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強度行動障害児支援加算の記録の書き方!実地指導も怖くない文例・テンプレート完全ガイド

強度行動障害児支援加算の記録の書き方!実地指導も怖くない文例・テンプレート完全ガイド
ユイン

実地指導対策の決定版!
強度行動障害児支援加算の「正しい記録の書き方」と
そのまま使える「文例テンプレート」を完全公開します。

結論から言います。加算算定の要件を満たし、返還リスクを回避するために必要なのは「構造化された支援手順」「事実に基づく記録」の2点だけです。

しかし、多くの現場では書き方が自己流になっており、実地指導で指摘を受けるケースが後を絶ちません。
本記事では、サービス管理責任者であり「強度行動障害支援者養成研修(実践研修)」を修了した筆者が、行政が求める記録の正解を体系化しました。

この記事を読んだ後のゴール(到達点)
  • 「書くことがない日」でも、加算要件を完璧に満たす記録が書けるようになる。
  • 難解な「生物・心理・社会」の分類で、もう二度と迷わなくなる。
  • 明日からスタッフ全員が、実地指導に強い統一された記録を残せるようになる。

「記録業務の時間を減らしつつ、事業所を守りたい」。
そんな管理者の願いを叶える具体的なノウハウとテンプレートを、全てここに置いておきます。ぜひ現場のマニュアルとしてご活用ください。

Contents
  1. なぜ「記録」が命なのか?強度行動障害児支援加算の返還リスク
  2. 全ての土台はここにあり!「支援計画シート」作成完全ガイド
  3. まずは材料集め!「インテーク(情報の収集・整理)」の書き方
  4. 最重要!「3つの視点」で行動の背景を読み解く
  5. 仮説から「支援課題」を導き、具体的な「戦術」へ
  6. 【保存版】コピペで完成!場面別「支援手順書」書き方テンプレート
  7. 空欄は絶対NG!「チェック」欄の正しい判定基準
  8. 「特変なし」は卒業!書くことがない日の満点記録術
  9. 感情は捨てる!トラブル発生時の「事実記録」完全攻略
  10. 最後が肝心!「連絡事項」の活用と「修正ルール」完全ガイド
  11. まとめ:その1行が、利用者と事業所を守る「最強の盾」になる

なぜ「記録」が命なのか?強度行動障害児支援加算の返還リスク

現場で汗を流している私たちにとって、目の前のお子さんの支援が最優先であることは言うまでもありません。パニックになっているお子さんを落ち着かせ、安全を確保し、少しでも笑顔で過ごしてもらう。その瞬間の関わりこそが私たちの仕事の本質です。

しかし、あえて厳しいことを言わせてください。

「記録のない支援は、
行政において『支援していない』のと同じ」

これは私がサービス管理責任者として、そして一人の支援者として、最も痛感している現実です。

強度行動障害児支援加算は、その専門性と困難さゆえに高い報酬単価(単位数)が設定されています。それは裏を返せば、「それに見合うだけの証拠(エビデンス)を厳格に残しなさい」という国からのメッセージでもあります。

ここでは、なぜ記録がこれほどまでに重要なのか、実地指導(監査)の視点から解説します。

加算算定の根拠は「毎日の記録」にある

よくある誤解が、「判定スコア(確認票)で20点以上あるから大丈夫」という認識です。確かにスコアは入り口として必要ですが、それだけで加算が認められるわけではありません。

強度行動障害児支援加算の要件は、単に対象児を受け入れていることではなく、以下の要件を満たすことに対して支払われます。

強度行動障害支援者養成研修修了者を配置し、適切な計画に基づいた支援を行ったこと

もし実地指導で調査官にこう聞かれたら、どう答えますか?

「この日、加算を算定していますが、具体的にどのような専門的な支援を行いましたか?記録を見せてください」

この時、「記憶にはあります」「確かにやりました」という言葉は通用しません。公費(税金)を使っている以上、客観的な証拠が必要です。

⚠️ 最大の注意点:返還リスク

万が一、記録が白紙だったり、「特変なし」の一言で済まされていたりした場合、最悪のケースでは「不正請求」とみなされ、過去に遡って加算報酬の全額返還を求められるリスクがあります。数百万円単位の返還命令が出れば、事業所の存続自体が危ぶまれる事態になりかねません。

実地指導でチェックされる3つのポイント

では、実地指導において調査官は記録のどこを見ているのでしょうか?私の経験や厚労省のガイドラインに基づくと、大きく分けて以下の3点がチェックされます。

🔍 重要チェックポイント

1. 支援手順書(個別支援計画)との整合性

計画書で「パニック時はクールダウンスペースへ誘導する」と決めているのに、記録にその記述が全くなければ、「計画倒れ」と判断されます。「計画にある支援を、実際に今日やったのか」という整合性が厳しく見られます。

2. 5W1Hに基づいた具体性

「暴れていたので対応した」では不十分です。「いつ(何時何分)、どのようなきっかけで(トリガー)、どのような行動が起き(ターゲット行動)、誰がどう介入し、結果どうなったか」が書かれている必要があります。

3. 研修修了者による関わりと確認の痕跡

特に基礎研修修了者が支援を行う場合、実践研修修了者が適切に助言や確認を行っているかどうかも重要なポイントです。記録の中に「〇〇(実践研修修了者)に報告し、助言を受けた」といった記述があることで、チームとして要件を満たしている証明になります。

記録を書くことは、決して「事務作業」ではありません。

自分たちの行った質の高い支援を証明し、
事業所とスタッフを守るための「盾」なのです。

全ての土台はここにあり!「支援計画シート」作成完全ガイド

強度行動障害児支援加算において、「支援手順書 兼 記録用紙」が毎日の航海日誌だとすれば、「支援計画シート」は目的地へ向かうための「海図(設計図)」です。

実地指導では、「記録の内容が、この計画シートに基づいているか?」という整合性が厳しく問われます。

なぜ「個別支援計画書」とは別に作るのか?

「個別支援計画書があるのに、なぜ似たようなシートを作らなければならないの?」
そう思う方も多いでしょう。しかし、目的が明確に異なります。

これまでの個別支援計画

「生活能力の向上」や「社会参加」など、中長期的な目標管理がメイン。

今回の主役 強度行動障害の支援計画シート

「行動障害(パニック等)の背景要因」を分析し、今日どう支援するかという具体的戦術を決めるもの。

まずは材料集め!「インテーク(情報の収集・整理)」の書き方

支援計画シートの左端にある「情報(見たこと、聴いたこと、資料などから)」の欄。ここを空白にしたり、適当に埋めたりしていませんか?

ここは、この後に行う分析(仮説立て)の「証拠」となる最も重要な部分です。

🔍 「情報」欄に書くべき3つのソース

  • 👁️ 見たこと(観察事実):
    「毎日14時頃に落ち着きがなくなる」「特定の職員が近づくと離れる」など、誰が見ても明らかな行動の事実。
  • 👂 聴いたこと(本人・家族の言葉):
    「お母さんによると、家では入浴を嫌がるとのこと」「本人が『うるさい』と発言した」など。
  • 📄 資料(過去の記録):
    「学校時代の記録」「医療機関の診断書」「フェイスシート」などの客観的なデータ。

【超重要】アセスメントがない=指導対象です

実地指導で調査官が真っ先に見るのは、計画の中身よりも「その情報の鮮度」です。

⚠️ こんな状態は危険です!
  • 利用開始時の古い情報のまま、何年も更新されていない。
  • そもそもアセスメントシート自体が存在しない。
  • 日付が空欄になっている。

利用者の状態は日々変化します。「アセスメント→計画→実施→評価」のサイクルが回っていないと判断されれば、減算や返還の対象となり得ます。
手元にない場合は、早急に作成・再評価(モニタリング)を行ってください。

ゼロから作らなくていい!「あるもの」を活用しよう

「忙しくて一から情報収集なんてできない…」という方も安心してください。あなたの事業所には、既に情報の宝庫があるはずです。

活用すべき既存資料リスト
  • 基本情報シート(フェイスシート):家族構成、成育歴、既往歴など
  • サービス等利用計画書(案):相談支援専門員が作成したアセスメント
  • 学校や前事業所の引き継ぎ資料:個別の指導計画など

まずはこれらを転記して整理するだけでも、立派なアセスメントの第一歩です。

最重要!「3つの視点」で行動の背景を読み解く

最重要!「3つの視点」で行動の背景を読み解く

このシートの核となるのが、アセスメント(評価)欄にある「生物的」「心理的」「社会的」という3つの分類です。
ここがしっかりと埋まれば、一見理解不能な行動障害も「なるほど、だからそうしたのか」と腑に落ちるようになります。

しかし、実際に書こうとすると「これってどっちに書けばいいの?」と迷うことが必ず出てきます。
迷いをなくすための「判断基準」と「よくある間違い」を徹底解説します。

🧬
① 生物的なこと(Bio)

キーワード:「ハードウェア」「生理現象」「本人の意思で制御不可」

✅ ここに含まれるもの

  • 感覚プロファイル:「蛍光灯が眩しい(視覚過敏)」「特定の高い音が痛い(聴覚過敏)」「服のタグがチクチクする(触覚過敏)」
  • 身体・生理機能:「便秘」「空腹」「睡眠障害」「てんかん発作」「気圧の変化による頭痛」
  • 脳機能・障害特性:「視覚優位(耳より目)」「衝動性」「シングルフォーカス(一つのことしか見えない)」
  • 薬の影響:「服薬調整による眠気」「副作用によるアカシジア(じっとしていられない)」
🤔 迷ったらこう考える!

「本人が努力してもどうにもならないことか?」→ YESならここ!
例えば、眠気や痛み、聞こえすぎる耳は、気合では直せません。これらは全て「生物的要因」です。

💭
② 心理的なこと(Psycho)

キーワード:「ソフトウェア」「感情・記憶」「学習された経験」

✅ ここに含まれるもの

  • 感情の動き:「見通しがなくて不安」「失敗するのが怖い」「一番になりたい」
  • 学習歴(トラウマ):「以前ここで怒られた記憶がある」「白衣を見ると注射を思い出して怖い」
  • こだわり(安心材料):「いつもと同じ手順だと安心する」「ミニカーを並べると落ち着く」
  • 認知の癖:「人が話していると悪口を言われていると思う(被害念慮)」
🤔 迷ったらこう考える!

「過去の経験や、今の気持ちから来ているか?」→ YESならここ!
「こだわり」は脳機能(生物)とも言えますが、本人にとっては「安心したい」という気持ちの表れ(心理)として捉えた方が、支援に繋がりやすいです。

🏠
③ 社会的なこと(Social)

キーワード:「環境」「人間関係」「資源(使えるもの)」

✅ ここに含まれるもの

  • 物理的環境:「部屋が狭い」「壁が薄くて隣の音が聞こえる」「休憩スペースがない」
  • 人的環境:「家族がレスパイト(休息)を取れていない」「職員の入れ替わりが激しい」「相性の悪い利用者がいる」
  • 福祉資源:「移動支援が月10時間しか使えない」「ショートステイの空きがない」
🤔 迷ったらこう考える!

「本人以外の、外側の世界の話か?」→ YESならここ!
ここは「支援者が変えやすい(調整しやすい)」部分でもあります。

Q&A:どっちに書く?現場の「迷い」解消コーナー

Q1 「睡眠不足」はどっち?

「夜眠れていない」という事実は「生物」です。しかし、「翌日のイベントが楽しみで興奮して眠れない」なら原因は「心理」になります。

💡 結論:迷ったら「生物」に書きましょう。まずは「眠れていない体調」への配慮(昼寝を入れる等)が必要だからです。
Q2 「こだわり行動」はどっち?

自閉症の特性と考えれば「生物」ですが、それを行うことで安心を得ている機能に着目すれば「心理」です。

💡 結論:「心理」に書くのがおすすめです。「やめさせる」のではなく「安心できる儀式」として支援に組み込む発想になるからです。
Q3 どうしても分類できない時は?

厳密に分けることが目的ではありません。重要なのは「その要因が抜け落ちていないか」です。

💡 結論:分類に悩みすぎて手が止まるくらいなら、どちらかに書いてあればOK!「要因を見つける」ことがゴールです。

仮説から「支援課題」を導き、具体的な「戦術」へ

3つの視点で情報を集め、行動の背景にある理由(仮説)が見えてきたら、次は「じゃあ、何を解決すればいいの?」というターゲットを設定します。これが「支援課題」です。

ここがズレてしまうと、どれだけ立派な支援方針を立てても効果が出ません。仮説から課題を導き出すプロセスのコツを解説します。

「支援課題」は「問題行動を止めること」ではない

よくある間違いが、課題の欄に「他害をなくす」「パニックを起こさない」と書いてしまうことです。これでは、本人に対する抑圧的な支援になりかねません。

支援課題とは、「本人が困っていることを解消する(ニーズ)」あるいは「環境側が解決すべきミッション」と捉えてください。

🔄 視点の転換:「困った行動」→「支援課題」

× 悪い例(行動を止める視点)

「大声を出さないようにする」

↓ 変換
○ 良い例(ニーズの視点)

「不安な気持ちを、言葉やカードで適切に伝えられるようになる」
「安心して過ごせる静かな環境を確保する」

× 悪い例(行動を止める視点)

「脱走しない」

↓ 変換
○ 良い例(ニーズの視点)

「外出したいという欲求を、安全な方法(散歩等)で満たす」
「見通しを持って活動に参加できるよう構造化する」

どれからやる?課題の優先順位

課題がたくさん出てきた場合、全てに手をつけるのは不可能です。以下の優先順位で絞り込みましょう。

  1. 命や身体の安全に関わること(自傷・他害・飛び出し等)
  2. 本人の不快感や苦痛を取り除くこと(感覚過敏・痛み・睡眠等)
  3. 生活の質(QOL)を上げること(楽しみ・好きな活動)
  4. 社会的なスキルや参加(ルール理解など ※ここは最後でいい!)

一本の線で繋がる!完成形イメージ

ここまで揃えば、あとは「対応・方針(具体的なアクション)」を決めるだけです。
左(情報)から右(方針)まで、論理が破綻せずに繋がっているか確認しましょう。

① 理解・解釈・仮説
(なぜ起きる?)
② 支援課題
(何を目指す?)
③ 対応・方針
(具体的にどうする?→手順書へ)
音が予測できない場所(公園など)に行くと、恐怖からパニックになるのではないか?
(生物的・心理的要因)
安心できる静かな環境を確保し、外出への恐怖感を減らす
  • 散歩コースは人通りの少ない裏道(Aルート)を選択する。
  • 外出時は必ずイヤーマフを持参し、本人が望めば着用を促す。
  • 「静かな場所」カードを提示し、見通しを持たせる。

このように、「仮説(理由)」があるから「課題(ターゲット)」が決まり、そのための「方針(手段)」が決まる。この一貫性が、強度行動障害支援の質を決めます。

【保存版】コピペで完成!場面別「支援手順書」書き方テンプレート

「具体的にどう書けばいいの?」という声にお応えして、強度行動障害支援の標準フォーマット(時間・活動・手順)に沿った文例集を作成しました。

このテンプレートのポイントは、「動線(→)」「条件分岐(※)」があらかじめ組み込まれていることです。

📌 このテンプレートの使い方
  • フォーマットは標準的な「時間・活動・サービス手順」の3列です。
  • 緑色の部分は、必ず書き換えてください。
  • ※赤字の条件分岐(もし〜なら)を充実させました。このまま使うか、利用者に合わせて選んでください。

🌅 場面1:通所・受け入れ(朝のルーティン)

時間 活動 サービス手順(計画)
9:00

9:15
受け入れ
身支度
① 玄関(挨拶・靴の履き替え支援) → ② ロッカー(荷物整理 ※手順書カードを提示) → ③ 手洗い場(手洗い・うがい) → ④ 居室(連絡帳提出・バイタル測定

💡 例えばこんな時は(条件分岐)
※不穏時は無理にバイタル測定せず、視診のみ行い様子欄に記載する
※玄関で座り込んだ場合は、無理に促さず5分間待つ(タイマー提示)
※送迎車から降りない場合は、好きなキャラクターの人形を見せて誘導する

🧩 場面2:作業・日中活動(構造化の実践)

時間 活動 サービス手順(計画)
10:00

11:00
アルミ缶潰し ① 作業エリア(本人が席に着いてから課題セットを提示) → ② 実施(20個潰したら終了箱へ入れる) → ③ 片付け(空き箱を所定の位置へ) → ④ 休憩エリア(好きなお茶を提供)

💡 例えばこんな時は(条件分岐)
※集中切れ(離席)が見られたら、数に関わらず「終わり」と声をかけ終了する
※道具を投げようとした際は、直ちに活動を中断しクールダウンエリアへ誘導する
※大きな声が出始めたら、イヤーマフを着用し刺激を減らす

🚶 場面3:外出・散歩(トラブル回避)

時間 活動 サービス手順(計画)
13:30

14:30
散歩・買い物 ① 玄関(行き先カード提示・靴履き替え) → ② ○○スーパー(おやつ1個購入 ※セルフレジ使用) → ③ A公園(ブランコ10分 ※タイマーで予告) → ④ 帰所

💡 例えばこんな時は(条件分岐)
※公園に他児がいる場合は、入らずにそのままドライブ(Bコース)へ変更
※雨天時は散歩を中止し、室内でDVD鑑賞に変更
※スーパーで目的の商品がない場合は、代替品(ポテチ)を提案し、拒否があれば購入せず退店する

🍱 場面4:食事(誤嚥・他害防止)

時間 活動 サービス手順(計画)
12:00

13:00
昼食・歯磨き ① 手洗い場(石鹸使用・ペーパータオルで拭く) → ② 食堂(本人が指定席に着席してから配膳) → ③ 下膳(食器をカゴへ入れる) → ④ 洗面所(歯磨き ※仕上げ磨き実施)

💡 例えばこんな時は(条件分岐)
※食事中は刺激を避けるため職員は背後に待機し、詰め込みが見られた時のみ声掛けを行う
※食器を投げようとした際は、直ちに下膳し、落ち着いてから再提供する
※歯磨きを拒否する場合は、うがいのみ実施し様子欄に記載する

解説:「職員の立ち位置(背後)」まで書くのがポイント。食事中の視線はパニックの引き金になりやすいからです。

✨ 実地指導対策:記入の鉄則3箇条

  • 矢印(→)で繋ぐ:活動の流れが一目でわかるように書く。
  • 具体的に書く:「見守り」ではなく「背後に待機」「距離を保つ」と書く。
  • 条件分岐(※)を充実させる:ここが厚ければ厚いほど、現場の迷いが減り、専門性が評価されます。

空欄は絶対NG!「チェック」欄の正しい判定基準

たかがチェック、されどチェック。ここが空欄だと「支援放棄(ネグレクト)」を疑われます。
また、よくある勘違いが「〇(できた)の時は、様子欄は空欄でいい」という思い込みです。

チェック欄と様子欄はセットです。以下の基準で必ず両方を埋めてください。

記号 判定ルール 右側の「様子欄」に何を書く?

(またはレ点)
計画通り実施した
手順書にある支援を行い、本人が活動に参加できた場合。
【必須】本人のポジティブな反応を書く
「問題なかった」で終わらせず、支援がどう役立ったかを書きます。

記述例:
「手順書を確認し、スムーズに取り組めた」
「声掛けにより笑顔で参加された」
一部変更・短縮した
本人の状態や環境により、予定の一部を変更・短縮した場合。
【必須】変更した「理由」を書く
なぜ計画通りに行かなかったのか、その原因(事実)を書きます。

記述例:
「集中力が続かず5分で終了した」
「雨が降り始めたためコースを短縮した」
× 中止・未実施
強い拒否、体調不良などで活動自体を行わなかった場合。
【必須】中止した「理由」を書く
ここを空欄にすると「支援忘れ」になります。

記述例:
「本人の強い拒否があり、意思を尊重して中止した」
「発熱のため実施せず」

💡 Q. なぜ「〇」なのに書かないといけないの?

A. 「実施したこと(チェック)」と「どうだったか(様子)」は別物だからです。

もし様子欄が空欄だと、後で読み返した時に「ただ機械的にこなしただけなのか?」「本人は楽しんでいたのか?嫌々だったのか?」が分かりません。
強度行動障害支援において重要なのは「本人が安定して過ごせたか」という結果です。

プロの記録テクニック:
〇がついた日は、ポジティブな記録を残すチャンスです。
「落ち着いて参加できた」「笑顔が見られた」と書くことで、「私たちの支援(構造化)が本人に合っている」という成功の証明になります。

「特変なし」は卒業!書くことがない日の満点記録術

「今日はパニックもなく平和だった…書くことがない…」
そう思って「特変なし」と書いていませんか? 実はその平和こそが、あなたの支援の成果なのです。

実地指導で「何も支援していないのでは?」と疑われないための、平和な日の記録テンプレート(コピペ推奨)を公開します。

📅 パターンA:予定通りに行動できた日
こんな時に使う

スケジュールボードや手順書を見て、落ち着いて活動できた時。

「スケジュールボードを自ら確認し、見通しを持って活動に参加できた。手順書通りに準備を行い、混乱なく穏やかに過ごされた。」

💡 評価ポイント:「何も起きなかった」のではなく、「ボードや手順書(構造化)のおかげで落ち着いていた」とアピールできます。

🍃 パターンB:不穏の芽を摘んだ日(予防)
こんな時に使う

部屋が暑い、うるさい等でイライラしそうだったのを、環境調整で防いだ時。

「入室時、室温が高く表情が険しかったため、直ちに空調と遮光カーテンを調整した。不快感が取り除かれたことで、その後はリラックスして過ごせた。」

💡 評価ポイント:「落ち着いていた」理由が、職員の気付きと環境調整にあることを明記します。

🗣 パターンC:要求を伝えられた日
こんな時に使う

「休憩したい」「これ欲しい」と、自傷や他害以外の方法で伝えられた時。

「『休憩したい』とカード提示があったため、即座に要求に応じた。適切な手段で要求を伝えられたことを称賛した。」

💡 評価ポイント:「カード提示」=「行動障害を起こさずに済んだ成功体験」として記録します。

🚀 語尾を変えるだけ!プロっぽくなる言い換えリスト

いつもの言葉を少し変えるだけで、専門性がグッと上がります。

いつもの表現(△) プロの表現(◎)
見ていた 安全を確認しながら見守った
楽しそうだった 笑顔が多く見られ、情緒が安定していた
嫌がった 拒否の意思表示(発語・動作)があった

感情は捨てる!トラブル発生時の「事実記録」完全攻略

パニックや自傷・他害が起きた時、「大変だった」「怖かった」「暴れた」と日記のように書いていませんか?
その記録では、何かあった時に「スタッフの対応は適切だったのか?」を証明できず、あなた自身を守れません。

緊急時こそ、感情を排除し、事実のみを淡々と書く技術が求められます。

🛡️ 自分を守る最強フレームワーク「ABC記録」

迷ったらこの3つの箱を埋めるだけで、完璧な記録になります。

A
Antecedent(直前の状況・きっかけ) 何をしている時? どんな刺激があった?(例:活動の切り替えを伝えた直後)
B
Behavior(具体的な行動) 何をした? 強度は? 時間は?(例:自分の頭を拳で3回強く叩いた)
C
Consequence(介入と結果) スタッフはどう動いた? その後どうなった?(例:静養室へ誘導し、5分後に落ち着いた)

🚑 【ケース別】トラブル記録テンプレート(コピペ推奨)

緊急時に文章を考える余裕はありません。以下の型に当てはめて書いてください。

💥 自傷(頭打ち・噛みつき)の場合
「14:00頃、作業終了の声掛け直後(A)、突然床に座り込み、自身の頭部を床に打ち付ける自傷が出現(B)。直ちにクッションを頭の下に入れ保護し、刺激を与えないよう静観した(C)。約3分で自傷は消失し、自ら立ち上がった。」

✅ ポイント:止めたのか、保護したのか、介入方法を明確に。

✋ 他害(職員や他児へ)の場合
「他児が近くを通った際(A)、突然右腕を振り上げ叩こうとする他害企図が見られた(B)。職員が間に入り身体ブロックにて阻止(C)。他児を別室へ誘導し、安全な距離を確保した。」

✅ ポイント:誰を守ったか、どう防いだかを記録。

📢 パニック・器物破損の場合
「嫌いな音が聞こえた際(A)、大声を発し、手元の課題を投げる行動が見られた(B)。危険物は除去し、イヤーマフを手渡したところ、自ら着用し落ち着きを取り戻した(C)。」

✅ ポイント:原因(音)と対処(イヤーマフ)の因果関係を書く。

🔄 「感情語」→「事実語」変換リスト

あなたの記録を「日記」から「公文書」に変える魔法の言い換え集です。

× 暴れた
○ 手足を大きく動かした、物を投げた
× 興奮していた
○ 顔面が紅潮し、早口になった
× パニックになった
○ その場に座り込み、両耳を塞いだ
× 怖がっていた
○ 全身を震わせ、職員の後ろに隠れた
⚠️ 怪我をした時の必須記録項目

自傷や他害で身体的なダメージがあった場合、以下の3点を必ず記録に残してください。書いていないと「隠ぺい」を疑われます。

  • 身体確認の結果:「右前腕に5cmの発赤あり」「出血なし」
  • 医療処置:「看護師○○により冷却処置実施」「絆創膏を貼付」
  • 家族への連絡:「17:00 母に電話にて報告し、様子観察の指示を受ける」

最後が肝心!「連絡事項」の活用と「修正ルール」完全ガイド

記録の最後にある「連絡事項」欄と、間違えた時の「修正方法」。
ここを適当に済ませていると、実地指導で「公文書としての信頼性がない」と指摘されます。細かいですが、プロとして絶対に知っておくべきルールです。

1. 「連絡事項」は未来への手紙

ここは単なる「感想」を書くメモ帳ではありません。「明日のスタッフを助けるための引き継ぎエリア」です。

ここに書かれた情報が、翌日のサービス手順(計画)を修正する材料になります。これが「PDCAサイクルが回っている」という証拠になります。

✅ 何を書けばいい? 3つのネタ帳
重要 ① ヒヤリハット(危険予測)

事故には至らなかったけれど「危ない!」と思ったこと。

記述例:「公園の入口で青い車に反応して飛び出しそうになった。明日は駐車場付近では必ず手をつないでほしい。」
発見 ② 嗜好の変化・体調の予兆

好きなものが変わった、いつもと様子が違うなど。

記述例:「いつものポテトチップスを残した。飽きている可能性があるため、明日は別のお菓子(チョコ等)を提案してみてはどうか。」
共有 ③ 成功した対応(グッドプラクティス)

うまくいった方法は全員でシェア!

記述例:「切り替え時に『あと1分』と指で示したらスムーズだった。言葉より指の視覚提示が有効かもしれない。」

2. 知らないと犯罪扱い?「修正」の鉄の掟

記録用紙は、5年間の保存義務がある公文書(証拠書類)です。
「間違えたから消して書き直そう」という軽い気持ちで修正液を使うと、実地指導では「改ざん(隠ぺい)」を疑われます。

🚫 絶対NGな修正集(これやるとアウト)

  • 修正液・修正テープ:
    「下に何が書いてあったか」が見えない状態は、証拠隠滅とみなされます。
  • 黒塗り・ぐちゃぐちゃ消し:
    見栄えが悪いだけでなく、やはり「隠そうとした」と疑われます。
  • 消せるボールペン(フリクション等):
    これが一番危険!
    夏の車内やコピー機の熱でインクが透明になり、記録が「白紙」になってしまいます。必ず油性かゲルインクを使ってください。

⭕ 正しい修正手順(3ステップ)

間違えた内容が見える状態で、取り消すことがルールです。

1
二重線を引く
間違えた文字の上に、定規を使ってきれいに二重線を引きます。
2
訂正印を押す
二重線にかかるように、書いた本人の訂正印(小さい印鑑)を押します。「誰が修正したか」の証明です。
※印鑑がない場合はフルネームサインでも可とする自治体もありますが、印鑑推奨です。
3
正しい内容を書く
近くの余白に、正しい文字や数字を記入します。
❓ こんな時はどうする?(Q&A)

Q. 数日後に書き忘れに気づいた!

A. 決して「当時の日付」でこっそり書き足してはいけません。
余白に「※〇月〇日追記」と記入日を明記した上で、内容を書き足してください。
「後から気づいて誠実に修正した」という記録になります。

まとめ:その1行が、利用者と事業所を守る「最強の盾」になる

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。
強度行動障害児支援加算における「支援計画シート」と「記録用紙」の書き方について、現場のリアルな悩みに寄り添って解説してきました。

正直、毎日の記録は面倒かもしれません。現場が忙しいのも痛いほど分かります。
しかし、あなたが書くその記録は、単なる行政への提出書類ではありません。

この記事の重要ポイント総復習

  • 情報の鮮度:アセスメントは常に最新に。「いつの情報?」と突っ込まれないように。
  • 3つの視点:「生物・心理・社会」で分析すれば、行動の理由が見えてくる。
  • 構造化の徹底:手順は毎日コピペでOK。変わらないことが安心に繋がる。
  • 事実を書く:「楽しそう」ではなく「笑顔が見られた」。主観を捨てて事実を残す。

🚀 明日からできる!3つのアクションプラン

読み終えた今が、変わるチャンスです。まずはこの3つから始めてみませんか?

  1. アセスメントの日付チェック
    手元のファイルを見てください。日付が1年以上前なら、すぐに再評価(モニタリング)の予定を立てましょう。
  2. 「特変なし」禁止令を出す
    明日のミーティングでスタッフに伝えてください。「平和だった日は、構造化がうまくいったと書こう」と。
  3. テンプレートを共有する
    この記事の例文を印刷して、スタッフルームに貼ってください。言葉が統一されるだけで、記録の質は劇的に上がります。

「記録のための支援」ではなく、「より良い支援のための記録」へ。
あなたのペンの力で、現場は必ず変わります。応援しています!

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ABOUT ME
室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ菅
【福祉現場の「最前線」を知る専門家】

■ 実績
・国家資格:介護福祉士 / 保育士/3級FP
・資格:サービス管理責任者/実務者研修教員講習会修了
・支援経験:障害支援事業
・施設長・管理者経験:共同生活援助(グループホーム)/放課後等デイサービス
・支援歴:10 年以上。管理職は20代後半から経験。講師として実務者研修、強度行動障害研修の講師資格もあり。

■ なにができる人?
「制度が難しくて分からない」
「親なきあとのお金が心配」
そんな障害のある子を持つご家族の悩みを、「現場の裏側(サビ管)」「生活防衛(FP/大家族父)」の2つの視点で解決します。

■ 運営者の正体
4人の子供(6人家族)を養う現役の福祉職パパ。
給料が低いと言われる業界でも、「制度知識」×「家計戦略」で資産形成は可能です。

机上の空論ではない、泥臭い「生存戦略」を公開中。
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