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保育士から放課後等デイサービス・児童発達支援に転職するとどうなる?給料・仕事内容・後悔しない選び方【2026年版】

保育士から放課後等デイサービス・児童発達支援へ転職すると何がどう変わるのかを示したアイキャッチ画像
ユイン
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保育園で働いていて、「このまま続けられるだろうか」と考えたときに、放課後等デイサービスや児童発達支援が選択肢に挙がってくることがあります。子どもに関わる仕事のまま、少人数で、担当する子どもとじっくり向き合える。求人票にもそう書かれています。

ただ、実際に転職した人の話を聞くと、評価は驚くほど割れます。「もう保育園には戻れない」という人と、「1年で辞めた」という人が同じくらいいる。この差はどこから来るのかというと、放デイ・児発という業種そのものではなく、入った事業所と、事前に何を確認していたかで決まっています。

私は介護福祉士・保育士・サビ管(児発管)の資格を持ち、福祉の現場で10年以上働きながら、6人家族の父親をしています。保育士資格も持っています。事業所の採用側として保育士さんの面接をしてきましたし、入職後に定着した人と早く辞めた人の両方を見てきました。この記事では、国の調査の実数値と、採用する側から見えていることをもとに、給料は実際どうなるのか、仕事は何がどう変わるのか、そして保育士資格が放デイ・児発でどれだけ強い武器になるのかを整理します。

この記事でわかること

  • 保育所と放デイ、給与月額はどちらが高いのか(国の調査の実数値で比較)
  • 保育園と放デイで、1日の流れと業務がどう入れ替わるか
  • 保育士が最初に戸惑う5つのことと、すぐ戦力になる5つの場面
  • 保育所で5年働いた保育士は、すでに児発管の実務経験を満たしている可能性が高いという話
  • 求人票で確認する8項目と、面接で聞くべき6つの質問
  • 後悔しない事業所の見分け方
先にお断りしておきます

この記事の給与の数値は、厚生労働省とこども家庭庁が公表している調査の実数値です。ただしいずれも平均であって、あなたに提示される金額ではありません。給与は地域・法人規模・処遇改善加算の配り方で大きく変わります。また、児童発達支援管理責任者(児発管)の実務経験要件は都道府県・指定都市ごとに運用の細部が異なります。最終的には必ず、お住まいの自治体が出している「指定申請のてびき」と実務経験証明書の様式でご確認ください。

Contents
  1. 結論 給料はほぼ変わらない。変わるのは「そのあとに開く道」
  2. 保育士資格は放デイ・児発でどう扱われるのか 配置基準での立ち位置
  3. 仕事内容はどう変わるか 保育園との8つの違い
  4. 保育士が最初に戸惑う5つのことと、すぐ戦力になる5つの場面
  5. 保育所で5年働いた保育士は、もう児発管の実務経験を満たしている
  6. 求人票で必ず確認する8項目 保育士が見落としやすいところ
  7. 面接で聞くべき6つの質問 計画と記録の話をすると実力が分かる
  8. 後悔しない事業所の選び方 放デイの「当たり外れ」はここに出る
  9. 保育士が放デイ・児発の求人を探すときのサービスの使い方
  10. よくある質問
  11. まとめ 給料のためではなく、そのあとの道のために移る
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結論 給料はほぼ変わらない。変わるのは「そのあとに開く道」

保育所の保育士34.8万円、放デイの保育士34.4万円、児発管40.5万円を並べて比較した図

先に結論を書きます。保育士が保育所から放課後等デイサービス・児童発達支援に移っても、最初の給料はほとんど変わりません。上がるという話も下がるという話も、どちらも正確ではありません。ほぼ同じです。

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、私立保育所の常勤保育士の1人当たり給与月額(賞与込み)は348,119円、平均勤続年数は11.2年です。

一方、厚生労働省の「令和6年度 障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によると、障害福祉分野で働く常勤の保育士の平均給与額は343,600円、平均年齢37.6歳・平均勤続7.0年。同じ調査の児童指導員は319,690円(40.4歳・勤続6.5年)です。放デイ・児発の直接支援職員は、この「保育士」か「児童指導員」のどちらかで集計されます。

職種給与月額(賞与込み)平均勤続出典
保育所の保育士(私立・常勤)348,119円11.2年こども家庭庁 令和6年度経営実態調査
障害福祉分野の保育士(常勤)343,600円7.0年厚労省 令和6年度処遇状況等調査
障害福祉分野の児童指導員(常勤)319,690円6.5年同上
サービス管理責任者等(児発管を含む)405,480円11.8年同上

差は4,519円。ただし勤続年数が4.2年違う

保育所の348,119円と、障害福祉分野の保育士の343,600円。差は月4,519円です。これだけ見ると「変わらない」で終わりますが、もうひとつ見てほしいのが勤続年数です。保育所が11.2年、障害福祉分野の保育士は7.0年。4.2年の差があって、それでほぼ同額です。

つまり同じ勤続年数で比べれば、放デイ・児発側のほうが高くなる可能性が高い、ということになります。実際、障害福祉の処遇改善加算はこの数年で毎年上積みされていて、この調査でも障害福祉分野の保育士は前年から月21,930円増えています。保育所側も同じ時期に4〜5万円増えているので、どちらも上がっている状況です。

よくある誤解「放デイは処遇改善加算があるから保育園より給料がいい」。これは正確ではありません。保育所にも処遇改善等加算があり、公定価格に組み込まれています。加算の有無ではなく、その加算を法人がどう配るかで個人の手取りは決まります。

正しい理解転職の1年目で給料が上がることを期待すると、ほぼ確実に裏切られます。放デイ・児発に移る意味は、そのあとに児発管という役職への道が開くことにあります。

上がるのは児発管になってから。月405,480円・年収約486万円

同じ厚労省の調査で、サービス管理責任者等(児童発達支援管理責任者を含みます)の平均給与額は405,480円、年収に換算すると約486万円です。保育所の保育士との差は月57,361円、年にして約69万円。内訳は基本給250,510円・手当91,940円・一時金63,030円となっています。

そして後半で詳しく書きますが、保育所で5年以上働いた保育士は、この児発管の実務経験要件をすでに満たしている可能性が高いのです。これが、保育士が放デイ・児発に移るいちばん大きな意味です。

保育士資格は放デイ・児発でどう扱われるのか 配置基準での立ち位置

放課後等デイサービスと児童発達支援の人員配置基準では、直接支援を行う職員について「児童指導員又は保育士」が半数以上でなければならないと決められています。定員10人以下の放デイなら、サービス提供時間を通じて児童指導員または保育士を2人以上(うち1人以上は常勤)配置する必要があります。

これが何を意味するかというと、保育士資格は放デイ・児発では「あると有利」ではなく「事業所側が必要としている」資格だということです。無資格の支援員をいくら採用しても、この半数以上の要件は満たせません。保育士資格を持っている人が応募してきたら、事業所としては配置基準の頭数がひとつ埋まるので、採用の優先度は自然と上がります。

児童指導員任用資格との違い

児童指導員は国家資格ではなく任用資格で、社会福祉士・精神保健福祉士の資格保持者、大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学のいずれかを専修した卒業者、教員免許保持者などが該当します。放デイの現場では、この児童指導員任用資格と保育士資格が同格に扱われます。どちらも配置基準上の「半数以上」にカウントされます。

「児童指導員として採用します」と言われたときの意味

保育士資格を持っているのに求人票や内定通知に「児童指導員」と書かれることがあります。これは間違いではありません。事業所によっては職名を児童指導員で統一していることがあるためです。ただし、職名が資格手当の額に直結している場合があるので、ここは必ず確認してください。

確認しないと危険「保育士資格をお持ちなら大丈夫です」とだけ言われて、資格手当の額を聞かずに入職する。保育士手当が月10,000円ある事業所と0円の事業所では、年間で12万円違います。

こう聞く「保育士資格に対する資格手当は月いくらでしょうか。職名が児童指導員になる場合でも同じ額が出ますか」。金額を口頭で聞いたら、必ず労働条件通知書の書面で確認します。

保育士がいると事業所が取れる加算がある

放デイ・児発には、人員配置基準を超えて児童指導員や保育士を配置した場合に算定できる児童指導員等加配加算があります。つまり保育士資格を持つあなたが1人増えることで、事業所の収入も増える構造です。面接でこの加算を算定しているかどうかを聞くと、事業所が人員配置にどれだけ投資しているかが分かります。

仕事内容はどう変わるか 保育園との8つの違い

保育所と放課後等デイサービスの1日の流れを左右で対比した図

ここがいちばん大きく変わるところです。同じ「子どもと関わる仕事」ですが、1日の構造がまるごと入れ替わります。

項目保育所放課後等デイサービス
対象年齢0〜5歳6〜18歳(小1から高3まで同じ空間にいる)
1日の在籍時間8〜11時間平日は3時間前後。学校休業日は6〜8時間
職員1人あたりの子ども1歳児6人、4〜5歳児25〜30人などおおむね5人に1人。実際は2〜3人に1人のことも多い
午前中保育の中心時間子どもが来ない。記録・会議・計画作成・送迎準備の時間
主な活動集団での設定保育・行事個別支援計画に基づく個別課題+小集団活動
送迎基本的になし学校・自宅への送迎が業務。多くの事業所で運転あり
書類連絡帳・保育日誌・指導計画個別支援計画・モニタリング・支援記録・各加算の記録
保護者との接点送り迎えの数分と連絡帳送迎で毎日玄関先で話す。面談も定期的にある

いちばん大きいのは「午前中がまるごと事務時間になる」こと

放デイの平日は、子どもが来るのが14時から15時ごろです。それまでの午前中は、記録を書き、個別支援計画を作り、会議をし、送迎ルートを確認する時間になります。保育園で「午睡中の30分で連絡帳を書き切る」ことに慣れていた人ほど、この時間の使い方に最初は戸惑います。

逆に言えば、持ち帰り仕事が減る可能性が高いということでもあります。ただしこれは事業所によります。午前中を全部会議と掃除で埋めてしまい、記録は結局家で書くという事業所も存在します。面接で必ず確認すべき点です。

学校休業日は別物です

夏休み・冬休み・春休み、そして土曜日は、朝9時ごろから子どもが来ます。1日6〜8時間、小1から高3までが同じ部屋にいる状態が1か月以上続きます。放デイの本当の忙しさはここに集中します。面接では「長期休暇中の開所時間と職員配置」を必ず聞いてください。

保育士が最初に戸惑う5つのことと、すぐ戦力になる5つの場面

保育士が放デイで最初に戸惑う4つのことと、すぐ戦力になる4つの強みを対比した図

採用側として見ていると、保育士出身の方がつまずくところと、逆に「さすが」と思うところは、かなりはっきり分かれます。順に書きます。

戸惑うこと1 送迎の運転が毎日の業務に入る

これが最大のギャップです。ハイエースやワゴン車で学校まで迎えに行き、自宅まで送ります。1日2〜3時間を運転に使う事業所もあります。ペーパードライバーだと、正直かなりつらい。求人票に「送迎あり」とだけ書かれていて、運転が必須なのか同乗だけでいいのかが書かれていないことが多いので、ここは面接で必ず「運転は必須ですか。1日何時間くらいですか」と聞いてください。

戸惑うこと2 個別支援計画とモニタリングの期限管理

放デイ・児発では、利用者一人ひとりに個別支援計画を作り、原則6か月ごとにモニタリングして見直します。作成が遅れると個別支援計画未作成減算という減算がかかり、事業所の収入が直接減ります。保育園の指導計画と違って、期限を1日でも過ぎると金額に跳ね返る書類です。計画そのものは児発管が作りますが、支援員も担当児の情報提供やモニタリングの聞き取りで関わります。

戸惑うこと3 集団をまとめる技術が通用しない場面がある

保育園で身につけた「全体に声をかけて動かす」技術は、放デイでは効かない場面があります。一斉指示が入らない子、聴覚過敏で大きな声そのものが刺激になる子がいるためです。最初の数か月は、うまくいかないことのほうが多いと感じるかもしれません。これは能力の問題ではなく、必要な技術が違うだけです。

戸惑うこと4 中高生の身体の大きさ

放デイは18歳まで利用できます。自分より背が高く体重も重い高校生を支援することになります。パニックや他害が起きたときの対応は、乳幼児のそれとはまったく別物です。強度行動障害支援者養成研修を受けさせてくれる事業所かどうかは、ひとつの判断材料になります。

戸惑うこと5 保護者との距離が近い

毎日玄関先で顔を合わせるため、保育園より保護者との距離が近くなります。良い面もありますが、その日の様子を毎回言葉で説明する必要があるということでもあります。「今日は楽しく過ごされました」で済ませていると、すぐに信頼を失います。

逆に、保育士がすぐ戦力になる5つの場面

場面なぜ強いのか
遊びの引き出し手遊び・製作・季節の活動のストックが桁違いに多い。放デイは活動のネタ切れが常に課題なので、これだけで重宝される
発達段階の見立て「この子は今どのあたりか」の感覚が身についている。5領域に沿った支援目標を立てるときに直結する
保護者対応連絡帳と送り迎えで鍛えられている。伝えにくいことを伝える言い回しを持っている
記録を書く速度保育日誌と連絡帳を毎日書いてきた人は、支援記録を書く速度が違う。これは想像以上に評価される
行事の運営準備・進行・役割分担の段取りができる。放デイのイベントは支援員の負担になりがちなので助かる

採用側の本音保育士出身の方が入ってくると、活動の質が目に見えて上がります。逆に、送迎の運転と書類の期限管理さえ乗り越えられれば、ほぼ確実に定着します。辞める人の理由は「支援が向いていなかった」ではなく、この2つであることがほとんどです。

ここまで読んで「自分は動けそうだ」と思ったら

次の章で説明するとおり、保育所での勤続5年は、それだけで児発管の実務経験を満たしている可能性があります。条件がそろっているなら、求人を見るのは早いほうが選べる数が多くなります。

ただし注意点がひとつあって、保育士向けの転職サービスには放デイ・児発の求人がほとんどありません。どのサービスを使い、登録時に何を伝えておけばよいかは、記事の後半でまとめています。

求人の探し方とサービスの選び方を見る

保育所で5年働いた保育士は、もう児発管の実務経験を満たしている

保育所5年の保育士が児童発達支援管理責任者になるまでの5ステップを矢印でつないだ図

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。ほとんどの保育士さんが知らないまま転職しています。

児童発達支援管理責任者(児発管)の実務経験要件のうち、いちばん現実的なのが「相談支援の業務と直接支援の業務が通算5年以上」というルートです。この「直接支援の業務」は、社会福祉主事任用資格者・訪問介護員2級以上・保育士・児童指導員任用資格者・精神障害者社会復帰指導員のいずれかに該当する人が、定められた施設で従事した期間が対象になります。

そして、その「定められた施設」の一覧には、保育所と幼保連携型認定こども園がはっきり明記されています。

直接支援の業務として認められる施設(抜粋)

障害児入所施設、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童家庭支援センター、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設ほか

さらに、障害児通所支援事業・放課後児童健全育成事業(学童保育)・家庭的保育事業・小規模保育事業・事業所内保育事業・病児保育事業なども対象に含まれます。

つまり、保育所で保育士として5年働いた時点で、児発管の実務経験要件(5年)はすでに満たしているということです。放デイに転職してから5年待つ必要はありません。学童保育や小規模保育での勤務も同じように数えられます。

ただし「5年」には日数の条件がある

ここで落ちる人がいます

1年以上の実務経験とは、従事した期間が1年以上、かつ実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上あることを言います。5年以上なら、期間が5年以上あり、かつ従事日数が900日以上必要です。そして産休・育休の期間は、従事期間には算入できますが、勤務日数としてはカウントできません。

「7年3か月勤務、従事日数800日」という証明書だと、期間は足りていても日数が足りず、要件を満たしたことになりません。産育休を取っている場合は、自分の従事日数がいくつになるかを先に確認しておいてください。

資格を取る前の期間も数えられる

もうひとつ、誤解されやすい点です。保育士資格を取得したあとに改めて5年働く必要はありません。資格を取得する前の直接支援業務の従事期間も、そのまま通算できます。無資格の保育補助として2年働いてから保育士資格を取り、その後3年働いた場合、合計5年として扱われます。幼稚園での勤務も、平成29年4月1日の改正で実務経験に算入できるようになっています。

研修は基礎研修、OJT、実践研修の順

実務経験を満たしたら、次は研修です。順番と要件は次のとおりです。

段階要件ポイント
基礎研修配置に関する実務経験要件を満たす予定の日の2年前から受講できる5年を満たす前でも受けられる。ここを知らずに待っている人が多い
OJT原則2年以上。ただし3つの条件を満たせば6か月以上に短縮できる基礎研修修了後は、2人目の児発管として配置でき、個別支援計画の原案も作成できる
実践研修過去5年間に2年以上の相談支援または直接支援業務の経験保育所勤務がそのまま該当する
更新研修初回の実践研修修了年度の翌年度から5年の間に1度受け損ねると児発管として配置できなくなる
OJTを2年から6か月に短縮する3つの条件
  1. 基礎研修の受講時点で、すでに児発管の配置に係る実務経験要件を満たしていること
  2. 障害福祉サービス事業所等で、個別支援計画の作成業務に従事すること
  3. その業務に従事することについて、指定権者(都道府県・指定都市)に届出を行うこと

3つすべてを満たさない場合は、従来どおり2年以上必要です。3つ目の届出を出し忘れて2年かかったという話は珍しくありません。事業所側が手続きを知らない場合もあるので、入職前に「児発管を目指す職員にこの届出を出してもらえますか」と確認しておくと確実です。

整理すると、保育所で5年(900日)働いた保育士は、基礎研修を受けて放デイ・児発に入職し、計画作成業務に従事する届出を出せば、最短で6か月のOJTを経て実践研修に進めます。研修は自治体ごとに年1〜2回・定員制なので、実際には申込のタイミング次第で1〜2年かかりますが、「放デイで5年働いてから」と思い込んで待つより何年も早いことは間違いありません。

必ず自治体の様式で確認してください

実務経験の判断は都道府県・指定都市が行い、細部の運用には差があります。「○○県 障害児 実務経験証明書」で検索すると自治体の様式が出てきます。証明は、その期間に勤務していた法人の現代表者が業務内容と勤務日数を証明する形になるので、前の保育園に証明書を書いてもらう必要があります。退職時に関係を悪くしないほうがいい理由のひとつです。

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求人票で必ず確認する8項目 保育士が見落としやすいところ

放デイ・児発の求人票で必ず確認する8項目のチェックリスト図

放デイ・児発の求人票は、保育園の求人票と書かれている項目が違います。保育園の感覚で読むと、いちばん重要なところが抜け落ちます。次の8つを確認してください。

項目書かれていなければ聞くこと
1. 送迎の運転運転は必須か、AT限定で足りるか、1日何時間か、事故時の負担はどうなるか
2. 採用職名保育士としての採用か児童指導員としての採用か。手当が変わるか
3. 資格手当保育士資格に対して月いくらか。額が明記されていない求人は必ず確認
4. 処遇改善加算の配り方毎月の手当か、賞与にまとめてか。前者と後者では年収が数十万円変わる
5. 学校休業日の開所時間夏休みは何時から何時までか。早番・遅番のシフトがあるか
6. 土曜勤務と年間休日土曜開所の頻度、日曜祝日は休みか、年間休日の実数
7. 児発管の在籍常勤で何人いるか。1人しかいない事業所は、その人が辞めると運営が止まる
8. 定員と実際の職員数定員10人に対して常勤が何人か。加配加算を算定しているか

「未経験歓迎・保育士資格必須」の求人の読み方

この組み合わせは、配置基準の「児童指導員又は保育士が半数以上」を埋めるための募集であることが多いです。悪いことではありませんが、あなたの経験を評価しての募集ではなく、頭数として必要な募集である可能性を念頭に置いて条件交渉してください。保育士資格は事業所にとって必要なものなので、こちらに交渉の余地があります。

面接で聞くべき6つの質問 計画と記録の話をすると実力が分かる

面接でこちらから聞く4つの質問と、要注意となる回答を対比した図

放デイ・児発の事業所の質は、外から見ても分かりません。パンフレットも見学時の雰囲気も、良い事業所と良くない事業所でほとんど差が出ないためです。差が出るのは個別支援計画と記録の運用について具体的に聞いたときです。

質問1 個別支援計画は誰がどのように作っていますか

良い事業所は「児発管が原案を作り、支援員が担当児の様子を書面で出し、会議で確定します」と手順で答えます。「児発管が全部やっています」だけで終わる事業所は、支援員が計画に関わっていない=計画と日々の支援がつながっていない可能性があります。

質問2 記録は勤務時間内に終わりますか

「みんな持ち帰っています」と正直に答えてくれるのは、ある意味で誠実です。問題はここを曖昧にする事業所です。「終わる人は終わっています」という答えは、実質的に終わっていないという意味です。

質問3 送迎は誰が何時間運転しますか

具体的な時間が返ってこない場合、実態を把握していないか、伝えたくないかのどちらかです。「ルートによりますが1日2時間くらいです」のように数字で返ってくる事業所は信用できます。

質問4 前任の保育士の方は何年いらっしゃいましたか

これがいちばん正直な答えが返ってくる質問です。事実がひとつしかないためです。1年未満が続いている、あるいは答えを濁す場合、理由は職場側にあります。

質問5 算定している加算を教えてください

児童指導員等加配加算、専門的支援体制加算、家族支援加算、事業所内相談支援加算などをすらすら答えられる事業所は、制度を理解して運営しています。「基本報酬だけです」という事業所は、収入が少ないぶん人件費にも余裕がありません。

質問6 児発管を目指す職員への支援はありますか

基礎研修の受講費用を出してくれるか、勤務扱いで行かせてくれるか、OJT短縮の届出を出してくれるか。ここまで答えられる事業所は、人を育てる前提で採用しています。

聞き方のコツ「勉強のために教えていただきたいのですが」と前置きすると、警戒されずに聞けます。待遇の話より先に支援の話を聞く順番にすると、事業所側の印象も良くなります。

後悔しない事業所の選び方 放デイの「当たり外れ」はここに出る

放デイ・児発は事業所数が多く、質の幅も広い分野です。同じ市内でも、支援の中身がまったく違います。見分けるポイントを5つに絞ります。

1 5領域に沿った支援になっているか

令和6年度の報酬改定で、個別支援計画には「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域すべてを含めることが必須になりました。見学時に「5領域はどう計画に落とし込んでいますか」と聞いて、具体的な活動と結びつけて説明できるかどうかを見てください。説明できない事業所は、様式を埋めただけの計画になっている可能性があります。

2 活動が「預かり」になっていないか

見学に行ったとき、子どもたちが何をしているかを見てください。全員がテレビを見ている、あるいは自由遊びだけで職員が見守っているだけの時間が長い事業所は、実質的に預かりサービスになっています。療育をしたくて転職するなら、ここは決定的です。

3 送迎の負担が特定の人に偏っていないか

「運転できる人が2人しかいない」という事業所では、あなたが3人目として全部の送迎を担当することになります。職員全体の何人が運転しているかを確認してください。

4 研修に行かせてもらえるか

強度行動障害支援者養成研修、児発管基礎研修、虐待防止・身体拘束適正化の法定研修。これらを勤務扱いで受けさせてくれるかどうかで、5年後の自分の市場価値がまったく変わります。自費・公休扱いという事業所は、人を育てる気がないと考えていいと思います。

5 職員の年齢構成と在籍年数

見学時に、職員の年齢層と、いちばん長い人が何年いるかを聞いてください。全員が20代で在籍1〜2年という事業所は、人が回転している証拠です。逆に、10年選手が複数いる事業所は、それだけで働きやすさの証明になります。

見学は必ず「子どもがいる時間」に行く

午前中の見学だと、子どもが1人もいない部屋を見て帰ることになります。平日の15時以降か、学校休業日に見学させてもらってください。「子どもがいる時間に見せたくない」という反応が返ってきたら、それ自体が答えです。

保育士が放デイ・児発の求人を探すときのサービスの使い方

※本セクションにはアフィリエイト広告を含みます。

最後に、求人の探し方です。ハローワークと事業所の直接応募でも探せますが、送迎の実態・記録の持ち帰り・前任者の在籍年数といった、求人票に書かれない情報を事前に知りたい場合は、間に人が入るサービスを使ったほうが早く分かります。

保育士向けサービスより、障害福祉に強いサービスを使う

ここが意外と重要です。保育士向けの転職サービスは保育園・こども園の求人が中心で、放デイ・児発の求人はそれほど多くありません。放デイ・児発の求人が集まっているのは、介護・障害福祉を扱うサービスのほうです。「保育士資格を活かして障害児支援に移りたい」と伝えれば、そのまま探してもらえます。

登録は2社まで。1社では足りず、3社以上は逆効果

1社だけだと、その担当者が持っている求人しか見えません。提示された条件が相場なのかどうかを判断できません。2社に同じ条件を伝えて、両方から同じような求人が出てくれば、それがその条件の相場だと判断できます。一方で3社以上に登録すると、同じ事業所を別々の会社から紹介される重複応募が起き、事業所側の心証を損ねます。

登録時に先に伝えておくとよいこと

  • 保育士資格の有無と、保育所での勤続年数(児発管の実務経験に直結します)
  • 運転が可能かどうか、送迎をどこまで受けられるか
  • 土曜勤務と長期休暇のフル勤務が可能かどうか
  • 児発管を目指したいかどうか(目指すなら求人の選び方が変わります)
レバウェル介護

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介護と障害福祉の両分野を扱うサービスで、放課後等デイサービス・児童発達支援の求人もここに集まります。保育士向けサービスは保育園求人が中心になりがちなので、放デイ・児発を本気で探すならまずこちらです。職場の内部事情まで踏み込んで教えてくれるため、送迎の実態や記録の持ち帰りの有無といった、求人票に絶対に書かれないところを先に聞けます。

放デイ・児発の求人を見てみる(登録無料)

クリックジョブ介護

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非公開の正社員求人に強いサービスです。1社だけだとその担当者が持っている求人しか見えず、提示された条件が相場なのか判断できません。レバウェル介護と2社を併用して同じ条件を伝え、両方から出てきた求人を見れば、それがその条件の相場だと判断できます。

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かいご畑

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働きながら資格を取る支援制度があります。保育士資格をすでに持っている場合は使いどころが限られますが、介護職員初任者研修や実務者研修を足して支援の幅を広げたい場合、費用を抑えられます。

資格取得の支援制度を確認する

保育士向けサービスも1社だけ押さえておく

放デイ・児発の求人数では介護・障害福祉系にかないませんが、「保育園に戻る選択肢も残しておきたい」「まずは保育士資格を軸に求人を見たい」という段階なら、保育士向けのサービスを1社だけ併用しておくと比較の幅が出ます。放デイ・児発の求人も扱っているので、条件を伝えれば障害児支援の求人も出てきます。

保育求人ラボ

保育士の求人に特化したサービスです。保育園・こども園が中心ですが、放課後等デイサービスや児童発達支援の求人も扱っています。保育士資格を持っている前提で話が進むので、資格手当や職名の確認を任せやすいのが利点です。

保育士向けの求人を見てみる

在職中に進めるときの順番
  1. 3か月前。2社に登録して求人を集める。この段階ではまだ応募しない
  2. 2〜3か月前。8項目で絞り、2〜4か所に応募。見学は子どもがいる時間に
  3. 2か月前。内定と条件提示。労働条件通知書を書面で受け取る
  4. 1.5か月前。退職の意向を伝える。保育所は年度替わりが区切りになりやすい
  5. 1か月前。引き継ぎ。実務経験証明書を書いてもらう相手なので、円満に辞める

よくある質問

Q. 保育士資格だけで放デイ・児発に転職できますか。

できます。放デイ・児発の人員配置基準では直接支援職員の半数以上が「児童指導員又は保育士」である必要があるため、保育士資格はそのまま配置基準を満たす資格として扱われます。障害児支援の経験がなくても応募できます。

Q. 保育園での経験は、児発管の実務経験に本当に数えられますか。

数えられます。児発管の実務経験の対象施設一覧に保育所と幼保連携型認定こども園が明記されており、保育士は「直接支援の業務」の有資格者として扱われます。ただし従事日数(5年なら900日以上)の条件があり、産休・育休の期間は日数としてカウントできません。最終的な判断は自治体が行うので、実務経験証明書の様式で確認してください。

Q. 運転免許がないと放デイでは働けませんか。

事業所によります。送迎車が複数あり運転できる職員が多い事業所や、保護者送迎が中心の事業所なら運転なしでも働けます。ただし求人の選択肢はかなり狭くなります。応募前に「運転は必須ですか」と確認してください。

Q. 給料は下がりますか。

国の調査の平均で見るかぎり、保育所(348,119円)と障害福祉分野の保育士(343,600円)はほぼ同水準です。ただし個別の提示額は法人によって差が大きいので、現職の源泉徴収票を手元に置いて、賞与実績を含めた年収ベースで比較してください。月給だけで比べると賞与の差を見落とします。

Q. 児童発達支援と放課後等デイサービス、どちらが保育士向きですか。

未就学児が対象の児童発達支援のほうが、保育園の経験がそのまま活きます。遊びを通した支援、保護者支援、発達段階の見立てはほぼ共通です。放課後等デイサービスは小1から高3までが対象なので、思春期以降の支援という新しい技術が必要になります。迷うなら児発から入るのが無難です。

Q. 保育園に戻ることはできますか。

できます。保育士資格は失効しませんし、放デイ・児発での経験は「障害児保育の経験がある保育士」として保育園側からも評価されます。加配が必要な子どもへの対応ができる人材は保育園でも不足しているので、むしろ戻りやすくなる面があります。

まとめ 給料のためではなく、そのあとの道のために移る

この記事の要点をもう一度整理します。

  • 保育所の保育士348,119円、障害福祉分野の保育士343,600円。転職1年目の給料はほぼ変わりません
  • ただし勤続年数は保育所11.2年に対し障害福祉7.0年。同じ勤続で比べれば放デイ側が上になる可能性が高い
  • 上がるのは児発管(405,480円・年収約486万円)になってから
  • そして保育所で5年(900日)働いた保育士は、児発管の実務経験要件をすでに満たしている
  • 基礎研修は要件を満たす予定日の2年前から受講可能。OJTは届出をすれば6か月に短縮できる
  • 仕事で大きく変わるのは、送迎の運転と、個別支援計画・記録の期限管理の2つ
  • 逆に、遊びの引き出し・発達の見立て・保護者対応・記録の速度は、そのまま強みになる
  • 事業所の質は、個別支援計画と記録の運用を具体的に聞けば分かる

保育園がつらいから逃げる、という理由で移ると、送迎と書類でまた同じところに戻ります。そうではなく、保育士としての5年を、児発管という次の役職に変換するために移る。そう考えたときに、放デイ・児発はかなり合理的な選択肢になります。

まずは、ご自身の保育所での従事期間と従事日数を数えてみてください。5年と900日を超えているなら、あなたはもう要件を満たしています。

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室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ管
福祉の現場 × 4児の父親
福祉と子育てを、現場の目線で。
グループホーム・放課後等デイサービスでの支援・管理経験をもとに、福祉の制度や働き方、子育てに役立つ情報を発信しています。
支援歴10年以上
20代後半から、グループホームの施設長・放課後等デイサービスの管理者を経験。
4児の父親
現場で働きながら4人の子どもを育て、仕事と子育ての両立に向き合っています。
資格・研修
介護福祉士保育士サービス管理責任者
3級ファイナンシャル・プランニング技能士実務者研修教員講習会 修了強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)防火管理者(甲種)
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