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介護・福祉(高齢・障害)

放デイの仕事ってきついの?管理者・サビ管が教える「支援員のリアル」と「本当のやりがい」

放デイの仕事ってどんな感じ?支援員のやりがいと現実
ユイン

「放課後等デイサービスの仕事に興味があるけど、実際どんなことをするの?」 「未経験でも大丈夫?きついって聞くけど本当?」

そんな疑問をお持ちの方へ。

私は現在、管理者兼、児童発達支援管理責任者(サビ管)として現場で働いています。介護福祉士や保育士の資格も持っていますが、この業界は本当に奥が深く、そして何より「子どもの成長」というドラマに毎日立ち会える素晴らしい職場です。

今回は、「放デイ」のリアルな仕事内容、給料事情、そして現場でしか味わえない「やりがい」について、私の経験を交えて本音で解説します。これから働こうか迷っている方の背中を押せるような記事になれば嬉しいです。

1. 放課後等デイサービス(放デイ)とは?ただの「預かり」ではありません

放課後等デイサービス(放デイ)は、障害のある就学児(小学生〜高校生)が、学校の授業終了後や長期休暇中に通う福祉サービスです。

よく「障害児の学童保育」と表現されますが、実はそれだけではありません。 厚生労働省のガイドラインでは、放デイには大きく3つの役割があります。

  1. 子どもの最善の利益の保障(サードプレイス):学校でも家庭でもない、第3の居場所。
  2. 共生社会への後方支援:地域社会に参加するためのスキルを学ぶ。
  3. 保護者支援:ご家族が安心して働いたり、休息(レスパイト)をとったりするための支え。
ユイン
ユイン

簡単に言うと「療育(発達支援)」を行う場所です。
ただ遊んでいるように見えても、そこには必ず「ねらい」があるんですよ。

2024年から求められる「専門性」

2024年の報酬改定により、放デイは単なる「預かり所」から、より専門的な支援を行う場所へと進化しています。 昔のような「ただテレビを見せておくだけ」のような事業所は淘汰され、しっかりとした療育プログラムを提供する施設が評価される時代になりました。

2. 支援員のリアルな仕事内容【1日のスケジュール公開】

「子どもと遊ぶのが仕事でしょ?」と思われがちですが、実際はマルチタスクの連続です。 私が働く事業所の、学校がある日の一般的なスケジュールを紹介します。

平日のタイムスケジュール(例)

時間帯業務内容管理者・サビ管の視点
10:00出勤・環境整備清掃や消毒。前日の記録整理や、事務作業をこの時間に片付けます。
11:00活動準備・制作今日の活動で使う教材の準備や、季節の壁面装飾を作ります。
13:00全体ミーティング「今日はA君、学校で少しイライラしていたみたいです」といった情報を共有し、送迎ルートを確認します。
13:30送迎(学校へ迎え)安全運転で各学校へ。学校の先生から引き継ぎを受けます。
15:00サービス提供(コアタイム)おやつ、宿題、集団療育(SSTや運動など)。一番賑やかで忙しい時間です!
17:30送迎(自宅へ送り)保護者様に「今日はこんなことができましたよ」とお伝えする大切な時間です。
18:30記録・清掃法令で定められた「サービス提供記録」を入力し、翌日の準備をして退勤。
ユイン
ユイン

このスケジュール表には見えない「事務仕事」が意外と多いんです。
特に私たちサビ管は「個別支援計画」の作成やモニタリング、学校や相談支援事業所との調整会議などで一日が終わることもあります。

3. ここが変わった!最新の療育トレンド

最近の放デイでは、子どもたちが楽しみながら成長できるユニークなプログラムが増えています。

① ゲームも立派な療育?「eスポーツ療育」

「ゲームばかりさせて!」と思われるかもしれませんが、実は『マインクラフト』で協力して建物を作ったり、対戦ゲームで「ルールを守る」「負けた時の悔しさをコントロールする」練習をしたりしています。 運動が苦手な子でも、ゲームの世界なら対等に輝ける。これは自己肯定感を高める素晴らしいツールなんです。

② 社会性を育てる「SST(ソーシャルスキルトレーニング)」

「断り方」や「助けの求め方」をロールプレイで練習します。 例えば、「友達におもちゃを貸してと言われた時、貸したくないならどう言う?」といった場面を練習することで、実際の学校生活でのトラブルを減らしていきます。

ユイン
ユイン

私の事業所では、レゴやプラレールが人気です。
順番を待つ、人に貸す……これらは社会に出るために必須のスキルなんですよ。

4. 正直、きつい?仕事の「リアル」と、魂が震える「やりがい」

放デイ。子供が苦しんでいる。

求人票には「アットホームな職場です」と書かれていても、現場は毎日が真剣勝負です。 ここでは、管理者兼サビ管として働く私が感じる、現場の「リアルな厳しさ」と、それでもこの仕事を続けたいと思う「魂が震える瞬間」について、包み隠さずお話しします。

現場の「ここがしんどい」トップ3

① 「命」を預かる緊張感(安全管理)
他害(お友達を叩く)や自傷、あるいは突発的な飛び出し。特性によっては、一瞬の隙が事故に繋がります。
厚生労働省のガイドラインでも最優先事項とされていますが、常に「アンテナを張り続ける」精神的な疲労は、正直かなりのものです。

② 「氷山の一角」しか見えないもどかしさ

子どもがパニックを起こした時、表面的な行動だけを見て叱っても解決しません。「なぜそうなったのか?」という背景(氷山の水面下)を探る必要があります。 私が修了した「強度行動障害支援者養成研修」でも学びますが、この理由の分析が本当に難しい。正解が見つからず、無力感に襲われる夜もあります。

③ 関係機関・保護者との「想い」のすり合わせ
学校、家庭、放デイ。それぞれの教育方針が食い違うことがあります。「家ではこうしてほしい」「学校ではこう言われた」。板挟みになりながら、子どもの最善の利益(ベスト・インタレスト)のために調整を行うのは、高いコミュニケーション能力が求められるタフな業務です。

上手くいかなくて落ち込む日もあります。 でも、私たちには「チーム」があります。一人で抱え込まず、職員同士で「今日のあの対応、どうだったかな?」と話し合える環境が、何よりの救いになります。

それでも辞められない!魂が震える「3つの瞬間」

大変さを補って余りある感動が、この現場には確かに存在します。

① 個別支援計画が「現実」になった時
私たちサビ管は、子ども一人ひとりの未来を描いた「個別支援計画」を作成します。例えば、「着替えができるようになる」という目標。何ヶ月もかけてスモールステップを積み重ね、ある日突然、一人でボタンを留められた瞬間……。計画という「紙」が、子どもの「自信」に変わる瞬間を目の当たりにすると、プロとしての誇りで胸がいっぱいになります。

② 「パパ・ママ」の表情が変わる時

放デイの役割は「レスパイト(ご家族の休息)」でもあります。 疲れ切っていたお母さんが、通所を通じて余裕を取り戻し、「最近、家で笑うことが増えました」と報告してくださる時。 私たちは子どもだけでなく、一つの「家族の幸せ」を守っているんだと実感できます。

③ 予期せぬ「愛」を受け取る時
言葉でのコミュニケーションが難しい子から、ふとした瞬間に手を握られたり、信頼の眼差しを向けられたりすること。それは言葉以上の雄弁さで「ありがとう」を伝えてくれます。「あなたで良かった」と存在を肯定される、この仕事特有の尊い報酬です。

私は障害の生活介護やグループホームで成人の支援を経験しましたが、発達支援の現場は「未来への伸びしろ」が無限大です。 昨日できなかったことが、今日はできる。 その「奇跡の連続」の最前席にいられることは、何にも代えがたい特権ですよ。

放デイで働くのに向いている人(私の分析)

管理者として採用面接も行う私の視点から、この仕事で「輝ける人」の特徴を挙げます。

子どもと関わるのが好きな人:何よりも大事なのは、子どもと関わるのが好きであること。子どもとのやりとりが楽しいと感じられる人に向いています。

柔軟に対応できる人:決まったパターンの仕事ではないため、柔軟な対応力が求められます。トラブルや予定変更にも冷静に対応できることが重要です。

チームワークを大切にできる人:放デイは支援員同士の連携が不可欠。協力しながら子どもを支えられる人に向いています。

自分の弱さを認められる人: 完璧な人間はいません。失敗を認め、チームに「助けて」と言える人は、必ず成長します。

「なぜ?」と考えられる人: 子どもの行動の理由を、探偵のように推測することを楽しめる人。

小さな変化に気づける人: 「髪切った?」「今日元気ない?」そんな日常の観察眼がある人は、療育の才能があります。

5. 2024年報酬改定で「給料」はどうなる?

「福祉は給料が安い」というイメージがあるかもしれません。 しかし、2024年の報酬改定で「福祉・介護職員等処遇改善加算」が一本化され、キャリアアップの道が明確になりました。

  • 昇給の仕組み化:資格や勤続年数に応じた昇給システムの導入が要件化されました。
  • リーダー級の賃上げ:一部の加算要件では「年収440万円以上」の職員配置が求められており、経験を積めば一般企業並み、あるいはそれ以上の給与を目指せるようになっています。

無資格・未経験からスタートしても、実務経験(高卒で2年、中卒で3年など)を積めば「児童指導員任用資格」が得られます。さらにそこから国家資格(保育士や介護福祉士)を目指せば、資格手当で給与は確実にアップします。

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ユイン
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資格は「給与」に直結します。
私がサビ管や管理者をやっているのも、キャリアアップの結果です。
未経験の方も、まずは現場に入って「実務経験日数」を稼ぐところから始めてみませんか?

6. まとめ:子どもたちの未来を支える「プロ」になろう

放デイの仕事は、決して楽ではありません。 体力も使うし、頭も使います。 でも、子どもたちの「人生の土台作り」に関われる、これ以上ないほど尊くて、熱くなれる仕事です。

「子どもが好き」 「福祉の仕事で手に職をつけたい」 「誰かの役に立つ実感が欲しい」

そんな想いがあるなら、ぜひ一歩踏み出してみてください。 私たちと一緒に、子どもたちの未来を支えていきましょう!

ユイン
ユイン

次回は、無資格から目指せる「資格取得ルート」や、具体的な「採用されるためのポイント」について詳しく解説しますね!

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ABOUT ME
室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ菅
【福祉現場の「最前線」を知る専門家】

■ 実績
・国家資格:介護福祉士 / 保育士/3級FP
・資格:サービス管理責任者/実務者研修教員講習会修了
・支援経験:障害支援事業
・施設長・管理者経験:共同生活援助(グループホーム)/放課後等デイサービス
・支援歴:10 年以上。管理職は20代後半から経験。講師として実務者研修、強度行動障害研修の講師資格もあり。

■ なにができる人?
「制度が難しくて分からない」
「親なきあとのお金が心配」
そんな障害のある子を持つご家族の悩みを、「現場の裏側(サビ管)」「生活防衛(FP/大家族父)」の2つの視点で解決します。

■ 運営者の正体
4人の子供(6人家族)を養う現役の福祉職パパ。
給料が低いと言われる業界でも、「制度知識」×「家計戦略」で資産形成は可能です。

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