児発管・サビ管の更新研修の期限、令和3年度修了者は令和8年度末まで(10/15会計検査院の続き)|10月18日の福祉ニュース
今日は国の新しい発表はありません。
そこで今日は、10月15日に会計検査院が指摘した児童発達支援管理責任者(児発管)・サービス管理責任者(サビ管)の研修切れの話を受けて、更新研修の期限がいつ来るのかを、国と県の資料に沿って詳しく見ます。検査の数字と国への要求は10月15日の福祉ニュースでまとめました。今日はその先、研修の決まりそのものに絞ります。
先に結論を書くと、令和3年度に実践研修か更新研修を終えた人は、令和8年度(令和9年3月31日)が更新研修を終える最後の年度です。間に合わなければ、令和9年4月1日から管理責任者として働けなくなります。今年度の更新研修の受付をすでに締め切った県もあります。
| 項目 | いちばん大事な一行 | いまの段階 |
|---|---|---|
| ① 研修の3段階 | 基礎研修(26時間)→実務経験(OJT、原則2年以上)→実践研修(14.5時間)→5年ごとに更新研修(13時間) | 確定 |
| ② 更新の期限 | 実践研修か前回の更新研修を終えた年度の翌年度から5年度のうちに1回。令和3年度修了者は令和8年度末まで | 確定(令和9年3月31日期限) |
| ③ 受講の条件 | 更新研修は「いま管理責任者・管理者・相談支援専門員として働いている」か「受講前5年間に通算2年以上の経験」が必要 | 確定 |
| ④ 期限切れ | 実践研修を受け直すまで管理責任者になれない。配置できなくなった月の翌々月から基本報酬が7割(5か月目以降は5割) | 確定 |
| ⑤ 例外の決まり | OJTを6か月に縮める特例と、退職・病休などで欠けたときのみなし配置(最長2年)がある | 確定 |
今日の5つは、どれもすでに告示や県の要領で決まっている話です。検討中の案は入っていません。
① 児発管・サビ管の研修は3段階、更新研修は5年ごとに13時間
確定平成31年(令和元年)4月に研修体系が変わり、管理責任者になるには基礎研修・実務経験・実践研修を順に終え、その後も5年ごとに更新研修を受ける仕組みになりました。
研修ごとの時間数と受ける条件
厚生労働省が障害者部会に出した資料に、研修ごとの時間数と受講の条件がまとまっています。児発管とサビ管はカリキュラムが統一されていて、同じ研修を受けます。
| 研修 | 時間数 | 受ける条件 |
|---|---|---|
| 基礎研修 | 26時間(相談支援従事者初任者研修の講義部分11時間+講義・演習15時間) | 配置に必要な実務経験の年数を満たす2年前から受講できる |
| 実務経験(OJT) | ― | 基礎研修の修了後、実践研修の受講前5年間に、相談支援または直接支援の実務が2年以上 |
| 実践研修 | 14.5時間 | 上のOJTを終えていること。ここを終えると管理責任者として配置できる |
| 更新研修 | 13時間 | 5年ごとに1回。受講には実務経験の条件がある(③で詳しく) |
配置に必要な実務経験は、相談支援業務なら5年以上(有資格者は3年以上)、直接支援業務なら8年以上です。基礎研修はその2年前、つまり相談支援3年(有資格者1年)・直接支援6年の時点から受けられます。
なぜ「更新」ができたのか
資料によると、平成30年度までは一度研修を終えれば、その後に学び直す機会がありませんでした。障害者部会で「要件を満たした後の質の担保が難しい」と指摘され、5年ごとの更新研修が新しく作られました。
会計検査院の本文も、更新研修がある以上「今後も同様の事態が生ずることが想定される」と書いています。研修を一度終えた人も、5年ごとに期限が来る資格になった、ということです。研修全体の中での位置づけは障害福祉の資格一覧でも触れています。
② 更新研修の期限は「修了した翌年度から5年度」、令和3年度修了者は令和8年度末まで
確定期限は「5年後の同じ日」ではなく年度で数えます。令和3年度に実践研修か更新研修を終えた人は、令和9年3月31日までに更新研修を終えないと、4月1日から管理責任者として働けません。

年度で数える、という決まり
厚生労働省の資料は、更新研修を「実践研修修了年度の翌年度から5年間の間に1度毎修了の必要」と書いています。岡山県の令和8年度の更新研修要領は、これを「修了した翌年度を初年度とする5年ごとの各年度末日までに」と言い換えています。
| 実践研修・前回の更新研修を終えた年度 | 更新研修を受けられる5年度 | 最終の期限 |
|---|---|---|
| 令和3年度 | 令和4年度〜令和8年度 | 令和9年3月31日 |
| 令和4年度 | 令和5年度〜令和9年度 | 令和10年3月31日 |
| 令和5年度 | 令和6年度〜令和10年度 | 令和11年3月31日 |
| 令和6年度 | 令和7年度〜令和11年度 | 令和12年3月31日 |
岡山県の要領は、令和3年度に実践研修を終えてまだ更新していない人と、令和3年度に更新研修を終えて次の更新をしていない人について、「令和8年度が更新研修を受ける最終年度」と明記しています。福井県の要領も、令和3年度の更新研修修了者は令和8年度末までに2回目を終えなければ「資格が失効します」と書いています。
今年度の受付は、もう終わっている県がある
更新研修は都道府県(または指定を受けた研修事業者)が開くもので、日程は県ごとに違います。たとえば次の2県は、令和8年度の申込をすでに締め切っています。
| 県 | 申込期限 | 演習の日程 | 定員 |
|---|---|---|---|
| 岡山県 | 令和8年6月23日(火)消印有効 | 8月18・19日、9月15・16日、9月29・30日、10月14・15日のいずれか | 400人程度 |
| 福井県 | 令和8年5月1日(金)12:00 | 7月9日(木)〜10日(金) | 90名 |
福井県は受講者が多いため、令和3年度の修了者から順に優先して受講を決めています。個人での申込はできず、事業所から申し込む形です。
令和3年度は、新しい体系の実践研修が始まった年度です。会計検査院の検査は令和3年4月から令和7年3月までが対象でしたが、実践研修を終えた人の最初の更新期限は、この期間にはまだ来ていませんでした。実践研修から入った人に更新の期限が初めて来るのが、今年度末ということになります。
③ 更新研修を受けられるのは「いま従事している」か「5年間に通算2年以上」の人
確定更新研修には実務経験の条件があり、期限の前に職を離れていた人は、受けられないことがあります。
受講の条件(2つのどちらか)
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| (1)現に従事 | 児発管・サビ管・管理者・相談支援専門員として、いま働いている |
| (2)過去の経験 | 受講開始日前の5年間に、通算2年以上、児発管・サビ管・管理者・相談支援専門員として働いていた |
平成30年度までの旧体系で資格を取り、令和5年度末までに初回の更新研修を終えた人も、2回目以降は同じ条件で受けます(岡山県要領)。
申込で求められるもの
岡山県は申込書に実践研修か更新研修の修了証書の写しを付けるよう求めています。福井県は写しの提出は不要ですが、申込時に各研修の修了年月日を入力するため「修了証書をお手元に御準備ください」とし、紛失していれば県の再交付手続が必要だと書いています。
修了証書がすぐに出てこない、という事業所は少なくないはずです。期限を確かめるにも申し込むにも修了証書が要るので、まず全員分の写しを1か所に集めておくのが早いと思います。
④ 期限を過ぎたら実践研修からやり直し、減算は翌々月から基本報酬の7割
確定更新研修の期限を過ぎると、その人は研修要件を満たさない状態になります。事業所に要件を満たす管理責任者がいなければ、管理責任者欠如減算がかかります。
本人は実践研修を受け直す
兵庫県は、実践研修か更新研修を終えた人が期限内に更新研修を受けられなかった場合は「実践研修の受講が必要です」と案内しています。岡山県の要領にも、資格の失効後に実践研修を終えて資格を取り直した人がいる前提の記載があります。
実践研修は県ごとに年に数回しか開かれないため、受け直すまでの間は管理責任者として配置できない期間が続きます。
事業所の請求にかかる減算
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| いつから | 要件を満たす管理責任者を配置しなくなった月の翌々月から、配置した月まで |
| どれだけ | 各種加算をつける前の基本報酬の単位数に100分の70 |
| 長引いたとき | 減算が5か月以上続く月は100分の50 |
この決まりに当てはめると、令和3年度修了の管理責任者が更新研修を終えないまま令和9年4月を迎え、ほかに要件を満たす人がいなければ、4月が「配置しなくなった月」になり、6月分から減算がかかります。
会計検査院が指摘した事例では、新潟市の事業所が実践研修の期限を失念したまま約2年3か月が過ぎ、減算をかけずに請求していた分として1市が支払った給付費が5515万余円過大になっていました。気づかずに請求を続けると、あとから返還になります。
⑤ 例外は2つ、OJTを6か月に縮める特例と、欠けたときのみなし配置(最長2年)
確定令和5年2月の障害者部会で示された見直しで、実践研修までのOJTを6か月に縮める特例(令和5年6月30日の告示改正)と、管理責任者が急に欠けたときのみなし配置の延長が入りました。どちらも条件がそろったときだけ使えます。
OJTを6か月にできる人
東京都と兵庫県の案内では、次の3つをすべて満たす人は、OJTが2年ではなく6か月以上で実践研修を受けられます。1つでも欠けると原則の2年以上です。
- 基礎研修を受け始めた時点で、配置に必要な実務経験(相談支援・直接支援3〜8年)をすでに満たしている
- 事業所で個別支援計画の作成の一連の業務(原案の作成まで、またはみなし配置での作成)に6か月以上従事している
- その業務に従事することを、指定権者に届け出ている
届出先や様式は自治体で違います。兵庫県の場合は、事業所の所在地の健康福祉事務所に3部(共同生活援助・自立生活援助は2部)、神戸市・姫路市・尼崎市・西宮市・明石市の事業所は市に出す決まりです。
管理責任者が欠けたときのみなし配置
| 対象になる人 | みなせる期間 |
|---|---|
| 配置に必要な実務経験を満たす人 | 欠けた時点から1年間(研修の修了状況にかかわらず) |
| 実務経験を満たし、欠ける前からその事業所にいて、欠けた時点で基礎研修を終えOJT中の人 | 実践研修を終えるまで、最長2年間 |
ここでいう「やむを得ない事由」は、資料では「退職、病休など事業者の責に帰さない事由により欠如した場合であって、かつ、当該事業所にサービス管理責任者等を直ちに配置することが困難な場合」とされています。研修の修了漏れは例に挙がっていません。
個人的には、この例外を「いざというときの保険」と考えるより、2人目の候補を基礎研修に送っておく理由として読むほうが現実的だと感じました。欠けた時点で基礎研修を終えていることが、2年のみなし配置の条件だからです。障害児支援の研修の対象を広げる案は10月11日の記事で紹介しています。
事業所が今月中に確かめておきたいこと
ここまでの決まりを、事業所の作業に置き直すと次のとおりです。会計検査院は国に対して、変更届の標準様式に「研修修了日」と「次回の研修修了期限」の欄を設けるよう求めていて、今後は研修を終えるたびに届け出る形になる可能性があります。
- 管理責任者と、管理責任者の候補になっている職員全員の修了証書(基礎・実践・更新)の写しを集める
- 実践研修か前回の更新研修を終えた年度を書き出し、「翌年度から5年度」の最終年度を出す
- 令和3年度修了の人がいたら、自分の県の令和8年度の更新研修がまだ受けられるかをすぐ確かめる(締切済みなら指定権者に相談)
- 期限を管理する担当者を本人以外に1人決め、最終年度の前年度のうちに申込を済ませる段取りにする
- 2人目の候補がいるなら、OJT6か月の特例の届出が使えるかを確かめる
会計検査院の検査で、研修の修了漏れの理由でいちばん多かったのは「必要だと分かっていたが失念した」(123事業所)でした。期限が年度で決まっている以上、年度の初めに一覧を見直すだけでも防げる話だと思います。
今日のまとめ
児発管・サビ管の資格は、令和元年度の見直しから5年ごとに更新が要る資格になりました。期限は「修了した年度の翌年度から5年度」で数え、令和3年度に実践研修か更新研修を終えた人は令和9年3月31日が最終期限です。過ぎれば実践研修のやり直しになり、事業所には翌々月から基本報酬7割の減算がかかります。10月15日の会計検査院の指摘は過去の経過措置の話でしたが、同じことは今年度末から毎年起こり得ます。
次に見ておきたい日程です。
- 10月21日(水)10:00〜……第144回 労働政策審議会 障害者雇用分科会(厚生労働省)
- 10月21日(水)13:00〜15:00……第2回 乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会(こども家庭庁、YouTubeライブ配信)
- 令和9年3月31日……令和3年度に実践研修・更新研修を終えた児発管・サビ管の更新研修の最終期限
参考にした一次情報
| 資料名 | 発出元(日付) |
|---|---|
| サービス管理責任者等研修制度について(社会保障審議会障害者部会 第135回 資料5) | 厚生労働省(令和5年2月27日) |
| 研修体系見直し後における児童発達支援管理責任者及びサービス管理責任者の研修要件の確認等について | 会計検査院(令和8年10月15日) |
| 同 本文(PDF) | 会計検査院(令和8年10月15日) |
| 令和8年度岡山県サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者更新研修開催要領 | 岡山県(令和8年度) |
| 令和8年度福井県サービス管理責任者および児童発達支援管理責任者更新研修実施要領 | 福井県(令和8年度) |
| サービス管理責任者研修・児童発達支援管理責任者研修「受講時期」 | 兵庫県(2024年6月13日更新) |
| サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者 | 東京都福祉局(2026年6月11日更新) |
| 第144回労働政策審議会障害者雇用分科会を開催します | 厚生労働省(令和8年10月14日) |
| 第2回乳幼児の健康診査等のあり方に関する検討会について | こども家庭庁(令和8年10月15日) |
更新研修の日程・申込方法・届出の様式は都道府県や指定権者によって違います。ご自身の事業所の所在地の都道府県・指定権者の最新の案内でご確認ください。会計検査院が求めた変更届の様式の見直しは、これからこども家庭庁・厚生労働省が進めるものです。


