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福祉ニュース
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女性自立支援施設の受入れ、「就労自立が見込めない」で断らないルール化案(11/2検討会)、11月3日の福祉ニュース

福祉ニュース 2026年11月3日 女性支援施設の受入れ 就労見込みで断らない案
ユイン
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11月2日(月)、厚生労働省で「困難な問題を抱える女性への支援に関する検討会」の第4回が開かれ、会議資料が公開されています。女性支援新法の施行から2年がたち、施策の見直しに向けて論点ごとに「検討の方向性」が示された回です。

資料には、一時保護所・女性自立支援施設の入所者がこの10年で4〜5割ほど減ったこと、市町村の女性相談支援員の配置が町村では1%にとどまることが、数字で並んでいます。そのうえで「就労自立が見込めないことを理由に措置しないのは不適切」と明確にする案が出ました。

あわせて、11月5日(木)の生活保護基準部会(第63回)の議題も公表されています。行き着く先は、女性支援の窓口と障害福祉・生活保護・高齢者福祉の窓口のつなぎ方と、子育て世帯が受け取る生活保護の加算です。

📅 2026年11月2日(月)開催・11月3日(火・祝)時点の公表資料🏛 困難な問題を抱える女性への支援に関する検討会(第4回)/社会保障審議会生活保護基準部会(第63回)開催案内
今日の3件を、30秒で
ニュース いちばん大事な一行 いまの段階
①一時保護・女性自立支援施設の受入れ 「就労自立が見込めない」ことで措置しないのは不適切と明確化し、措置対象外と判断する手続きをルール化する案。運営費に入所実績を反映する仕組みも検討 検討中(変わり得る)
②市町村と都道府県の役割分担 女性相談支援員の配置は市区56%・町村1%。市町村は障害者福祉・生活保護などと連携して伴走支援を担うと明確化する案。配置の義務化は慎重な書き方 検討中(変わり得る)
③生活保護基準部会(第63回) 11月5日(木)18:00〜20:00。児童養育加算・母子加算・冬季加算・期末一時扶助の「検証について」が議題。YouTubeでライブ配信 11月5日開催(ここは決まっています)

①と②は、検討会に事務局(厚生労働省社会・援護局地域福祉課女性支援室)が示した「検討の方向性」で、多くが「〜してはどうか」という書き方です。決まっているのは③の開催日時と議題だけです。

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①一時保護・女性自立支援施設、「就労自立が見込めない」で断らないルール化案(第4回検討会)

検討中入所者が10年で4〜5割減った理由の一つに「障害者」「高齢者」などを対象外にする運用があるとして、措置の判断にルールを設ける案が出ました。

相談は増えているのに、入所は減っている

厚生労働省女性支援室が11月2日の第4回検討会に出した資料1は、相談と入所の数字が逆の向きに動いていることから始まります。相談件数は高い水準で、来所相談に占める暴力被害の割合も上がっています。

相談と入所の数字
項目 数字
相談延べ件数(令和6年度) 66.7万件(うち来所相談7万8千件)
来所相談に占める暴力被害の割合 平成28年度48.2% → 令和6年度55.0%
一時保護所・女性自立支援施設の入所者数 ここ10年で4〜5割程度減少
入所率(令和6年度) 一時保護所15.5%、女性自立支援施設21.5%

出典:困難な問題を抱える女性への支援に関する検討会(第4回)資料1(令和8年11月2日)。数字は厚生労働省女性支援室調べ

入所が減った要因として、資料は2つを挙げています。1つは生活の制限などのため本人の同意が得られないこと。もう1つは、施設側が「自傷行為のおそれがある」「高齢者」「障害者」などを対象外にしている場合があることです。

示された方向性は「判断の手順」と「お金の付け方」

  • 措置対象の考え方を明確にする(例:就労自立が見込めないことをもって措置しないことは不適切)
  • 女性相談支援センターが措置を決めるとき、相談時のアセスメントや「措置対象外」と判断する場合の手続きに、一定のプロセスを経ることをルール化する
  • そのルール化を前提に、一時保護所・女性自立支援施設の運営費(事務費)に入所実績を勘案する仕組みや、支援が困難な人を受け入れた場合の評価を検討する
  • 人員体制や運営に関する基準・通知の見直しを検討する
  • 一時保護や入所を「本人の権利」とすることは、中長期的な検討が必要

すでに進めている取組として、一時保護を経ない施設入所、一時保護委託による女性自立支援施設への「プレ入所」、サテライト型・通所型のモデル事業も挙がっています。さらに9ページでは、障害者施策との連携も視野に、女性自立支援施設からの地域移行や地域定着の支援を検討する、と書かれました。

障害のある人の行き先が、女性支援と障害福祉の間で決まる

「障害者」が対象外にされている場合がある、と国の資料が書いた点は重いと感じました。断られた人がどこへ行くかといえば、障害福祉の相談窓口やグループホームの側に回ってくることが多いはずです。

同じ回には、女性相談支援センター所長全国連絡会議の会長でもある髙岸構成員の意見書(参考資料2)も出ています。入所者の生活保護・障害福祉・介護保険について、住所地に係る特例などで施設所在地に負担が偏らない仕組みを検討すること、就労が難しい入所者にも一定の生活費(携帯電話料金など)を確保すること、を求める内容です。これは構成員の意見で、事務局の案ではありません。退所後の住まいや支給決定をどこの自治体が受け持つかは、障害福祉の事業所にも関わってくるので、今後の資料で扱いが出るか見ておきたいところです。

②女性相談支援員の配置は市区56%・町村1%、市町村は「伴走支援」の担い手に(第4回検討会)

検討中都道府県は市町村を後ろから支える中核拠点、市町村は障害者福祉や生活保護と組んで伴走する役、と役割を分けて書き込む案です。

配置と連携の場は、市町村でまだ薄い

資料1の自治体の支援状況のページには、次の数字が並びました。女性相談支援員は少しずつ増えていますが、市町村による差が大きいままです。

市町村の体制の数字
項目 数字
女性相談支援員数(令和7年4月時点) 1,770人(対前年比+80人)
女性相談支援員の配置割合 市区56%、町村1%
市町村が配置していない理由 「担当部署で対応可能」「ニーズがない」が合わせて58%、「職員不足」「予算確保困難」が合わせて31.9%
支援調整会議の設置(令和7年4月時点) 都道府県47中44、市町村1741中190
相談窓口の住所を公表していない 女性相談支援センター29.3%、市町村23.6%

出典:困難な問題を抱える女性への支援に関する検討会(第4回)資料1(令和8年11月2日)。厚生労働省女性支援室調べ、令和7年度困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行状況等に関する調査研究事業報告書

一時保護所から退所する人の支援方針を、関係機関と打ち合わせずに単独で決めたり、退所先の市町村に伝えていなかったりする女性相談支援センターが、全体の2割程度あるという調査結果も載っています。

義務化より先に「組織全体で」と書いた

検討の方向性では、市町村の役割を「生活困窮者支援や生活保護、障害者福祉、高齢者福祉、児童福祉等の関係部署・機関や民間団体と連携しながら、相談支援や伴走支援の役割を担う」と明確にする案です。女性相談支援員の配置義務化は、「市町村における配置の必要性についての理解が進んでいない現状等も踏まえて検討する必要があるのではないか」という書き方にとどまりました。

相談者にどの部門が主に対応するかは、いま最も優先すべき課題で決める。そのために女性支援の部門が「女性支援の必要性」をアセスメントし、他の支援機関につないだ後も継続的につながり続ける、という考え方も示されています。

支援者を支える側の案:研修の段階化、専門職、AI

  • 研修を、業務内容や勤続年数に応じて段階的に習得する体系に見直す方向で検討
  • 社会福祉士・精神保健福祉士などの専門職の配置や、精神保健・法的支援部門との連携を検討
  • 女性相談支援センター・女性自立支援施設の第三者評価の受審を推進
  • ICTやAIを使った相談・支援記録やノウハウの共有は、まず現場の運用状況を把握してから活用の在り方を検討
  • 有識者や職員OBによる「スーパービジョン整備事業」(国庫補助)や特設サイト「あなたのミカタ」を通じた支援者支援を推進

「障害者福祉と連携して伴走する」と書かれた以上、障害福祉の相談支援専門員や事業所が、女性支援の担当課から連絡を受ける場面は増えると思います。地元の市町村に支援調整会議があるかどうか(市町村では1741中190)は、一度確かめておくとよさそうです。

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③生活保護の児童養育加算・母子加算など4加算の「検証」、11月5日の基準部会(第63回)

11月5日開催10月6日の第62回で出た「検証方法」の次の段階で、4つの加算の検証そのものが議題に上がります。

開催案内に書かれていること(ここは決まっています)

第63回社会保障審議会生活保護基準部会
項目 中身
日時 令和8年11月5日(木)18:00〜20:00
場所 AP虎ノ門11階C+D室
議題 児童養育加算、母子加算、冬季加算、期末一時扶助の検証について/消費実態による検証を補完する方法について/生活保護基準部会の役割等について
傍聴 一般の傍聴はなし(報道関係者のみ)。会議の様子はYouTubeでライブ配信

出典:厚生労働省「第63回社会保障審議会生活保護基準部会の開催について」(令和8年10月29日)

前回の「検証方法」から「検証」へ、議題が2つ増えた

第62回(10月6日)の議題は「生活扶助基準の体系の検証」と「4加算の検証方法」でした。その中身は10月6日の福祉ニュース(母子加算・児童養育加算の検証方法案)にまとめています。今回は「検証方法」が「検証」に変わり、「消費実態による検証を補完する方法」と「部会の役割等」が新しく加わりました。

資料は開催日までに厚生労働省のページに載る予定です。児童養育加算と母子加算は子育て世帯の加算なので、加算額や名称の見直しに触れる数字が出るかどうかは、資料が出た時点で確かめたいところです。

今日のまとめ

今日の3件は、どれも「制度のすき間に落ちる人を、どこが受け持つか」の話でした。女性支援は、施設が断る理由と市町村の窓口の薄さを数字で示し、障害者福祉や生活保護と組む形を書き込もうとしています。生活保護の加算の検証は、その人たちの暮らしの底を決める作業です。

次に見ておきたい日程です。

  • 11月5日(木)15:00〜17:00……障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(第68回)。議題は計画相談支援・障害児相談支援・横断的事項
  • 11月5日(木)18:00〜20:00……生活保護基準部会(第63回)。4加算の検証。YouTubeでライブ配信
  • 11月6日(金)11:00〜13:00……障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会(第2回)
  • 次回以降……困難な問題を抱える女性への支援に関する検討会で、基本方針の見直しに向けた議論が続きます

11月5日・6日の会議は、11月2日の福祉ニュースの日程にも載せています。

参考にした一次情報

①の措置判断のルール化・運営費への入所実績の反映と、②の市町村の役割の明確化・女性相談支援員の配置の扱いは、検討会に示された「検討の方向性」の段階で、資料でも「〜してはどうか」という問いかけの形で書かれています。今後の議論で変わり得るので、最終的な取り扱いは公表資料でご確認ください。

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室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
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