相談支援の報酬改定案、特定事業者への集中で減算・双方の指定を原則に(11/5検討チーム)|11月5日の福祉ニュース
11月5日(木)、厚生労働省とこども家庭庁の障害福祉報酬改定検討チームが第68回を開き、令和9年度改定に向けて計画相談支援・障害児相談支援、サービス管理責任者と児童発達支援管理責任者、地域区分の案を示しました。特定の事業者に利用者が集中すると基本報酬を減らす仕組みなど、相談支援の現場に直接かかる案が並びます。
同じ日の夕方には社会保障審議会の生活保護基準部会(第63回)があり、母子加算・児童養育加算・冬季加算・期末一時扶助の検証結果が資料で出ました。こども家庭庁は、12月25日に施行されるこども性暴力防止法の特設サイトを開設しています。
行き着く先は、紹介先の偏りの記録、管理責任者の研修修了日の管理、事業所のある市町村の地域区分です。最後に、12月のアビリンピックを1件置きました。
| ニュース | いちばん大事な一行 | いまの段階 |
|---|---|---|
| ①相談支援の報酬改定案 | 特定の事業者への集中で基本報酬を減算、双方の指定を原則に、相談支援専門員を5人以上置く事業所を更に評価 | 検討中(変わり得る) |
| ②サビ管・児発管 | 届出書に研修修了日と次回期限の欄を追加。産前産後休業・育児休業等をみなし配置の対象にする案 | 検討中(変わり得る) |
| ③障害福祉の地域区分 | 公務員の地域手当に合わせるのが原則。経過措置は令和11年度末まで、特例は3級地差ルールに | 検討中(変わり得る) |
| ④生活保護の4加算 | 母子加算は分析によって+1.6%〜+14.1%。冬季加算はⅥ区で対象月が1か月短縮、夏季の対象月は出ず | 検討中(金額は未定) |
| ⑤こまもろうナビ | こども性暴力防止法の特設サイトを開設。施行は令和8年12月25日で、発表日時点であと50日 | 確定(開設済み) |
| ⑥アビリンピック | 12月4日〜6日、愛知県国際展示場。47都道府県から406人、全25種目 | 12月4日開幕 |
決まっているのは⑤の施行日とサイトの開設、⑥の開催です。①②③は「〜してはどうか」と問いかける検討の方向性、④は部会に出された検証結果で、どれも今後の議論で変わります。検討チームと部会の議事録は今日の時点では出ていないので、この記事は配付資料をもとに書いています。
①相談支援の報酬改定案、特定の事業者への集中で減算する仕組みを新設(11/5検討チーム)
検討中障害福祉報酬改定検討チームの第68回資料1です。8つの論点に、減算の新設と加算の新設・拡充、研修要件の緩和が一緒に並びました。
8つの論点で出た案
| 論点 | 検討の方向性(資料の書き方を短くしたもの) |
|---|---|
| 1 提供体制 | 3名以上の機能強化型の要件に、他制度の知識についての事例検討会・研修等への参加を追加。5人以上の事業所を更に評価。協働で機能強化型を算定する場合の経過措置(令和9年3月31日まで)は、更に3年の延長を検討。主任相談支援専門員が週1回以上同行して助言・指導する場合などを評価 |
| 2 モニタリング | 標準実施期間を一律に使わず、利用者ごとに設定するよう解釈通知等に明記。サービス提供時モニタリング加算の要件に、本人の意向や個別支援計画を踏まえた支援かを確認して記録することを追加し、評価を充実 |
| 3 中立性・公正性 | 介護保険の特定事業所集中減算を参考に、特定の事業者に一定割合が集中したら基本報酬を減算。事業所が少ない地域や、医療的ケア・強度行動障害を主に支援する事業所など、正当な理由があれば適用しない |
| 4 一体的運営 | 指定特定相談支援と指定障害児相談支援の双方の指定を取り、一体的に行うことを指定基準で原則に |
| 5 アセスメント | 市町村から求められたら、計画案と一緒にアセスメント記録を提出することを義務化。標準様式と評価のポイントは今後の調査研究を踏まえて整理 |
| 6 幅広いニーズ | 手話通訳士の配置などコミュニケーション支援を新たに評価。社会福祉士・精神保健福祉士を一定割合以上置く「専門職員配置体制加算」を創設。ピアサポート体制加算を拡充 |
| 7 災害など | 特定非常災害時の安否確認や物資の個別搬送などを新たに評価。DWATに参加する間は代替職員を不要に。ケアラーの状況を把握して支援機関へつないだ場合を新たに評価。災害時・豪雪時はオンライン面接を補完的に認める |
| 8 実務経験 | 相談支援員の初任者研修の受講要件を「5年以上」から「2年以上」へ。介護や育児で業務を離れた人の現任研修に特例を設ける。発達障害者支援センターなどの業務も実務経験に当たると明確化 |
出典:第68回障害福祉報酬改定検討チーム(令和8年11月5日)資料1
同じ資料に載っている、いまの相談支援の数字です。
| 項目 | 計画相談支援 | 障害児相談支援 |
|---|---|---|
| セルフプラン率(全国平均・令和7年3月末) | 16.4% | 30.9% |
| 相談支援従事者が「やや不足」「とても不足」の合計 | 33.1% | 36.3% |
指定の取り方は、双方の指定が72%、特定相談支援のみ25%、障害児相談支援のみ3%(令和7年3月末時点)。
事業所の記録と計画の出し方はどう変わるか
いちばん気になったのは集中減算です。方向性には「一定割合」とあるだけで、何割で減算になるのかは書かれていません。参考として同じ資料に載っている介護保険の基準は、割合が80%を超えた場合に月200単位の減算です。割合が出る前でも、自分の事業所の計画がどの事業者に何件つないでいるかは数えておけます。
アセスメント記録は、いまも5年間の保存が求められています。市町村に求められて出す前提になると、計画案とのつながりが読み手に伝わるかどうかが問われます。計画案の根拠をアセスメントのどこに書いたか、すぐに示せる形にしておくとよさそうです。
モニタリングの案は、障害福祉サービスの事業所にも関係します。不適切な支援が疑われる場合に協議会や市町村へ報告するという観点が示されており、相談支援専門員が個別支援計画と実際の支援を見比べる場面は増えそうです。
②サビ管・児発管の研修修了日と次回期限を届出書に、産休・育休はみなし配置へ(11/5検討チーム)
検討中第68回資料2です。令和8年10月15日の会計検査院の処置要求を受けた届出の見直しと、休業時の配置の扱いの2つの案が出ました。
届出と休業の扱いで変わること
検査院の指摘までの話は、更新研修の期限を詳しく見た回にまとめました。今回増えたのは国の対応案です。指定申請書と変更届出書の標準様式に、経歴、実践研修修了日、更新研修修了日、次回更新研修修了期限の欄を設け、更新研修を修了するたびに変更届を出す仕組みが示されました。相談支援専門員も同様の対応が案に入っています。
休業については、いまは産前産後休業・育児休業・介護休業等がみなし配置の対象外で、新たに配置する必要があります。案は、産前産後休業、育児休業等を取る場合に、やむを得ない事由による欠如と同様にみなし配置を認めるというものです。

| 児童発達支援管理責任者の配置状況(n=3,673) | 割合 |
|---|---|
| 資格要件を満たす者を配置している | 56.2% |
| 要件を満たす者が複数いる | 33.9% |
| やむを得ない事由によるみなし配置 | 3.9% |
| 配置できていない | 5.9% |
出典:第68回資料2(令和6年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業の調査報告書から)。中途採用をした事業所では、採用予定数を下回ったのが22.7%(n=467)でした。
管理責任者がいる事業所で、先に確認できること
届出の様式が変わる前でも、実践研修と更新研修の修了日、次の期限を一覧にしておくことはできます。令和3年度に修了した人の更新期限は、令和8年度末です。
産休・育休の案は、管理責任者本人にも法人にも意味のある話だと思います。ただ、資料の案に並ぶのは「産前産後休業、育児休業等」で、現状の説明にある介護休業がどこまで入るのかは、今後の詰めを見る必要があります。誰をみなし配置にできるかの要件も、この案だけでは読み切れません。
③障害福祉の地域区分、公務員の地域手当に合わせ、経過措置は令和11年度末まで(11/5検討チーム)
検討中第68回資料3です。10月28日に介護報酬で出た地域区分の案と同じ方向の案が、障害福祉にも示されました。
原則・経過措置・特例の案
| 項目 | 案の内容 |
|---|---|
| 原則 | 国家公務員または地方公務員の地域手当の設定に合わせる |
| 経過措置 | 市町村が希望すれば、従前の上乗せ割合と地域手当の範囲内で設定できる。令和11年度末まで。令和12年度以降は令和12年度改定時に市町村の意見を確認 |
| 特例 | 地域手当が7区分から5区分になるので、現行の5級地差ルールの対象がなくなる。3級地差ルールに見直す等 |
| 今後 | 特例の見直し案を前提に、市町村の意向を再度確認して設定する |
令和8年3月の市町村への意向調査の結果も載っています。
| 市町村の回答 | 自治体数 | 割合 |
|---|---|---|
| 地域手当に合わせる(上乗せ割合は変わらない) | 1,083 | 62.2% |
| 地域手当に合わせる(上乗せ割合が上がる) | 465 | 26.7% |
| 現行と同じ割合を希望(経過措置) | 97 | 5.6% |
| その他 | 96 | 5.5% |
出典:第68回資料3。この調査は令和9年度からの地域区分を提示したものではない、と資料に明記されています。
収入の見通しは市町村の回答で動く
経過措置は市町村が希望して初めて使えるので、事業所の側からは決められません。再度の意向確認があるという案なので、事業所のある市町村がどう答えるかは、障害福祉の担当課に聞いておく価値があります。資料の進め方では、令和9年度からの地域区分を市町村へ示すのは令和8年末頃です。
④生活保護の母子加算・児童養育加算・冬季加算の検証結果が出た(11/5基準部会)
検討中社会保障審議会生活保護基準部会の第63回資料1です。10月6日は検証の方法まででしたが、今回は結果の数字が出ました。加算をいくらにするかは、資料にはまだありません。
母子加算は、分析の組み方で数字が変わった
ひとり親であることで増える費用を、ふたり親世帯との比較で推定した結果です。
| ひとり親世帯の生活扶助相当支出(ふたり親世帯との比較) | 世帯年収を変数に含む | 世帯年収を変数に含まない |
|---|---|---|
| 年収階級 第1・十分位(令和6年調査) | +13.6%(有意でない) | +3.8%(有意でない) |
| 年収階級 第1・五分位(令和6年調査) | +14.1%(有意) | +1.6%(有意でない) |
| 年収階級 第1・十分位(令和元年調査、参考) | +18.7%(有意) | +9.3%(有意でない) |
出典:第63回社会保障審議会生活保護基準部会(令和8年11月5日)資料1。有意はt値の絶対値が1.96を超えるもの。
資料は、世帯年収を変数に入れるかどうか、この結果をどう考慮するかを部会に問う形です。結論は書かれていません。「母子加算」という名称を「ひとり親世帯加算」等にする話は第62回の委員の意見として再掲されており、今回決まったわけではありません。
令和7年の国民生活基礎調査から資料が引いた数字では、生活が「大変苦しい」「やや苦しい」の合計は母子世帯で81.8%、総世帯で55.4%でした。母子世帯は調査客体が少ないことに留意、と注記があります。
児童養育加算と、冬季加算・期末一時扶助の結果
児童養育加算は、学校外活動費を夫婦子1人の勤労者世帯で比べました。全年収階級の平均が月1万8千円のところ、いちばん低い第1・十分位は月7千円で、第3・五分位にあたる第5・第6十分位は月1万5千円と1万7千円です。平成29年の検証では、順に6千円、16千円、16千円でした。
冬季加算は、夏と冬で増える費目を調べ、光熱費を検証の対象にしてはどうかという案です。2人以上世帯の第1〜3・五分位で集計した場合の結果が次のとおりです。
- Ⅵ区(東京都・大阪府など)の冬季の対象月は、12月〜4月の5か月から、1月〜4月の4か月へ1か月短くなる
- Ⅰ〜Ⅴ区の対象月は、現行と同じ月になる
- 夏季の加算の対象月が出る地区は確認されない
期末一時扶助は、12月の支出の増え方を見ました。光熱費を除く増加額のうち、食料が約7割、その他の消費支出が約2割です。
相談を受ける側が知っておきたい線
夏の猛暑で光熱費が増えるという実感は強いのに、この集計では夏季の対象月が確認されない、という結果は気になりました。資料の説明では、全国でみると電気の増加がガスなどの減少で相殺される一方、第1・十分位のⅥ区では夏の光熱費の増加もみられます。部会がこの結果をどう受け止めるかは、次の議事録を見ないと分かりません。
資料3-1では、平成25年の基準改定をめぐる最高裁判決を踏まえ、部会の役割をどう整理するかも論点になっています。生活保護を使っている人の相談を受ける事業所は、「加算が減る」といった形で話が広がる前に、まだ金額が出ていないことを押さえておくとよいと思います。
⑤こども性暴力防止法の特設サイト「こまもろうナビ」を開設、施行まであと50日(こども家庭庁)
確定こども家庭庁が令和8年11月5日に発表しました。施行日は令和8年12月25日です。
サイトに載っているもの
| コンテンツ | 中身 |
|---|---|
| やることリスト | 制度の対象となる事業者・従事者が対応する事項をまとめたもの |
| 認定申請フロー | 認定申請の流れ |
| おしえて!こまもろう | 疑問にやさしい言葉で答えるページ |
| 保護者・こども向け | 日頃から話しておきたいこと、こどもが見せるサイン、相談先 |
出典:こども家庭庁「こども性暴力防止法特設サイト『こまもろうナビ』を開設」(令和8年11月5日)
11月9日(月)14時からは施行準備検討会の第14回があります。議事は、犯罪事実確認のための戸籍等の取得の負担軽減と、事業者がこまもろうシステムで実施すべき手続、簡単ガイドと戸籍取得ガイドの素案です。YouTubeで配信されます。
施行前に見ておく順番
制度の細かい問いは、9月のQ&A改訂の回でも触れました。対象になるかどうかがまだ曖昧な事業者は、やることリストと認定申請フローを先に開くと、自分の法人で誰が何をするのかを切り分けやすくなります。こどもに話すときの言葉を探している職員には、保護者・こども向けのページが使えそうです。
⑥第46回アビリンピック、12月4日〜6日に愛知で406人が25種目(厚生労働省)
12月4日開幕厚生労働省が令和8年11月5日に開催を発表しました。主催は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構です。
日程と種目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 第46回全国障害者技能競技大会(アビリンピック) |
| 日程 | 令和8年12月4日(金)〜6日(日)。技能競技は12月5日(土) |
| 会場 | 愛知県国際展示場(開会式はLIVE配信で視聴) |
| 規模 | 47都道府県から406人、全25種目 |
| 参加が多い種目 | ビルクリーニング46人、喫茶サービス44人、オフィスアシスタント42人、ワード・プロセッサ38人、表計算36人 |
| 併催 | 障害者ワークフェア2026(12月5日(土)9:00〜17:00、展示ホールF)。技能デモンストレーションはドローン操作、RPA、警備、絵画 |
| 結果 | 12月7日(月)14時(予定)に機構と厚生労働省のウェブサイトで公表 |
就労支援の事業所が持ち帰れそうなところ
ワークフェアには職場紹介と就労支援のエリアがあり、障害者雇用事業所の展示・体験・実演や、就労支援機器の展示が並びます。種目別の人数を見ると、事務系と清掃、接客の参加が厚いことが分かります。専用サイトの動画配信もあるので、愛知まで行けない事業所でも、利用者と一緒に作業の水準を見る材料になりそうです。雇用が長く続いたあとの課題は、障害者雇用の加齢問題の回で扱っています。
今日のまとめ
今日の6件には、「誰がいつ確かめられるようにするか」という共通点があります。相談支援はアセスメント記録と紹介先の偏りを、管理責任者は研修の修了日を、行政が見える形にする案でした。生活保護の加算は、統計で確かめた結果をどう読むかを部会に問うています。こまもろうナビも、施行前に事業者が自分のやることを確かめるための入口です。アビリンピックは12月7日に結果が公表されます。
次に見ておきたい日程です。
- 11月6日(金)11:00〜13:00……障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会(第2回)
- 11月6日(金)14:00〜17:00……社会保障審議会介護給付費分科会(第274回)。令和9年度介護報酬改定に向けて、YouTubeでライブ配信
- 11月9日(月)14:00〜16:00……こども性暴力防止法施行準備検討会(第14回)
- 11月9日(月)……社会保障審議会介護保険部会(第138回)
- 11月11日(水)……労働政策審議会障害者雇用分科会(第145回)
- 12月4日(金)〜6日(日)……第46回アビリンピック(ここは決まっています)
- 令和8年12月25日……こども性暴力防止法の施行(ここは決まっています)
- 令和8年末頃……市町村に令和9年度からの障害福祉の地域区分を提示(第52回検討チーム資料の進め方)
参考にした一次情報
- 第68回障害福祉報酬改定検討チーム|厚生労働省(令和8年11月5日)。資料1(計画相談支援及び障害児相談支援)、資料2(サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者)、資料3(地域区分)
- 第63回社会保障審議会生活保護基準部会|厚生労働省(令和8年11月5日)。資料1(4加算の検証)、資料3-1(部会の役割等)
- こども性暴力防止法特設サイト「こまもろうナビ」を開設|こども家庭庁(令和8年11月5日)/こまもろうナビ
- こども性暴力防止法施行準備検討会(第14回)|こども家庭庁(令和8年11月5日掲載)
- 「第46回全国障害者技能競技大会(アビリンピック)」を12月4日~6日に開催します|厚生労働省(令和8年11月5日)。別紙1(開催概要)、別紙3(障害者ワークフェア2026)
- 第274回社会保障審議会介護給付費分科会の開催案内/第2回障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会/第138回介護保険部会/第145回障害者雇用分科会|厚生労働省
①の相談支援、②のサービス管理責任者・児童発達支援管理責任者、③の地域区分、④の生活保護の加算は、検討段階の資料です。どれも「〜してはどうか」「どのように考えるか」と問いかける形で、今後の議論で変わり得ます。最終的な取り扱いは公表資料でご確認ください。


