障害者グループホームの入居条件・費用・申請方法【完全ガイド】
「障害者グループホームに入りたいけれど、自分は条件を満たしているの?」「いったいいくらかかるの?」「申請って難しいんじゃないか…」——そんな不安を抱えて、なかなか最初の一歩を踏み出せない方は少なくありません。
障害者グループホーム(正式名称:共同生活援助)は、障害のある方が地域で自分らしく暮らすための福祉サービスです。支援スタッフが常駐し、食事・入浴・服薬管理などの生活面をサポートしながら、入居者が主体的に生活できる環境を整えています。しかし、「誰でも入れるのか」「費用の全体像」「どう手続きを進めるか」が一目でわかる情報源が少なく、困っている方が多いのが実情です。
この記事では次の3大疑問をすべて解決します。
この記事でわかること
- ▶①入居条件:対象となる障害種別・年齢・障害支援区分・手帳の要否
- ▶②費用:利用料・家賃・食費の内訳と月額シミュレーション、補助制度の活用法
- ▶③申請方法:STEP1〜6の時系列フローと必要書類一覧
さらに2024年4月施行の法改正情報、よくある質問8問への回答まで網羅しています。ぜひ最後まで読んで、グループホーム入居への第一歩を踏み出してください。
障害者グループホームとは?基本をわかりやすく解説

ポイント
障害者グループホーム(正式名称:共同生活援助)は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。数名〜十数名の障害のある方が共同住居で生活しながら、世話人(支援スタッフ)による日常生活上の援助を受けます。
障害者グループホーム(共同生活援助)とは
障害者グループホームとは、障害者総合支援法(第5条第17項)に基づく「共同生活援助」というサービスのことです。数名〜十数名の障害のある方が、共同住居で生活しながら、世話人(支援スタッフ)による日常生活上の援助を受けるしくみです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 障害者総合支援法(第5条第17項) |
| 対象者 | 障害のある方(原則18歳以上) |
| 住居形態 | 共同住居(アパート・一軒家など) |
| 定員 | 原則2〜10名程度 |
| 支援体制 | 世話人・サービス管理責任者が常駐または訪問 |
| 入居期間 | 原則として期限なし(一部「通過型」を除く) |
施設入所支援・老人ホームとの違い
施設入所支援は重度障害者向けの入所型施設で、自由度はグループホームより低めです。老人ホーム(介護保険施設)は65歳以上が主な対象で、障害福祉サービスではなく介護保険が適用されます。グループホームは「地域の中で普通の住まいに近い形で生活する」ことを目指している点が最大の違いです。
グループホームで受けられる支援内容
- ▶日常生活支援:食事の提供・調理補助、掃除・洗濯のサポート
- ▶健康管理支援:服薬管理、通院同行
- ▶金銭管理支援:日用品の購入補助、金銭の自己管理練習
- ▶緊急時対応:夜間の緊急呼び出し、体調不良時の対応
- ▶相談支援:生活上の悩みや職場・家族関係の相談
障害者グループホームの種類(4類型)

①介護サービス包括型
グループホーム自体がスタッフを雇用し、日常生活支援から身体介護まで一体的に提供します。全国で最も多いタイプで、知的障害・精神障害・身体障害など幅広い方が利用しています。
②外部サービス利用型
生活支援はグループホームが担い、身体介護は外部の居宅介護事業所が担当する分業型です。障害支援区分が比較的低い方や、既に馴染みのヘルパー事業所がある方に適しています。
③日中活動サービス支援型
重度障害者(区分6相当)や高齢障害者を対象とし、日中も施設内で活動支援を受けられます。2018年の法改正で創設され、日中活動の場が少ない重度障害者の受け皿として整備が進んでいます。
④サテライト型(一人暮らし移行向け)
本体住居とは別の独立した住居(アパートの一室など)を使用するタイプです。本体のサポートを受けながら、実質的に一人暮らしに近い生活を練習できます。将来的な一人暮らし・自立を目指す方に向いています。
自分に合ったタイプはどれ?選び方の目安
| タイプ | こんな方に向いている |
|---|---|
| 介護サービス包括型 | 介護ニーズあり・支援を一か所に集約したい |
| 外部サービス利用型 | 区分低め・既存ヘルパーを継続したい |
| 日中活動サービス支援型 | 重度障害・区分6・日中活動の場が必要 |
| サテライト型 | 将来の一人暮らし・自立を目標にしている |
アドバイス
どのタイプが自分に合っているか迷った場合は、相談支援専門員に相談するのが最も確実です。状況を整理したうえで最適なタイプを一緒に検討してくれます。
【入居条件】障害種別・年齢・支援区分・手帳なしでも入れる?
対象となる障害・疾患の種類
障害者グループホームを利用できるのは、障害者総合支援法の対象となる障害・疾患を持つ方です。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 身体障害 | 視覚・聴覚・肢体・内部障害など |
| 知的障害 | 療育手帳(または判定書)を持つ方 |
| 精神障害 | 統合失調症・双極性障害・うつ病・依存症など |
| 発達障害 | 自閉スペクトラム症(ASD)・ADHD・学習障害など |
| 難病 | 指定難病(2024年時点で338疾病)を持つ方 |
年齢要件(18歳以上・65歳問題)
グループホームの利用は原則として18歳以上が対象です。65歳になっても、65歳前から利用していた方は継続利用できます(障害者総合支援法附則第19条)。2018年以降は「共生型サービス」制度によって介護保険との組み合わせ利用も可能になっています。
障害支援区分は必須?区分ごとの扱い
| タイプ | 必要な区分の目安 |
|---|---|
| 介護サービス包括型 | 区分1以上(規定なしの施設もあり) |
| 外部サービス利用型 | 区分1以上 |
| 日中活動サービス支援型 | 区分4以上 |
| サテライト型 | 区分1以上 |
障害者手帳は必要?手帳なしで入れるケース
チェック
障害者手帳がなくても利用できる場合があります。利用条件は「手帳の保有」ではなく「障害福祉サービス受給者証の取得」です。医師の診断書・意見書をもとに申請できます。まずは市区町村の障害福祉窓口にご相談ください。
グループホームごとに異なる独自基準に注意
注意
施設によって入居基準が異なります。以下の点を事前に確認しましょう。
- ▶日中活動先の確保(就労先・通所施設が必要な場合が多い)
- ▶自傷・他傷行為への対応可否
- ▶医療的ケアの必要性(たん吸引・経管栄養など)
- ▶性別・障害種別の限定(女性専用・知的障害専門など)
障害者グループホームの費用は月いくら?内訳と補助制度を解説

障害福祉サービス利用料(自己負担の上限額)
| 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 市町村民税非課税世帯(低所得) | 0円 |
| 一般1(本人収入〜160万円) | 9,300円 |
| 一般2(それ以外) | 37,200円 |
チェック
グループホーム利用者の多くは非課税世帯に該当し、サービス利用料の自己負担が0円になるケースが多いです。
家賃・食費・水道光熱費の目安
| 費目 | 月額目安 |
|---|---|
| 家賃 | 15,000〜50,000円(地域差大) |
| 食費 | 15,000〜30,000円 |
| 水道光熱費 | 5,000〜10,000円 |
| 日用品・消耗品費 | 3,000〜5,000円 |
| その他(通信費など) | 5,000〜10,000円 |
月額総費用のシミュレーション例
【ケースA】非課税世帯・地方在住(月額約5万円)
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| サービス利用料 | 0円 |
| 家賃 | 20,000円 |
| 食費 | 18,000円 |
| 水道光熱費 | 6,000円 |
| 日用品・その他 | 6,000円 |
| 合計 | 約50,000円 |
【ケースB】課税世帯(一般1)・都市部(月額約9万円)
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| サービス利用料 | 9,300円 |
| 家賃 | 40,000円 |
| 食費 | 25,000円 |
| 水道光熱費 | 9,000円 |
| 日用品・その他 | 8,000円 |
| 合計 | 約91,300円 |
※費用は自治体・施設によって異なります。見学時に詳細な費用説明を必ず求めてください。
費用を抑える補助・減免制度
家賃補助制度(特定障害者特別給付費)
- ▶対象:市町村民税非課税世帯
- ▶補助額:実費(家賃)から自己負担額(月額10,000円)を引いた額(上限月額10,000円)
- ▶申請は市区町村の障害福祉窓口で行えます
食費等実費の減免措置
低所得世帯を対象に、食費・光熱水費等の実費について一定額を補助します。詳細は自治体によって異なります。
自治体独自の補助制度も要チェック
- ▶家賃助成の上乗せ(東京都など大都市圏で多い)
- ▶生活用品の購入補助・引越し費用の一部補助
アドバイス
補助制度は申請しなければ受け取れません。相談支援専門員に「使える制度がないか確認してほしい」と積極的に依頼しましょう。
グループホームの申請方法と入居までの流れ【6ステップ】

ポイント
全体の所要期間は2〜6か月程度が目安です。早めに動き始めることが重要です。
STEP1:市区町村窓口への相談・利用申請
住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口(福祉課・障害者支援課など)に相談し、障害福祉サービスの利用申請を行います。相談支援専門員(指定相談支援事業所)への相談も有効です。
STEP2:障害支援区分の認定(審査・調査)
認定調査員が訪問し、日常生活の状況を調査します。医師意見書と調査結果をもとに区分1〜6が認定されます。所要期間の目安は1〜3か月です。
注意
調査時は普段の困りごとを正直に伝えることが重要です。「頑張ればできる」という態度は正しく評価されないことがあります。
STEP3:サービス等利用計画書の作成
相談支援専門員がサービス等利用計画書を作成します。事業所が見つからない場合はセルフプランの作成も可能です。
STEP4:支給決定・受給者証の交付
市区町村が計画書を審査し支給決定します。障害福祉サービス受給者証が交付されます。
STEP5:グループホームの見学・体験入居
受給者証の交付前後に、希望施設への見学・体験入居(数日〜2週間)を進めます。
見学チェックリスト
- ▶スタッフの対応・夜間緊急体制
- ▶居室の広さ・バス/トイレ共用か
- ▶食事内容・アレルギー対応
- ▶他の入居者との雰囲気
- ▶通所・通勤へのアクセス
STEP6:契約・引っ越し・住民票の移動
施設とサービス利用契約を締結します。入居後は住民票・健康保険・障害年金振込口座の住所変更も忘れずに行いましょう。
申請に必要な書類一覧
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 障害者手帳(持っている場合) | 都道府県・政令市 |
| 医師の診断書・意見書 | かかりつけ医 |
| 印鑑・本人確認書類 | — |
| 所得・課税証明書(世帯全員分) | 市区町村役所 |
| 障害福祉サービス受給者証(認定後) | 市区町村 |
※自治体によって必要書類が異なる場合があります。事前に窓口で確認してください。
自分に合ったグループホームの選び方と探し方5つ
主な探し方5つ
- ▶相談支援専門員に依頼する(最も確実)
- ▶市区町村の障害福祉窓口で一覧をもらう
- ▶WAM NET(独立行政法人福祉医療機構)で検索する
- ▶グループホーム紹介ポータルサイト(みんなのグルホ、グルホネットなど)を使う
- ▶エリアを広げて検索する(通所先・職場へのアクセスを維持しつつ範囲拡大)
見学・体験入居で確認すべきポイント
スタッフ体制・費用の詳細(パンフレット外の費用)・生活ルール・入居者の状況・退去条件を必ず確認しましょう。
入居までに待機が必要な場合の対処法
- ▶複数施設に同時申し込む(希望順位をつけて)
- ▶定期的に空き状況を確認し意思表示を続ける
- ▶ショートステイ・訪問サービスで当面の生活を維持する
- ▶地域の基幹相談支援センターにコーディネートを依頼する
障害者グループホームのメリット・デメリットと向いている人
グループホームの3つのメリット
- ▶地域の中で「自分らしい生活」が送れる:近所との交流など地域とのつながりを持ちながら生活できます
- ▶必要な支援を受けながら自立できる:将来の一人暮らしに向けたスキルを少しずつ身につけられます
- ▶安心できるコミュニティがある:入居者仲間・スタッフとの関係が孤立を防ぎ、家族の介護負担も軽減されます
知っておくべき3つのデメリット・注意点
- ▶空き待ちが長期化することがある:特に都市部では数か月〜1年以上待つケースもあります
- ▶共同生活のルールに馴染めない場合がある:体験入居で事前確認が重要です
- ▶重度障害・医療的ケアには対応できない施設が多い:常時医療的処置が必要な方は施設入所支援も検討を
グループホームが特に向いている人・向いていない人
| 特徴 | |
|---|---|
| 向いている | 家族から自立したい・日中は就労/通所している・コミュニティを求めている |
| 向いていない | 常時医療的処置が必要・完全な一人暮らし希望・共同生活が極めて難しい |

グループホームの最新制度と今後の整備方針
2024年4月改正で何が変わった?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 地域共生社会の推進 | グループホームが地域の「共生の場」として位置づけ強化 |
| 共生型グループホームの新設 | 障害者と高齢者が同一施設で生活できるサービスの拡充 |
| 質・透明性の向上義務化 | 財務状況・人員体制の情報公開が義務化 |
| 自立生活援助の強化 | 退去後の一人暮らし支援の拡充 |
「通過型」から「長期生活型」への政策転換
以前は「グループホームは一人暮らしへの通過点」という考え方が主流でしたが、現在は長期的に安定した生活の場として選ぶことも正当な選択肢として国が認める方向に転換しています。「通過型」を採用する施設は減少傾向にあります。
ポイント
「一人暮らしを目指さなければいけない」というプレッシャーを感じている方も、グループホームを長期の生活の場として選ぶことが、現在は公式に認められた選択肢です。
今後のグループホーム整備の見通し
厚生労働省の障害福祉計画では、グループホームの定員数を今後も増やしていく方針が示されています。特に都市部での供給不足の解消と、重度障害者向け・高齢障害者向けの専門型施設の整備が進められています。
よくある質問!手帳なし・65歳・費用・ペット可否など8問を回答
Q1:障害者手帳がなくてもグループホームに入れますか?
A:入れる場合があります
利用条件は手帳ではなく受給者証の取得です。医師の診断書をもとに申請できます。まず市区町村窓口にご相談ください。
Q2:65歳になったら退去しなければなりませんか?
A:原則として退去不要です
65歳前から利用している方は継続利用できます(障害者総合支援法附則第19条)。
Q3:精神障害のみでも利用できますか?
A:利用できます
統合失調症・双極性障害・うつ病なども対象です。精神障害専門のグループホームも全国に増えています。
Q4:入居期限や更新料はありますか?
A:通常はありません
大半のグループホームは期限なし・更新料なしで利用できます。サテライト型のみ期限が設けられる場合があります。
Q5:生活保護受給中でも利用できますか?
A:利用できます
サービス利用料の自己負担は0円です。家賃は生活保護の住宅扶助が適用されますが、上限額を超える施設は選べない場合があります。ケースワーカーにご相談ください。
Q6:申請から入居まで何ヶ月かかりますか?
A:平均2〜4か月程度です
障害支援区分の認定に1〜3か月、その後施設の空き待ちが加わることもあります。早めに動き始めることをおすすめします。
Q7:体験入居はどのくらいの期間できますか?
A:数日〜2週間程度が目安です
複数回の体験が可能な施設もあります。積極的に希望を伝えてください。
Q8:ペット・家具の持ち込みは可能ですか?
A:施設のルール次第です
ペットは禁止が多め、家具は居室内に限り可とする施設が多いです。見学時にご確認ください。
まとめ:グループホーム入居への3ステップ
この記事の要点
- ▶グループホームは障害者総合支援法に基づく共同生活援助で、18歳以上の幅広い障害・疾患が対象
- ▶費用は月額4〜9万円程度が目安。低所得世帯は補助制度で大きく軽減可能
- ▶申請はSTEP1(相談)〜STEP6(入居)の流れで、全体2〜4か月が目安
- ▶2024年改正で「長期の生活の場」としての位置づけが強化された
グループホーム入居への3ステップ
- ▶STEP① 入居条件を確認する 障害種別・年齢・区分を自分の状況に照らし合わせる
- ▶STEP② 相談窓口へ行く 市区町村の障害福祉窓口または相談支援専門員に連絡する
- ▶STEP③ 見学・体験入居をする 複数施設を比較し、体験入居で生活感を確認してから決定する
アドバイス
一人で悩まず、まずは相談窓口に連絡することから始めてみてください。専門的な判断が必要な場合は、相談支援専門員や医療機関にご相談ください。制度内容・費用・手続きは自治体によって異なる場合があります。


