。表現手段として今後も使用する。

領域5|人間関係・社会性の例文10本

他者との関わり、集団参加、ルールの理解に関する記録です。トラブルが起きた日ほど、事実を淡々と書くことが求められます。

41集団ゲームで、負けた場面で床にカードを投げた。職員が本人と別室に移動し、1分ほど沈黙で待った後「くやしかったね」と伝えると、うなずいて自分でカードを拾いに戻った。ゲーム再開後の投げる行動は0回。

42順番待ちの列で、前の児童との距離が近く体が接触した。職員が床のマークを指さすと、マークの位置まで下がって待つことができた。以降、待機中の接触は0回だった。

43来所時、職員に自ら「こんにちは」とあいさつをした。自発的なあいさつは今週2回目で、いずれも同じ職員に対してだった。他の職員へのあいさつは、職員からの声かけが先行している。

44おもちゃの取り合いになり、相手の腕をつかんだ。職員がすぐに間に入り、両者を1m離して座らせた。本児には「つかむのではなく、かして、と言う」ことを伝え、相手児には別のおもちゃを提示した。双方にけがはなく、両保護者へ口頭で報告した。

45自由遊びの時間、他児3名がしている鬼ごっこを2m離れた位置から約5分間見ていた。職員が「入れて、って言ってみる?」と提案すると、職員と一緒に近づき「いれて」と伝えて参加できた。

46おやつの配膳係を担当した。人数分の皿を数えて配る役割で、6名分を誤りなく配ることができた。配り終えた後、職員に「おわった」と報告があった。役割を持つと集団に留まる時間が長くなる傾向がある。

47ルール説明の場面で、説明の途中に「知ってる」と発言し立ち歩いた。職員が本人にルールカードを読み上げる役割を依頼したところ、着席して最後まで読み、その後のゲームでもルール違反は0回だった。

48制作でのり付けができず困っていた際、自分から近くの職員に「てつだって」と伝えることができた。援助を求める発語は本日2回。以前は物を床に落として気づかせる方法が多かったが、言葉での要求が増えている。

49他児が泣いている場面で、ティッシュを持って近づき手渡した。職員が「気づいてくれてありがとう」と伝えると、笑顔でうなずいた。他児の様子に自発的に反応する場面は、今月に入り3回目。

50帰りの会で、他児の発表中に声を出す場面が4回あった。職員が本人の隣に座り、話している児童を指さして注意を向ける支援を行ったところ、後半は発声が1回に減った。次回も隣席での支援を継続する。

5領域をすべて書く必要はありません。1日の記録に5領域すべてを埋める必要はなく、そのような義務もありません。その日の活動で実際に見られた領域だけを書いてください。1か月分を見返したときに5領域が偏りなく現れているか、をモニタリングで確認すれば十分です。無理に5つ埋めようとすると、書いていないことを書くことになり、それこそが不適切な記録になります。

場面別の記録例文25【送迎・おやつ・宿題・自由遊び・トラブル・体調】

5領域別とは別に、放デイの1日でほぼ毎日発生する場面の例文を25本用意しました。日課がある程度決まっている事業所は、こちらのほうが使いやすいと思います。

送迎・来所時(3本)

5115時05分、〇〇小学校の昇降口にて担任より引き継いだ。担任より「4時間目の図工の制作で泣く場面があった」と情報提供あり。車内では窓の外を見て過ごし、発語はなかった。到着後、水分を摂ってから活動に入った。

52帰りの送迎は17時20分に自宅到着。玄関にて母へ直接引き渡した。本日の活動内容と、おやつを完食したことを口頭で伝達した。母より「昨日から鼻水が出ている」と情報提供があり、記録に残して翌日の職員へ申し送りとした。

53送迎車内で、シートベルトを自分で外そうとする動きが2回あった。職員が「着いたら外すよ」と声をかけ、手元に感覚玩具を渡したところ、以降は玩具を触って過ごし、外そうとする動きは見られなかった。次回も乗車前に玩具を渡す。

おやつ・食事(3本)

54おやつの時間、配られたクッキーを見て「これきらい」と発言し、皿を50cmほど押しやった。職員が無理に勧めず、代替のせんべいを提示したところ、せんべいは自分で食べた。アレルギーではなく食感の好みによるものと保護者から情報を得ている。

55食事中、口に入れたまま席を立つ場面が1回あった。職員が肩に手を添えて席に戻るよう促し、「飲み込んでから」と伝えると、着席して咀嚼を続けた。誤嚥の危険があるため、食事中の離席は今後も注視する。

56おやつ前、アレルギー確認表と本人の名札を職員2名で読み合わせ、乳製品を含まないおやつであることを確認したうえで提供した。喫食中および喫食後30分間、皮膚症状・呼吸状態の変化はなかった。

宿題・課題学習(3本)

5716時から宿題に取り組んだ。漢字ドリル1ページのうち、開始10分で3行目まで進んだ時点で鉛筆が止まった。職員が残りを付箋で3行ずつに区切って提示したところ、区切りごとに休憩を挟みながら、17時までに1ページを終えた。

58算数の文章題で「わからない」と2回発言した。職員が問題文の数字に丸をつけ、図に書き起こして提示すると、立式まで自分で行えた。計算そのものの誤りは0問だった。

59宿題の開始時、「今日はやらない」と発言し机に伏せた。職員が学校からの宿題プリントの量を一緒に確認し、「今日は音読だけにして、ドリルは明日にする」と本人と決めた。音読は最後まで行い、母へは家庭での残り分を連絡帳で伝えた。

自由遊び(3本)

6015時40分から16時10分まで、ブロックで1人遊びを継続した。他児の誘いに対して首を横に振る場面が1回あり、職員は無理に集団へ誘導せず、本人の遊びを近くで見守った。1人で集中する時間は本児にとって必要な時間と捉えている。

61自由遊びの時間、複数の玩具を次々に持ち出し、5分間で4種類を出したまま次に移った。職員が「これで遊ぶ? 片づける?」と2択で確認すると、1つを選び10分間継続して遊べた。

62ままごと遊びで、他児2名と役割を分担して遊ぶ場面が15分間続いた。本児は「おかあさん」の役を自ら選び、他児に「ごはんできたよ」と声をかけていた。他児との協同遊びは、今月に入って明らかに増えている。

集団活動・ソーシャルスキルトレーニング(3本)

63「順番に自己紹介をする」活動に参加した。自分の番になると声が小さく、職員が「もう1回、大きい声で言える?」と促すと2回目は他児にも聞こえる声で言えた。発表時は職員が本人の隣に立つ支援を行った。

64「断り方」をテーマにしたロールプレイに参加した。台本を読む形では「今はできない、ごめんね」と言えたが、即興のやりとりでは黙り込む場面が2回あった。次回は選べる言い方をカードで3種類提示する。

65集団活動の開始時、部屋の隅で活動を見ていた。職員が誘わずに待ったところ、開始から7分後に自ら輪に加わった。以降は最後まで参加できた。導入時に時間を保障する対応が有効だった。

不適応行動・パニックが起きた日(3本)

この場面の記録は特に慎重に

他害・自傷・パニックの記録は、後日、保護者への説明や虐待通報の調査、損害賠償の場面で読まれる可能性がある書類です。感情を表す語(暴れる、荒れる、キレる、問題行動)は使わず、時刻・行動・職員の対応・けがの有無を淡々と書いてください。行動の意味づけは、必ず「<見立て>」として分けます。

6616時12分、活動の変更を伝えた直後に大きな声を出し、椅子を床に倒した。職員Aが周囲の児童を隣室へ誘導し、職員Bが本児から1.5m離れた位置に座って待機した。約6分後に本児から「もういい」と発語があり、一緒に椅子を戻した。本児・他児ともけがはない。<見立て>予定変更が急だったことが要因の可能性がある。次回は変更を10分前に予告する。

6715時50分、他児の使っていた玩具を取ろうとし、制止した職員の腕を1回叩いた。職員は本児の手を握らず、一歩下がって「叩かない。かして、と言う」と短く伝えた。本児は5秒後に「かして」と発語し、順番を待つことができた。職員にけがはない。

6816時30分、床に座り込み、約10分間動かなかった。職員は声かけを2分に1回程度にとどめ、本児の視界に入る位置で待機した。10分後に自ら立ち上がり、帰りの準備に向かった。身体に触れる対応は行っていない。

体調不良・けが・ヒヤリハット(4本)

6916時20分、遊具から降りる際に右膝を床に打ち、擦り傷(約1cm)が生じた。流水で洗浄し、絆創膏を貼付した。出血は少量で、その後の歩行に支障はなかった。16時35分に母へ電話で報告し、17時20分の送迎時に患部を直接確認していただいた。

7015時30分、来所時に37度5分の発熱を確認した。本人から「あたまいたい」と訴えあり。静養室で休養させ、15時45分に母へ電話連絡。16時20分に母が迎えに来られ、早退となった。退所時の体温は37度8分。

7116時00分、玄関の扉が施錠されておらず、本児が1人で外に出ようとする場面があった。職員が3m手前で気づき声をかけ、本児は玄関前で停止した。外部への飛び出しには至っていない。当日中に管理者へ報告し、玄関の施錠確認を来所直後と16時の2回行うルールに変更した。

72てんかん発作の既往があるため、活動中は職員が定期的に様子を確認している。本日は発作および前兆と思われる様子はなかった。服薬は家庭で実施されており、事業所での与薬は行っていない。

欠席・早退・欠席時対応(3本)

7314時40分、母より電話にて「発熱のため本日欠席」と連絡あり。職員より家庭での様子を聞き取り、次回利用日(〇月〇日)の確認と、体調に応じた活動内容の調整について相談援助を行った。所要時間は約8分。欠席時対応加算を算定する。

7416時40分、本児より「おなかがいたい」と訴えあり。検温36度9分、嘔吐・下痢はなし。静養室で20分休養したのち、腹痛の訴えは消失した。念のため母へ送迎時に口頭で報告し、帰宅後の様子観察を依頼した。

7517時00分、家庭の都合により祖母が迎えに来られた。事前に母より電話で連絡があり、引き渡し相手を祖母とすることを確認済み。祖母の身分確認を行ったうえで引き渡した。当日の活動内容は祖母へ口頭で伝達し、詳細は連絡帳に記載した。

NG例→修正例で分かる「指摘される記録」10パターン

感想で書いた記録を事実で書き直した前後の比較を示した図

実際に運営指導や第三者評価で指摘を受けやすい記録を、10パターンにまとめました。どれも「よくある」ではなく「必ずどこかの事業所にある」レベルで頻出します。自分の事業所の記録を1週間分めくりながら読んでみてください。

パターン1|感想文になっている

NG今日も元気いっぱいで、とても楽しそうに過ごしていました。
修正自由遊びの時間、トランポリンで約15分間跳び続け、跳びながら「もういっかい」と3回発語があった。

「楽しそう」は職員の解釈です。何をどれだけしたのかに置き換えるだけで、そのまま記録になります。

パターン2|職員が何をしたか書かれていない

NG順番を待つことができなかった。
修正順番を待てず列の前に出たため、職員が床のテープを指さし「ここで待つ」と伝えた。以降、割り込みは0回だった。

支援記録は事業所が支援を提供した証拠です。児童の様子だけの記録は、極端に言えば観察日記であって、報酬の根拠になりません。

パターン3|個別支援計画と結びついていない

NG(計画の短期目標は「要求 を言葉で伝える」なのに)本日は工作をしました。楽しそうでした。
修正工作の場面で、はさみが必要になった際に自ら「かして」と職員に伝えることができた(短期目標「要求 を言葉で伝える」に対応)。

毎日すべての目標に触れる必要はありませんが、1か月の記録の中に、計画の各目標に対応する記述が1つも無い状態は指摘対象です。月末に見返して、目標ごとに何件記述があるかを数えてみてください。

パターン4|全員の記録が同じ文章になっている

NG(5人分の記録がすべて)集団活動に参加し、笑顔で過ごされました。
修正児童ごとに、参加した時間・支援した内容・反応のいずれかを必ず変える。定型文を使うなら「骨組みだけ」にして、具体部分は毎回書く。

コピペは、日付を並べて印刷すると一目で分かります。定型文を禁止する必要はありませんが、定型文の中に1文でも固有の事実を入れる運用にしてください。

パターン5|他児の実名が書かれている

NG〇〇くんと取り合いになり、〇〇くんを叩いてしまいました。
修正他児との間で玩具の取り合いが生じ、相手児の腕を1回叩いた。職員が間に入り、双方にけがはないことを確認した。

記録は保護者が閲覧できる書類です。他児の実名は第三者の個人情報にあたります。「他児」「相手児」「A児」と書き、必要なら事業所内の別記録(事故報告書)で特定できるようにします。

パターン6|断定的・評価的な表現

NGわがままで自己中心的な行動が目立つ。母の甘やかしが原因。
修正自分の要求が通らない場面で、床に座り込む行動が本日2回あった。<見立て>要求を言葉で伝える手段が限られていることが背景にある可能性がある。

人格や家庭を評価する記述は、それ自体が不適切な支援・虐待の芽として問題視されます。行動を書き、背景は「可能性」として分けてください。

パターン7|提供時間が実態と合っていない

NG(全員一律で)14:00〜17:00
修正入室15:12/退室17:24(送迎車内の時間を含むか含まないかを、事業所内で統一して運用する)

提供時間は報酬に直結します。延長支援加算や、時間区分に応じた基本報酬を算定している場合、記録上の時間と実績記録票が食い違うと返還の対象になり得ます。

パターン8|後日まとめて書いている

NG月末に1か月分をまとめて入力する。
修正当日中に入力する。難しい場合も翌開所日までに入力し、代筆・後日入力である旨を残す。

システムの更新日時は残ります。1か月分が同じ日時に作成されている記録は、まず確認されると思ってください。

パターン9|訂正の跡が消されている

NG修正テープで消して上から書き直す。
修正二重線を引き、訂正印または訂正者の署名と日付を入れる。電子記録は修正履歴が残る設定にする。

パターン10|保護者の確認が取れていない

NG記録は作っているが、保護者に見せた記録・サインが一切ない。
修正複写式の控えにサインをもらう、アプリの既読ログを保存する、月ごとにまとめて確認印をもらうなど、事業所として1つの方法に統一する。

基準では保護者の確認を受けることが求められています。方法は問われませんが、「確認を受けた事実」が残る形にしてください。

使ってはいけない言葉と言い換え表【NGワード30】

記録の質は、語彙を入れ替えるだけでかなり上がります。この表を印刷して記録用のパソコンの横に貼っておくと、新人職員の記録が2週間で変わります。

あいまい語・感想語(10語)

使わない言葉言い換え・書き方
楽しそうだった〇〇を△分間続けた/笑顔で「もういっかい」と発語があった
落ち着いていた離席が0回だった/活動中の大きな声は聞かれなかった
落ち着かない様子着席と離席を〇回繰り返した/室内を〇分間歩き回った
いつもどおり前回同様、〇〇の場面で△△ができた(前回の内容を1つ書く)
頑張っていた途中で手を止めず〇分間取り組んだ/〇問中△問を自力で解いた
元気だった検温36度5分、活動への参加あり、食欲の低下なし
少し具体的な数字(〇分・〇回・〇cm)に置き換える
時々〇回/1時間に〇回程度
ほとんど〇回中△回
問題なく過ごした〇〇の活動に最後まで参加した/体調の変化や他児とのトラブルはなかった

評価語・レッテル(10語)

使わない言葉言い換え・書き方
問題行動具体的な行動名(床に座り込む/物を投げる/他児を叩く)
暴れる・荒れる椅子を倒した/大きな声を出した(行動を1つずつ書く)
パニックを起こした〇時〇分から約〇分間、泣き続け、声かけへの応答がなかった
わがまま自分の要求が通らない場面で〇〇の行動があった
反抗的職員の指示に対し「やらない」と発言した
自己中心的他児の使用中の玩具を取ろうとする場面が〇回あった
こだわりが強い同じ順番でないと着替えを始めない場面があった(内容を特定する)
甘えている職員に手を添えられると課題を続けられた(援助の量として記述)
できない子現時点では〇〇の場面で援助を要する
母の育て方の問題(記録に書かない。必要なら「家庭の状況について相談支援専門員と情報共有した」と事実のみ)

医療・診断に踏み込む表現(5語)

使わない言葉言い換え・書き方
〇〇障害だから診断名を理由にした説明は書かない。観察された行動のみ記述する
発作を起こした〇時〇分、全身が硬直し呼びかけへの反応がない状態が約〇秒続いた(医学的判断はしない)
熱がある〇時〇分、体温〇度〇分(測定値を書く)
薬が効いていない服薬状況は保護者からの情報として記載し、効果の判断は書かない
治療・訓練する支援する/一緒に取り組む(事業所は医療機関ではありません)

身体拘束・虐待を疑われる表現(5語)

ここは書き方の問題ではなく、支援そのものの問題です

次の表現が記録に出てくる場合、言い換えて済ませてはいけません。実際にその対応をしているなら、身体拘束等適正化委員会での検討と、緊急やむを得ない場合の3要件(切迫性・非代替性・一時性)の記録が必要です。言葉だけ和らげて記録に残すのが、いちばん危険なパターンです。

記録に出てきたら要確認必要な対応
押さえつけた/抱え込んだ身体拘束にあたる可能性。3要件の判断と記録、委員会への報告
別室に入れた/鍵をかけた隔離にあたる可能性。同上
危ないので座らせ続けた行動制限にあたる可能性。環境調整で代替できないか検討
厳しく注意した/叱った何と言ったかを具体的に書く。人格を否定する言葉であれば心理的虐待
おやつを抜きにした罰としての食事制限は不適切な支援。直ちに中止し管理者へ報告

身体拘束の記録様式や、委員会・研修の運用については 身体拘束等の記録テンプレートと運用の記事 に詳しくまとめています。

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支援記録を個別支援計画・モニタリングにつなげる方法

個別支援計画から支援記録・月末のまとめ・モニタリングへつながる循環を示した図

記録が「書きっぱなし」になっている事業所は多いです。しかし本来、支援記録はモニタリングの材料です。ここが回り始めると、モニタリングの時期に頭を抱えることがなくなります。

記録・計画・モニタリングの関係

回すべきサイクル
  1. 個別支援計画で短期目標を決める(達成時期は概ね6か月以内)
  2. 日々の支援記録で、その目標に関わる場面の事実を残す
  3. 月次のまとめで、目標ごとに記録を拾い上げる(5〜10分)
  4. モニタリングで達成度を判断し、必要なら計画を変更する

月末5分でできる「目標別ひろい出し」

おすすめは、月末に1人あたり5分だけ使う方法です。

  1. 個別支援計画の短期目標を、紙の左端に縦に並べる(通常3〜5個)
  2. その月の記録を上から読み、目標に対応する記述に目標番号を振る
  3. 目標ごとに件数と、いちばん変化が見えた記録1本を書き写す

これだけで、モニタリング記録の「支援の実施状況」欄がほぼ埋まります。件数が0の目標が見つかったら、それは支援していないか、記録していないかのどちらかです。どちらであっても、月末に気づけるのは大きい。

短期目標記録件数代表的な記録達成度の判断
要求を言葉で伝える12件「かして」の自発的発語が週3回程度に増加達成に近い。次期は相手を見て伝えるへ
順番を待つ7件床のマーク提示で待機できるが、提示なしでは割り込みあり一部達成。視覚支援を継続
身支度を1人で行う2件—記録が少ない。支援場面が設定できていないため次月に改善

モニタリング記録に、そのまま転記できる書き方

日々の記録を書くときに、月末の自分に向けて1文だけ足しておくと、モニタリングが劇的に楽になります。

足す一文の例:「(短期目標1に対応。前回は職員の促しが必要だったが、本日は自発的に行えた)」
このカッコ書きが月に数本あるだけで、モニタリング時に記録を全部読み返す必要がなくなります。

個別支援計画そのものの書き方・5領域への紐づけ方は 個別支援計画の記入例と作り方【放デイ・児発】5領域対応 にまとめています。計画と記録はセットなので、あわせて読むと全体像がつかめます。

加算を算定した日に、記録へ足しておく一文【加算別】

返還が発生するのは、たいてい「支援はしていたが、記録に残っていなかった」ケースです。加算を算定する日は、通常の記録に一文だけ足すことを習慣にしてください。以下は、その一文の例です。

必ず確認してください

加算の算定要件・必要書類は報酬改定のたびに変わり、自治体(指定権者)によって求められる記録の粒度も異なります。ここに挙げるのは記録の書き方の例であり、算定可否の判断は、最新の告示・留意事項通知と、お住まいの自治体が出している運営の手引き・Q&Aで必ず確認してください。

加算記録に足す一文の例別に必要な書類
専門的支援実施加算「〇時〇分〜〇時〇分、作業療法士〇〇が専門的支援実施計画に基づき、姿勢保持を目的とした個別支援を実施した」専門的支援実施計画。個別支援計画とは別に作成する
個別サポート加算Ⅰ「ケアニーズの高い児童として、〇〇の場面で職員1名が個別に対応した」該当することの根拠(判定結果等)と個別支援計画への記載
個別サポート加算Ⅱ「〇月〇日、要保護児童対策地域協議会に出席し、情報共有を行った」関係機関との連携記録
延長支援加算「支援時間終了後の〇時〇分〜〇時〇分、延長支援として職員〇名で〇〇を実施した」個別支援計画に延長支援の必要性と内容を記載。支援前・支援後それぞれ1時間以上が原則(合算不可)
欠席時対応加算「〇時〇分、母より電話にて欠席連絡。家庭での様子を聞き取り、次回利用に向けた相談援助を約〇分行った」相談援助の内容の記録。月の算定回数に上限あり
子育てサポート加算「〇時〇分〜〇時〇分、母に対し支援場面の観察と助言を行った(内容:〇〇)」面談・助言の記録
関係機関連携加算「〇月〇日、〇〇小学校にて担任と会議を実施。参加者〇名、内容〇〇」会議録(日時・場所・参加者・内容)
家族支援加算「〇時〇分〜〇時〇分、居宅を訪問し、家庭での〇〇について相談援助を行った」相談援助の記録。個別・グループの別で単位が異なる
送迎加算「〇時〇分 〇〇小学校発、〇時〇分 事業所着(同乗職員〇名)」送迎記録(乗降時刻・経路・同乗者)
強度行動障害児支援加算「支援計画シートに基づき、〇〇の手順で支援を実施した」支援計画シート、支援手順書、実施記録

運用のコツ:記録システムに加算ごとの定型フレーズを登録しておき、算定日はそれを呼び出して具体部分だけ埋める形にすると、書き忘れがほぼゼロになります。紙の事業所なら、加算チェック欄を記録用紙の右上に作り、チェックが入った日は追記が必要、と一目で分かるようにしてください。

個別の加算の要件と記録様式は、それぞれ以下にまとめています。

運営指導でよく指摘される記録の不備7つとチェックリスト

運営指導(実地指導)で記録について確認されるのは、だいたい決まっています。指定権者によって重点は違いますが、次の7点は共通して見られます。

指摘されやすい7つ

  1. 個別支援計画と記録が対応していない——計画の目標に触れた記述が1か月に1件も無い児童がいる
  2. 記録者が特定できない——署名も入力者名もなく、誰が観察した事実か分からない
  3. 提供時間が実態と合わない——全員一律の時刻が印字され、実績記録票と食い違う
  4. 保護者の確認が残っていない——作成はしているが、確認を受けた形跡がない
  5. 事故・けがの記録が支援記録にしかない——事故報告書が作られておらず、市町村への報告もされていない
  6. 加算の裏づけ記録がない——算定しているのに、その日の記録に該当する支援の記載がない
  7. 保存されていない・取り出せない——退所児童の記録が見つからない、旧システムのデータが開けない

そのまま使える自己点検チェックリスト

年に1回、管理者・児発管でこのリストを回してください。無作為に3名分の記録を1か月分めくるだけで十分です。

#確認項目見るもの
1必須5項目(提供日・時間/児童名・記録者名/支援内容/心身の状況/伝達事項)がすべて埋まっているか支援記録
2記録の中に、職員が行った支援が主語つきで書かれているか支援記録
3個別支援計画の短期目標に対応する記述が、1か月に複数あるか計画+記録
4同じ日の児童全員の記録が、同一の文章になっていないか支援記録
5他児の実名、家庭の評価、診断名を理由にした記述が無いか支援記録
6記録の作成日時が、支援日と大きく離れていないかシステムのログ
7訂正が二重線+訂正印(または履歴)で行われているか紙/システム
8保護者の確認(サイン・既読ログ等)が残っているか控え・アプリ
9算定した加算の日に、対応する記載があるか実績記録票+記録
10けが・ヒヤリハットが、支援記録とは別に事故報告書として残っているか事故報告書
11退所した児童の記録が、5年分すぐに取り出せるか保管場所・システム
12身体拘束にあたる可能性のある記述が無いか。あれば3要件の記録があるか支援記録+委員会記録

点検のコツ:管理者が自分で書いた記録を点検しても、まず気づけません。職員同士でお互いの記録を読むのがいちばん効きます。月1回、10分だけ「記録の読み合わせ」の時間を作っている事業所は、記録の質が明らかに違います。書き方の研修より、読み合わせのほうが早く効きます。

AIで支援記録の下書きを作る手順とプロンプト全文

AIには変換だけを任せる3ステップと個人情報を入力しない注意を示した図

記録の時間を減らす手段として、生成AIを使う事業所が増えています。ただし使い方を間違えると、個人情報の漏えいと、事実でない記録の作成という二重の事故になります。ここでは、安全に使うためのルールと、実際に使えるプロンプトを全文載せます。

使う前に事業所で決める3つのこと

この3つが決まっていないうちは使わないでください
  1. 個人が特定できる情報は入力しない。氏名は「A児」、学校名・地名・生年月日・病名は入力しない。イニシャルも避けます(クラスに1人しかいない場合、十分に特定できます)。
  2. 入力内容が学習に使われない設定にする。法人契約のプランや、履歴を学習に使わない設定を選びます。無料版の個人アカウントを職員が各自で使う運用は避けてください。
  3. AIが作った文章は必ず職員が確認してから記録にする。AIは入力していない事実を補って書きます。確認せずに保存した時点で、それは虚偽の記録になり得ます。

手順は3ステップだけ

  1. 支援中に箇条書きのメモを取る(スマホやメモ用紙に5〜10語で十分)
  2. そのメモをAIに渡し、記録文の形に整えてもらう
  3. 職員が事実と違う部分を消し、数字を実際の値に直す

ポイントは、AIに「考えさせない」ことです。職員が見た事実を、文章の形に変換させるだけに用途を絞ると、事故が起きにくく、時間短縮の効果も大きくなります。

プロンプト1|箇条メモを記録文に変換する(基本形)

あなたは放課後等デイサービスの支援記録を整える補助をします。以下のルールを必ず守ってください。

【ルール】
- 私が渡したメモに書かれていない事実を、絶対に足さないこと
- 「楽しそう」「落ち着いていた」「頑張っていた」などの感想語・評価語は使わないこと
- 「事実 → 職員の支援 → 本人の反応 → 次回の申し送り」の順で、150字程度の1段落にすること
- 職員が行った支援を必ず主語つきで書くこと(例:職員が〜した)
- 推測が必要な箇所は、文末に「<見立て>〜の可能性がある」と分けて書くこと
- 児童の呼称は「本児」とすること
- メモに数字がない場合は、数字を創作せず「〇分」「〇回」と空欄で出すこと

【メモ】
(ここに箇条書きを貼る)

入力例:「宿題/開始10分やらない/付箋で3行ずつ区切った/1枚目終わった/次も区切る」
このレベルのメモで、記録文の形にはきちんと整います。

プロンプト2|書いた記録をチェックさせる

以下は放課後等デイサービスの支援記録の下書きです。次の観点で問題がある箇所だけを指摘してください。修正案は箇条書きで、理由を1行添えてください。文章全体を書き直す必要はありません。

【チェック観点】
1. 感想語・評価語(楽しそう、落ち着いていた、頑張っていた、問題行動 など)が使われていないか
2. 職員が行った支援が書かれているか
3. 事実と推測が混ざっていないか
4. 他児が特定できる書き方になっていないか
5. 診断名や家庭を理由にした説明になっていないか
6. 回数・時間などの具体的な数字が1つ以上入っているか

【下書き】
(ここに記録を貼る)

プロンプト3|5領域のどれに当たるか整理させる

以下は、ある児童の1か月分の支援記録の要約です。それぞれが児童発達支援・放課後等デイサービスの5領域(健康・生活/運動・感覚/認知・行動/言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)のどれに関係するかを分類し、表にしてください。

- 1件が複数領域にまたがる場合は、主たる領域1つと副次的な領域を分けて示すこと
- 記録が少ない領域があれば、最後に「記録が少ない領域」として挙げること
- 記録に書かれていない支援内容を推測して足さないこと

【記録の要約】
(ここに箇条書きで貼る)

これは月末のモニタリング準備に使うと効果が大きいプロンプトです。記録が偏っている領域が一目で分かります。

プロンプト4|モニタリング記録の下書きを作る

以下の情報から、モニタリング記録の「支援の実施状況」と「目標の達成度」の欄の下書きを作ってください。

【ルール】
- 渡した記録に書かれている事実のみを根拠にすること
- 目標ごとに「実施した支援」「本人の変化」「達成度(達成/一部達成/未達)」の3点を書くこと
- 達成度の判断が記録から読み取れない目標は「記録からは判断できない」と明記すること
- 保護者や本人の発言は、記録にあるもののみ引用すること

【短期目標】
(計画から転記)
【今期の記録の要約】
(箇条書きで貼る)

AIが書いた記録を保存する前のチェック5項目

保存前に必ず目視で確認する
  1. 書いていない事実が混ざっていないか(AIがいちばんやること)
  2. 数字が実際の値か(「約10分」が勝手に入っていないか)
  3. 他児が特定できる表現になっていないか
  4. 文体が事業所の他の記録と揃っているか(丁寧すぎる文体は浮きます)
  5. その日の自分の記憶と一致するか——これが最後の砦です
やってはいけない使い方

「今日の放デイの記録を、それっぽく5人分作って」——これは記録の作成ではなく作文です。実際に起きていない支援を記録として保存した場合、報酬の返還だけでなく、不正請求として扱われる可能性があります。AIに渡していいのは、あくまで職員が実際に見た事実のメモだけです。

記録の時間を半分にする現場の工夫7つ

記録が終わらない原因は、書く速度ではなく思い出す時間です。18時に「今日の〇〇くんは何をしていたっけ」と思い出すところに、いちばん時間が溶けています。ここを潰す工夫を7つ挙げます。

  1. その場で5語メモを取る。「宿題/10分止まる/付箋/1枚できた」で十分です。清書は後でまとめてやります。思い出す時間がゼロになるので、これだけで体感半分になります。
  2. 記録の担当を分ける。活動を回す職員と、記録メモを取る職員を時間で交代させます。全員が全員分を書く運用をやめるだけで、残業が減ります。
  3. 定型文は骨組みだけにする。「〇〇の場面で、△△があったため、職員が□□した。その後、◇◇できた。」という穴埋め型を用意します。文章まるごとの定型文は、コピペ記録の原因になるので作らないこと。
  4. 音声で下書きする。送迎車から戻る間や、片づけをしながら音声入力で吹き込み、あとで整えます。手が塞がっている時間を記録の時間に変えられます。
  5. その日のうちに入力する。翌日に回すと、思い出す時間が倍になります。「今日の分は今日」がいちばんの時短です。
  6. 写真を1日3枚だけ撮る。活動の様子を撮っておくと、記録を書くときの手がかりになります(掲載・共有の同意範囲は必ず確認)。
  7. 月1回、記録の読み合わせをする。10分で構いません。書き方が揃うと、後から読む側の時間も減ります。

それでも終わらないなら、原因は記録ではありません。職員数に対して業務量が多すぎる、児発管が計画作成と現場を1人で抱えている、といった構造の問題であることがほとんどです。記録の書き方だけで解決しようとすると、職員が疲弊します。管理者は、記録が終わらない状態を「職員の努力不足」として扱わないでください。

療育記録・支援記録のよくある質問

Q. 支援記録は毎回、全員分を書かなければいけませんか。

A. はい。支援を提供した日は、児童ごとに記録が必要です。事業所全体の日誌とは別に、個別の記録を作成してください。ただし「全員分を長文で書く」必要はありません。必須5項目が押さえられていれば、3〜4行でも記録として成立します。

Q. 特に何もなかった日は、何を書けばいいですか。

A. 「何もなかった」ということは、ほぼありません。予定どおりできたことを書いてください。「16時からの集団活動に最後まで参加し、離席は0回だった」は立派な記録です。0回・なし、という記述も事実の記録です。

Q. 手書きとパソコン、どちらでも問題ありませんか。

A. どちらでも構いません。法定様式もありません。重要なのは、必須項目が入っていること、保護者の確認が取れること、5年間保存できることの3点です。ただし手書きの場合は、訂正方法(二重線+訂正印)を事業所内で統一しておいてください。

Q. 記録に保護者の押印は必要ですか。

A. 押印を一律に求める運用は、行政手続の押印見直しにより縮小しています。基準が求めているのは「保護者の確認を受けること」であり、押印そのものではありません。署名、アプリの確認ログなど、確認した事実が残る方法であれば差し支えありません。ただし取扱いは自治体によって異なるため、指定権者の手引きを確認してください。

Q. 記録を保護者から見せてほしいと言われました。開示しなければいけませんか。

A. 支援記録は保護者の確認を前提とした書類なので、基本的には開示する方向で考えます。ただし他児の情報が含まれる部分は、その部分を除いて開示します。開示請求への対応手順(誰が判断し、いつまでに、どの範囲を)を、事前に事業所のルールとして決めておくことを強く勧めます。

Q. 記録に5領域を書かないと減算になりますか。

A. 記録に5領域を明記しないこと自体が直ちに減算になるわけではありません。義務づけられているのは、個別支援計画に5領域との関連を記載し、それに基づく総合的な支援を提供することです。ただし、提供した支援を記録で説明できないと、計画どおりの支援の実施が確認できないと判断される可能性はあります。

Q. 連絡帳アプリの記録だけで、支援記録の代わりになりますか。

A. 必須5項目が入り、事業所側に記録が残り、保護者の確認ログが取れるのであれば、兼用は可能です。ただし多くの連絡帳アプリは提供時間や記録者名の欄がないため、そのままでは足りないことが多いです。導入前に、必須項目が入力できるかを必ず確認してください。

Q. けがをしたとき、支援記録に書けば事故報告書は不要ですか。

A. 別に必要です。事故報告については、市町村への報告基準が自治体ごとに定められています(受診の有無などで基準が分かれることが多い)。支援記録には経過を、事故報告書には原因分析と再発防止策を書きます。役割が違う書類だと考えてください。

Q. 記録の書き方について、職員によって差が大きいのですが。

A. 研修より読み合わせが効きます。良い記録を1本選んで全員で読み、どこが良いのかを言語化するだけで揃っていきます。あわせて、この記事のNGワード表を印刷して記録用パソコンの横に貼ってください。

Q. 発達や医療的な判断を、記録に書いてもいいですか。

A. 書かないでください。診断・治療に関する判断は医師の領域です。事業所の記録には観察した事実を書き、必要に応じて「主治医より〇〇との情報提供があった」と出典つきで記載します。健康や発達について気になる点があるときは、必ず主治医や専門機関に相談することを保護者に案内してください。

記録・研修・人手の負担を減らす3つの選択肢【PR】

【PR】この章には、記録業務・研修・採用の負担を減らすサービスの紹介(アフィリエイト広告)が含まれます。

ここまで書き方の話をしてきましたが、正直なところ、記録が終わらない原因の大半は職員の書く技術ではなく、時間と人手です。書き方を整えたうえで、それでも足りない部分を埋める手段を3つだけ挙げます。

1|記録の下書きを音声で作る:Notta(AI文字起こし)

送迎車から戻る道中や、片づけをしながら「今日の〇〇くんは宿題で10分止まって、付箋で区切ったら1枚できた」と吹き込んでおけば、テキストになって残ります。あとは前述のプロンプトで記録文に整えるだけです。思い出す時間がゼロになるのが、いちばん効きます。

  • 職員会議・担当者会議・保護者面談の記録にも使える
  • 個人が特定できる情報を扱うため、事業所として利用ルールを決めてから導入すること

Notta(AI文字起こし)の詳細を見る

2|記録の書き方を全職員に揃える:はぐくも(法人向けeラーニング)

記録の質のばらつきは、個人の力量ではなく教える機会がないことが原因です。虐待防止・身体拘束・感染症・BCPといった義務化研修と、記録や支援の基礎をあわせてオンラインで受講できる形にしておくと、新人が入るたびに管理者が同じ説明をする必要がなくなります。受講履歴が残るので、運営指導の研修記録としても使えます。

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3|記録に追われて消耗している児発管・管理者へ:レバウェル介護

これは書き方の話ではありません。1人の児発管が計画作成・記録の点検・現場・送迎・保護者対応をすべて抱えている状態は、どんなに工夫しても終わりません。それは個人の能力の問題ではなく、事業所の体制の問題です。

同じ資格で、同じ地域でも、記録の時間が勤務時間内に確保されている事業所は普通にあります。今すぐ辞める必要はありませんが、自分の条件が相場からどれくらい離れているかを知っておくのは、消耗し切る前にやっておいたほうがいい作業です。登録だけなら無料で、求人票の見方まで相談できます。

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まとめ|明日から変えるのは、この3つだけでいい

長い記事になったので、明日から実際に変えることを3つに絞ります。

明日からやること
  1. 記録に「職員が〇〇した」という一文を必ず入れる。これだけで、支援を提供した証拠になる記録に変わります。運営指導でいちばん見られるのもここです。
  2. 数字を1つ入れる。「〇分」「〇回」のどちらかで構いません。あいまい語が自然に消えます。
  3. その場で5語メモを取る。記録が終わらない原因は書く速度ではなく、思い出す時間です。

そのうえで、この記事のNGワード30語の言い換え表を印刷して記録用のパソコンの横に貼ってください。研修を1回やるより、貼り紙のほうが確実に効きます。そして月に1回、10分でいいので職員同士で記録を読み合わせてください。書き方は、教えるより読み合ったほうが早く揃います。

記録は、監査のために書くものではありません。次にその子と関わる職員が、同じ支援を再現できるようにするための引き継ぎです。そう考えると、何を書けばいいかは自然に決まってきます。

この記事の内容は一般的な運用の考え方をまとめたものです。加算の算定要件、記録の保存期間、事故報告の基準、押印の取扱いなどは報酬改定や自治体(指定権者)によって異なります。実際の運用にあたっては、最新の告示・留意事項通知と、お住まいの自治体が公表している運営の手引きを必ず確認してください。

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室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
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