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福祉ニュース
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障害者雇用の「加齢問題」、回答企業の62%に事例(10/27雇用福祉横断検討会)、10月29日の福祉ニュース

福祉ニュース 2026年10月29日 障害者雇用の加齢問題
ユイン
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10月27日、厚生労働省の第7回 障害者就労に係る雇用福祉横断検討会が開かれ、企業で働く障害のある人が年齢とともに働き続けにくくなる、いわゆる「加齢問題」について、企業164社へのアンケート結果が示されました。

翌28日の第272回 介護給付費分科会では、住宅型有料老人ホームを特定施設(介護付き)へ移しやすくするための対応案も出ています。あわせて、鳥取県が進める認知症の人向けの「スローショッピング」も取り上げます。

3件とも、行き着く先は企業を離れた人を受け止める就労継続支援、有料老人ホームの報酬の取り方、地域の店と福祉のつながり方です。

📅 2026年10月27日(火)・28日(水)🏛 第7回 障害者就労に係る雇用福祉横断検討会/第272回 社会保障審議会介護給付費分科会
今日の3件を、30秒で
ニュース いちばん大事な一行 いまの段階
①障害者雇用の加齢問題 回答した164社のうち62%が「加齢事例がある」。国は事例と制度をまとめた企業向けの参考資料を示す案 検討中
(変わり得る)
②住宅型から特定施設への移行 住宅型有料老人ホームは12,668棟。移行した事例の調査と、外部サービス利用型の加算の扱いの検討に入る案 検討中
(変わり得る)
③鳥取県のスローショッピング 10月14日に鳥取市のスーパーで体験の会。県は店側の準備に1店舗30万円まで(3分の2)の補助金を設けている 実施済み

①と②は検討会・分科会で厚生労働省が示した案の段階で、決まったことはまだありません。③は鳥取県が公表している取り組みです。

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①障害者雇用の「加齢問題」、回答企業の62%に事例。国が企業向けの参考資料を示す案(厚生労働省)

検討中企業で働き続けるのが難しくなった人が、就労継続支援A型・B型へ移る流れが、数字で出てきました。

164社のアンケートで出た数字

厚生労働省は10月27日の検討会で、全国障害者雇用事業所協会と障害者雇用企業支援協会の加盟企業に行ったアンケートの結果を出しました。実施は令和8年9月9日〜9月17日(障害者雇用企業支援協会は9月25日まで)で、回答は164社、うち128社が特例子会社です。

「加齢事例」は、障害のない従業員と比べて相当早い年齢で、意欲・能力・体力の大きな低下が見られる事例と定義されています。どの障害種別でも、おおむね45〜59歳で見られたという回答が多くなりました。

企業雇用での加齢事例(アンケート結果)
項目 結果
加齢事例がある企業 164社中102社(62%)
企業内で対策をしている 約7割(業務内容・作業工程の見直しが最多、次が配置転換)
外部の支援機関を使った 約5割
障害種別ごとの「事例がある」 身体障害 3割/知的障害 8割弱/精神障害 2割弱
最終的に離職した事例がある 身体 11社(4割弱)/知的 28社(4割弱)/精神 8社(5割)
知的障害の人が福祉へ移った先 就労継続支援B型 17社、A型 7社、就労移行支援 1社、作業所 1社

割合は資料の書き方のまま。障害種別ごとの割合は、その障害のある人を雇っている企業の中での割合。出典:第7回 障害者就労に係る雇用福祉横断検討会(令和8年10月27日)資料1 p.4〜13

国に期待することとして一番多かったのは「対応事例を国から示すこと」でした。これを受けて厚生労働省は、①実際の加齢事例、②企業が取った対策、③障害者就業・生活支援センターなど第三者機関を使った事例、④本人の意向を踏まえて福祉に移った事例と、相談機関・助成制度・福祉サービスをまとめた企業向けの参考資料を示す案を出しました。

同じ日には、うつなどで休職した人が復職のために就労系の障害福祉サービスを一時的に使える仕組み(令和6年4月施行)も議題になりました。利用期間は企業が定める休職期間の終わりまでで、上限は2年です。

企業から福祉へ移る人を、受ける側はどう迎えるか

個人的に目が止まったのは、知的障害の人で「加齢事例がある」と答えた企業が8割弱という数字です。B型の対象には、もともと「企業などで働いた経験があり、年齢や体力の面で雇用されることが難しくなった人」が入っています。企業から移ってくる人は、これから増える前提で考えておいた方がよさそうです。

対応が難しかったケースには「本人と親の意見の食い違い」「親がいない場合の意思決定」が何度も出てきます。受け入れる事業所の側も、企業・家族・支援機関と一緒に話す場に早めに入れるかどうかで、移ったあとの支援の組み立てが変わります。

B型の新規利用の入口を市町村がチェックリストで確かめる案は、10月20日の障害者部会で出たB型の利用申請の見直しにまとめています。「就労経験」の扱いがどうなるかは、今回の加齢問題とつながる点です。

②住宅型有料老人ホームから特定施設への移行、事例調査と外部サービス利用型の加算の検討に入る案(厚生労働省)

検討中中重度の人を多く受け入れる住宅型ホームに、介護付き(特定施設)へ移ってもらうための下準備の案です。

住宅型12,668棟と、特定施設4,559棟

厚生労働省は10月28日の介護給付費分科会で、特定施設入居者生活介護の論点の2つ目として、住宅型有料老人ホームからの移行促進を挙げました。介護保険部会の意見では、入居者に必要な介護が特定施設と変わらない場合や、中重度の人を一定数以上受け入れる場合に、移行を促す必要があるとされています。

有料老人ホームの数(令和6年6月30日時点)
類型 施設数 定員数
有料老人ホーム全体 25,198棟 951,236名
「住宅型」有料老人ホーム 12,668棟 392,346名
「介護付き」有料老人ホーム(特定施設) 4,559棟 280,801名

サ高住の登録を受けているものは含まない。全体には健康型(19棟・542名)を含む。出典:第272回 介護給付費分科会(令和8年10月28日)資料1 p.34(厚生労働省調べ)

移行の利点として資料が挙げたのは、包括報酬で経営が安定しやすいこと、看取りなど住宅型ですでにしている取り組みが特定施設では加算で評価されることです。住宅型ホームの5割以上が看取り介護をしています。一方で、出来高の外付けサービスより収益が減るおそれ、人員配置基準を満たしにくいこと、建物が特定施設を前提にしていないことも、課題として書かれています。

移行促進の対応案(資料の書き方を短くしたもの)
対応案 中身
事例の調査と周知 住宅型から特定施設に移った事例や、移行を考えている事業者の関心事を詳しく調べ、好事例も含めて事業者と自治体に知らせる
外部サービス利用型 一般型より取れる加算が限られている外部サービス利用型について、質の向上の取り組みを把握し、取れない加算の扱いを検討していく

出典:第272回 介護給付費分科会(令和8年10月28日)資料1 p.19〜21

移るかどうかは、加算の線引きしだい

今回の案はまだ「調べる」「把握する」の段階で、報酬の数字は出ていません。ただ、外部サービス利用型の加算をどこまで一般型に近づけるかが、人を集めきれないホームが移るかどうかの分かれ目になりそうです。

同じ分科会の地域区分や特定施設の排泄支援の案は10月28日の福祉ニュースに、有料老人ホームの登録制の流れは10月12日の福祉ニュースにまとめています。登録制で外からの目が入り、そのうえで特定施設への移行を促す、という順番で議論が進んでいます。

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③鳥取県のスローショッピング、10月14日に鳥取市のスーパーで体験。店側の準備に1店舗30万円までの補助(鳥取県)

実施済み認知症の人が自分のペースで買い物できる店を、県が補助金つきで増やそうとしている取り組みです。

本人ミーティングで、買い物を体験

鳥取県によると、10月14日(水)14時〜15時30分、鳥取市宮長のマルイ宮長店を集合場所に「認知症本人ミーティング(東部)」が開かれ、スローショッピングを体験して買い物について話し合いました。参加費は無料、問い合わせ先は鳥取市中央包括支援センターです。

県のいうスローショッピングは、専用レジ(時間帯を決めて専用にする場合も含む)、「ゆっくりでいいですよ」といった声かけ、買い物しやすい売り場づくりなどで、認知症や認知機能が下がった人がゆっくり買い物できるようにする取り組みです。県は令和6年7月、令和7年4月・5月に実証実験もしています。

鳥取県スローショッピング実施事業補助金(令和7年度)
項目 内容
対象 鳥取県内に店舗がある事業者
対象になる事業 店内案内図などの掲示物、対応する店員の腕章・バッジ、利用を広げる周知活動など
補助額 上限 1店舗あたり300千円(補助率:対象経費の3分の2)
申請期限 令和8年2月27日(金)(令和7年度分・受付は終了)

出典:鳥取県「鳥取県スローショッピング実施事業補助金」ページ(長寿社会課)

真似できるのは「店と包括がいっしょに企画する」形

今回の会は、地域包括支援センターが窓口になり、地元のスーパーが場所を出す形でした。補助の対象も掲示物や腕章といった小さな準備で、大きな改装はいりません。

鳥取県以外では同じ補助金はありませんが、本人ミーティングや認知症カフェの外出先として近所の店に声をかける、というところまでは、どこの地域の事業所でも始められます。

今日のまとめ

3件とも「今いる場所で続けられなくなったとき、次の場所へどうつなぐか」の話でした。企業から福祉へ、住宅型ホームから特定施設へ、そして認知症になっても地域の店へ。①と②はまだ国が調べ、案を出した段階で、年末に向けて中身が詰められます。

次に見ておきたい日程です。

  • 10月30日(金)10:00〜12:00……第67回 障害福祉報酬改定検討チーム(自立訓練、自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援、地域生活支援拠点等、共同生活援助、強度行動障害の状態にある者等への支援)
  • 11月2日(月)16:30〜18:30……社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会(第5回)
  • 11月4日(水)16:00〜18:00……こども家庭庁 児童厚生施設及び放課後児童クラブに関する専門委員会(第8回)
  • 11月5日(木)18:00〜20:00……こども家庭庁 保育士養成課程等検討会(第6回)(自治体ヒアリング、保育士等キャリアアップ研修等)

参考にした一次情報

①加齢問題への対応(企業向け参考資料の作成)と②住宅型有料老人ホームから特定施設への移行促進は、いずれも検討会・分科会で示された案の段階で、資料にも今後の議論で変わり得ると明記されています。最終的な取り扱いは公表資料でご確認ください。

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室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
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