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就労継続支援A型・B型とは?違い・仕事内容・給料・選び方を徹底解説

就労継続支援A型・B型とは?違い・仕事内容・給料・選び方を徹底解説
ユイン
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リード文

「就労継続支援A型とB型、何がどう違うの?」「自分はどちらに向いているんだろう?」——障害や難病を抱えながら働くことを考えたとき、多くの方がこうした疑問を感じます。

就労継続支援A型・B型は、一般企業での就労が難しい方に働く機会を提供する障害福祉サービスです。両者の最大の違いは雇用契約の有無。A型は事業所と雇用契約を結んで最低賃金以上の給与を得ながら働く「雇用型」、B型は雇用契約なしで自分のペースに合わせて働ける「非雇用型」です。

この記事では、A型・B型それぞれの仕事内容・給料(工賃)・メリット・デメリットから、利用料の仕組み、失敗しない事業所の選び方、2024年問題と呼ばれるA型事業所の大量閉鎖リスクへの対策まで、利用を検討しているすべての方に向けて網羅的に解説します。

この記事でわかること
  • A型とB型の違い・対象者・比較表
  • 仕事内容・平均給料(工賃)の最新データ(令和6年度)
  • メリット・デメリットと「やめとけ」と言われる理由
  • 利用料の仕組みと9割以上が0円になる理由
  • A型事業所の閉鎖リスクと見極め方・公的救済制度
  • 自分に合った事業所の選び方・申請の流れ
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Contents
  1. 就労継続支援A型・B型とは?制度の基本と対象者
  2. A型の仕事内容・給料とメリット・デメリット
  3. B型の仕事内容・工賃とメリット・デメリット
  4. 就労継続支援の利用料と費用
  5. 失敗しない!就労継続支援事業所の選び方 順番を前に移動
  6. A型事業所の閉鎖リスクと対策
  7. 利用申し込みから働き始めるまでの流れ
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ

就労継続支援A型・B型とは?制度の基本と対象者

就労継続支援A型・B型とは?制度の基本と対象者
就労継続支援A型・B型 H2セクション本文

就労継続支援は、障害や難病によって一般企業での就労が困難な方に働く機会を提供する、障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。利用者の状況に応じて「A型」と「B型」の2種類があり、働き方や対象者が異なります。

A型の特徴と対象者(雇用契約あり)

就労継続支援A型は、事業所と雇用契約を結んで働く支援サービスです。利用者は労働基準法で保護される「労働者」として扱われ、最低賃金以上の給与が支払われるため、安定した収入を得られるのが特徴です。

A型
対象者の条件

一般企業での就労は難しいものの、雇用契約に基づいて一定の労働時間をこなすことが可能な方。原則18歳以上65歳未満(一定の要件を満たせば65歳以上でも継続利用可)

  • 特別支援学校や就労移行支援を利用したが一般就職に結びつかなかった方
  • 過去に就労経験があるものの現在は離職して雇用関係にない方

B型の特徴と対象者(雇用契約なし)

就労継続支援B型は、事業所と雇用契約を結ばずに働く支援サービスです。利用者は「作業者」として扱われ、労働の対価として給与ではなく「工賃」が支払われます。雇用契約による縛りがないため、体力や体調に合わせて柔軟に、自分のペースで無理なく働けるのが最大の特徴です。

B型
対象者の条件

一般企業やA型事業所での雇用契約に基づく就労が難しい方。年齢制限なし

  • 就労経験があるものの年齢や体力面で一般就労が難しくなった方
  • 50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給している方
  • 就労移行支援などでアセスメントを受けB型が適当と判断された方

一目でわかる!A型とB型の違い比較表

項目就労継続支援 A型就労継続支援 B型
雇用契約ありなし
対象者一般就労は困難だが雇用契約を結んで働ける方一般就労及び雇用契約を結んだ就労が困難な方
報酬の扱い給与(最低賃金以上)工賃
平均月額(令和6年度)91,451円24,141円
年齢制限原則18〜65歳未満なし

※平均月額は厚生労働省の令和6年度工賃(賃金)の実績より


障害種別・年齢層でみるA型・B型の利用者像

A型とB型では、利用している方の障害種別にも傾向の違いが見られます。A型は精神障害のある方が約半数を占める一方、B型は知的障害のある方が最も多く、約半数を占めています(厚生労働省・令和4年12月時点)。

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A型の仕事内容・給料とメリット・デメリット

A型の仕事内容・給料とメリット・デメリット

A型の主な仕事内容(事務・製造・IT・接客など)

A型事業所の仕事内容は多岐にわたり、事業所によって取り扱っている業務が大きく異なります。主な業種と具体的な作業内容は以下の通りです。

事務作業系

データ入力、ダイレクトメールの封入・発送、書類整理・ファイリングなど

製造・軽作業系

部品の組み立て・検品、商品の袋詰め・梱包、施設やオフィスビルの清掃など

Web・IT系

Webサイト制作・更新、ブログ・SNSライティング、データ入力など。PCスキルを活かしたい方に人気

接客・サービス系

カフェ・レストランでの接客・調理補助、パン・お菓子・雑貨の販売など

その他

野菜・果物の農作業、ハンドメイド雑貨の製作など、事業所ごとに特色ある作業も


A型の平均月収・給料の目安(最新データ)

就労継続支援A型は事業所と雇用契約を結ぶため、労働基準法に基づいて各地域の最低賃金以上の給料が支払われます。

全国平均賃金(令和6年度実績) 月額 91,451円
前年度(令和5年度) 86,752円 → 上昇傾向

※出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」

1日の実労働時間は4時間〜4時間半程度の事業所が最も多く、労働時間や出勤日数、お住まいの地域の最低賃金によって実際の月収は変動します。また、条件を満たせば雇用保険や社会保険に加入することも可能です。


A型を利用するメリット

A型事業所を利用する主なメリットは以下の通りです。

  • 最低賃金以上の安定した収入を得られる 雇用契約を結んで働くため、工賃制のB型と比べて高い収入を安定して得ることができます。
  • 労働者としての権利が保障される 労働関係法令が適用されるため、有給休暇の取得や各種保険への加入が認められています。
  • 障害特性や体調に配慮された環境で働ける 通院のための休暇取得や体調不良時の配慮など、支援スタッフのサポートを受けながら無理なく働けます。
  • 一般就労に向けたスキルアップができる 実際の業務を通じて仕事のスキルやビジネスマナー、コミュニケーション能力を身につけられ、将来的な一般就労へのステップアップにつながります。

A型のデメリット・注意点(「やめとけ」と言われる理由)

A型事業所にはメリットが多い反面、以下のようなデメリットや注意点もあります。これがネット上などで「やめとけ」と言われる理由になることがあります。

  • ! 給料だけでは自立した生活を送るのが難しい 平均月収は9万円前後のため、都市部での一人暮らしでは収入だけで生活費を賄うのは困難です。多くの方は障害年金などの福祉制度と併用しています。
  • ! 決められた時間・日数を守って働く必要がある 雇用契約を結ぶため、体調に合わせて自由に休めるB型とは異なり、一定の就労リズムを維持できる体力と安定した体調が求められます。
  • ! 利用にあたって採用面接(選考)がある 希望すれば誰でも利用できるわけではなく、書類選考や面接を通過する必要があります。一般就労に近い作業を行うため、一定のスキルが求められることもあります。
  • ! 事業所によって支援や仕事の質に差がある 就労移行支援と比べると一般企業への就職サポートが手薄な傾向があります。仕事内容・職場環境・経営の安定性も事業所ごとに大きく異なるため、事前の見学が重要です。

B型の仕事内容・工賃とメリット・デメリット

B型の仕事内容・工賃とメリット・デメリット

B型の主な仕事内容(軽作業・製造・農作業など)

B型事業所の仕事内容はA型と重なる部分もありますが、雇用契約がない分、身体的・精神的な負担が少ない軽作業や単純作業が中心となる傾向があります。主な業種と作業内容は以下の通りです。

軽作業・製造系

部品の仕分け・袋詰め・梱包・組み立て、シール貼り、商品の検品など。難易度が低く、繰り返し作業が中心

農作業系

野菜・果物・花の栽培、収穫、選別、袋詰め。屋外での作業が多く、体を動かしたい方に人気

食品・販売系

パン・お菓子・弁当の製造と販売。カフェや食堂での接客・調理補助を行う事業所も

事務・PC作業系

データ入力、書類の仕分け・封入、簡単なWebやDTP作業。体力に不安がある方にも取り組みやすい

清掃・環境整備系

施設・オフィス・公共スペースの清掃、ごみ分別、公園・緑地の整備など

手工芸・クリエイティブ系

ハンドメイド雑貨・アクセサリーの制作、木工、陶芸など。個性や得意を活かせる作業も増えています


B型の平均工賃の目安(2025年最新データ)

B型事業所では給与ではなく「工賃」が支払われます。工賃は最低賃金の適用外で、生産活動によって生まれた収益から支払われるため、A型と比べると金額は低くなります。

全国平均工賃(令和6年度実績) 月額 24,141円
前年度(令和5年度) 22,649円 → 上昇傾向

※出典:厚生労働省「令和6年度工賃(賃金)の実績について」

令和5年度から算定方法が変更されました。従来は「工賃支払対象者数」を分母としていましたが、障害特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れる事業所への配慮から、令和6年度報酬改定で「一日あたりの平均利用者数」を分母とする方式に見直されました。この変更により、令和5年度以降の数値は以前と単純比較できません。

工賃の額は事業所の業種・規模・経営状況によって大きく異なり、月額数千円から4万円以上の事業所まで幅があります。多くの利用者は障害基礎年金などと組み合わせて生活費を確保しています。


B型を利用するメリット

B型事業所を利用する主なメリットは以下の通りです。

  • 自分のペースで無理なく働ける 雇用契約がないため、体調に合わせて出勤日数や作業時間を柔軟に調整できます。週1回・半日からスタートできる事業所も多く、長く休んでいた方の社会復帰の場としても機能しています。
  • 年齢制限がなく長期利用できる A型と異なり65歳の年齢制限がありません。利用期間の上限もないため、自分に合ったペースで長く働き続けることができます。
  • 社会参加の場・生活リズムを取り戻せる 規則的に通所することで生活リズムが整い、他の利用者や支援スタッフとの交流を通じて社会とのつながりを保てます。
  • A型や一般就労へのステップアップもできる B型での就労経験を積みながら、体調や能力が安定してきたらA型事業所や就労移行支援、一般就労へと段階的にステップアップを目指すことも可能です。

B型を利用するデメリット・注意点

B型事業所にはメリットがある一方、利用前に把握しておきたい注意点もあります。

  • ! 工賃が低く、収入だけでは生活できない 全国平均は月額24,141円(令和6年度)で、これだけで生活費を賄うことは難しい水準です。障害基礎年金や生活保護などとの併用が前提となります。
  • ! 最低賃金が保証されない 雇用契約を結ばないため、労働基準法の最低賃金は適用されません。作業内容や事業所の経営状況によって工賃が変動することがあります。
  • ! 就労移行支援と比べると一般就労へのサポートが薄い 将来的に一般企業への就職を目指している方にとっては、履歴書作成・面接対策などの就職サポートが手薄な事業所もあります。就職を明確な目標としている場合は就労移行支援の利用も検討するとよいでしょう。
  • ! 事業所ごとに仕事内容・工賃・支援の質に差がある 仕事の種類や職場環境、スタッフの支援体制、工賃の水準は事業所によって大きく異なります。見学や体験利用を通じて、自分に合った事業所かどうかを事前にしっかり確認することが重要です。

就労継続支援の利用料と費用

就労継続支援の利用料と費用
就労継続支援の利用料と費用

世帯収入に応じた利用料の仕組みと負担上限額

就労継続支援A型・B型は障害福祉サービスであるため、利用者は実際にかかるサービス費用の1割を負担するのが原則です。ただし所得に応じて1か月あたりの負担上限額が定められており、それを超えて支払う必要はありません。

区分対象世帯月額負担上限
生活保護 生活保護受給世帯 0円(無料)
低所得 市町村民税 非課税世帯 0円(無料)
一般1 市町村民税課税世帯等 9,300円
一般2 上記以外 37,200円
「世帯」の範囲は本人と配偶者のみ

18歳以上の障害者の場合、「世帯」は本人と配偶者のみが対象です。実家で両親や兄弟姉妹と同居していても、家族の収入は合算されません。

9割以上の利用者が0円で利用
90%以上 の利用者が「生活保護」または「低所得」に該当し、利用料は無料です。

昼食代や交通費など実費について

利用料とは別に、事業所の利用にあたって昼食代・交通費などの実費がかかる場合があります。

昼食代
原則・自己負担

事業所で昼食が提供される場合、食費は自己負担となります。ただし「低所得」および「一般1」区分の方を対象に減免制度があり、食材料費のみの負担に抑えられます。この制度を利用すると月2,000円台など、実費の10分の1以下になるケースも多くみられます。

交通費
A型

雇用契約を結ぶA型事業所では、労働関係法令に基づいて交通費が支給されることがあります

B型

B型事業所は交通費を支給できませんが、市区町村によってはバス・電車代やガソリン代相当の独自の助成制度を設けている場合があります。お住まいの自治体に確認してみましょう。

失敗しない!就労継続支援事業所の選び方 順番を前に移動

失敗しない!就労継続支援事業所の選び方

就労継続支援A型・B型のどちらを選ぶべきか、そして数ある事業所の中から自分に合った場所をどう見極めるかは、無理なく長く働き続けるための重要なポイントです。

A型とB型、どちらがあなたに向いている?(診断チェックリスト)

自分がA型とB型のどちらに向いているか、以下のチェックリストで確認してみましょう。

A型に向いている人
  • 将来的に一般就労を目指している
  • 決められた出勤日数・時間を守って働く体力がある
  • 指示通りに業務を遂行できる一定のスキルがある
  • 安定した収入を得て、経済的・社会的に自立したい
→ A型が向いています 雇用契約を結んで働き、一般就労に近い環境でステップアップを目指せます。
B型に向いている人
  • 長いブランクがあり、いきなり週複数日働くのは不安
  • 体調の波が大きく、毎日決まった時間の勤務が難しい
  • 集団での作業や職場のコミュニケーションに不安がある
  • 短時間から、マイペースで働く習慣を身につけたい
→ B型が向いています 雇用契約なしで、体調やペースに合わせて柔軟に働けます。

見学・体験利用時に必ず確認すべきチェックポイント

気になる事業所を見つけたら、1か所だけでなく複数を見学・体験利用し、以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • 1 立地・通いやすさ 片道30分以内など、自宅から無理なく通える距離・ルートかを確認します。雨の日や体調が悪い日でも通い続けられるかが重要です。
  • 2 仕事内容との相性 実際の生産活動(仕事)の内容が、自分の得意なことや特性に合っているか、「毎日やっても苦にならない」かを見極めます。
  • 3 支援体制や職場の雰囲気 スタッフの人数は十分で質問や相談をしやすい雰囲気か、利用者同士がリラックスして過ごせているかを確認します。
  • 4 事業所の経営状況(A型の場合) WAMNET(独立行政法人福祉医療機構の情報公表システム)等で公表されている「スコア」を確認しましょう。スコア105点以上(できれば120点以上)が安定した運営の目安です。

就労移行支援・就労定着支援・就労選択支援との違い

障害福祉サービスには、就労継続支援(A型・B型)以外にも就労をサポートする制度があります。それぞれの目的の違いを理解しておきましょう。

  • 就労移行支援 一般企業への就職を目指すための「準備の場」 職業訓練・面接対策・職場実習など就職活動に直結するサポートを行います。原則2年間という利用期限があり、給料・工賃は支払われません。
  • 就労定着支援 就職後の「定着」を支える離職防止サービス 就労継続支援や就労移行支援などを経て一般企業に就職した方が、長く働き続けられるよう職場への定着をサポートします。利用期間は最長3年間です。
  • 就労選択支援 自分に合ったサービスを選ぶための「アセスメント」2025年10月〜 A型・B型・就労移行支援のどれが自分に合っているか迷う場合に、アセスメント(評価)を受けて適切な選択をするための支援サービスです。サービス利用前のステップとして活用できます。
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A型事業所の閉鎖リスクと対策

A型事業所の閉鎖リスクと対策

報酬改定による閉鎖の背景と現状

2024年問題:全国で大量閉鎖が発生

2024年3月〜7月にかけて、全国で329事業所が閉鎖し、約5,000人の利用者が解雇・退職を余儀なくされました。

大量閉鎖の引き金となったのは、2024年4月に施行された報酬改定です。就労継続支援A型は本来、事業所が請け負う生産活動の売上で利用者の給与を賄う仕組みですが、実際には赤字分を国からの給付金で補填していた事業所も存在していました。

今回の改定により、基本報酬を決める「スコア方式」の評価が厳格化され、生産活動の利益で賃金を支払えていない事業所は報酬が下がる仕組みへと変わりました。これにより経営状態の厳しい事業所がふるいにかけられ、閉鎖の連鎖につながりました。


危険な事業所のチェックリスト

通っている、またはこれから通おうとしている事業所の経営状態を見極めるために、以下の危険信号を確認しましょう。当てはまる項目が多いほど注意が必要です。

  • 利用者数や仕事の減少 この半年で出席する利用者が目に見えて減ったり、「今日は作業がない」と仕事が縮小・打ち切りになっている。
  • スコアや経営状況が不透明 スコア方式の評価を公表しておらず、経営状況を聞いても曖昧な返答しかされない。
  • 職員や経営母体の頻繁な変更 管理者や支援員が短期間で次々と辞めていく、または経営母体・法人名が突然変わった。
  • 給与のトラブル 給与の支払いが遅れたり、計算根拠が不明確だったりする。
客観的なデータとして、WAMNET(福祉医療機構の情報公表システム)で事業所のスコアを検索することも有効です。スコア105点以上(できれば120点以上)が経営安定の一つの目安とされています。

閉鎖された場合の3つの選択肢と公的救済制度

万が一、通っているA型事業所が閉鎖されてしまった場合、主に以下の3つの選択肢が考えられます。

  • B B型事業所へ転換する 雇用契約のプレッシャーがなく、体調優先で通えます。ただし工賃となるため収入は大きく下がります。実際の閉鎖では約4割の方がB型へ転換しています。
  • A 別のA型へ転所する 給与水準や労働者としての権利を維持できます。ただし経営が安定した事業所を新たに見極める手間と、環境変化のストレスがかかります。
  • 一般就労(障害者雇用など)へ進む 収入アップが期待でき、キャリアの選択肢が広がります。ただし体調が不安定な場合は再離職のリスクも考慮が必要です。

失職した場合は、次が決まるまでの生活を支える公的制度をフル活用しましょう。

  • 雇用保険 失業給付(早期受給が可能) A型は雇用保険に加入しているため、条件を満たせば失業給付の対象になります。事業所都合の閉鎖は「特定受給資格者」となり、自己都合退職より早く受給が開始されます。
  • 職業訓練 ハロートレーニング(無料でスキルアップ) 雇用保険を受給しながら、PC・事務・ITなどの職業訓練を無料で受けてスキルアップを図ることができます。
  • 公的相談 ハローワーク・障害者就業・生活支援センター(ナカポツ) 別の事業所や障害者雇用の求人紹介、生活面の相談が可能です。
  • 既存制度 自立支援医療・障害年金・自治体支援 自立支援医療(精神通院)や障害年金は失職後も原則継続できます。自治体によってはA型閉鎖に伴う独自の緊急相談窓口や転所支援の補助を行っているケースもあります。

利用申し込みから働き始めるまでの流れ

利用申し込みから働き始めるまでの流れ

就労継続支援を利用するためには、事業所と契約するだけでなく、お住まいの自治体(市区町村)で障害福祉サービスを利用するための手続きを行う必要があります。基本的な流れと必要な準備について解説します。

申請に必要な手続きと必要書類

利用開始までの一般的な手順は以下の通りです。

  • 1
    相談と事業所探し 主治医や市区町村の障害福祉担当窓口に相談し、見学や体験利用を通じて自分に合った事業所を探します。
  • 2
    A型のみ 事業所の選考 希望するA型事業所へ応募し、採用選考を受けます。
  • 3
    利用申請とサービス等利用計画の作成 事業所から内定(利用のめど)が出たら、市区町村の窓口で利用申請を行います。どのような支援が必要かをまとめた「サービス等利用計画」の作成も求められます。
  • 4
    受給者証の交付 自治体による認定調査・審査を経て、「障害福祉サービス受給者証」が発行されます。
  • 5
    契約・利用開始 受給者証を持って事業所と正式な利用契約(A型の場合は雇用契約も含む)を結び、就労がスタートします。
申請から受給者証の支給決定までは、およそ1〜2か月程度かかることが多いため、計画的に準備を進めることが大切です。

申請に必要な主な書類は以下の通りです。自治体によって細かな指定は異なります。

  • サービス利用申請書 自治体窓口で受け取れます。
  • 医師の診断書 または 障害者手帳 手帳がなくても、医師の診断書等で障害が確認できれば利用可能な場合があります。
  • サービス等利用計画案
  • 個人情報に関する同意書・マイナンバーがわかるもの

A型事業所の選考(書類選考・採用面接)について

就労継続支援B型や就労移行支援とは異なり、A型は事業所と雇用契約を結ぶため、一般的な就職活動と同様の採用選考を受ける必要があります。

選考方法は事業所によって異なりますが、履歴書などの書類選考を経て採用面接が実施されるケースが一般的です。多くの場合、選考に合格(採用内定)してから、市区町村へ受給者証の利用申請を行う流れとなります。

面接でよく確認される内容
  • 決められた勤務日数・時間を守って働けるか
  • 現在の体調・障害の状況と、必要な配慮
  • これまでの就労経験や得意な作業内容
  • 事業所の仕事内容への適性・意欲

選考に不安がある場合は、見学・体験利用の際に「どのような準備が必要か」を事業所へ事前に確認しておくことをおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)
Q A型とB型は同時に利用できますか?
A

原則として、A型とB型を同時に利用することはできません。就労継続支援は1つのサービスのみ利用する前提で設計されており、同一期間中に複数の就労系障害福祉サービスを重複利用することは制度上認められていません。

ただし、B型からA型へ移行する、またはA型からB型へ転換するといった乗り換えは可能です。体調や状況に応じて段階的にサービスを切り替えることで、自分のペースでステップアップを図ることができます。

Q 障害者手帳がなくても利用できますか?
A

手帳がなくても利用できる場合があります。障害福祉サービス受給者証の発行には、必ずしも障害者手帳が必須ではなく、医師の診断書や意見書によって障害や難病が確認できれば申請が可能なケースがあります。

精神疾患・発達障害・難病などで手帳の取得が難しい方や、まだ手帳を持っていない方でも、まずは主治医や市区町村の障害福祉窓口に相談してみましょう。

判断基準は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村窓口に確認することをおすすめします。
Q A型事業所を解雇されることはありますか?
A

A型は雇用契約を結ぶため、一定の条件下では解雇される可能性があります。主なケースは以下の通りです。

  • 年齢制限(原則65歳)に達した場合
  • 雇用契約に違反した場合(著しい無断欠勤・就業規則違反など)
  • 事業所の閉鎖・倒産・廃業による整理解雇

一方でB型は雇用契約を結ばないため、こうした意味での「解雇」はありません。A型の利用にあたっては、雇用契約の内容(契約期間・更新の有無・解雇条件など)を事前によく確認しておくことが大切です。

Q 就労継続支援を利用しながらアルバイトはできますか?
A

原則としてアルバイトとの併用は認められていません。就労継続支援は「一般就労が困難な方」を対象とする福祉サービスのため、アルバイトができる程度に就労能力があるとみなされると、サービスの利用対象から外れる場合があります。

ただし、令和6年度の報酬改定により、一般就労への移行を目的とした例外的な併用が一部認められるようになりました。たとえば「週10時間未満の一般就労をしながら通所して就労環境を安定させる」ケースなど、市区町村が必要と認めた場合に限り許可されることがあります。

判断は自治体によって異なります。無断でアルバイトをすると収入が発覚してサービス利用が継続できなくなるリスクがあるため、必ず事前に自治体・事業所に相談してください。
Q 一般就労への移行率はどのくらいですか?
A

厚生労働省のデータによると、就労継続支援から一般就労へ移行する割合(移行率)は、就労移行支援と比べると低い水準にありますが、年々増加傾向にあります。

就労系サービス別の一般就労移行率(おおよその目安)は以下の通りです。

就労移行支援 約50%(利用期間2年間で)
A型 約25%が一般就労へ移行
B型 約10%が一般就労へ移行

A型はB型に比べて移行率が高い傾向にありますが、これは日常的に雇用契約に近い働き方を経験しているためと考えられます。一般就労を明確な目標としている方には、就労移行支援の利用も選択肢として検討するとよいでしょう。

出典:厚生労働省「就労継続支援A型・B型における就労支援施策の状況」

まとめ

就労A B
まとめ

就労継続支援A型・B型は、障害や難病によって一般企業での就労が難しい方が、支援を受けながら自分のペースで働ける大切な制度です。この記事のポイントを最後に整理します。

A型の特徴
  • 事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を得られる
  • 全国平均月収は約91,451円(令和6年度)
  • 労働者としての権利(有給・保険)が保障される
  • 採用選考(面接)あり/原則18〜65歳未満
B型の特徴
  • 雇用契約なし。体調に合わせて柔軟に働ける
  • 全国平均工賃は約24,141円(令和6年度)
  • 年齢制限・利用期間の上限なし
  • 選考なしで利用しやすく、社会復帰の入口に
事業所選びのポイント
  • 複数の事業所を見学・体験利用して比較する
  • 仕事内容・通いやすさ・支援体制を確認する
  • A型はWAMNETでスコア(105点以上が目安)を確認
  • 経営状況や職員の定着率にも注目する
費用について
  • 利用料は原則1割負担、上限額あり
  • 9割以上の利用者が0円(無料)で利用
  • 昼食代・交通費などの実費は別途かかる場合あり
  • 低所得・一般1区分は食費の減免制度が使える

利用までの流れは、相談・事業所探し→申請・受給者証取得→契約・利用開始という順で進み、申請から利用開始まで1〜2か月程度かかります。A型の場合は採用選考も含まれます。

また、2024年の報酬改定によるA型事業所の大量閉鎖を踏まえ、通っている事業所のスコアや経営状況を定期的に確認し、万が一の閉鎖に備えて雇用保険・ハローワーク・障害者就業・生活支援センターなどの公的救済制度を把握しておくことも大切です。

就労継続支援は「できることを、できる範囲で」続けることが大切な制度です。

まずは見学・体験利用から、自分に合った事業所を探してみましょう。

市区町村の障害福祉窓口や、相談支援専門員に相談するところから始めることができます。

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室長:ユイン
室長:ユイン
介護福祉士・保育士・サビ菅

福祉の専門知識 × 現場10年 × 4児パパ。
机上の空論ではない情報を発信しています。

グループホーム・放課後等デイサービスの施設長・管理者を20代から経験。現在も現場の最前線に立ちながら、4人の子どもを育てる6人家族の父として、福祉と子育ての両方をリアルな目線で書いています。

  • 支援歴10年以上、管理職は20代後半から GH施設長 / 放課後等デイ管理者
  • 実務者研修・強度行動障害研修の講師資格あり 研修講師として登壇経験多数
  • 4人の子どもを育てる現役の福祉職パパ 6人家族 / 子育て × 仕事の両立を実践中
資格
  • 介護福祉士
  • 保育士
  • サービス管理責任者
  • 3級ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 実務者研修教員講習会修了
  • 強度行動障害支援者養成研修(基礎・実践)
  • 防火管理者(甲種)
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