【サビ管解説】短期入所(ショートステイ)の仕事と給料は?夜勤手当の真実と看護師不在のリアル
「夜勤があるから稼げるんでしょ?」「夜は寝ているだけで楽じゃない?」
もし周りからそんな風に言われたり、自分でも「今の給料、割に合わないな」と感じているなら、一度立ち止まってこの記事を読んでみてください。
私は独身時代、区分6の最重度の方が集まる現場で、夜通し気を抜けない夜勤を何度もこなしてきました。現在はサービス管理責任者として、そして6人家族を支えるパパとして、福祉業界の給与事情をシビアに見つめています。
- 厚労省のデータに基づいた本当の夜勤手当の平均額がわかります
- 自分の給与が適正か、転職を考えるべき基準が明確になります
- 看護師不在の夜間を乗り切るためのサビ管直伝のノウハウを公開します
- 家族を守りながら年収を上げるためのキャリア戦略が見えてきます
結論から言うと、ショートステイの夜勤手当は1回平均6,000円前後です。これより低い環境で「仕方ない」と諦めてはいませんか?
【結論】ショートステイの夜勤手当の「平均」はいくら?
公的データから見る全国の夜勤手当の相場
今の自分の手当って、周りの施設と比べてどうなんだろう。
夜勤明けの気だるい体で給与明細を眺めながら、ふとそんな疑問を持ったことはありませんか。まずは、推測や誰かの噂話ではなく、客観的なデータに基づいた全国的な相場をズバリお伝えします。
【結論】障害福祉施設の夜勤手当(2交替制)の平均は
1回あたり約6,000円〜7,000円です。
日本医療労働組合連合会(医労連)が定期的に発表している介護施設夜勤実態調査や、厚生労働省の処遇状況等調査のデータを総合的に見ると、正規職員の夜勤手当の平均はこの金額に落ち着きます。
もしあなたの手当が1回3,000円や4,000円台だとしたら、それは全国平均よりもかなり低い水準で、心身を削って夜の安全を守っていることになります。
サビ管としてのリアルな実体験
私自身、独身時代に区分6の最重度の方がメインの生活介護・ショートステイ併設施設で、毎月のように夜勤に入っていました。当時の手当はまさに平均値ドンピシャの1回6,000円。月に5回入るシフトだったので、夜勤手当だけで月額30,000円のプラスでした。
独身だった私にとってこの3万円はありがたいお小遣いでしたが、現在6人家族の父親となった視点から振り返ると、手取り20万円台のなかでのプラス3万円は、まさに家族の食費や習い事の月謝を支える命綱になると痛感します。夜勤は決して楽な仕事ではありません。だからこそ、平均水準の手当をしっかり受け取れる環境に身を置くことが、愛する家族を守るための絶対条件になるんです。
夜勤専従バイトと常勤(サビ管・支援員)の給与の違い
夜勤手当の話をすると、現場の若いスタッフからもよくこんな声を聞きます。
「サビ管さん、それなら1回2万円以上もらえる夜勤専従のバイトをやった方が手っ取り早く稼げませんか?」
確かに求人サイトには魅力的な数字が並んでいますよね。気持ちは痛いほど分かります。しかし、現場のいち支援員からサービス管理責任者へとキャリアを這い上がってきた私の経験から、どうしてもお伝えしたい真実があります。
家族の将来と生活の安定を第一に考えるなら、目先の高い日給に飛びつくのではなく、常勤での働き方を選ぶことに圧倒的なメリットがあるんです。
その理由を、給与とキャリアの2つの側面から深掘りしてみましょう。
理由①:賞与(ボーナス)の有無による年収の逆転現象
夜勤専従の非常勤は日給こそ高いですが、基本的にはまとまったボーナスが支給されません。仮に1回2万円の夜勤に限界ギリギリの月10回入って20万円を稼いだとしても、年収は240万円前後で頭打ちになります。
一方で常勤は、月々の基本給に手当が乗るだけでなく、年2回から3回分の賞与が加算されます。結果として、年収ベースで見ると常勤の方が50万円から100万円近く上回るケースがほとんどなのです。
理由②:サビ管や管理者へのキャリアパスの断絶
これが最も深刻なデメリットです。夜勤専従はずっと夜の番人としての業務に固定されるため、日中の個別支援計画の作成や、関係機関との担当者会議に関わる機会を失ってしまいます。
将来的にサービス管理責任者の資格を取得し、年収500万円以上のポジションを目指すためには、日中の総合的な支援経験と事務能力が不可欠です。夜勤だけをこなしていては、このキャリアの階段を登ることが非常に難しくなってしまいます。
私がいた現場でも、常勤職員は日中の生活介護で利用者さんの活動を支え、月に数回はショートステイの夜勤に入るという二刀流が基本でした。
| 常勤(日勤+夜勤の兼務) | 非常勤(夜勤専従バイト) |
|---|---|
|
・基本給+手当+賞与で年収が安定する ・サビ管など上位職への道が開ける ・社会的信用(住宅ローン審査等)が高い ・昼夜の切り替えで体力的な負担はある |
・1回あたりの単発収入は高い ・ボーナスがないため年収は伸び悩む ・支援計画や会議に関われずスキルが偏る ・人間関係の煩わしさは比較的少ない |
目先の日給の高さに目を奪われて、あなたの大切なキャリアを停滞させないでください。
昼夜の切り替えは体力的にもきついかもしれません。でも、常勤として現場を駆け抜け、着実にボーナスと役職を手に入れていく。これこそが、福祉業界で賢く生き残り、家族を豊かにするための現実的な最適解だと私は確信しています。
※参考:厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」、日本医療労働組合連合会「介護施設夜勤実態調査」
\\私が給与を増やした方法を載せています!!//

なぜ手当が重要なのか?ショートステイ夜勤の「過酷なリアル」
「夜勤って、利用者が寝たら終わり?」 いいえ、重度の方が多い施設では、夜こそが専門性の見せ所です。ただし、やっていいことと悪いことが明確に決まっています。
一日の流れ(夜勤編:16:00〜翌10:00)
| 時間 | 業務内容 | 現場のリアル(ここがポイント) |
|---|---|---|
| 16:00 | 出勤・申し送り | 日中の様子(興奮していたか、便は出たか等)を確認。これが夜の穏やかさを左右します。 |
| 17:00 | 入浴・夕食介助 | お風呂や食事の介助。誤嚥(ごえん)リスクがある方にはつきっきりで対応します。 |
| 19:00 | 就寝準備・服薬 | 【要注意】 薬の管理は超重要。飲み間違いは事故に直結します。 |
| 21:00 | 消灯・巡視開始 | ここからが本番。1時間おき(重度の方はもっと頻繁)に呼吸確認や体位変換を行います。 |
| 深夜 | 緊急対応・事務 | 眠れない方の話し相手になったり、排泄介助を行ったり。空いた時間で記録を書きます。 |
| 6:00 | 起床・整容 | 起こして着替えなどの介助。寝起きの機嫌が悪い方もいるので慎重に。 |
| 9:00 | 送り出し | 日中活動(生活介護や学校)へ送り出し、業務終了。 |
「ショートステイ=医療ケアがあるから大変」と思われがちですが、実は私がいた施設のように「看護師は日勤のみ(夜間不在)」という事業所も多くあります。
そういった施設では、安全を守るために「常時の医療ケア(吸引や経管栄養など)」が必要な方の受け入れはお断りしています。 その代わり、私たちが対峙していたのは、「医療ケアはないが、行動障害(他害・自傷・パニック)が重い方々」でした。
看護師がいない夜、たった数人の支援員でどう命を守るのか。 そのリアルな仕事内容と、現場で生き抜くためのアドバイスを解説します。
① 【受け入れ〜夕方】最大の仕事は「薬と情報の確認」
ショートステイは毎日利用者が入れ替わります。最初の数時間が勝負です。
| 業務内容 | 詳細 |
|---|---|
| 荷物・薬の確認 | ご家族から預かった荷物を確認します。特に「薬」は最重要。種類、回数、食前・食後などを職員2名でダブルチェックします。 |
| 申し送り確認 | 「最近、家でてんかん発作が増えている」「便秘気味でイライラしている」など、ご家族からの情報を頭に入れます。 |
| 入浴・食事介助 | 誤嚥(ごえん)や入浴中の事故がないよう、マンツーマンで支援します。 |
💡 【アドバイス】「薬」だけは絶対に間違えるな!
② 【夜間】看護師がいない「孤独」と「判断」
21時の消灯後、ここからが本当の戦いです。医療職がいないため、私たちの「観察眼」だけが頼りです。
| 業務内容 | 詳細 |
|---|---|
| 巡視(呼吸確認) | 1時間おき(リスクが高い方は15分〜30分おき)に居室を回り、呼吸状態や顔色を確認します。 |
| 不眠・不穏対応 | 「家に帰りたい!」とパニックになる方や、一睡もせず歩き回る方に付き添います。大声を出しても、近隣や他の利用者に迷惑がかからないよう配慮します。 |
| 排泄介助 | 夜尿がある方のオムツ交換やトイレ誘導を行います。 |
💡 【アドバイス】「なんとなく変」を見逃すな!
医療ケアができなくても、「トリアージ(緊急度の判断)」は支援員の仕事です。
- 「いつもはいびきをかくのに、今日は静かすぎる…(無呼吸?)」
- 「体が異常に熱い気がする…(発熱?)」
- 「視線が定まらず、一点を見つめている…(てんかんの前兆?)」
③ 【緊急時】行動障害(パニック)への対応
私がいた区分6メインの現場では、これが日常茶飯事でした。
| 業務内容 | 詳細 |
|---|---|
| 自傷・他害対応 | パニックになり、自分の頭を叩いたり、スタッフに噛み付こうとしたりする方を安全に制止し、クールダウン(落ち着ける場所への誘導)を行います。 |
| 環境調整 | 刺激を減らすため、照明を落としたり、静かな部屋へ誘導したりします。 |
💡 【アドバイス】「戦う」のではなく「守る」
パニックになっている利用者さんを力で押さえつけようとしてはいけません。余計に興奮させるだけです。 強度行動障害支援の鉄則は、「受容」と「安全確保」です。
- 否定しない:「帰りたかったんだね」と気持ちを受け止める。
- 距離を取る:他害が届かない距離を保ちつつ、見守る。
- 道具を使う:噛みつきがある場合は、クッションなどを盾にして自分の身を守る。
一人だけの現場は「観察力」が命
いかがでしたか? 「医療ケアがない=楽」ではありません。 むしろ、医療のプロがいない分、私たち支援員が「利用者の命の予兆」を最前線で感じ取らなければなりません。
この3つを徹底できれば、あなたはどんな重度の方の夜でも守れる、プロの支援員になれます。 大変ですが、朝を迎えてご家族にお返しする時の「無事でよかった」という安堵感は、この仕事だけの特権ですよ。
ショートステイ「夜勤」に向いている人・向いていない人の違い
「夜型人間だし、静かな夜勤は楽そうだな」 もしそんな軽い気持ちで考えているなら、少し待ってください。
私がいたような「看護師不在・重度対応」の現場では、夜勤者に求められるのは体力だけではありません。 もっと根本的な、「たった一人で命を守る覚悟」があるかどうか。
5つのチェックリストにしました。 あなたはいくつ当てはまりますか?
✅ ショートステイ適性チェックリスト
直感で答えてみてください。
【診断結果】3つ以上なら、あなたは「夜の守護神」になれる
なぜこの資質が必要なのか? 現場のリアルと絡めて解説します。
① 「指示待ち人間」はお断り(Q1)
昼間の業務なら、何かあればすぐに上司や看護師に相談できます。しかし、夜勤は違います。 目の前で利用者が嘔吐した時、パニックになった時。 看護師はいません。管理者は家です。 「誰かが決めてくれるまで待つ」のではなく、「今、この瞬間の最善」を自分で決断できる人。 この「自律心」こそが、夜勤者最強のスキルです。
② 「ビビリ」な人ほど優秀な才能(Q2)
「私、鈍感だから動じません」という人は、実は夜勤に向いていません。 医療ケアができない支援員にとって、最大の武器は「違和感センサー」です。
- 「あれ? いつものイビキが聞こえない(無呼吸?)」
- 「部屋の匂いがいつもと違う(失禁や嘔吐?)」
この「なんとなく変だ」というサインに気づけるのは、少し心配性なくらい繊細な人です。 私が現場で信頼していたのは、豪胆な人よりも「ちょっとした変化で報告してくる人」でした。
③ メンタルの強さは「鈍感力」にあり(Q3)
重度の障害がある方の夜は、予測不能です。 夜中に突然「運動会」が始まったり、排泄物を壁に塗られたり…。 いちいちショックを受けて落ち込んでいては、身が持ちません。
「うわー、派手にやったねぇ(笑)」 こうやって心の中で苦笑いしながら、テキパキと片付けられる「胆力」と「切り替えの早さ」を持つ人は、長く健康に働き続けられます。
④ 「一人の時間」を楽しめるか(Q4, Q5)
夜勤は孤独です。巡視の合間、シーンとした事務所で一人過ごす時間が長いです。 これを「寂しい」と感じるか、「誰にも邪魔されず自分のペースで仕事ができる」とポジティブに捉えられるか。 また、夜勤明けの平日休みを使って、役所に行ったり、空いているカフェに行ったりと、不規則なシフトをメリットに変えられる人は、この仕事が天職になります。
⚠️ 正直、ここが「壁」になるかも(向いていない人)
逆に、以下のようなタイプの方は、ショートステイの夜勤(特にワンオペ)は避けたほうが無難です。
向いている人
そもそも「短期入所(ショートステイ)」ってなに?

なぜ必要なの?家族を支えるレスパイトケア
ショートステイは、単なる「お泊まり場所」ではありません。私たちはここを、ご家族にとっての最後の砦であり、命綱だと考えています。
障害のある方を24時間365日支え続けるご家族の疲弊は、想像を絶するものがあります。冠婚葬祭などの急な用事はもちろんですが、それ以上に重要なのが「リフレッシュ」です。
「今夜だけは、物音を気にせずぐっすり眠りたい」
そんな切実な願いを叶え、共倒れを防ぐのがショートステイの真の目的です。
サービス管理責任者として多くのご家族と面談してきましたが、利用を決めたお母さんが「やっと肩の荷が降ろせます」と涙を流される場面に何度も立ち会ってきました。ご家族の笑顔を守ることは、利用者さん本人の安定した生活にも直結するのです。
どんな人が利用するの?現場のリアルな層
「どんな人が泊まっているの?」という疑問への答えは、施設の特性によって大きく異なります。私が独身時代から長く携わってきた現場のリアルをお伝えします。
「医療ケア」がある方だけでなく、私たちが対峙していたのは「医療ケアはないが行動障害が重い」という方々でした。中には5歳の小さなお子さんの受け入れもありました。
年齢も障害の特性もバラバラな利用者さんたちが、ひとつ屋根の下で夜を過ごす。だからこそ、現場には一瞬の油断も許されない緊張感と、それに見合うだけの専門性が求められるのです。
このように、ショートステイは「福祉の現場」のなかでも特に、家族の人生と深く関わり、利用者の安全を一身に背負う場所だと言えます。
まとめ:ショートステイの夜の安らぎを守る「黒子」になれ
ショートステイの仕事は、華やかではありません。 給料も、夜勤というハードワークの対価としては「高い!」とは言えないのが本音です。
しかし、私たちが夜通し見守ることで、ご家族は安心して眠ることができます。 そして、利用者さんが朝起きて「おはよう」とあくびをした時、「ああ、今日も無事に朝を迎えられた」という静かな達成感があります。
もしあなたが、「派手さはなくていい。誰かの当たり前の生活を、影で支える仕事がしたい」と思うなら、ショートステイは最高の職場になるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
参考文献・出典
- 厚生労働省「障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」(※平均値ではなく、基本給等の内訳を参照し分析)
- 喀痰吸引等研修について(厚生労働省)


