関係機関連携加算とは?Ⅰ〜Ⅳの単位数・算定要件と会議記録の書き方、学校・児童相談所との連携と併算定ルール【2026年10月最新】
関係機関連携加算は、放課後等デイサービスと児童発達支援で、学校・保育所や児童相談所、医療機関などと会議を開いて連携したときに算定できる加算です。区分は(Ⅰ)〜(Ⅳ)の4つで、単位数は1回につき150〜250単位です。
令和6年度の報酬改定で、それまで2区分だったものが4区分になりました。児童相談所や医療機関との連携が(Ⅲ)として加わり、個別支援計画をつくるとき以外の情報共有も(Ⅱ)として評価されるようになっています。その一方で、「電話で話しただけでは取れない」「相談支援事業所のサービス担当者会議に出ても取れない」「(Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ月にどちらか1回だけ」など、知らないと返戻や運営指導の指摘につながるルールも多い加算です。
この記事では、報酬の算定基準を定めた告示、こども家庭庁の留意事項通知、令和6年度報酬改定のQ&A(VOL.1・2・5)という国の資料をもとに、区分ごとの要件と記録の書き方を整理します。2026年10月5日の国の検討チームで示された、令和9年度改定の検討案もあわせて紹介します。
- 関係機関連携加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)の単位数と、算定回数の上限
- どの機関との連携がどの区分になるか(学校・放課後児童クラブ・児童相談所・保健センターなど)
- (Ⅰ)は「会議を開く」、(Ⅱ)(Ⅲ)は「開く・参加する」の違い
- 同じ月に取れる組み合わせ・取れない組み合わせ(個別サポート加算との関係も)
- 電話だけ、サービス担当者会議、事例検討会では算定できない理由
- 保護者の同意、会議録、個別支援計画への書き方の記入例
- 令和9年度改定の検討案(地域の居場所との連携、高校卒業後の移行支援)
- 結論 関係機関連携加算は4区分。「誰と」「何の会議か」で区分が決まる
- 関係機関連携加算とは 令和6年度改定で2区分から4区分になった
- 単位数一覧 1回いくらになるか、年間の試算
- 連携先で区分が決まる 学校・保育所は(Ⅰ)(Ⅱ)、児童相談所・医療機関は(Ⅲ)
- (Ⅰ)250単位 学校等と個別支援計画の会議を開き、計画に連携の方法を書く
- (Ⅱ)200単位 学校等と、計画づくり以外の情報共有の会議を開く・参加する
- (Ⅲ)150単位 児童相談所・こども家庭センター・医療機関・保健センターとの会議
- (Ⅳ)200単位 放デイは就職先、児発は就学先へ。1回だけ算定できる
- 併算定ルール (Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ月にどちらか1回。(Ⅲ)は別に取れる
- 算定できないケース 電話だけ、サービス担当者会議、地域の事例検討会
- 記録の書き方と記入例 同意・会議録・個別支援計画の3点をそろえる
- 運営指導で指摘されやすいポイントと、現場で難しいところ
- 令和9年度改定の検討案 地域の居場所との連携、高校卒業後の移行も評価対象に
- よくある質問
- まとめ 同意・会議・記録・計画への反映をセットで
結論 関係機関連携加算は4区分。「誰と」「何の会議か」で区分が決まる

先に全体像を表にまとめます。根拠と細かい条件は、このあとの章で区分ごとに説明します。
| (Ⅰ) | (Ⅱ) | (Ⅲ) | (Ⅳ) | |
|---|---|---|---|---|
| 単位数 | 250単位 | 200単位 | 150単位 | 200単位 |
| 上限 | 月1回 | 月1回 | 月1回 | 1回だけ |
| 連携先 | 学校・保育所など、こどもが日常的に通う施設 | 学校・保育所など、こどもが日常的に通う施設 | 児童相談所・こども家庭センター・医療機関・保健センターなど | 放デイ:就職先の企業・官公庁 児発:就学先の小学校など |
| 何をするか | 個別支援計画の作成・見直しの会議を開く | 情報共有の会議を開く・参加する | 情報共有の会議を開く・参加する | 連絡調整と相談援助。文書を渡す(会議は必須でない) |
| 主な記録 | 出席者・日時・要旨・計画に反映する内容 | 出席者・日時・要旨 | 出席者・日時・要旨 | 相手・やり取りの内容 |
出典:児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(令和6年こども家庭庁告示第3号による改正後)、同 留意事項通知
4つの区分に共通するのは、あらかじめ保護者の同意を得ることと、そのこどもについての具体的な情報共有であることです。そして(Ⅰ)〜(Ⅲ)は、会議をしたことが算定の土台になります。電話やメールのやり取りだけでは算定できません。
関係機関連携加算とは 令和6年度改定で2区分から4区分になった
関係機関連携加算は、障害のあるこどもが日々通う学校や保育所、状況によって連携が必要な児童相談所や医療機関などと、事業所が情報共有や連絡調整をしたことを評価する加算です。こどもと家族を、事業所だけでなく地域の関係機関と一緒に支えることが目的です。
令和6年度改定で変わったこと
| 令和5年度まで | 令和6年度から |
|---|---|
| (Ⅰ)200単位・月1回 学校等と個別支援計画の会議 | (Ⅰ)250単位・月1回 学校等と個別支援計画の作成・見直しの会議 |
| なし | (Ⅱ)200単位・月1回 学校等と、計画づくり以外の情報共有の会議 |
| なし | (Ⅲ)150単位・月1回 児童相談所・医療機関等との情報共有の会議 |
| (Ⅱ)200単位・1回 就学先・就職先との連絡調整 | (Ⅳ)200単位・1回 就学先・就職先との連絡調整(内容は旧(Ⅱ)と同じ) |
出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)の改定事項の概要」
名前は同じでも、令和5年度までの(Ⅱ)といまの(Ⅱ)はまったく別の内容です。古い解説記事や前年度の社内マニュアルを見ていると、ここで取り違えやすいので注意してください。いまの就学先・就職先との連絡調整は(Ⅳ)です。
また、セルフプランで複数の事業所を使っているこどもについて、事業所どうしで会議をした場合は、関係機関連携加算ではなく、同じ令和6年度に新設された事業所間連携加算の対象です。関係機関連携加算では、ほかの障害児通所支援事業所との連携は対象外とされています(留意事項通知)。
単位数一覧 1回いくらになるか、年間の試算
| 区分 | 単位数 | 上限 |
|---|---|---|
| (Ⅰ)学校等と計画の会議 | 250単位 | 月1回 |
| (Ⅱ)学校等と情報共有の会議 | 200単位 | 月1回 |
| (Ⅲ)児童相談所・医療機関等との会議 | 150単位 | 月1回 |
| (Ⅳ)就職先・就学先との連絡調整 | 200単位 | 1回 |
出典:令和6年こども家庭庁告示第3号による改正後の算定基準(児童発達支援 第1の12の2、放課後等デイサービス 第3の10の2)
1単位=10円で計算すると、(Ⅰ)は1回2,500円、(Ⅱ)は2,000円、(Ⅲ)は1,500円です。実際の1単位の単価は、事業所がある地域の区分によって変わります。
年間の試算(1単位=10円の例)
たとえば、あるこどもについて、半年ごとの個別支援計画の見直しで学校と会議を開いて(Ⅰ)を年2回、それ以外の時期に学校との情報共有の会議を年2回して(Ⅱ)を取ったとします。
試算
(Ⅰ)250単位×2回+(Ⅱ)200単位×2回=900単位
こども1人あたり年9,000円
同じ形で連携しているこどもが10人いれば、年90,000円です。
正直に言うと、手間に比べて大きな加算ではありません。日程の調整、会議の準備、1時間前後の会議、会議録の作成、計画への反映までを考えると、職員の数時間分の仕事になります。それでも算定する価値があるのは、学校での様子がわかることで支援がぶれにくくなり、計画の説得力が増し、保護者の安心にもつながるからです。加算のために会議を増やすのではなく、必要な連携をしたときに、取りこぼさず算定するという考え方が現実的です。
連携先で区分が決まる 学校・保育所は(Ⅰ)(Ⅱ)、児童相談所・医療機関は(Ⅲ)

どの区分になるかは、まず連携した相手で決まります。国の資料での分け方は次のとおりです。
| グループ | 具体的な機関 | 区分 |
|---|---|---|
| こどもが日常的に通う施設 | 保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校、高校、特別支援学校、放課後児童クラブなど | (Ⅰ)または(Ⅱ) |
| 状況によって連携が必要な機関 | 児童相談所、こども家庭センター、医療機関、保健所・保健センターなど | (Ⅲ) |
| 移行先 | 放デイ:就職予定の企業・官公庁など 児発:就学予定の小学校、義務教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部 | (Ⅳ) |
出典:留意事項通知(関係機関連携加算の取扱い)、Q&A VOL.2 問3(保健所・保健センター)
放課後児童クラブ(学童保育)も、学校と同じ「日常的に通う施設」に入っている点は見落とされがちです。学童と放デイを併用しているこどもについて、学童の支援員と会議を開いた場合も(Ⅰ)(Ⅱ)の対象になります。
(Ⅲ)の「その他の関係機関」については、Q&Aで保健所・保健センターが例に挙がっています。保健師と連携する場面が多いことが理由です。
関係機関連携加算の対象にならない相手
- ほかの放デイ・児発の事業所:関係機関連携加算の対象外(セルフプランの場合は事業所間連携加算の対象)
- 障害児相談支援事業所が開くサービス担当者会議:参加しても算定されない(Q&A VOL.1 問36。くわしくは後述)
- 就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所への移行:(Ⅳ)の就職先にならない
(Ⅰ)250単位 学校等と個別支援計画の会議を開き、計画に連携の方法を書く

(Ⅰ)は、学校や保育所などと個別支援計画の作成または見直しに関する会議を開いたときの加算です。4区分のなかでいちばん単位が高く、そのぶん求められることも多くなっています。
(Ⅰ)の要件
あらかじめ保護者の同意を得る
会議の前に、学校等と情報をやり取りすることについて保護者の同意を得ます。
学校等との間で、計画の作成・見直しの会議を開く
オンライン(テレビ電話装置等)でも開催できます。こども本人が参加する場合は、障害の特性に合わせた配慮が必要です。
会議だけでなく、日ごろから連絡調整に努める
会議の日だけ連絡を取るのではなく、日常的に学校等と連絡を取り合う体制が求められます。
計画に、学校等との連携の具体的な方法を書く
会議の結果や日々の連絡調整を踏まえて計画を作成・見直しします。連絡調整を踏まえていることが保護者にわかるように書くことが求められています。
会議の内容を記録する
出席者、開催日時、内容の要旨、計画に反映させるべき内容を記録します。
出典:留意事項通知(関係機関連携加算(Ⅰ)を算定する場合)
(Ⅰ)は「開く」会議。参加しただけでは(Ⅱ)になる
告示と留意事項通知では、(Ⅰ)は「会議を開催した場合」とだけ書かれています。(Ⅱ)(Ⅲ)のように「会議に参加し」という言葉は入っていません。学校が開くケース会議に放デイの職員が呼ばれて参加した場合は、内容が個別支援計画に関わるものでも、(Ⅱ)として考えるのが素直な読み方です。
もうひとつ大事なのは、会議の結果を個別支援計画に書き込むところまでが(Ⅰ)だという点です。会議をして会議録を残しても、計画に連携の方法が書かれていなければ、運営指導で(Ⅰ)の要件を満たしていないと見られるおそれがあります。
モニタリングで計画を見直す時期に、保護者の同意を得たうえで担任や特別支援教育コーディネーターに声をかけ、学校と事業所の都合が合う時間に会議を開きます。学校での様子と事業所での様子をすり合わせ、支援の方法をそろえ、その内容を新しい計画に書き込む、という流れが基本です。
なお、共生型の放課後等デイサービス・児童発達支援の事業所では、児童発達支援管理責任者を配置していない場合、(Ⅰ)は算定できません。
(Ⅱ)200単位 学校等と、計画づくり以外の情報共有の会議を開く・参加する
(Ⅱ)は、学校や保育所などとの間で、こどもの心身の状況や生活環境などの情報を共有するための会議を開いた、または参加したときの加算です。令和6年度に新しくできた区分です。
(Ⅱ)の要件
- あらかじめ保護者の同意を得る
- 学校等との間で情報共有の会議を開く、または参加する(オンライン可)
- 会議だけでなく、日ごろから学校等と連絡調整に努める
- 出席者、開催日時、内容の要旨を記録する
- 会議の結果を踏まえ、必要に応じて個別支援計画を見直す
出典:留意事項通知(関係機関連携加算(Ⅱ)を算定する場合)
(Ⅰ)との違いは2つです。ひとつは、事業所が開く会議だけでなく、学校が開く会議に参加した場合も対象になること。もうひとつは、計画の見直しが「必要に応じて」になっていることです。
たとえば、学期の途中で学校での行動が変わってきたときに担任と情報を共有する会議、学校の個別の支援計画の面談に放デイとして呼ばれた場合などが(Ⅱ)の典型です。ただし、障害児相談支援事業所が開くサービス担当者会議は、学校の先生が出席していても(Ⅱ)の対象になりません(後述)。
(Ⅲ)150単位 児童相談所・こども家庭センター・医療機関・保健センターとの会議
(Ⅲ)は、児童相談所、こども家庭センター、医療機関、保健所・保健センターなど(国の資料では「児童相談所等関係機関」)との間で、こどもの心身の状況や生活環境などの情報を共有するための会議を開いた、または参加したときの加算です。
(Ⅲ)の要件
- あらかじめ保護者の同意を得る
- 児童相談所等関係機関との間で情報共有の会議を開く、または参加する(オンライン可)
- 会議だけでなく、日ごろから連絡調整に努める
- 出席者、開催日時、内容の要旨を記録する
- 会議の結果を踏まえ、必要に応じて個別支援計画を見直す
出典:留意事項通知(関係機関連携加算(Ⅲ)を算定する場合)
主治医の外来に保護者と同行して支援方法を確認した、保健センターの保健師と家庭の状況を共有した、児童相談所の担当者と会議をした、といった場面が考えられます。医療機関との連携が(Ⅲ)として評価されるようになったのは令和6年度からです。
個別サポート加算(Ⅱ)を取っているこどもは注意
要保護児童・要支援児童への支援を評価する個別サポート加算(Ⅱ)を算定している場合、同じ加算で求められている児童相談所等との情報連携については、(Ⅲ)を算定しません(留意事項通知)。個別サポート加算(Ⅱ)では、児童相談所やこども家庭センターなどと6か月に1回以上、文書で情報を共有することが要件になっているため、その連携を二重に評価しないという考え方です。
個別サポート加算の要件については、個別サポート加算とは?Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの単位数・算定要件と記録の書き方で詳しく解説しています。
(Ⅳ)200単位 放デイは就職先、児発は就学先へ。1回だけ算定できる
(Ⅳ)は、こどもが次のライフステージに移るときに、移行先と連絡調整や相談援助をしたことを評価する加算です。支援を切れ目なく引き継ぐことが目的で、1回だけ算定できます。
| 放課後等デイサービス | 児童発達支援 | |
|---|---|---|
| 移行先 | 就職予定の企業・官公庁など | 就学予定の小学校、義務教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部、または就職予定の企業・官公庁など |
| 対象外 | 就職先が就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所の場合 | |
出典:令和6年こども家庭庁告示第3号による改正後の算定基準、留意事項通知
(Ⅳ)の要件
- あらかじめ保護者の同意を得る
- こどもの状態や支援方法を書いた文書を、保護者の同意を得たうえで移行先に渡す
- 移行先との連絡調整や相談援助をする(会議を開くことまでは求められていない)
- 連絡調整や相談援助をした相手とやり取りの内容を記録する
出典:留意事項通知(関係機関連携加算(Ⅳ)を算定する場合)
放デイの場合、(Ⅳ)の対象になるのは企業や官公庁などへの一般就労だけです。高校卒業後に就労継続支援や生活介護に移るこどもが多い事業所では、(Ⅳ)を算定する機会はほとんどないのが実情です。この点は令和9年度改定で見直しが検討されています(後述)。
併算定ルール (Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ月にどちらか1回。(Ⅲ)は別に取れる

同じこどもについて、同じ月に複数の区分を算定するときのルールは、留意事項通知とQ&Aで決まっています。
| 組み合わせ(同じ月) | 可否 | 理由・条件 |
|---|---|---|
| (Ⅰ)と(Ⅱ) | どちらか1回 | どちらも学校等との情報共有を評価するものだから |
| (Ⅰ)と(Ⅲ) | それぞれ1回可 | 会議の参加者が同じ場合は算定できない |
| (Ⅱ)と(Ⅲ) | それぞれ1回可 | 会議の参加者が同じ場合は算定できない |
| (Ⅲ)と個別サポート加算(Ⅱ) | 一部不可 | 個別サポート加算(Ⅱ)で求められる児童相談所等との情報連携には(Ⅲ)を算定しない |
| (Ⅰ)(Ⅱ)と個別サポート加算(Ⅲ) | 一部不可 | 個別サポート加算(Ⅲ)で求められる学校との月1回以上の情報共有には(Ⅰ)(Ⅱ)を算定しない |
出典:留意事項通知、Q&A VOL.1 問35、令和6年4月22日事務連絡「個別サポート加算(Ⅲ)の創設と取扱いについて」
「参加者が同じ場合」とは、たとえば学校との会議に医療機関の担当者も同席した場合です。この1回の会議で(Ⅱ)と(Ⅲ)を両方算定することはできません。学校との会議と、医療機関との会議を別々に行った場合は、同じ月にそれぞれ算定できます。
多機能型事業所の場合
- 放デイと児発などの多機能型事業所では、同じこどもについての関係機関連携加算は、各サービスを合わせて上限回数を数えます(改定事項の概要、Q&A VOL.5 問4)。
- 保育所等訪問支援との多機能型事業所では、(Ⅲ)と、保育所等訪問支援の関係機関連携加算は、同じ月にどちらか一方しか算定できません(告示、留意事項通知)。
一方、別々の事業所であれば、上限回数は事業所ごとに数えます(Q&A VOL.5 問4)。同じこどもが2か所の放デイを使っていれば、それぞれの事業所が自分の連携について算定できます。
算定できないケース 電話だけ、サービス担当者会議、地域の事例検討会

現場で「これは取れるのか」と迷いやすいケースについて、国のQ&Aで答えが出ているものをまとめます。
1. 電話で情報交換しただけ
(Ⅰ)〜(Ⅲ)は、会議を開く、または会議に参加して情報を連携したことを評価するものです。電話で情報交換しただけでは算定できません(Q&A VOL.1 問34)。
ただし、Q&Aは同時に「会議の機会だけでなく、日ごろからの連携体制を確保すること」を求めていて、そのために電話での情報交換も活用するよう書いています。電話は算定の根拠にはならないが、日常的な連携としては必要、という位置づけです。オンライン会議は会議として認められているので、電話とオンライン会議を混同しないようにしましょう。
2. 相談支援事業所が開くサービス担当者会議に参加した
障害児相談支援事業所が開くサービス担当者会議に参加しても、(Ⅱ)は算定されません(Q&A VOL.1 問36)。運営基準で、事業所は市町村や相談支援事業所の連絡調整にできる限り協力することになっているため、加算では評価しないという考え方です。学校の先生が同じ会議に出ていても同じです。
Q&Aは(Ⅱ)についての回答ですが、サービス担当者会議への参加を(Ⅰ)(Ⅲ)として算定する場合の扱いは、算定の前に指定権者(都道府県・市)に確認しておくと安心です。
3. 地域の課題を話し合う会議で、事例として取り上げた
個別のケースを事例にしながら、地域の課題や支援体制を話し合う会議(自立支援協議会の部会や事例検討会など)に参加した場合も算定できません(Q&A VOL.1 問34)。この加算は、対象のこどもについての具体的な情報共有や連絡調整を評価するものだからです。
4. そのほかに算定できないもの
- 保護者の同意を得ないまま学校と情報をやり取りした
- ほかの放デイ・児発の事業所との会議(事業所間連携加算の対象になる場合はある)
- (Ⅰ)を算定した月に、同じこどもについて(Ⅱ)も算定した
- 放デイで、就労継続支援B型への移行時に(Ⅳ)を算定した
記録の書き方と記入例 同意・会議録・個別支援計画の3点をそろえる

関係機関連携加算で残しておく書類は、大きく保護者の同意、会議録(連絡調整の記録)、個別支援計画の3つです。区分ごとに必要な記録項目は次のとおりです。
| 区分 | 記録する項目 | 個別支援計画 |
|---|---|---|
| (Ⅰ) | 出席者、開催日時、内容の要旨、計画に反映させるべき内容 | 連携の具体的な方法を記載して作成・見直し |
| (Ⅱ) | 出席者、開催日時、内容の要旨 | 必要に応じて見直し |
| (Ⅲ) | 出席者、開催日時、内容の要旨 | 必要に応じて見直し |
| (Ⅳ) | 連絡調整・相談援助の相手と、やり取りの内容 | (移行先に渡す文書を作成) |
出典:留意事項通知(関係機関連携加算の取扱い)
保護者の同意は、国の通知では「あらかじめ同意を得る」とされているだけで、様式までは決まっていません。ただ、口頭の同意だけだと運営指導で確認のしようがないので、書面で残しておくのが確実です。同意の範囲(どの機関と、どんな情報を共有するか)を書いておくと、あとで連携先が増えたときにも説明しやすくなります。
記入例1:保護者の同意書(例)
関係機関との情報共有についての同意書
○○(こどもの氏名)の支援をよりよいものにするため、放課後等デイサービス○○が、下記の機関と、学校や家庭での様子、支援の方法などの情報を共有し、会議を行うことに同意します。
・○○市立○○小学校(担任、特別支援教育コーディネーター)
・○○放課後児童クラブ
・○○クリニック(主治医)
共有した内容は、個別支援計画の作成・見直しと日々の支援のためにのみ使います。同意の内容は、いつでも変更・撤回できます。
令和○年○月○日 保護者氏名 ○○○○
記入例2:(Ⅰ)の会議録(例)
会議の種類
関係機関連携加算(Ⅰ) 個別支援計画の見直しに関する会議
開催日時・場所
令和○年○月○日(○)16:00〜16:50 ○○小学校 相談室(事業所側1名はオンラインで参加)
出席者
○○小学校:担任 ○○、特別支援教育コーディネーター ○○/事業所:児童発達支援管理責任者 ○○、児童指導員 ○○/保護者:母
内容の要旨
学校:2学期から、授業の切り替え時に教室を出ていくことが週2〜3回ある。予定を黒板に書くと落ち着きやすい。
事業所:活動の前に絵カードで流れを示すと、移動がスムーズになっている。苦手な音がある場面では、イヤーマフを使うと参加できることが多い。
保護者:家でも予定がわからないと不安になる。学校と事業所で伝え方をそろえてほしい。
計画に反映させる内容
・学校と事業所で、1日の予定の示し方(絵カードと文字)をそろえる
・切り替えが難しいときの声かけを「あと○分」に統一する
・学期ごとに担任と事業所で様子を共有する(連絡帳と、学期に1回の会議)
記入例3:個別支援計画への書き方(例)
支援内容(関係機関との連携)
○○小学校と連携し、1日の予定の示し方(絵カードと文字の併用)と、切り替えのときの声かけ(「あと○分」)を学校と事業所でそろえる。学校での様子は連絡帳で週1回共有し、学期に1回、担任・コーディネーターと会議を行って支援の方法を確認する。(令和○年○月○日の○○小学校との会議の内容を踏まえて設定)
最後の一文のように、どの会議を踏まえて書いた内容なのかがわかるようにしておくと、留意事項通知の「連絡調整等を踏まえていることが保護者にわかるよう留意すること」に沿った書き方になります。
(Ⅲ)(Ⅳ)の記録で気をつけること
- (Ⅲ)は、医療機関や児童相談所とどのこどもの、何の情報を共有したかがわかるようにする。病名や家庭の事情など、とくに配慮が必要な情報は、記録に書く範囲を事業所内で決めておく
- (Ⅳ)は、移行先に渡した文書の控えを残し、いつ、誰に、何を渡し、どんなやり取りをしたかを記録する
日々の支援記録の書き方は療育記録・支援記録の書き方、個別支援計画全体の書き方は個別支援計画の記入例と作り方もあわせて参考にしてください。
【PR】
会議録の下書きを早く作る:Notta(AI文字起こし)
会議録は、出席者・日時・内容の要旨・計画に反映させる内容がそろっていれば足ります。ただ、会議が終わってから思い出して書くと抜けが出ます。会議を録音して文字起こしし、要旨だけを整える形にすると、記録にかかる時間がかなり減ります。
録音する場合は、学校などの相手の機関と保護者に、事前に伝えて了承を得てください。個人情報を扱うので、事業所として利用のルールを決めてから使ってください。
運営指導で指摘されやすいポイントと、現場で難しいところ
ここまでの要件から、運営指導で確認されやすい点をまとめます。
- 保護者の同意を得た記録がない、または同意の日付が会議の日より後になっている
- 会議録に出席者や開催日時が書かれていない、内容が「情報共有した」の一言だけ
- (Ⅰ)を算定しているのに、個別支援計画に学校等との連携の方法が書かれていない
- 電話でのやり取りや、サービス担当者会議への参加で算定している
- 同じ月に(Ⅰ)と(Ⅱ)を両方算定している
- 学校と医療機関が同席した1回の会議で、(Ⅱ)と(Ⅲ)を両方算定している
- 個別サポート加算(Ⅲ)のための学校との月1回の情報共有を、(Ⅱ)としても算定している
現場で難しいところ
要件はわかっていても、実際に算定を続けるのは簡単ではありません。いちばんの壁は、学校側の時間です。先生は放課後も会議や授業準備で忙しく、放デイの職員はちょうどその時間帯に支援があります。会議の日程が合わず、結局連絡帳と電話のやり取りだけで終わってしまう、ということは珍しくありません。
また、学校によって放デイとの連携への考え方に差があり、「個人情報なので」と会議そのものを断られることもあります。保護者の同意書を先に用意し、会議の目的(支援の方法をそろえたい)をはっきり伝えると、受けてもらいやすくなります。オンラインで15〜30分だけの会議にする、学期ごとの懇談の時期に合わせる、といった工夫も現実的です。
算定できるかどうかよりも、学校との連携が支援に役立っているかが本来の目的です。会議録や計画の書き方を整えておくことは、加算のためだけでなく、職員が交代したときに支援を引き継ぐためにも役立ちます。
令和9年度改定の検討案 地域の居場所との連携、高校卒業後の移行も評価対象に

2026年10月5日の障害福祉報酬改定検討チーム(第65回)で、障害児支援の論点が示されました。関係機関連携加算については、次の2つの見直しが「検討してはどうか」という形で挙がっています。
論点9:地域の多様な活動・居場所との連携
いまの関係機関連携加算は、保育所・学校・児童相談所・医療機関などとの連携を評価していて、習い事やスポーツクラブ、こども食堂などの地域の活動・居場所との連携は評価の対象になっていません。資料では、中学生以上の障害のあるこどもの居場所として、習い事・スポーツクラブが35.1%、学習塾が21.6%あったという調査結果が示されています。
そのうえで、関係機関連携加算の評価対象に、地域の多様な活動・居場所などの地域資源との連携を加えること、その際に対象となる連携先の範囲や要件を整理することが検討課題とされています。
論点11:高校卒業後の福祉サービスへの移行
いまの(Ⅳ)は、放デイでは企業などへの就職の連絡調整だけを評価しています。資料では、高校卒業後の進路は、就労継続支援などの福祉事業所での就労が56.1%、生活介護の利用が48.2%、企業での就労が15.3%という調査結果が示されています。
これを踏まえ、次の見直しが検討されています。
- 評価の対象を、一般就労だけでなく障害福祉サービスなどへの移行まで広げる
- 支援の実態を踏まえて、評価の回数を見直す
- 学校や関係機関と連携した進路先の探し方・選び方の支援、実習や見学の調整を評価する
- 進路先とのケース会議や情報共有など、支援の引継ぎを評価する
出典:障害福祉報酬改定検討チーム 第65回(令和8年10月5日)資料「障害児支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」
いずれも決定ではなく、検討の段階です。単位数や要件は、今後の検討チームの議論と、改定の告示・通知で決まります。決まった内容が出た時点で、この記事も更新します。
よくある質問
Q. オンライン会議でも算定できますか?
A. できます。留意事項通知で、(Ⅰ)〜(Ⅲ)の会議はテレビ電話装置等を使って行えるとされています。こども本人が参加する場合は、障害の特性に合わせた配慮が必要です。電話だけのやり取りは会議にあたらないので、算定できません。
Q. 学校が開いたケース会議に参加した場合は、どの区分になりますか?
A. 学校とのこどもの情報共有のための会議であれば、(Ⅱ)として算定できます。(Ⅰ)は告示と留意事項通知で「会議を開催した場合」とされていて、「参加」は入っていません。
Q. 保護者の同意書は毎回必要ですか?
A. 国の通知では「あらかじめ保護者の同意を得る」とされていて、毎回書面を取ることまでは書かれていません。連携先と共有する情報の範囲を書いた同意書を利用開始時などに取っておき、連携先が増えたときに取り直す、という運用が考えられます。様式や頻度について指定権者の考え方がある場合は、それに合わせてください。
Q. 1回の会議で(Ⅰ)と(Ⅲ)を両方取れますか?
A. 取れません。同じ月に(Ⅰ)(Ⅱ)と(Ⅲ)をそれぞれ1回ずつ算定することはできますが、会議の参加者が同じ場合は算定できないとされています(Q&A VOL.1 問35)。学校との会議と、医療機関との会議を別々に行う必要があります。
Q. 保健センターの保健師との会議は(Ⅲ)になりますか?
A. なります。Q&A VOL.2 問3で、(Ⅲ)の「その他の関係機関」として保健所・保健センターなどが想定されると示されています。
Q. 放デイの高校3年生が就労継続支援B型に進む場合、(Ⅳ)は取れますか?
A. 取れません。就職先が就労継続支援A型・B型、就労移行支援事業所の場合は対象外です。令和9年度改定で、障害福祉サービスへの移行も評価の対象にすることが検討されています。
Q. 会議の時間に決まりはありますか?
A. 国の通知やQ&Aに、会議の時間の下限は書かれていません。ただし、そのこどもについての具体的な情報共有や連絡調整をしたことが会議録からわかる必要があります。
まとめ 同意・会議・記録・計画への反映をセットで
- 関係機関連携加算は(Ⅰ)250単位、(Ⅱ)200単位、(Ⅲ)150単位、(Ⅳ)200単位の4区分。(Ⅰ)〜(Ⅲ)は月1回、(Ⅳ)は1回だけ
- 学校・保育所・放課後児童クラブとの会議は(Ⅰ)(Ⅱ)、児童相談所・医療機関・保健センターとの会議は(Ⅲ)
- (Ⅰ)は計画の作成・見直しの会議を開き、計画に連携の方法を書くところまで。(Ⅱ)(Ⅲ)は会議を開く・参加する
- (Ⅰ)と(Ⅱ)は同じ月にどちらか1回。(Ⅲ)は別に取れるが、参加者が同じ会議では取れない
- 電話だけ、サービス担当者会議、地域の事例検討会では算定できない
- 保護者の同意、会議録(出席者・日時・要旨)、個別支援計画への反映をそろえておく
- 令和9年度改定では、地域の居場所との連携や、高校卒業後の福祉サービスへの移行を評価対象にすることが検討されている
学校や関係機関との連携は、ほかの加算の要件にも関わります。家族への相談援助は家族支援加算の記録の書き方、職員体制については児童指導員等加配加算と専門的支援体制加算の記事でまとめています。
参考資料:児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準(平成24年厚生労働省告示第122号、令和6年こども家庭庁告示第3号による改正後)/同 留意事項通知(平成24年3月30日障発0330第16号、令和6年3月29日こ支障第94号による改正後)/こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)の改定事項の概要」/令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関するQ&A VOL.1(令和6年3月29日)・VOL.2(令和6年4月12日)・VOL.5(令和6年6月6日)/令和6年4月22日事務連絡「個別サポート加算(Ⅲ)の創設と取扱いについて」/障害福祉報酬改定検討チーム 第65回(令和8年10月5日)資料。内容は2026年10月時点の情報です。算定にあたっては、指定権者(都道府県・市)の最新の案内もご確認ください。


